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「安保法制:『砂川判決』は合憲の根拠となるのか?」小林よしのりライジング Vol.137
2015-06-17 16:45102pt第59回「もくれんの『中国びっくり取材紀行』その4」
なんだか目がしぱしぱする。
この日の蘇州の空は、朝から一段とスモーキーだった。
街なかでは、ビルに遮られて空の様子などさほど気にはならないが、車で高速道路に乗り込むと、途端にゾッとする。見晴らしのよい道路で、数百メートル先の景色が霞んで見えない。
蘇州は、自然エネルギーによる発電設備が発展しており、特に農村部には、大きな風車がいくつも立ち並んでいるのだが……
その景色も、昼間から霞んでしまっている。
思わず、日本から持参したマスクで顔を覆わずにはいられなかった。
今日は、蘇州市の素朴な田園風景の撮影だ。
高速道路を降りて、風車のある農村部へと車を走らせてゆく。どんな暮らしが広がっているのだろうか。
な~んて、旅情モードに入る、その前に!
さあ、今日も合言葉が現れたよ! ハイ、復唱~ッ!
ふ、富強、民主、文明、調和、じ、じゆう、びょおどお……もう、いやああああっ!
◆やっと出会えた…のどかな中国
高層ビルが乱立しまくる都心部から、車で15分。
蘇州の農村部は、市街地と同じく運河の支流が流れ込み、小舟のたゆたう水辺を、生活の一部として取り込むようにして農家が建てられていた。
どの家も、比較的しっかりとした作りで、日本で言う「うだつ」のキュピーンと上がっているような建物が多かった。
このあたりは、稲作のほかに、蟹の養殖も盛んに行われている。自宅の裏庭にあたる水辺にネットを張った養殖場があちらこちらに見られた。
ちなみに、「上海蟹」って、上海で養殖しているのかと思ったら、蘇州で獲れるものが主流なのだという。千葉産でも「伊勢海老」っていうのと同じだな。
水面を眺めていると、アヒルの親子がふわふわふわとかわいらしく横断したりする。この風景ののどかさは、写真で伝えたい。
映画『マディソン郡の橋』を思い起こさせるなあ。
水のほとりの老人。いつもここに佇んでいるのだろう。
この農道、美しかった。映画の撮影に使えそう。
働く大工さんたち。 -
「LINE、SNSで造られるインスタント・カルト」小林よしのりライジング Vol.131
2015-05-05 19:45153pt千葉県で18歳の少女が監禁され、殺害される事件が発生した。
主犯格は被害者と高校の同級生だった18歳の少女で、20歳の男2人と16歳の少年1人が実行犯として逮捕されている。
被害少女は口に靴下を詰め込まれ、顔に粘着テープを何重にも巻かれ、両手は結束バンドで縛られていた。男たちに暴行され、主犯少女にタバコの火で皮膚をえぐられた挙句、深さ1.5メートルの穴に正座状の姿勢で入れられ、生きたまま埋められるという惨状だった。
被害者と加害主犯格の双方が未成年という点では、2月に起きた川崎市の中学1年生、上村遼太君の殺害事件を思い起こさせる。
だが今回の事件は、その残酷性に対して憤りは感じるのだが、上村君と違って、殺された少女にはどうにも同情の念が湧きにくい。世論の反応もほぼ同様らしく、川崎の事件に比べれば関心はかなり低いようだ。
何しろ被害少女は18歳にしてホスト遊びに狂い、そのお金を稼ぐために風俗業を転々としていたのだ。
少女は毎日のようにホストクラブに通っては、毎回5万円ほど使っていたという。ツケは数10万単位でたまり、他にも金銭トラブルを抱えていたようだが、それでも入れあげたホストのためには1回100万円もする「シャンパンタワー」(シャンパングラスをうずたかく積み上げてシャンパンを注ぐ)までやっていた。
風俗店では、新入りの方が目新しさを求める客がついて儲かるので、被害少女は新入りで稼いではすぐに無断で店を辞め、別の店に入るということを繰り返していたらしい。
18歳で風俗業に就くには写真入り身分証明書(運転免許証など)が必須だが、被害少女はそれを持っておらず、そういう場合は学校の卒アル(卒業アルバム)を代わりに提出するのが業界の常識だという。
ところが被害少女は無断で辞めるため卒アルが返却されず、次の店に行く時は同級生に卒アルを借りて提出ということを繰り返し、何人もの同級生から卒アルを借りて、そのまま返さなかった。
それで、加害少女はそのことに激昂し、犯行に及んだという、にわかには信じられないような動機も一部で報道された。
だが最近では、ホストの男性をめぐるトラブルが動機につながった可能性も報じられている。そっちの方が確かに納得はいくが、この際、動機についてもそれほど関心が湧かない。
今回の事件で、わしが最も関心を持ったのは、主犯少女らの人間関係である。
実行犯3人のうち1人は被害少女とは全く面識がなく、他の2人も報道によって差があるが、大した面識はなかったようだ。また、実行犯のうち16歳の少年は20歳の男二人とは初対面だったらしい。
18歳の少女を中心にして、 大して知らない者同士が、大して知らない人間を殺すために協力するという、理解不能な共同体ができていたのである。
ここで川崎の事件が連想される。上村君を殺害したグループの中には、上村君をほとんど知らない者もいた。主犯の少年を中心に、 LINEで形成された関係性の希薄な共同体が存在したことが、事件の背景にあったのだ。
今回の事件では「報道ステーション」等で加害少女のLINEのやりとりが報じられたが、その内容にわしは戦慄を覚えた。
犯行前日、加害少女はこんなやりとりをしている。
(LINE相手) 「どーなった?」
(加害少女) 「明日やる!わら」
(LINE相手) 「どーやって つれさんの?」 (加害少女) 「店に行く!」 (LINE相手) 「店終わりにってこと?」 (加害少女) 「そうそう!!」
……人ひとり拉致監禁して惨殺しようという話を、こんな調子でやっているのだ!
そして犯行当日。
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