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記事 4件
  • 「森友学園問題“愛国教育”でつながる安倍首相夫妻と省庁共謀疑惑」小林よしのりライジング Vol.214

    2017-03-01 18:25  
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    「ああ悠遠の神代より! 轟く歩調うけつぎて! 大行進の往く彼方! 皇国つねに栄あれ!」
     学校法人森友学園(大阪府淀川区・籠池泰典理事長)が運営する幼稚園・ 塚本幼稚園幼児教育学園 の園児が、大阪護国神社の「同期の桜を歌う会」に参加したときの様子だ。
     園児たちは、「五箇条の御誓文」と「教育勅語」を暗唱したあと、足を開いて踏ん張り、両手を後ろ手に組む姿勢をとって、声高らかに『日の丸行進曲』『愛国行進曲』など軍歌を歌い上げた。境内に集まった老人達の背後には 「七生報國 尊皇」 などと書かれた紫色ののぼり旗などがはためいている。
     園児らとともに笑顔で軍歌を歌う教諭の女性は、マイクを握りしめ、感極まった様子で声をつまらせ、こう語った。
    「平成29年度、(森友学園は)まもなく、 瑞穂の國記念小學院 を開校いたします。この中にいらっしゃる皆様にも、たくさんのお力添えをいただきまして、誠にありがとうございます」
    ◆安倍首相夫人が名誉校長「安倍晋三記念小学校」
     瑞穂の國記念小學院――森友学園が大阪府豊中市の国有地をタダ同然で取得し、新規建設している小学校だ。別名“安倍晋三記念小学校”。名誉校長には安倍昭恵首相夫人が就任し、理事長をつとめる籠池泰典氏は、日本会議大阪支部の役員でもある。また、籠池氏は差別団体「在特会」幹部が立ち上げた「日教組に解散を求める会」のメンバーであることも確認した。同団体には桜井誠ら在特会の人間も多数参加している。
     さて、感極まった女性教諭が老人達に感謝した 「たくさんのお力添え」 とは、この 籠池氏が理事長をつとめる小学校建設のために集まった寄付金 を指している。森友学園は、園児不足の塚本幼稚園を借金経営しており、新たに小学校を建設する自己資金に不足していた。そこで、“愛国教育”に共鳴する人々に寄付を求めたのである。 寄付金は、「安倍晋三記念小学校」の名で募られた。
     
    「安倍晋三記念小学校の寄附者銘板にお名前を刻印し、顕彰させていただきます」
     当初、この小学校を『安倍晋三記念小學院』という名前で開校しようと安倍夫妻に打診していた籠池氏は、週刊文春の取材に応じ 「安倍首相本人に内諾を得ていた」 と答えている。打診したのは野党時代だが、2012年12月の政権交代で総理になって「それは出来ない」と辞退されるという経緯があった。
      だが、この寄付金振込用紙は、2014年、首相として「アベノミクス」だの「三本の矢」だの連呼していた時期に何度も保護者に配られていたものだ。
     さらに、2015年9月、塚本幼稚園内で行われた安倍昭恵夫人の小學院名誉校長就任演説で、昭恵夫人がこう語っている。
    「籠池園長、副園長の、本当に熱い熱い思いを何度も聞かせていただいて、この瑞穂の國記念小學院で、何か私も役に立てればいいなと」
    「 こちらの教育方針は、大変主人も素晴らしいと思っている 」
      森友学園の愛国教育を、安倍首相が「大変素晴らしいと思っている」と強調している のだ。
     さらに、「瑞穂の国安倍晋三記念小學院」という名前については、安倍首相自身が 「総理大臣というのはいつもいいわけではなくて、時には批判に晒されることもある。むしろ名前をつけていただけるのであれば、総理大臣を辞めてからにしていただきたい」 と語ったことも話している。
     つまり、いまは現役首相だから問題があるけど、辞めてからなら、愛国教育を行う幼稚園に自分の名前を冠してもよい。安倍首相は、それほど森友学園の教育方針に共鳴している、という意味である。
  • 「スティグリッツとショーンKと小林よしのりの違い」小林よしのりライジング号外

    2016-03-19 16:50  
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    ゴーマニズム宣言 「スティグリッツ(ノーベル経済学賞)とショーンK(経歴詐称ホラッチョ)と小林よしのり(漫画家)の違い」  ノーベル経済学賞のスティグリッツは、グローバリズムの中ではトリクルダウンはないと言っていた学者だ。
     十数年前にこの人の著作で学んだからこそ、わしは小泉政権時代から一貫して、構造改革、新自由主義路線を批判してきた。
     そのスティグリッツがアベノミクスを評価した時には大きな違和感を覚えた。
     異次元の金融緩和で株価が上がり、為替差益で大企業の収益が伸びるのを見て、誤魔化されたのだろう。
     わしは権威に誤魔化されないから、理論的におかしいと思えば、例えスティグリッツが評価したって、ブレることはない。
      グローバリズムの中でトリクルダウンはないのは絶対だから、一般庶民には全然関係のない経済政策がアベノミクスなのだ。
     そもそも小泉政権下で竹中平蔵が 「供給不足」 と言ってた時から、わしはそうではない、 「需要不足」 だという確信を持っていた。
     その原因は、
    ①耐久消費財の必要性が限界に達している、
    ②少子化・人口減で国内市場が縮小している、
    ③将来不安で個人消費が伸びない、
    という3点である。
     スティグリッツは現在、安倍政権の「消費増税延期」のための権威づけで利用されているが、16日の首相官邸の会合では 世界経済の低迷の理由を「需要不足」と分析したらしい。
     まさにそれが正しい。
     そして 「財政出動で需要を創出するべき」 とも言ったらしいが、問題は需要創出のための公共投資の内容だ。
     公共投資と言えば、道路や橋の建設ばかりではない。
     ましてや東北に海の見えない防潮堤を作ることなどは完全に無駄づかいだ。
     地震対策は必要だし、老朽化した道路や橋やトンネルの修復など、国土強靭化には反対しないが、むしろ人手不足の状態に陥っているし、公共投資と言えばどうしても無駄なハコモノにカネを使ってしまうのが虚しいのだ。
      これはスティグリッツも言っていたが、待機児童のための保育所の増設や、保育士の増員、奨学金の無償化だって、「将来不安を減らすための公共投資」になるのだ。
     さらに少子化対策になるから、将来の個人消費の増大、GDPの増加に繋がる。
      これはボトムアップ型の経済対策で、加藤紘一氏が言っていた「学校区」に予算をつけて共同体の再生を目指すのも、少子化対策になるだろう。
  • 「アベノミクス『大本営発表』と日本の敗戦」小林よしのりライジング Vol.162

    2016-01-19 18:00  
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     年明け早々、安倍首相の 「パート月収25万円」 発言が波紋を呼んだ。
     こういう発言が首相の口から出ると、わしとしては「やっぱり自民党というのは、国民の実情をまったく知らないで、経済政策をやっているのだな」と確信する。
    「ただ株価だけしか見ない首相によって、富裕層向けの経済政策しかする気がないんだな」と思わざるを得ない。
     だが、それでも自民党の支持率は50%を超えている。他の政党よりマシだからというニヒリズムな理由によって。
     わしは今回もあえてアベノミクスにこだわろう。
    「パート月収25万円」 発言は1月8日の衆院予算委員会で、民主党の山井和則議員の指摘に反論する中で出てきたものである。
     山井議員は 、民主党政権の時よりも、第2次安倍政権の時の方が実質賃金は減少している と指摘、それに対して安倍はこう反論したのだ。
    「景気が回復し、そして雇用が増加する過程において、パートで働く人が増えれば、一人当たりの平均賃金が低く出ることになるわけであります。
     私と妻、妻は働いていなかったけど、景気が上向いてきたから働こうかということで働き始めたら、(月収で)私が50万円、妻が25万円であったとしたら、75万円に増えるわけでございますが、2人で働いているわけですから、2で割って平均は下がるわけです」
     景気が回復し、雇用が増加する過程においてはそういうデータが出ることもあると言ったわけだが、そこで例として言ったことが、妻がパートで働いて月収25万円…一体、どこにそんな職場があるというのか!?
     今どき、正社員だって月収25万円に満たない人はザラにいる。 最近のパート労働者の平均月収は、厚労省の毎月勤労統計調査によると8万4000円。「世帯主の配偶者」の収入で見ると、6万円程度だ。
     そもそも 「景気が上向いてきたから働こうか」 って、そんな人いるか!? ほとんどの家庭の主婦は、かつかつの家計を少しでも助けようとパートに出ているんじゃないか!
     さすがにこの発言はネット内で「炎上」する事態となったが、中には「例として計算しやすい数字を出しただけ」と安倍を擁護する者もいて、安倍も後日同様の釈明をした。
     バカなことを言ってはいけない。 普通の生活感覚があれば、「主婦がパートで月収25万円」なんて、例としてでも口には出ないものだ。
     安倍は庶民のことなど一切考えてもいない。それどころか、自分に庶民感覚が完全に欠落していることを自覚すらしていない。絶望的なほど世間知らずのバカ坊ちゃんのまま総理をやっているということが、一番の大問題なのである。
     首相の月給は205万円、これにボーナスなどの手当てを加えれば、年収で5000万円ほどになる。安倍にしてみたら「月収で私が50万円であったとしたら」という数字も、計算しやすい例として「安い」数字を挙げたつもりだったのだろう。
     かつて麻生太郎は首相だった頃、国会でカップ麺1個の値段を質問され、 「今、400円ぐらい?そんなにはしない?」 と答えに窮し、あまりにも庶民感覚が欠落しているとマスコミから袋叩きにあった。
      安倍の「パート月収25万円」発言は、それよりもはるかに大きな問題であることは間違いないのに、これがほとんど報道されていない。 マスコミが政権に抑えられている証しである。
     振り返れば第1次安倍政権の時は、
  • 「トリクルダウンがなければアベノリスクは確定」小林よしのりライジング Vol.161

    2016-01-12 17:55  
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     今年は元旦の『朝まで生テレビ』出演からスタートとなったが、番組はいつもより長丁場で5時間近くに及んだにもかかわらず、そのうち3時間近くがアベノミクスに関する議論に費やされた。
     そのために予定にあった慰安婦問題の「日韓合意」に関する議論は一言も触れられずに「時間切れ」で終わってしまった。
     
     わしはアベノミクスの議論をテレビでやってもしょうがないと思っている。テレビにはスポンサーが必要だし、スポンサーはアベノミクスを批判してほしくないのだし、年頭から景気が悪くなっているという悲観論を好むはずがない。
     大企業はアベノミクスの恩恵を受けているし、円安の為替差益だけでぼろ儲けして、内部留保を溜め込んでいる。
     経団連は安倍政権と蜜月状態なのだから、大企業はアベノミクスを批判するようなテレビ番組のスポンサーにはなりたくないだろう。
     さらにテレビ局の上層部は頻繁に安倍総理とゴルフをしたり、食事会をしたりしてるのだから、政権擁護になるのは仕方がない。
     アベノミクスに不利な番組作りをするはずがないのだから、この議題で3時間を費やすのは、安倍政権の応援としか思えないのだ。
     本気の議論ならわしなんか呼ばずに、浜矩子や榊原英資を呼べばいい。芸能タレント化している森永卓郎では勝てるはずがない。
     それよりも、年末のどさくさ紛れにバタバタと行われ、未だ評価の定まっていない慰安婦問題の「日韓合意」の方が視聴率が取れるはずだし、そのためにわしが呼ばれたのかと思っていた。
     この議論をやれば、共産党の小池氏と、民主党の辻元氏と、リベラルの三浦氏が安倍首相を擁護して、わし一人で批判するという興味深い対立が生まれたはずなのに、最後まで慰安婦問題は触れられなかった。
     それでわしはテレ朝に対する疑惑が生じてしまい、そこに「ヤラセ問題」が発覚したので、愕然としてしまったのだ。
     番組中に観覧席から「一般人」として民主党批判の発言をした大森昭彦なる人物は、実は自民党の大田区議だったという「ヤラセ疑惑」が放送終了後に発覚する事態となった。
     大森は約20年前から朝生のディレクターと知り合いで、当然ながらディレクターも大森が区議であることを知っていた。
     番組では、客席から意見を求める際に進行役の渡辺宜嗣アナが「大田区で建築板金業を営んでいらっしゃる大森さん、いらっしゃいますか」と指名して意見を求めたし、画面では大森がマイクを握ると「大森昭彦さん 建築板金業」という字幕が出た。
     大森が「自民党区議」であることを隠し、一般の「建築板金業者」として発言することは、事前に仕込んであったのだ。特定の政治的意図に基づいた「仕込み」だったのか否か、そこはわしには分からない。
      マスコミに安倍政権の圧力が浸透し、番組スタッフも権力に迎合していると、囁かれている現状があるにも関わらず、「朝ナマ」のこの失態はどうしたことか?
     実はこの件に関しては、今月中に田原総一朗氏と対談することになっている。来月の「SAPIO」に掲載されるだろう。
     とはいえ、いくら周到に安倍政権の擁護工作をしたところで、想定外の事態は起こるものだ。
     この日のわしにとっての最大の収穫は、元総務相・慶応大教授で、今も政府の産業競争力会議の議員を務める 竹中平蔵の口から、 「トリクルダウンなんてありえない」 という発言を引き出したことである。