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「夫婦別姓訴訟:家名フェティシズム」小林よしのりライジング Vol.160

 12月16日、最高裁は民法の「夫婦同姓」の規定は合憲であるという判決を下した。  この裁判は東京都内の事実婚の夫婦ら5人が「個人の尊厳や両性の平等を保障した憲法に違反している」として提訴していたもので、原告団長の80歳の元高校教師、塚本協子氏は判決に対して悔しさを満面ににじませた表情で 「判決を聞いたとたん、涙があふれた」 「違憲判決が当たり前だと思っていた。これで、『塚本協子』で死ぬこともできなくなった」 と語った。  しかし、合憲判決が出るのは当然のことで、民法の規定は夫婦が同一の姓にするよう定めているだけで、 男女どちらの姓にしてもいい。制度上は男女平等の規定なのである。  原告は、実際にはほとんど女性が改姓していると主張したが、それは両者の合意の結果であり、民法の規定のせいではない。   社会における男女間格差のせいで、女性の方が改姓を強いられているというのであれば、その社会の不平等を正さなければ意味がなく、これまた民法の規定の問題ではない。  そもそも、この原告団長がなぜそこまで「塚本」の姓にこだわっているのか、わしには一切理解できないのだ。  塚本協子氏は塚本家の次女として生まれたが、生後2カ月で父親が死亡。  母親には再婚話もあったが、亡父が長男だったため、その娘に塚本家を継がせなければならないと祖父母が猛反対して実現しなかった。  塚本家に残った母は、二人の娘のみならず11人の大家族を支えなければならなかったが、仕事で夜遅く帰ると食事も残されておらず、塚本氏は子供心にも「嫁、女のみじめさが分かった」という。  10歳の時に姉も死亡、塚本家の長男の子は協子氏のみとなり、家を継ぐために祖父母から勝手に決められた婚約者と結婚させられそうになるが、母親に大学進学を許され、逃れる。  塚本氏は大学で恋愛、25歳で結婚。舅は「嫁取り」で夫の姓にさせようとしたが、 事実婚で「塚本」の姓を通した。  その後3人の子供をもうけるが、その度に婚姻届と離婚届を繰り返し提出し、 子供は全員夫の姓、家では自分だけが「塚本」である。  こうして塚本氏は「日本の家父長制に疑問を抱き」「両性の本質的平等」を目指して夫婦別姓を求める運動を続けてきたという。  …もう、どこから突っ込めばいいのやら、途方に暮れてしまう。   その「塚本」の家名こそが、「日本の家父長制」に基づいて自分の母親をさんざん苦しめたんじゃないの?   母親は結婚前は別の姓だったはずなのに、なぜ父親の「塚本」にだけこだわるの??   自分も「塚本」の姓を継ぐための結婚が嫌で逃げたはずなのに、なぜ結婚したら何が何でも「塚本」じゃなきゃいけないの???   男の姓にするのが苦しくてたまらないと涙まで流すくらいなら、結婚なんかしなければよかったんじゃないの????   夫に対する愛情よりも、「塚本」の姓に対する愛情の方がそんなに強いのか?????   そうまでして「塚本」の姓が大事だったら、「塚本」という男を探して恋愛すればよかったのに、なぜ別の姓の男を選んだんだ??????   そもそも、家の中で自分だけ別姓であり、「塚本」で死んで「塚本」の墓に入りたいというのは、シナ父系血統主義の感覚であって、これって「男尊女卑」そのものなんですけど???????

「夫婦別姓訴訟:家名フェティシズム」小林よしのりライジング Vol.160
小林よしのりライジング

常識を見失い、堕落し劣化した日本の言論状況に闘いを挑む!『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりのブログマガジン。小林よしのりが注目する時事問題を通じて、誰も考えつかない視点から物事の本質に斬り込む「ゴーマニズム宣言」と作家・泉美木蘭さんが圧倒的な分析力と調査能力を駆使する「泉美木蘭のトンデモ見聞録」で、マスメディアが決して報じない真実が見えてくる! さらには『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成させる大喜利企画「しゃべらせてクリ!」、硬軟問わず疑問・質問に答える「Q&Aコーナー」と読者参加企画も充実。毎週読み応え十分でお届けします!

著者イメージ

小林よしのり(漫画家)

昭和28年福岡生まれ。昭和51年ギャグ漫画家としてデビュー。代表作に『東大一直線』『おぼっちゃまくん』など多数。『ゴーマニズム宣言』では『戦争論』『天皇論』『コロナ論』等で話題を巻き起こし、日本人の常識を問い続ける。言論イベント「ゴー宣道場」主宰。現在は「週刊SPA!」で『ゴーマニズム宣言』連載、「FLASH」で『よしりん辻説法』を月1連載。他に「週刊エコノミスト」で巻頭言【闘論席】を月1担当。

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