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記事 66件
  • 「いるいる詐欺を殲滅せよ」小林よしのりライジング Vol.416

    2021-11-16 18:25  
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     わしが出演したYouTube松田政策研究所チャンネルの動画「特番『男系維持はできないのか?皇位継承問題を小林よしのり氏に問う』」が5日に配信され、4万1千回以上再生されている。
     https://www.youtube.com/watch?v=--PB81TIPj8
     もともと松田政策研究所代表・松田学氏の持論は「男系維持」であり、動画の説明欄でも
    「男系継承を守っていくためには、女系天皇容認論者の主張をよく把握した上で、十分な理論武装をしておく必要があると考えられます。今回、女系天皇容認論者として知られる小林よしのり氏との対談番組を配信するのは、そのような趣旨も踏まえてのものであり、当チャンネルとして女系天皇論を推進することを意味するものではありません」
    と断り書きをしている。支持者が男系論者ばかりだから、わしを出すにはあらかじめそう釈明しておかなければいけないのだろう。
     だがそれでも、議論のためには反対意見もよく聞かなければならないと、反発も承知でわしを呼び、あえて自分の主張はせずに聞き役に徹した松田氏の姿勢を評価しておこう。
     動画の前半は小室眞子さん・圭さんバッシングの批判で、17分30秒あたりから25分ほど皇位継承問題を話しているが、わしはここで徹底して「リアリティ」にこだわっている。
     今の皇室には、次世代の皇位継承資格者は悠仁さまだけで、このまま女性皇族が結婚して民間人になっていけば、将来の皇室は悠仁さまたったおひとりになってしまう。
     悠仁さまが結婚され、男の子が何人も出来るという「神風」が吹かない限り皇室は存続できないが、 「神風頼み」など絶対にできない!大東亜戦争も最後は「神風頼み」で負けたのだから。
     そもそも、男子が産まれなかったがために適応障害になってしまわれた雅子さまのケースを知りながら、それでも自分が男子を産まなければ皇室が消滅するというとんでもない重圧を負うことを覚悟して、悠仁さまと結婚する女性が現れるだろうか?
      もともと「男系継承」は「側室」とセットで、これが両翼となって維持されていた。側室が欠けて片翼になったら墜落するしかないのだ。
     男系が伝統というなら側室も伝統であり、大正天皇が事実上側室をやめ、昭和天皇が制度上も側室を廃止した時点で、男系の伝統も終わったのである。
      男系派は、旧宮家系の男系男子国民を皇族にするよう主張しているが、そうするには皇室典範改正が必要で、それには対象となる当事者が必要だ。
     いない人のために法律を変えることなどできないのだから、 まずは新たに皇族となるべき旧宮家系の男系男子とはどういう人か、国民に紹介して典範改正を訴えなければならない。
     それをせずに、ただ「当事者はいる」と言うだけでは 「いるいる詐欺」 である。ネッシーやビッグフットや宇宙人が「いるいる」と言っているのと同じだ。
     しかも、男系男子は1人では足りない。確率的には4つの宮家が必要だというから、それなら4人必要となる。
      今までの国民としての身分、職業、家族、人間関係の全てを捨てて、皇族になる人が4人もいるだろうか?
     さすがにそんな人はいないとわかってくると、櫻井よしこらは旧宮家系の「子供」を宮家の養子にするという案を言い出した。
     だが、自分の子供を養子に差し出す親がいるわけがないし、子供も親から離れて自由も人権もない所に行きたくもなかろうし、もし強制などしたら完全な人権侵害で、憲法違反になる。
      しかも養子を受け入れる宮家もなくて、養子になる側、養子をとる側、両側からいないのだ。
     すると今度は、櫻井らは廃絶した宮家に「家族ごと」入ってもらうという案を言い出したが、これはかつて竹田恒泰が言っていた説である。
  • 「自称保守派こそ、皇室を破壊する【勢力】である」小林よしのりライジング Vol.415

    2021-11-09 20:15  
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     小室眞子さん、圭さんが2021年10月26日に結婚された。
     圭さんの母親の金銭トラブルが報じられて以降、週刊誌は毎号のようにバッシング記事を掲載し、ネット配信記事のコメント欄には読むに堪えない罵詈雑言がこれでもかと書きこまれた。一方、尊皇心があると自認する自称保守派もまた、バッシングを繰り返している。ここ数ヵ月、彼らは何を言ってきたか? 果たしてそれは本当に尊皇心の発露なのか? 自称保守派の人々の発言を徹底的に見ていきたい。
    ■上から目線をやめられない男たち
    「自称保守論壇ムラ」に生息する典型的なタイプが、「歴史」「伝統」を持ち出して皇室のことに口出しする人々だ。圧倒的に男性が多く、ほとんど例外なく「上から目線」である。何を根拠にそう思っているのかは不明だが、自分は皇族の誰よりも皇室のことがわかっていると信じて疑わない。
     こういう根拠なき上から目線タイプは、「皇室を敬愛しているからこそ、あえて言うのだ」というスタンスを崩さない。
     かつて評論家の加瀬英明は、「皇太子殿下に敢えて諫言申し上げます」と題して、皇太子殿下(当時)の「人格否定発言」を 、「御皇室を尊崇する一人として、殿下の御発言はその御位にふさわしいものではなかった、と思う」 と批判している(『WiLL』2005年2月号)。尊崇すると書いておきながら、 「御皇室のありかたは、御皇室の方々が考えられるべきものではない。(中略)国民が決めることである」「天皇、皇后両陛下は、なるべく静かになさっていらしていただきたい」 とのたまうのだから、開いた口が塞がらない。
     このタイプで最近の典型例は、著作家の宇山卓栄だ。彼は次のように書いている。
    (眞子さま、圭さんの)結婚に反対すると、皇族のなさることに口を出すとは、不敬ではないかと言う人がいます。このような人は 皇室の御意向に黙って従うのが忠義であると勘違いしている のです。 「ならぬものはならぬ」と諫言することが真の忠義 です。
    (『WiLL』2021年11月号)
     呆れてものも言えない。「ならぬものはならぬ」とは、会津藩の「什の掟」に使われていた言葉だ。「年長者を敬え」「嘘をつくな」「卑怯な振る舞いをするな」などと、年長者が藩士の子供たちにあるべき姿を説いて、最後に「ならぬものはならぬものです」と、言い訳やごまかしを許さない強い言葉で締めくくられる。
     つまり宇山は、自分こそが敬われるべき年長者であり、道理のわからない子供(=皇族)に正しいことを教え諭すぞと言っているに等しい。何という思い上がりか。不敬以前に不遜である。
     そのくせ、眞子さまの結婚に際して、天皇皇后両陛下にごあいさつをされる「朝見の儀」、一般の結納にあたる「納采の儀」が行われなかったことに対し、 「天皇陛下も秋篠宮殿下も、この結婚を認めていない。これこそが正式な皇室の御意」 だとして、結婚に祝意を述べる人々を 「皇室の意に逆らってもよいと考えているのか。それこそが不忠・不敬ではありませんか」 と述べている。
     言っていることがムチャクチャだ。自分にとって都合のいいことは「御意」で、都合が悪いことに対しては諫言の士を気取るのだからタチが悪い。我こそが真の忠義、我こそが真の尊皇派。でもそれって突き詰めると、結局は自分勝手、自己満足でしかない。
     もう一つ見逃せないのは、宇山は、 「こんな不当な結婚を認めないということを、 結婚後も言い続けなければなりません 」 と記していることだ。それが 「国民にできる、せめてもの良識の表明」 だと言い切っている。
     本気か!!! 結婚して皇籍を離れた眞子さんは一般人だ。その人に向かって、生涯「結婚は認めない」と言い続けるのか? 良識なんてとんでもない、狂気の沙汰だ。「ストーカーは犯罪です!」とムラの仲間は必死で教えてやるべきだ。
     この粘着気質は、「御忠言シリーズ」を書いた評論家の西尾幹二を彷彿とさせる。西尾は13年前、「これが最後」と言いながら、5回にわたって皇太子殿下(当時)の「人格否定発言」への批判と雅子さまの悪口を雑誌に書き続けた。タイトルだけ列記しておこう。
    「皇太子さまに敢えて御忠言申し上げます」 (『WiLL』2008年5月号)
    「皇太子さまへの御忠言 第2弾! 皇族としての御自覚を」 (同6月号)
    「これが最後の皇太子さまへの御忠言」 (同8月号)
    「もう一度だけ皇太子さまへの御忠言」 (同9月号)
    「皇太子さまへの御忠言 言い残したこと」 (同10月号)
    ……しつこい!!
    ■勉強不足を思い込みでカバーする女たち
  • 「反論権のない皇族への壮絶な誹謗中傷」小林よしのりライジング Vol.413

    2021-10-20 17:05  
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     第101回「ゴー宣道場」は10月10日、岡山で「女性天皇・女性宮家は不可能なのか?」をテーマに開催された。
     岡山での開催は昨年3月以来2回目で、今回の応募者数は前回の倍にも及び、新規の参加者は20%強、大盛況といえる結果となった。
     参加者の応募受付期間は7月20日から8月17日までで、この間の社会はオリンピック・パラリンピックとコロナのデルタ株感染拡大の話題に染まり、皇室にはほとんど関心が向いていないような状態だったため、一時は会場が埋まるかどうか心配になった。
     だが、さすがに「ゴー宣道場」に関心を持つ人たちはそこまで世間の空気には左右されないようで、締切が近づくにつれて急速に応募者が増えたのだった。
     とはいえ、まだ世間の興味はコロナ禍にあり、そんな中で皇室をテーマにしても一般的には注目されないのではないかと思っていたのだが、開催間近となったところで、コロナは急激にピークアウトして話題がしぼんでいき、それと入れ替わるように小室圭氏の帰国、眞子さまの複雑性PTSD公表で、一気に皇室関連の話題で世の中は騒然となった。
     結果的にはこれ以上ない、絶好のタイミングでの開催ということになったわけで、やっぱり「ゴー宣道場」、何か持ってる。
     会場では、眞子さまと小室氏に対して「誹謗中傷した者一覧」をホワイトボードに書き出してもらった。記録として、その人名一覧を転載しておこう。
    岩田太郎 高橋真麻 竹田恒泰 亀山早苗 小田部雄次 安積明子 辛酸なめ子 清原博 加藤綾子 デーブ・スペクター 河西秀哉 アンミカ 山下晋司 牧嶋博子 窪田順生 宇山卓栄 山口真由 神田修一 宮下純一 篠田博之 青沼陽一郎 木村盛世 北原みのり 宮西憲春 片岡珠美 竹内久美子 おぎやはぎ小木 高岡達之 橋本琴絵 吉川美代子 篠原常一郎  もちろんこれでもほんの「氷山の一角」であり、芸能人・著名人ではむしろ「擁護した人」を見つける方が難しいのではないかという気さえする。
     また、この一覧の中には、自分が誹謗中傷していたことを「なかったこと」にして、今ではシレっと擁護に回っている者もいる。
     岡山の公論サポーター有志諸君は、さらにそれぞれの誹謗中傷発言についての詳細な資料までまとめてくれたのだが、あまりにも膨大なので、これにひとつひとつ批判していったら、とてもじゃないがライジングに収まる分量では済まなくなる。
     そこで今回はこれらすべてのバッシングに共通する、根本的な問題を指摘して批判を加えることにする。
     第一に指摘すべきことは、眞子さまら皇族に対するバッシングをやっている連中は、 「天皇や皇族の方々には反論権がない」 ということすら知らないバカどもだということだ。
     天皇・皇族は、名誉毀損や侮辱を受けても事実上、告訴はできない。刑法には一応 「天皇・皇后・皇嗣などの場合は、内閣総理大臣が代わって告訴する。その他の皇族は国民と同様に自ら告訴する」 とは書かれているが、この条文通りに告訴が行われたことはかつて一度もないのだ。
     高森明勅氏が紹介していたが、政府の見解は、こういうものだそうだ。
    「皇族という御身分の方が一般の国民を相手どって原告・被告で争われるというようなことは、これは事実問題としては考えさせられる点が非常に多いですから、まああまりないと思います」
    (昭和38年3月29日、衆院内閣委員会での瓜生順良宮内庁次長の答弁)
      これはつまり、皇族は事実上「告訴できない」と言っているに等しく、天皇・皇族を名誉毀損や侮辱から守る法的措置が、実際には何も存在していないということを意味している。
     もちろん問題は法的措置に留まるものではない。それならば皇族が一般国民を相手取って、言論を用いて争うことだって「考えさせられる点が非常に多い」ことになるのは当然で、もし皇族が国民と泥仕合の論争をやろうものなら、皇族の品位が大きく汚されてしまいかねないということも、重く考えなければならなくなる。
      つまりは、皇族は法的のみならず、言論においても一切の反論権はないのである。
      皇室バッシングをやっている連中は、反論権のない人を誹謗中傷しておいて、さらに 「なぜ批判に対して、何も説明しないのか」 と責め立てる。
     やろうとしたってできない反論を求めておいて、「なぜ反論しないのだ」と責めているわけで、まるでチンピラのイチャモンである。
     しかも、そこまで皇室について無知蒙昧であるにもかかわらず、そいつらは決まって、 あたかも自分は皇室に関心を持ち、皇室のことを思っているからこそ言っているのだというポーズをとっている。
  • 「天皇陛下・眞子さま・小室氏」小林よしのりライジング Vol.407

    2021-08-17 19:45  
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     ゴー宣道場やwebサイト「愛子さま 皇太子への道」では、天皇や皇室に対して敬意を持つのは常識だという認識が当然のように醸成されている。
     もちろんそれはいいことではあるが、しかしこれは世間一般の感覚とはものすごく乖離しているということは、自覚しておいた方がいい。
     わしとて天皇陛下に敬意は持っているが、ただ賛美のみしているわけではない。場合によっては、懸念や疑念を持つこともある。
     例えば今回の東京オリンピックの開会式だ。
     開催国の元首が行う開会宣言の文言は、オリンピック憲章で一言一句まで細かく決められている。
     原文は英文と仏文だが、JOCの邦訳によればこうだ。
    「私は、第 〇 回近代オリンピアードを祝い、(開催地名)オリンピック競技大会の開会を宣言します」
     実際、前回の東京五輪は昭和天皇が 「私は、第18回近代オリンピアードを祝い、ここにオリンピック東京大会の開会を宣言します」 と憲章どおりに開会宣言をされている。
      ところが今回、天皇陛下はこの文言の「祝い」を 「記念する」 に変更し、「私は、ここに、第32回近代オリンピアードを 記念する 、東京大会の開会を宣言します」と言われたのだ。
     英文で「祝い」は「celebrating」であり、これを「記念する」としたのはギリギリの「意訳」である。
      だがわしは「第32回近代オリンピアードを祝い」と言っていただきたかった。
     この文言の変更は、宮内庁が 「天皇陛下がコロナ禍での五輪開催を祝福していると誤解を招く」 と懸念して行ったと報じられているが、もちろん、こんな変更が天皇陛下のご意思と無関係に行われるはずがない。
     わざわざ「祝い」という言葉を使わなかったのは、やはり陛下ご自身が新型コロナを本当に怖い病気だと信じ込んでいるからだろう。
     天皇陛下は新型コロナについては、政府からの情報しか受けていない。 昨年4月と11月には、あの尾身茂がご進講を行って直接説明しており、陛下は尾身を相当に信用していると思われる。だからこそ尾身は、首相よりも偉そうに見えるほど大きな態度が取れるのだ。
     尾身は五輪開催5週間前の6月18日、 「五輪は無観客が望ましい」 と提言したが、有観客開催に意欲を燃やしていた菅義偉首相は、提言を受け入れるかどうかを明言しなかった。
      その4日後の22日、菅は天皇へ内奏を行った。 その内容は一切公表されないが、当然ここで五輪に関する報告が行われ、観客問題も話題に出たはずだ。
      さらに2日後の6月24日、宮内庁の西村泰彦長官は定例会見で、天皇陛下が「五輪・パラリンピックの開催が感染拡大につながらないか、ご懸念、ご心配であると拝察する」と異例の発言を行い、大きなニュースになった。
     もちろんこれも、宮内庁長官が勝手に憶測を言うことなどない。例によってこれは、天皇陛下が自ら語れないご意思を世に伝える際に使う奥の手だ。
     西村長官は警察官僚出身で警視総監まで出世し、安倍政権で内閣危機管理監を務めた後、宮内庁次長に転じて長官に昇進した。
     この人事は安倍政権が宮内庁を支配下に置き、皇室までもコントロールしようとしたものだったのだが、その目論見は完全に外れた。
     西村は実直な能吏タイプで、安倍政権の危機管理監を務めたからといって政権の言いなりになるつもりなどさらさらなく、宮内庁長官になったからには実直に天皇陛下にお仕えしようとする人物だったのだ。
     だからこそ政権に都合の悪い 「天皇陛下がオリ・パラに懸念」 という発言もしたわけだし、それが天皇陛下の本心であることも間違いない。
      そしてこれを機に菅首相の態度はずるずると後退していき、その後の「感染拡大」の影響もあって、五輪は無観客で開催されることになったのだ。
     あくまでも推測ではあるが、天皇陛下は尾身の提言を強く意識して、内奏の際に菅に五輪は無観客にはできないのかと尋ね、菅はこれに明確な答えを避け、有観客に含みを残したのだろう。それで2日後に宮内庁長官があの発言をした。菅はこれで、天皇陛下がそこまで強く無観客開催を望んでいるということを思い知らされ、方針転換を余儀なくされたのではないか。
  • 「消費増税の結果が出た」小林よしのりライジング Vol.339

    2019-12-17 23:05  
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     消費税が8%から10%に引き上げられて、2か月が経過した。
     4月のゴー宣道場に招いた京都大学大学院教授・藤井聡氏は、消費増税こそが長年のデフレと経済低迷の原因であり、今このタイミングで消費増税なんかやると地獄になると主張。その様子は『ゴーマニズム宣言2nd season』3巻・第48宣言にも描いた。
     だが、それでも増税は行われた。そしてその結果、どうなったか?
     先月28日、経産省は10月の商業動態速報値を発表。
     それによると、 小売業の販売額は前年同月比で7.1%減と、やはり消費は大幅に下落していた。
     藤井氏は12日放送のテレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」の「そもそも総研」にVTR出演、 「ボロボロになるだろうとは思っていたが、私の想像を上回るぐらいボロボロに今なっています」 と語った。
     2014年に5%から8%に 3%増税された時の消費の落ち込みは4.3% にとどまっていたのに対し、 今回は2%の増税で7.1%も落ち込んでおり 、これは相当の事態だと藤井氏は言う。
     しかも、小売業全体では7.1%減だが、値段の高いものほど落ち込みがひどく、 自動車は17.0%減、家電などの機械器具は15・0%減、百貨店等の各種商品13.2%減、燃料13.0%減で、小売業全9業種のうち8業種の販売額が減少 、増加したのは医薬品・化粧品だけで、それもわずか0.3%増だった。
      注目すべきは、増税されていない飲食料品まで2.2%減ったことだ。 政府関係者は、景気にダメージがないように軽減税率の導入で万全の策をとったなどと言っていたが、やはり他のものが全部高くなってしまったら、どこかで節約しなければという方向に消費マインドが動き、増税していなくても食料品の支出も抑えてしまうというのは当然の流れである。
     こうして消費が落ち込んでしまったら、あとは藤井氏がゴー宣道場でも力説していたことが起こるだけだ。
     経済成長のメインエンジンと言われる 消費が落ち込めば、経済は成長しなくなり、所得は落ちて、税収も減る。税収を増やす目的で税率を上げたはずが、逆に税収を減らしてしまうのだ。
     藤井氏は、景気を上向かせて税収を上げるには消費税廃止が一番であり、まずはせめて5%に下げるべきだと主張した。
     消費増税は、福祉などのために必要だと思っている人は多い。実際に政府は8%への引き上げ時のポスターに 「消費税率の引上げ分は、全額、社会保障の充実と安定化に使われます。」 と明記していた。当時は内閣官房参与だった藤井氏も、官邸の主要な人たちも、みんな100%社会保障に回すものと思っていたという。
      ところが実際には社会保障には2割しか回っておらず、8割は借金返済に回されていたのだ!  どうやら「社会保障の充実と安定化」とは、借金を返すことによって社会保障の財源を「安定化」させることも含むというロジックだったようで、「ほとんど詐欺みたいな話」と藤井氏は言う。
     消費税を上げたために消費マインドが冷え込み、税収が減って、借金ができる。その借金を返すために、消費税上げた分をぶっ込むって、馬鹿じゃないのか? 福祉にお金は回らない、景気も良くならない、わざと悪い方向に行くようにやっているとしか思えない。
     しかし、こんなデタラメなことになっていても、それをきちんと伝えているのは「そもそも総研」くらい。
     そして、消費税廃止または税率引き下げを主張しているのは、れいわ新選組と共産党くらいだ。
      立憲民主党はというと、実は、消費増税賛成派なのだ!
  • 「教師いじめのみじめなポリコレ」小林よしのりライジング Vol.334

    2019-10-22 20:15  
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     小学校の教師が、別の教師にいじめをやっていたというニュースを最初に聞いた時、わしは何のことやらわからんという感覚になった。
     思いもよらない、あり得るはずがない幼稚な事件が起こっていたので、リアル感がなかったのだ。
     いじめを止める側の立場である教師が、同僚教師にいじめをやっているなんて社会の劣化がまた一段階進んだと思うしかない。20年前に「学級崩壊」といわれた時は、崩壊していたのは子供の秩序だけだったが、ついには教師の秩序崩壊まで始まったのか!
     
     その後、具体的な状況が報じられてきたが、いい歳した大人が、人を羽交い絞めにして食えないような激辛カレーを無理やり食わせたり、キムチ鍋の原液を大量に飲ませたり、相当に愚劣なことをやっている。
     さらに加害教師たちがやったことを列挙していくと… 「髪の毛や衣服を接着剤まみれにする」「熱湯の入ったやかんを顔につける」「プロレス技で首を絞め上げる」「ビール瓶を口に突っ込み、飲ませた後に瓶で頭を叩く」「かばんに氷を入れる」「ダメージ加工のジーンズをビリビリに破く」「同僚教員にわいせつ文言を無理矢理送らせる」「『ボケ』『カス』『性病』『犬』、ポンコツを意味する『ポンチャン』等、暴言、侮辱の言葉の数々」「被害教師の車の上に乗る」「車内に飲み物をわざとこぼす」「車に大量の灰皿の水をまき散らす」「送らせた後、窓から下車したり、足でドアを閉める」「トマトジュースをかける」「携帯電話を隠す」「携帯電話にロックをかける」「お土産を催促して、買ってきたら捨てる」「仕事が終わってないのに、せかして悪口を言う」「指導案に落書きする」「ラーメン屋で、卓上にあった生姜の汁、酢を水に入れて飲ませる」「大量の菓子を口に詰め込む」「輪ゴムを顔に当てる」「背中を肘でグリグリと押す、足を踏みつける」「乳首をあざになるほどつねる、掃除機で吸う」「酒を強要し、拒否すると平手打ち」「印刷用紙が入った段ボール箱をいきなり頭に置く」「コピー用紙の芯で尻をミミズ腫れができるほど殴る」 …
     加害行為は50種類にも及ぶという。よくこれだけ思いつくなと思ってしまうが、よっぽど楽しかったんだろう。
     さらに加害教師たちは、児童に対しても被害教師の悪口を言ったり、いじめの様子を面白おかしく話したり、被害教員が受け持つ児童に対して、学級をめちゃめちゃにするようけしかけたりもしていたという。
     しかも加害行為は他の教師数名にも及んでおり、中でも他の男女教師に性行為をするよう強要し、その証拠画像を被害教師に送らせていたと週刊文春が報じている。もう完全に犯罪行為である。
     しかも、主犯格のいじめ教師が女性で、子分の男性教師3人にいじめをさせていたというのだから、もうわけのわからなさが度を超えている。妙なところで「女性の地位向上」が進んでいるが、かつての赤軍派の永田洋子みたいなものかもしれない。
     被害教員は2年余りいじめを受けており、昨年には被害を当時の校長に訴えたが、主犯格の女教師がその校長のお気に入りだったために、もみ消されていたらしい。
     被害教師は今年4月ごろから吐き気や睡眠障害、動悸などの症状が強く出るようになった。7月には現在の校長が事態の一部を把握して加害教員4人を指導したが、主犯女教師が現校長よりも権力の強い「女帝」と化している状態だったために効果はなく、被害教師は「くそやな」「ママによしよししてもらえ」などの暴言を浴びせられ、さらにいじめを受ける結果となった。
     被害教師は8月には「2学期が始まれば、またやられる」と思い詰めて精神状態が悪化し、9月から仕事を休んで療養を余儀なくされ、それでようやく事態が表沙汰になったのである。
     大人のイジメはもっと陰湿で巧妙にやるものかと思っていたが、その手法は子供と全く同じに幼稚で直接的で、激辛カレーを食わせてケタケタ笑っている様子などクソガキそのものだ。
     加害男性教師は、「嫌がっているとは思わなかった」と言っているらしいが、これも子供の言い訳そのもので、これだけのことをして本当に相手が嫌がっていると思わなかったのなら、もう人間の基本的な情緒が欠落している。
     加害教師4人は「謝罪文」を公表したが、これまた子供が叱られて渋々書いた反省文みたいな文面だった。
     それどころか、主犯女教師に至っては 「本当にそれまでは、被害教員には自分の思いがあって接していたつもりです」「彼が苦しんでいる姿を見ることは、かわいがってきただけに本当につらいです」 などと一切悪いことをしたとは思っていない様子で、読んで寒気を感じた。
     こんなのには懲戒免職は当然で、さっさと立件して刑務所にぶち込むべきだ。
     いじめは、いじめる側が100%悪いのは当然だ。「いじめられる側にも非がある」といった観念が蔓延しているから被害者はなかなか人に相談できず、中には本当にいじめられる自分の方が悪いと思い込んでしまい、自分だけを責めた挙句、自殺に至ってしまう場合すらある。
     だから、いじめは加害者が100%悪いということは、常識にしなければならない。
     だが同時にそういう判定が常識になったとしても、競争社会であり、優劣をつける社会である以上、いじめられる側の大人にも言っておくべきことはあるのではなかろうか?
      大人であって、社会人である。子供と一緒に扱わなくともいいのではないか?
  • 「男系カルト・阿比留瑠比、論破まつり」小林よしのりライジング Vol.314

    2019-05-14 21:20  
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     新天皇陛下の即位により、現状では皇位継承資格者がたった3人、次世代の者は悠仁さまたった一人という恐るべき事実が誰の目にも明らかになった。
     そしてこれに対処する方法は、女性宮家を創設し、女性・女系天皇を認める以外にないということも、大多数の国民の共通認識となってきた。
     これに対して尋常ではない危機感を抱いているのが、男系男子固執の自称保守陣営だが、追い詰められて主張がどんどんトチ狂っていくのがなかなか見ものではある。
     この問題は、必ず女系(双系)公認の側が勝つ。その時に、逆賊たちが何を言っていたかは確実に歴史に残しておく必要があるので、このライジングの『ゴー宣』も、随時そんな記録の場としたいと思う。
     新天皇ご即位の記事が紙面を賑わした5月2日の産経新聞には、「皇位継承 歴史の重み 女性宮家創設には問題」という記事が載った。
     
     筆者は産経のエース記者・阿比留瑠比だが、どう見ても「問題」なのは阿比留の頭の中の方だ。
     なにしろ、阿比留は 「『女性宮家の創設』には、見逃せない陥穽(かんせい)がある」 として、こんなことを書いているのだ。
     現在、与野党を問わず女性宮家創設や、現在は皇室典範で父方の系統に天皇を持つ男系の男子に限られている皇位継承資格を、女性や女系の皇族の子孫に拡大することを検討すべきだとの意見が根強くある。
     とはいえ、これはあまりに安易に過ぎよう。
     仮に女性宮家を創設しても、一時的に皇族減少を防ぐだけで皇位継承資格者が増えるわけではなく、その場しのぎでしかない。
     何を言ってるのか、全くわからない。
      女性宮家を創設して、皇位継承資格を女性や女系の皇族まで拡大すれば、当然皇位継承資格者は増える。
     それなのに阿比留は、女性宮家を創設しても 「皇位継承資格者が増えるわけではなく、その場しのぎでしかない」 と書いている!
      どうやら阿比留は「女性宮家創設」と「女性・女系皇族への皇位継承資格拡大」を、全く別物と考えているらしい。
      女性宮家とは、皇位継承権がなく公務をするだけのものと、勝手に思っているのだ!
     確かに野田政権下で検討された「一代限りの女性宮家」はそういうもので、「公務の負担軽減」だけを目的とする「その場しのぎ」でしかなかったが、今回は違う。退位特例法の付帯決議は、こう書いているのだ。
     政府は、安定的な皇位継承を確保するための諸課題、女性宮家の創設等について、皇族方のご年齢からしても先延ばしすることはできない重要な課題であることに鑑み、本法施行後速やかに、皇族方のご事情等を踏まえ、全体として整合性が取れるよう検討を行い、その結果を、速やかに国会に報告すること。  つまり、 「安定的な皇位継承を確保するための諸課題」、具体的には「女性宮家の創設等について」 検討するよう政府に求めているのである。
     ところがこの文章を、八木秀次(麗澤大教授)は信じられない解釈で読んだ。
  • 「即位のお言葉から見える主体的意思」小林よしのりライジング Vol.313

    2019-05-07 22:20  
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     実にいろいろあったが、平成から令和への御代替わりが無事に行われ、まずは安心している。
     それにしても、天皇が生前退位したら「国体の危機」だとまで言って反対した自称保守言論人たちが、いざ生前退位の実現を目の前にしても誰一人諌死するわけでもなく、それどころか相次いで祝意まで述べたのには心底呆れ果てた。
     共同通信の世論調査では、 今後の天皇についても退位を「認めるべきだ」とする回答はなんと93.5% 、 「認めるべきではない」はわずか3.5% だった。安倍政権や自称保守がいくらご譲位を「特例法」に基づく「一代限り」のものだと言おうと、今回が先例となり、今後もご譲位が行われるようになるのは確実である。 もっとも、その都度特例法を作るのではなく皇室典範を改正する必要があるし、女系・女性天皇、宮家を認める典範改正はさらに速やかに行わなければならないということは、言うまでもない。
     さて、今回は新帝陛下の天皇として最初のおことば(令和元年5月1日、即位後朝見の儀)に注目したい。
     まずは全文を掲げよう。
     日本国憲法及び皇室典範特例法の定めるところにより、ここに皇位を継承しました。
     この身に負った重責を思うと粛然たる思いがします。
     顧みれば、上皇陛下には御即位より、30年以上の長きにわたり、世界の平和と国民の幸せを願われ、いかなる時も国民と苦楽を共にされながら、その強い御心を御自身のお姿でお示しになりつつ、一つ一つのお務めに真摯に取り組んでこられました。上皇陛下がお示しになった象徴としてのお姿に心からの敬意と感謝を申し上げます。
     ここに、皇位を継承するに当たり、上皇陛下のこれまでの歩みに深く思いを致し、また、歴代の天皇のなさりようを心にとどめ、自己の研鑽に励むとともに、常に国民を思い、国民に寄り添いながら、憲法にのっとり、日本国及び日本国民統合の象徴としての責務を果たすことを誓い、国民の幸せと国の一層の発展、そして世界の平和を切に希望します。
     これを、上皇陛下の天皇として最初のおことば(平成元年1月9日、即位後朝見の儀)と比較すると、興味深いものが見えてくる。
     なお文中の「大行天皇」とは、崩御した天皇が諡号を贈られるまでの呼び名で、ここでは昭和天皇のことである。
     大行天皇の崩御は、誠に哀痛の極みでありますが、日本国憲法及び皇室典範の定めるところにより、ここに、皇位を継承しました。
     深い悲しみのうちにあって、身に負った大任を思い、心自ら粛然たるを覚えます。
     顧みれば、大行天皇には、御在位60有余年、ひたすら世界の平和と国民の幸福を祈念され、激動の時代にあって、常に国民とともに幾多の苦難を乗り越えられ、今日、我が国は国民生活の安定と繁栄を実現し、平和国家として国際社会に名誉ある地位を占めるに至りました。
     ここに、皇位を継承するに当たり、大行天皇の御遺徳に深く思いをいたし、いかなるときも国民とともにあることを念願された御心を心としつつ、皆さんとともに日本国憲法を守り、これに従って責務を果たすことを誓い、国運の一層の進展と世界の平和、人類福祉の増進を切に希望してやみません。
     構成も内容もほとんど同じで、同じ言葉も多く見られる。つまり、同じ部分は新天皇陛下が上皇陛下からそのまま引き継ごうとされていること、そして違っている部分は、新天皇陛下が新たに考えておられることであろうと推察できるわけである。
     まず目につく違いは、もちろん当然なのだが、 新天皇陛下のおことばには先帝に対する追悼がないこと で、新天皇陛下の即位が上皇陛下の時とは違い、「深い悲しみのうち」のものではなくてよかったと、改めて思わされる。
     そして今回特に話題になっているのは、最後の段で上皇陛下の時は 「日本国憲法を守り」 とおっしゃった部分が 「憲法にのっとり」 に変わったことだ。
  • 「伊藤詩織『Black Box』裁判記録とその検証〈2〉」小林よしのりライジング Vol.311

    2019-04-16 22:25  
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     伊藤詩織著『Black Box』がフランスと台湾で翻訳出版された。台湾版の帯には、元警察トップの侯友宜氏による《「正義」は私の人生の信念です。この本は社会への警笛です。性暴力の被害者は、ほかのすべての犯罪被害者と同じく、非難ではなく同じサポートを必要としていることを理解してください。》という推薦文が掲載されている。
     殴打された、刺された、轢かれた、首を絞められたなどの被害者には親身になって耳を傾けるのに、「レイプされた」となると途端に被害を受けた女性に対して「落ち度があった」という言い分が通りはじめる。それがいかに異様で、どこかにいる別の女性にまで沈黙と泣き寝入りを強いる空気を作っているのだという認識を、もっと広めていかなければならないと思う。
    ■カルバン・クラインのCMと下着
     伊藤詩織さんは「カルバン・クライン」のキャンペーン(動画はこちら)に起用されたが、そのかっこよさ、美しさはもとより、 「サイレンスブレーカー(沈黙を破る人)」 と添えられていることも印象的だった。2017年の「#MeToo運動」で、顔と実名を出して性暴力被害を訴えた女性たちを賞賛する呼称として広まったものだが、カルバン・クライン側から詩織さんへこの呼称の提案があったようだ。
    「被害を受けたなら、被害者らしくふるまえ」 というような、狭い了見と偏見の中に他人を押し込めたがる高圧的な無知とは正反対の姿勢である。
     カルバン・クラインからのオファーについて、詩織さんは次のように発言している。
     カルバンクラインから連絡をいただいた時は、いくら女性をエンパワーしたいと言われても下着と聞いて、お断りするつもりでした。被害後、自分の体が嫌で体を脱ぎ捨ててしまいたいと何度も思いました。
     しかし 「レースの下着を履いていたから同意していた」と無罪判決になったアイルランドでのニュース (※あとで解説)を見て、これまで自分自身に向けられた服装への批判などがフラッシュバックしたと同時に、このCKオファーについて考え直し、参加させていただくことにしました。
     どんな格好をしていようが、どんな下着を身につけていようがそれは同意にはなりません。
     これまで多くの方々に支えられ勇気付けられ、前を向いて歩き続けることができました。身の危険を感じ日本に帰るたびに自分を隠していた変装もやめました。
     そして今まで「被害者」をはじめ色々なラベルが付けられましたが、今回は「サイレントブレーカー」という新しいラベル付けをされました。被害者より、ずっといい。
     撮影、インタビュー中に被害について一切触れなかった、このキャンペーンに関わってくださった方々の配慮に感謝です。被害者でなく、一個人、人間として扱っていただいたそんな嬉しいものでした。ありがとうございます。
    (伊藤詩織さんfacebookへの記述より)
      アイルランドでのレースの下着による無罪判決 とは、2018年11月5日に報じられたレイプ裁判のことだ。17歳の少女が、強姦されたとして27歳男性を訴え、泥地の上を30メートル近く引きずられたことなどを証言し、また、男性が少女の首に手を当てているところを見たという目撃証言も出た。
     だが「レイプではなく、お互いに惹かれあってセックスした」と主張する被告人の弁護を担当した女性弁護士が、なんと法廷で、事件当日に少女が身に着けていた下着を広げて示し、 「少女が当時どのような姿だったかを確認してほしい。彼女はレースの紐パンツを身につけていた。彼女が男性を魅力的に思い、関係を結んだという可能性がある」 との旨を主張したのだ。
     これによって合意の上でのセックスだったのではという印象が持ち上がり、陪審員によって無罪判決が下された。12名の陪審員のうち8名は男性で、一部情報によれば、協議は1時間程度だったとも言われている。
     判決を受けて、アイルランドでは女性たちの怒りが大爆発。 「レースの下着は性行為の同意をしたことにはならない」 と抗議運動が起きた。
     この怒りには共感する。もし自分が被害者だったなら、訴え出るだけでも相当な思いをしているのに、はいていた下着を衆人の前に広げて見せつけられるなど、恥辱の極みだ。さらにその下着が誘惑的だのなんだの評されて、レイプを正当化され、責任をなすりつけられたのでは絶望してしまう。
     だが、下着を理由にレイプが正当化されたのははじめてではない。
  • 「佳子さまバッシングの卑しさ」小林よしのりライジング Vol.310

    2019-04-09 22:00  
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     新しい元号「令和」が発表された日の、祝賀ムードの盛り上がり方は本当にすさまじかった。
     昭和から平成への改元は、昭和天皇の崩御に伴うものだったから祝賀どころではなかったが、今回は国民こぞっての慶びの中での改元となるわけで、このこと自体はよかったと思う。
     だが、わしは警戒心を解いてはいない。
     いまの祝賀ムードはただ単にお祭り騒ぎがしたいだけで、空気が変われば人々はあっさり手のひらを返して、皇室バッシングを始めるのではないか?という疑念が晴れないのである。
     大衆とは、それほど無節操で残酷なものなのだ。
     現に、秋篠宮家の長女・眞子さまと小室圭さんのご結婚を、何が何でも破談にしたいというバッシングの炎は消える気配もないままで、今度は眞子さまを擁護した妹の佳子さまにまで火の手が広がっている始末だ。
     3月22日、国際基督教大学をご卒業されるにあたり、佳子さまが宮内記者会の質問に回答した文書が公表された。
     記者の質問の中には「眞子さまの結婚関連儀式の延期をどう受け止めていますか」というものがあり、これに対して佳子さまは 「私は、結婚においては当人の気持ちが重要であると考えています。ですので、姉の一個人としての希望がかなう形になってほしいと思っています」 と、小室氏との結婚を望み続けておられる眞子さまを支持する意向を示された。
     そして、続けてこう発言されたのである。
    「また、姉の件に限らず、以前から私が感じていたことですが、メディア等の情報を受け止める際に、情報の信頼性や情報発信の意図などをよく考えることが大切だと思っています。今回の件を通して、情報があふれる社会においてしっかりと考えることの大切さを改めて感じています」
     一応「姉の件に限らず」とはしているものの、これは誰が見ても眞子さまと小室さんに関して、信頼性のない報道があるということを示唆するものだった。
     これに対してメディアは反省するどころか、逆に集中砲火を浴びせたのである。
     週刊新潮と週刊文春は競って特集記事を組み、女性セブン、女性自身にも佳子さまバッシングの記事が載った。
     これに大喜びだったのが月刊「Hanada」編集長の花田紀凱で、産経新聞3月30日付の連載コラム「週刊誌ウォッチング」にこう書いた。
    『文春』は「奔放プリンセス佳子さまの乱全内幕」、『新潮』は「『佳子さま』炎上で問われる『秋篠宮家』の家庭教育」。内容的には『新潮』。
    〈「そもそも『公』より『私』を優先なさるお二人の姉宮のご様子を見るにつけ、何より『公』の重要性を理解されねばならない悠仁さまへの“帝王教育”は大丈夫なのか、と不安にならざるを得ない」〉(秋篠宮家の事情に通じる、さる関係者)
     いったい何を根拠に眞子さま、佳子さまが「『公』より『私』を優先」しているというのか? そもそも、佳子さまの回答をきちんと読んだのか?
     佳子さまは公務について、こう語っておられる。
    「公的な仕事は以前からしておりましたが、卒業後はその機会が増えることになると思います。どのような活動に力を入れたいかについては、以前にもお答えしたことがありますが、私が何をやりたいかではなく、依頼を頂いた仕事に、一つ一つ丁寧に取り組むというのが基本的な考え方です。これまで行った仕事は様々な分野のものがありました。大学生活で、一つの分野を集中的に学んだ経験も、幅広く学んだ経験もこれからの仕事に活かすことができれば嬉しく思います」
     新潮、文春ともに、佳子さまとご両親の秋篠宮殿下、紀子妃殿下が不仲であるかのように書き立てているが、佳子さまはこうおっしゃっている。