予感してはいたが、朝日新聞から、産経新聞から、
東京新聞まで、全マスコミが、イギリスのEU離脱に驚き、
失望し、危惧を覚え、批判している。
ナショナリズムの台頭はいけないことだと主張している。
「一国平和主義」とか「孤立主義」とか「排外主義」とか
「トランプと一緒」とか「ルペンと一緒」とか言っている。
ものすごい紋切り型の思考で、今回イギリスで行われた
究極の民主主義「国民投票」で、100万票もの差をつけて
勝利した「離脱派」を批判している。
普段は民主主義を絶対の価値としているくせに、
都合の悪い結果が出ると「ポピュリズム」と言い出す。
EUという理念そのものが、知識人の空想平和主義の産物で、
設計主義的なイデオロギーだった可能性を考えようともしない。
EUが崩壊に向かうなら、TPPだって大いに危ういのだが、
朝日新聞から産経新聞まで賛成だから、不安になるのだろう。
だが、「自由貿易」による「カネ儲け」にしか興味のない連中は、
国柄を重視する国民主義としての「ナショナリズム」を否定して、
カネ儲けのための「グローバリズム」を推進したがる。
朝日新聞ら左翼は、市場絶対主義がジョンレノンの
「イマジン」のような、国境のない単一世界を実現し、
「人類みな兄弟」となって、戦争を防止できると考えている。
一方、産経新聞も市場絶対主義で単一色の世界になった方が、
カネ儲けに都合がいいと考える。
ようするに「経済第一」「国柄第二」なのは、朝日も産経も同じ。
これが、わしが「全マスコミが左翼」と認定する根拠である。
だれも「国柄を守るナショナリズム」を肯定していないのだ。
彼らはナショナリズムに「右翼」というレッテルを貼って、
トランプやルペンと共に「右翼括り」で一蹴しようとする。
だがこの先、トランプが大統領になったら、彼らはアメリカを
「右翼国家」と非難し、ルペンの政権が成立したらフランスを
「右翼国家」と詰るのだろうか?
ナショナリズムに「右翼」のレッテル貼りをする短絡性を、
考え直した方がいい時期ではないか。
「右翼」とは、フランス革命後の国民議会で、王位を守る側の
席が議長から見て右側だったというだけの語源に過ぎない。
もう少し、教養を前提にした議論をしてみたらどうだ?
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