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  • 「【ゴー宣道場】今年の展望」小林よしのりライジング Vol.341

    2020-01-07 21:15  
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     令和最初の新年、あけましておめでとう。
     ご譲位が無事行われて令和の正月を迎えられたことは、まずはめでたい。
     さて令和2年、2020年最初のライジングは、今年の展望を記しておこう。
     しかし今年は、本当に大変な年になりそうだ。
     2月9日には今年最初の「ゴー宣道場」が東京で開催される。テーマは「道場10年 成果と展望」である。
     4月に10周年を迎えるゴー宣道場を記念する回であり、ここで道場そのものの意義や、10年を節目として今後どう変わるか、これから何をしなければいけないかといった話をする。
    「ゴー宣道場」の最大の功績は、天皇陛下の生前退位を妨害しようとした安倍政権・自称保守派の企みを阻止し、ご譲位を実現したことである。
    「ゴー宣道場」はこの体験を生かし、さらに活動を拡大していくが、それがこの先どうなっていくかを占うような回をやろうと思っている。
     ただし、もしも何か一大事が起きてしまったら、予定しているテーマは大幅に変更せざるを得なくなる。
      昨年12月27日、政府は中東への海上自衛隊派遣を閣議決定した。
     年末ぎりぎりでニュース番組も激減し、人々の関心が政治や国際問題に向かなくなる時期に乗じて、重大な問題を国会での議論もなしに片づけてしまうというのは安倍政権の年中行事で、靖国参拝も、慰安婦問題「日韓合意」も、IWC脱退も年末のどさくさ紛れにやっつけたのだが、昨年はこれである。
      これによって今月から「調査・研究」の名目で護衛艦「たかなみ」とP3C哨戒機2機、260人規模の自衛官が中東に派遣される。 しかも、憲法の制約上「軍隊」としての行動が認められないままで。
     友好関係にあるイランへの配慮からホルムズ海峡やペルシャ湾を除外したというが、そんな折も折、 米軍はトランプ大統領の命令によりイランの精鋭軍事組織「革命防衛隊」のソレイマニ司令官を殺害。
     イランは報復を明言し、核開発を大幅に拡大するのは確実、一方米軍は3500人の部隊を中東地域に派遣する方針を示し、一気に緊張感が激化している。
     そんな時に海自は中東に派遣されるのだ。誰がどう見たって、アメリカの戦略にくっついていく行動としか思われないだろう。そもそも昨年の中村哲医師の殺害によって、もう中東における親日感情の遺産は完全に底を尽いてしまっていることは明らかなのである。
     それに、いくら現時点ではホルムズ海峡やペルシャ湾には行かないと言ったところで、もしも米・イランの軍事衝突が勃発した時、すぐ近くに海上自衛隊の部隊がいて、米軍から応援要請があったら、それを断ることなどできるのだろうか?
     いよいよ日本が米国の侵略戦争に巻き込まれる恐れが現実的になってきた。
     アメリカが中東情勢の方で手いっぱいになれば、当然ながら得をするのは北朝鮮だ。 米朝会談なんか無意味となり、北朝鮮はアメリカと完全に決裂して核保有へと突進していくかもしれない。
     今週末に行われる台湾総統選挙では蔡英文が優勢を保っているが、蔡英文総統が続投となれば、中国の習近平国家主席が目指す中台統一の野望は大打撃を受ける。そこへ来て香港情勢がくすぶり続けているとなれば、習近平は威信を保つためにも香港に対して強硬手段に出かねない。
      そんな習近平を安倍政権はこの春に国賓待遇で招こうとしているが、これも大問題である。
     そして日韓関係では、元慰安婦らが韓国政府に対して、慰安婦問題「日韓合意」は憲法違反だとして起こしていた訴訟については昨年末、韓国の憲法裁判所がさすがに却下する判断を下したものの、 慰安婦問題の解決の糸口は全く見えない状態のままである。
     ましてや、 徴用工問題で差し押さえられている日本企業の資産が現金化されたりしたら、一気に最も深刻な事態となってしまう。