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  • 「地球温暖化の原因はCO2(二酸化炭素)か?」小林よしのりライジング Vo.331

    2019-10-01 20:40  
    150pt
     純粋まっすぐ少女が、国連に出てきて顔をゆがめて居丈高に大人たちを糾弾する演説をしている映像なんか見たら、まずその時点で少なくとも『ゴー宣』の読者ならば、直感的に警戒心が湧くのではないだろうか?
     9月23日、国連の温暖化対策サミットでスウェーデンの16歳の活動家、グレタ・トゥーンベリが各国代表を前に演説を行い、経済成長を優先して温暖化対策の取り組みに消極的だった「大人たち」への怒りをぶつけ、涙ながらにCO2(二酸化炭素)削減を訴えた。
     グレタは昨年8月から毎週金曜日に学校をボイコットして「気候のための学校ストライキ」と書かれたプラカードを手に、国会議事堂の前で座り込みを始め、同様の行動をするようにと、SNSで世界中の若者に呼びかけた。
     その活動は「#FridaysForFuture(未来のための金曜日)」と呼ばれて瞬く間に広がり、今年3月15日の金曜日に行われた「未来のための世界気候ストライキ」には、世界125カ国で100万人以上の学生が学校をさぼって参加した。
     グレタはたった1人で始めた運動を1年足らずで世界規模に拡げたということで、ノーベル平和賞の候補にノミネートされ、TIME誌の「世界で最も影響力のある100人」にも選ばれている。なおグレタは現在、学校を1年間休学して地球温暖化をアピールする活動に従事しているという。
     国連温暖化対策サミットを前にした、9月20日金曜日の抗議行動は世界160カ国で行われ、参加した学生は400万人以上にも上った。
     ニューヨーク市の公立学校は、デモ参加のための欠席を認める異例の対応を取り、このデモに参加したグレタは 「きょう学校や仕事を休んだとしても、気候変動対策のほうが大切です」 と訴えた。
     「バカ言うな! 学校や仕事の方が大切だ! 日常に戻れ!」と言いたくなるが、『脱正義論』を読んだ者なら分かるだろう。
     ところが、現在マスコミはグレタを大絶賛して英雄扱いしている。
     ただ「若者」であることだけを武器にして、 「あなた方は私たちを裏切っています。しかし、若者たちはあなた方の裏切りに気付き始めています。未来の世代の目は、あなた方に向けられています。」 などと演説し、大人を糾弾するグレタに対して、特に左翼マスコミは惜しみない賛辞を贈るのだ。
     朝日新聞は9月25日の社説でグレタの演説から 「若者はあなたたちの裏切りに気づき始めている。もし私たちを見捨てる道を選ぶなら、絶対に許さない」 の言葉を引き、 「こうした若者たちの怒りを重く受け止めねばならない」 と唱えた。
     NHK「クローズアップ現代+」では9月26日の放送でグレタを特集し、キャスターの武田真一アナが 「グレタさんの言葉に、大人の一人として私も目を覚まさせられました」 なんて言っていた。
     マスコミは、本当に責任持てるのか?
     グレタは11歳の時に地球温暖化への不安から鬱になり、12歳で自らビーガン(完全菜食主義者。肉・魚だけでなく、卵・乳製品も一切摂らない)になり、同じく12歳の時から環境への負荷を抑えるためとして飛行機に乗ることをやめ、国連に出席する際にはCO2排出量ゼロのヨットで15日間かけて大西洋を横断して来た。
     グレタの父はスヴァンテ・トゥーンベリという俳優兼作家・プロデューサー、母はマレーナ・エルンマンというオペラ歌手で、二人とも環境保護の活動家である。
     両親はグレタと共に頻繁にメディアに登場、グレタがヨットでニューヨークに向かう際には父親が同伴。母親は 「娘は空気中のCO2を裸眼で見ることができる」 というイタい発言をしたことがある。
     また、グレタは発達障害の一種である「アスペルガー症候群(自閉症スペクトラム症)」を抱えている。これは「コミュニケーションや対人関係が苦手」「興味の偏りやこだわりの強さ」「感覚の偏りや動きのぎこちなさ」といった特徴がある障害だが、両親はグレタの発達障害や摂食障害などについても積極的に発言しているという。
     両親がどこまで意図的にグレタを自分の活動に利用しようとしたのかはわからないが、グレタは両親が学校に行くようにと注意しているのに聞かないというし、ビーガンになることを両親にも強要したり、海外公演に行く機会の多い母親にも飛行機に乗らないよう要求したりもしているそうだから、むしろ両親の思惑をも超えた、過激な活動家になっているのかもしれない。
     おそらく両親は、思い込んだら突っ走る性質を持つアスペルガー症候群を抱えた子供に幼少時から「地球温暖化の恐怖」を刷り込んでいたはずで、そのためにグレタは鬱になり、育ち盛りの時に自らビーガンを選んでしまい、そして環境活動家になってしまったのだろう。これは虐待の結果だと言っていい。
     わしは地球温暖化よりも、この娘の将来の方がずっと心配だ。
     ネット上では、グレタについて「胡散臭い」「どう見てもヤバい子供が周りの大人に利用されてる構図」「彼女に必要なのは学校に行く事と適切な治療だと思います」といった、実にごもっともな声があふれているが、マスメディアでは絶賛しか許されない状態になっている。