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記事 6件
  • 「マウントを取りたいだけの男系派」小林よしのりライジング Vol.469

    2023-05-16 20:45  
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     7月23日(日)13時から開催される、公論イベントSpecial「愛子さまを皇太子に」の参加者募集が今週19日、正午からスタートする。
     ゲストに 菅野志桜里氏、矢部万紀子氏 を迎えて4時間の大議論を行う他、様々な企画を用意して、愛子さまに皇太子になっていただくための一大応援イベントを繰り広げる予定である。
     入場無料だが、事前の申し込みが必要なのでぜひ早めに応募してほしい。
     わしは10年近く前、宮内庁からの呼び出しを受け、宮内庁長官と官房審議官と会談をした。
     それまでわしは、天皇(現・上皇)陛下が女性・女系天皇を認め、愛子さまを次の皇太子にしたいというご意思をお持ちだということについて、90%くらいの確信を持っていた。
      それがこの時の会談で、宮内庁側がわしの主張と完全に同調していて、ツーカーで意思疎通ができたことから、確信は100%に変わったのだった。
     ただしそのことについては、わしはその後、ごく限られた人にしか明かさないようにしてきた。
     しかし先日、ついにその禁を説き、SPA!5月2・9日合併号掲載のゴーマニズム宣言『愛子天皇論』でこれを描いた。
     わしは宮内庁側からは特に口止めもされなかったので、すぐに誰に話しても別に構わなかったのだが、10年近くの間、この件をどう扱うべきか、ものすごく悩んできたのである。
     宮内庁長官と話して、天皇陛下のご本心がわかったと言えば、いかにも強力な武器を手にした感じにはなるだろう。それはまさに「錦の御旗」を掲げているのと同じようなことになる。
     だが、わしはそこで躊躇を感じた。もしこのことを公開したら、どんな反応が返ってくるだろうかと考えたのだ。
      まず、必ず「作り話だ」と言ってくる者がいるだろう。
     では、そこで宮内庁側との会談が本当にあったことの証拠として、宮内庁長官の名刺を公開するか?
     いくらなんでも、人の名刺で自分の発言の信用性を担保しようなんて、あまりにみっともなくてわしにはとてもできないし、 「宮内庁お墨付き」を振りかざすなんてことは、完全にわしの美学に反する。
     この会談の席では、わしは 「これは皇后陛下の御本です」 として一冊の本をいただいているが、それを公表するわけにもいかなかった。
      その本には皇后陛下が貼られた 「付箋」 が何枚もついていて、そのページを見れば、皇后陛下が何をお考えかが推察できるようになっており、それは「女性天皇」を示唆しているとしか思えないものだった。
     高森明勅氏の忠告によれば、皇后陛下が勝手にそんなことをできるわけはないので、その推察できるご意思は、 そのまま天皇陛下のご意思である ということだった。その翌日にも、高森氏はわしの仕事場を訪れ、御本の付箋ページのコピーを取っていった。
     この本を見せびらかせば、立派な「錦の御旗」になるかもしれないのだが、それでは「権威主義」であり、そうはできないとわしは思った。
     わしは迷った結果、これは一般公開できることではなく、ごく限られた人にだけ、内々に明かすしかないと判断した。
      当時のゴー宣道場の設営隊員には、開場前に集合をかけて話し、今後の道場の役割がものすごく大きくなることを知らせた。
     そして、 尊皇心があって力になってくれるかもしれないと見込んだ政治家には、個別に会って話していった。
      野田佳彦元首相 は、すごく熱心に聞いてくれて、生前退位の際には非常に尽力し、引き続き皇統問題にも力を入れているが、いかんせん野党が弱体化しすぎてしまって事態を動かせない。
      石破茂氏 には、安倍政権下では冷遇されていたとはいえ、与党の有力議員としてかなり期待したのだが、結果は全然だった。
     さらには、少しは影響力があるかと思って、 田原総一朗氏 にまでこの話をして、その一部は対談本『日本人なら知っておきたい天皇論』(SB新書)にも掲載された。だが、それだけだった。
     今年2月に行った『オドレら正気か?in奈良』では、ネット非公開で会場のみの 「密教」として話したのだが、最大限でも、これくらいの内輪だけの話にしておくべきだと、この時点では思っていた。
     ところが、この「密教」の話を聞いたのか、「世界のゴー宣ファンサイト」の カレーせんべい氏が興奮して、そんなことがあるんなら、これを全部公開してしまえばすべて決着じゃないかと言い出した。
     おそらくカレー氏には、 「承詔必謹」 という感覚があったのだろう。
     戦争最末期の昭和20年(1945)8月に至っても、軍には強硬な抗戦派が存在し、政府は意見を集約することができず、天皇の「御聖断」を仰いだ。
     そして昭和天皇はポツダム宣言受諾という決断を下し、自ら「終戦の詔勅」を読み上げた。
     その「玉音放送」の放送を聞くや、それまで強硬に戦争継続を主張していた軍人たちも、一斉に武器を下ろした。一部の軍人は、天皇の意思に反してでも徹底抗戦せよと唱えたが、それが叶わないと知ると割腹して果てた。
      天皇の「詔」を承ったら、必ず謹んで従う…「承詔必謹」とは、それほどまでに当時の日本人、特に軍人にとっては絶対とされていたことなのだ。
     だからこそカレー氏は、日本の「保守」を名乗るような者なら、愛子皇太子の実現が天皇の大御心だと知れば、それに従うはずだと思ったのかもしれない。
     しかし残念ながら、今どきの自称保守なんて、「承詔必謹」が読めるかどうかすら怪しい。
      現在の日本人、特に自称保守なんて、天皇が何を考えていようが、何を望んでいようが、そんなことは知ったこっちゃないとしか思っていないのだ。
     たとえ、いま天皇陛下が「愛子を皇太子にしたい」というご意向を直接「玉音放送」で表明したところで、自称保守派は一斉に無視するか、あるいは「憲法4条違反」として天皇陛下をバッシングするのは目に見えている。
      現に、上皇陛下が生前退位のご意向を明かされた「平成の玉音放送」の際には、自称保守は陛下のご意思を一斉に完全に無視して、「死ぬまで天皇をやるべきだ」と平然と言い放った し、 天皇が自身の進退について表明することは「国政に関する権能」ではなく、憲法違反には当たらないにもかかわらず「憲法4条違反」を主張する者も数多くいたのである。
  • 「八木秀次って馬鹿なのか?知ってたけど」小林よしのりライジング Vol.464

    2023-03-28 15:30  
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     前回・前々回に続いて今回も、根も葉もない「愛子さまのお婿様候補」記事によって「門地による差別」を大推奨している週刊誌の批判をしなければならない。
     それにしても、これを仕掛けたのが男系固執派の中心人物、麗澤大学教授の八木秀次だというのはほとんどバレバレなのだから、実に間抜けな話だ。
      八木秀次って、馬鹿なのか?
      知ってたけど!
     週刊新潮には、前回批判した3月16日号のトップ記事に続き、3月30日号のトップにも 『「旧宮家筆頭」「華道のプリンス」… 「愛子さま」やんごとなき「お婿さんリスト」』 と題する特集記事が載った。
     
     ところが、意味のある新情報は皆無である。
     記事の前半は16日号と同様 「賀陽家の兄弟」 についてだが、相変わらず愛子さまと賀陽家の子息(しかも兄弟二人と?)の交流が深まっているという何の根拠もない妄想など、前の記事をただ書き写しただけ。
     そして後半は、女性自身3月28日・4月4日号が根拠なく飛ばした 「池坊家の華道王子」 の記事を臆面もなくパクっているが、女性自身が「S氏」として伏せた実名を 「専宗氏」 と晒しただけで、それ以上の情報は何もない。
     そこで、専宗氏の祖母である元衆議院議員の池坊保子氏のことを延々と書いて誌面を埋め、保子氏に取材をかけて、「あ、あ、私、ちょっとお話できませんので……」としか応えてもらえなかったことを書き、 「と言いつつ、その声は心なしか弾んでいたのだった」 と勝手な思い込みを加えて「脈あり」であるかのようにでっち上げるというデタラメぶりだ。
     こんな調子で、記事は全3ページのうち2ページと3分の2までは完全に無意味無内容だが、残り3分の1ページに見過ごせないことが書かれている。
     そこに登場するのは、例によって匿名でどこの誰だかわからない「皇室ジャーナリスト」と、唯一実名でコメントしている八木秀次で、「皇室ジャーナリスト」が言ったコメントについて、八木が後押しして「学者」的な補足をするという組み立てになっている。
      てゆーか、その「皇室ジャーナリスト」も八木だろう!
     前回も紹介したとおり、八木は自分が電話で話したことだけで週刊誌の特集記事が組まれることがあり、自分が話したことが複数の匿名人物の発言になっていることまでぶっちゃけている。
      八木秀次って、自爆しても気付かない馬鹿なのか?
      もちろん馬鹿以外の解答はないけど!
     なお、匿名の「皇室ジャーナリスト」が八木だということは、「論破祭り」で公論戦士・ふぇい氏も指摘している。
     https://aiko-sama.com/archives/24425
     ある記事に出てくる「皇室ジャーナリスト」と、別の記事に出てくる八木秀次が、 「旧宮家系男子が宮家に養子入りし、愛子さまが結婚してその妃殿下となり、男子が生まれれば『天皇直系の男系男子』になる」 という、全く同じ趣旨の発言をしていたのだ。
     これは、単に趣旨が同じだけではない。
      1. 愛子さまが宮家の当主でなければ、その子は「天皇直系」にはならず、旧宮家系の「大傍系」となる。
      2. 愛子さまが宮家の当主であれば、その子は「男系」にはならず、「女系」になる。
     という、重大な誤りを二つ同時に犯しており、このプランでは「直系」と「男系」は両立しないのだ。
     以上のことから、ふぇい氏は「こんな間違いをふたつ同時に犯すのは、同一人物とみて間違いないです」としている。
      八木秀次って、日本に二人といない馬鹿なのか?
      とっくに知り過ぎていたけど!
     週刊新潮記事には、「皇室ジャーナリスト」(たぶん八木)の発言が、次のように紹介されている。
  • 「〈門地〉が皇室より大好物な男系大衆」小林よしのりライジング Vol.463

    2023-03-21 17:30  
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     前回は、男系固執派が「週刊女性」「女性セブン」の2誌で、 「愛子さまが旧宮家の子息と交際している」 という、根も葉もないデマ話を流布していることを取り上げた。
     明らかに男系派の「断末魔の叫び」だが、それから2週間、往生際の悪い絶叫はまだ続いている。
     女性誌2誌に続き、今度は「週刊新潮」3月16日号のトップに、一連の流れを汲む記事が載った。
     
     とはいえ、内容はほとんど前出2誌の焼き直しで、目新しいものはほとんどない。週刊誌3誌に同じ人物が同じ話を吹き込んで回ったとしか思えないような印象だ。
     ただ、 女性セブンでは相手を賀陽家の「次男」 と特定しているのに対して、 週刊新潮ではなぜか「賀陽家の兄弟」 と交流しているという、より荒唐無稽な話になっている。兄弟二人とつきあっているのか!?
     記事ではこの 兄弟の父親・賀陽正憲氏 について、「さる宮内庁関係者」が 「正憲氏ご自身も『自分の家が皇室に復帰する可能性があることを肝に銘じて過ごしてきた』などと、周囲に漏らしているのです」 と証言している。
     前回詳述したとおり、正憲氏は13年前の週刊新潮の取材に対して、息子と愛子さまの縁談について 「立場が違いすぎ、恐れ多い」 と全否定している。それがいつから、自分の家が皇室に入ることを 「肝に銘じて過ごしてきた」 のか?
     こんな重要なことはあやふやな伝聞ではなく、本人に直接確かめなければおかしい。正憲氏はこれまでメディアの取材には好意的に応えてきた人だし、たとえ取材を断られても、それはそれで「回答は得られなかった」と書けば何となく脈がありそうに匂わせることができるから、週刊誌はたとえダメモトでも、取材の申し込みだけは必ずするものなのだ。
     それなのに、なぜ今回は取材の申し込みすらしていないのか? 
     答えはひとつ。ガセネタだからだ。
     あと、 「一昨年の眞子さんの結婚とは異なり、正真正銘の名家とご縁ができれば、いわゆる“悪い虫”など近づきようがない」 という記述があるが、これは見逃せない。
      週刊新潮は、旧宮家系を「正真正銘の名家」と信じ切っているのである! 
      これが全くの一般国民の家であるとは、露ほどにも思っていないのである!  そして、 小室圭氏を「悪い虫」と言い切っているのである!
     これこそ、眞子さまをPTSDにまで追い込んだ小室さんバッシングの正体だ。どんなに眞子さまを一途に愛していようが、苦学してニューヨーク州弁護士になるほどの実力があろうが一切関係なく、 マスコミ・大衆はただ 「家柄」 だけで小室圭氏を「悪い虫」扱いして、叩きまくったのだ!
     前出2誌と同様、週刊新潮でも情報提供者は全て匿名だが、ここで唯一、そんな怪しい話を支持する実名の人物が登場する。
     男系固執派の中心人物、麗澤大学教授の 八木秀次 だ。
     八木は、賀陽家の子息を子供のいない常陸宮家に養子入りさせ、その上で愛子さまと結婚させて、 愛子さまが「常陸宮妃」として皇室に残れるようにするべきだ と主張する。
     そして、 「男児が生まれれば天皇家直系の男系男子となる。『皇位継承』『皇族数確保』という二つの観点からも、この上なく理想的なのです」 と妄想を膨らませる。
     八木は「憲法学者」を名乗っているはずだが、旧宮家系男子を特別扱いして皇族の養子にするのは 「門地による差別」 で「憲法違反」になる ことを知らないか、または徹底的に隠蔽しているのだ。
     現行の皇室典範は皇室が養子を迎えることを禁じているが、八木は 「特例法で一時的に養子をとれるようにすべきです」 と言う。
     養子については皇室典範だけの問題だから、ご譲位を可能にしたように 「特例法」 でできるかもしれない。
      しかし、憲法の特例法なんかできない。
      この件に限って特別に「門地による差別」を容認し、特定の家柄の特定の国民だけ、国民に保障された基本的人権を全部剥奪して皇室に入れる憲法特例法なんてものを、都合よく作ることなどできるわけがない。
     憲法は国家の基本的なルールを規定している。
      国民は全て平等で、身分・階級はないというのが日本国のルールであり、その前提のもと第14条が存在する。
     それを理解していない八木秀次は、憲法を何も知らない憲法学者である。
     しかも、 そもそも 愛子さまを宮家の当主にしない(!?) なんてことを、国民感情が許すはずがない。
      男でさえあれば、600年も血筋が離れた大傍系で、突然宮家の養子になった国民でも当主になれるけれども、女だったらたとえ天皇直系のお子様でも、インスタントな皇族の妃にならない限り皇室に残れないなんて、そんな究極の男尊女卑に国民の賛成が得られるわけがない。
      憲法第1章で天皇の地位は 「国民の総意に基づく」 とある。皇族もこれに準ずるのは当然で、国民の総意に基づかない皇族など明らかに問題である。
     何をどうあがいたところで、旧宮家系国民男子案は、憲法の壁を超えられないのだ!
     こんなデタラメな記事が、いったいどこから湧いて出たのか?
     興味深いのは、八木秀次が以前、こんな発言をしていたことだ。
  • 「女性誌で暗躍する男系固執派の妄想」小林よしのりライジング Vol.462

    2023-03-07 18:05  
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      最初にバラしておくが、女性誌で男系固執派が暗躍している。その目的は、旧宮家系を皇族と錯覚させること。
     そして愛子さまを旧宮家系と結婚させ、いったん賀陽愛子という民間人にして、男子を生んだら再び皇族に復帰させ、旧宮家(夫)を当主にした男系男子という位置づけにすることだ。
     これで旧宮家系は今後、男子が生まれる間はずっと皇族扱いになる。
     非常にアクロバティックで、全く実現不可能な妄想だが、もうそれしか方法がなくなったのだろう。
     6月の発売に向けて『愛子天皇論1』の制作が大詰めを迎えている。
     7月には「愛子さま応援祭り」を開催、一気に機運を盛り上げたい。
     女性週刊誌では毎週のように愛子さまに関する記事が載っている。やはり世間の関心は圧倒的に悠仁さまより愛子さまに向いているのだ。
     それはいいのだが、やはりマスコミは信用できないところがあり、とんでもない情報操作もしてくるから、しっかり警戒、監視しておく必要がある。
    「週刊女性」3月7日号に、奇妙なスキャンダル記事が載っていた。
    「旧宮家」の子孫を宮家の養子に迎えて皇族とすることで、皇位継承問題を解決するという男系固執派のプランに高森明勅氏が「お墨付き」を与えたと錯覚させる記事が載っていたものだから、びっくりした。
      言うまでもないことだが、旧宮家の子孫は全て、生まれた時から完全なる一般国民である。これを皇族にしようというのは、 国民の中で特定の家系の人だけを特別扱いすることになり、「門地による差別」を禁じた憲法14条に違反する。
     しかも、 旧宮家系男子を養子にする宮家など存在しないし、国民の権利を捨てて皇族になってもいいという旧宮家系の男も存在しない。 全く不可能な話なのである。
     ところが問題の記事では 匿名の「皇室ジャーナリスト」 が、 「愛子さまが旧宮家の男子と結婚されれば、皇位継承問題は一段落つくのではないか」 という意見があることを紹介したうえで 「旧宮家の子孫には少なくとも 10人の未婚男性がいて、ご年齢が愛子さまと近い方もいらっしゃいます」 と発言。
     そして、「なぜ、愛子さまが旧宮家の男子と結婚された場合、皇位継承問題は一段落つくのか」として、次のような高森氏のコメントを載せているのだ。
    「 例えば、愛子さまがご結婚後も皇室に残られ、ご結婚相手が旧宮家の出身者として〝皇族との養子縁組〟で皇族の身分を取得している場合、〝皇族同士のご結婚 〟となります。男子がお生まれなら皇位継承資格を持つことになるでしょう。 しかし、そのようなご結婚については、ご本人のお気持ちをどれだけ尊重したのか、との疑問が生じかねません」 
     太字で強調しているのも、雑誌掲載のままである。
     旧宮家系男子を養子に迎える皇族がいないことにも、憲法違反になることにも一切触れておらず、 旧宮家系男子が養子入りして皇族になることが可能であるかのような発言になっている。
     高森氏が、男系派が大喜びしそうなコメントをしたことになっているのである!
     なぜこんなコメントが出たのか、わしのスタッフの時浦が高森氏本人に確認した。
     すると、これは 「憲法違反云々はひとまず横に置いて、という設定」 で、 「こういうシチュエーションならそのお子様の位置付けはどう説明できますか?」 という質問に答えたものだという。
     これは明らかに罠だ。最重要問題である「憲法違反云々」を「ひとまず横において」というようなふざけた質問はあり得ない。
     しかし高森氏は人がいいから、学者らしく質問されたことに生真面目に答えて、ありえない設定の、起こるはずのないシチュエーションにおけるシミュレーションを話してしまった。そして週刊女性はそのコメントを「ありえない設定」であることも「起こるはずのないシチュエーション」であることも隠して、現実味のある話のごとく、太字で強調して載せたのである。
     もちろん女性誌の読者には、高森氏が「憲法違反で、実現するわけがない」ということを大前提にしたシミュレーションを話していることなんか、わかるわけがない。神道学者で皇室研究者の人が、旧宮家系の男子が皇室に入れば皇統問題は一段落つくと言ったものとしか受け取りようがない。
     高森氏もこの取材には 「怪しい気配を感じた」 といい、そのために質問の回答に続けて 「しかし、そのようなご結婚については、ご本人のお気持ちをどれだけ尊重したのか、との疑問が生じかねません」 とのセリフを添えたという。
     このひとことを入れておけば、たとえ「ありえない設定」のシミュレーションであることを隠して発言を使われたとしても、ご本人の気持ちを無視して愛子さまを旧宮家系男子と結婚させることはできないというのが「結論」になるから、コメントが悪用される形にはならないと高森氏は思ったようだ。
     だが、週刊誌の悪質さはそんな想像の遥か上を行っていた。
  • 「皇位継承は黄信号である」小林よしのりライジング号外

    2016-01-05 12:45  
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    ゴーマニズム宣言 「皇位継承は黄信号である」  昨年12月に開催された宮内庁職員による文化祭に、秋篠宮家の長男・悠仁さまが作られた信号機の模型が出品された。
     その出来は9歳の子供の作品とはとても思えないもので、高さ3.3メートル、横2.4メートルのほぼ実物大で、精巧に模している。しかも実際に点灯し、点灯時間は青51秒、黄3秒、赤53秒と計算されているという。
     悠仁さまは幼稚園の頃、信号機が電球からLEDに切り替わることを聞いて以来、信号機に興味を持たれたという。文献なども参考にされたようで、製作された模型は今ではほとんど姿を消した、1970年前後の電球式信号機を再現したものだった。
     また「赤坂表町」という地名標識が添えられているが、これは秋篠宮邸近くにあった、50年前に廃止された地名だという。
     正確な模型を作る能力といい、今は失われた昔の機種や地名に目をつけるセンスといい、すごい才能である。
    http://withnews.jp/article/f0151212001qq000000000000000W02j0401qq000012840A
     この話題自体は素晴らしいことである。
     だが、これを紹介した週刊文春(2015.12.24)記事のタイトルを見て、途端に苦々しい気分になってしまった。
    「悠仁さま9歳にしてこの大傑作
     皇室の未来も“青信号”!」
     ……皇室の未来が青信号だって!?
     まったく、無知は罪だ。せめて勉強する意欲があればいいのだが、その気もない輩が、無責任に脳天気な放言をしてくれるから落胆する。
      皇室の未来には、ずっと前から「黄信号」が点灯している。早急に手を打たなければ、じきに「赤信号」になり、取り返しのつかない事態になってしまうのだ!!
      女性が皇位に就けない現在の規定では、皇太子殿下、秋篠宮殿下よりも若い世代の皇位継承有資格者は、悠仁さまただ一人である。
     今のままでは、皇太子殿下の長女・愛子さまも、秋篠宮家の眞子さま、佳子さまも結婚したら皇室を離れることとなり、いずれは宮家がすべてなくなってしまう。
      そして、悠仁さまが結婚されて、男児が生まれない限り、そこで皇統は断絶!日本から皇室が消滅してしまうのである!!
      皇統断絶を防ぐには、女性皇族にも皇位継承資格を与え、ご結婚後も宮家を創設できるように皇室典範を改正するしかない。
     普通の常識からいっても、世界の趨勢からいっても、女性が元首になることには何の問題もない。
      しかも日本の場合は、歴史上にも女帝はおられた。そのうえ日本の皇室の祖先は「天照大神」という女神なのだ。
     だが、男尊女卑というシナの思想が日本に入り込んでいて、それが日本本来のものであるかのように思い込んでしまった自称保守どもが、皇位継承者は「男系男子」に限ると主張し、女帝にも女性宮家にも強硬に反対している。
      小泉政権下で進められていた、女帝を認める皇室典範改正を独断で潰したのが当時官房長官だった安倍晋三。野田政権下で進められていた、女性宮家創設を認める皇室典範改正を潰したのも、後任首相の安倍晋三である。
      それならば、「男系男子」限定でも安定して皇位継承が行われるように、早急に手を打たなければならないはずなのだが、安倍政権は発足後3年を経過しても、何一つやろうとしない。
     なぜ無為無策で通すかと言うと、もう安倍晋三自身も、「男系男子」限定の継承が無理だと分かっているからである。
     だが、安倍政権のコアな支持層が「男系固執主義者」だから、皇位継承問題に手を付けるのを止めているのだ。
  • 「愛子さまのスーパーな能力を育んだ教育方針とは?」小林よしのりライジング Vol.82

    2014-04-15 16:35  
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     敬宮愛子内親王殿下はこの春、学習院初等科をご卒業、中等科に進学された。
     皇太子ご夫妻と並んで宮内記者会の取材に応じられた愛子さまは、「ご入学おめでとうございます」との声にしっかりした口調で「ありがとうございます」とお答えになった。
     続けて「今のお気持ちは」と聞かれると、雅子さまと何事か言葉を交わされ、一呼吸おいて「楽しみにしています」とおっしゃった。
     何気ないやりとりだが、愛子さまが取材に答えられるお声が流れたのはこれが初めてだった。
     あきれたことに、これを見たネット右翼たちは「愛子さまがしゃべった!」と驚いたのだ。
     一般国民は当たり前じゃないかと思うだろうが、ネット右翼の非常識をなめてはいけない。
      ネット右翼の圧倒的な無知は驚異的であり、愛子さまがしゃべれないと思っていたのだ! 愕然!
     無知なのはネット右翼だけではない、保守を自称する者たちも、愛子さまの能力・才能がどれほど優れていて、一般人をはるかに凌駕するスーパーなものであるかを全く知らない。
     愛子さまがいかに優れた女性かということは、テレビのニュースや女性誌などで十分わかるのだが、連中は「男系固執」のネットか、論壇誌しか見ないから情弱(情報弱者)であり、そのせいで「Y染色体男系カルト信仰」に嵌っている。
     愛子さまの真の姿をむしろ見たくない、知りたくない、聞きたくないというおサルさんになっているのだ。
     愛子さまは低学年の頃、周囲には皇室とお近づきになりたい父兄の子どもしかおらず、2~3年生の頃は、同学年に乱暴な男子生徒がいたことから不登校問題も起き、学校にうまくなじめていないのではと心配された。
     しかし、その後は同級生の間で「浮く」こともなくなり、多くのお友だちができ、楽しく快活に過ごされた。また、運動会などでは1年生の面倒をよく見ておられたという。
     愛子さまはもともと勉強好きだったし、相撲に関心を持たれて力士の四股名と番付を丸暗記してしまうほど記憶力がよいとも伝えられていたが、不登校問題の時は机に向かう心の余裕もなく、成績は中の上程度に留まっていたそうだ。
     しかし立ち直られてからは成績がメキメキ向上、常に学年でトップクラスの成績となられた。
      特に国語がお好きで、漢字のテストは毎回ほぼ100点。
     満点をとれなかった時は、読めなかった漢字、書けなかった漢字をそれぞれノートに100回書くことを自らに課しているそうだ。
     放っておいてもご自分で本を読み、午前0時を回っても本を読んでいることがあって、皇太子殿下が苦笑しながら早く寝るよう促すこともあるらしい。
     算数はあまりお好きではないらしく、雅子さまがつきっきりで指導することもあるそうだが、 好きではないだけで苦手ではなく、通信簿はオール5だという。
     また英語の実力も相当なもので、一日一度1~2時間、英語だけで雅子妃殿下と会話する時間を設けていて、すでに初歩的な挨拶や自己紹介、会話はでき、会話中に雅子妃が知らない単語を使うと、「その単語は知りません」と英語でお応えになるという。
     毎年夏には英語のサマースクールにも通われるほどの力の入れようで、皇太子殿下が「 愛子は私よりきれいな英語を話す 」とおっしゃるほどだという。
     皇太子殿下は愛子さまの日本史・世界史・国語・社会の勉強を見ておられ、日本史は、歴史上の人物を、声音を駆使して演じてみせたり、時代背景や社会情勢を物語仕立てにして臨場感たっぷりに教えたりなさっているという。
      ほかにも一般でいう家庭教師役の女官がおり、造形専門の先生や書道の先生もついて、多角的でバランスのいい教育を受けておられる。
     造形の作品や書は宮内庁美術展で公開されたが、書は力強い堂々たるものだし、造形物の色使いなどのセンスは小学生のものとはとても思えない出来である。
     愛子さまは学習院中等科に進学されたが、この先エスカレーターで学習院大学まで進むのではなく、東京大学へ進学するという選択肢も浮上している。