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  • 「『説明責任』を錦の御旗にするな!」小林よしのりライジング Vol.241

    2017-09-26 20:00  
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     山尾志桜里議員の不倫疑惑スキャンダルに対して、未だにバッシングが収まらない。
     そしてその際に、必ず言われるのが「説明責任を果たしていない」だ。
     しかし、山尾氏は「不倫はしていない」と言っているのだ。本人が「していない」ことを、それ以上どう説明しろと言うのだろうか? 
      立証責任は「している」と主張した側にある。 そして山尾氏が不倫をしたという決定的な証拠は、未だに誰も出せていないのだ。週刊文春も細野豪志の「路チュー」や今井絵理子の「手つなぎ」のような決定的写真を一枚も撮ってない。
     山尾氏に 「説明責任を果たせ」 と言っている連中は、要するに 「やったんだろ? やったと言わないと、説明責任を果たしたとは認めないぞ。どういうふうにやったんだ? 説明責任果たせよ!」 …と言っているのである。
     下司の極みでしかない暴言を、「説明責任」という言葉でごまかしているだけなのだ。
      それに対して、森友・加計学園疑惑で「説明責任」が問われるのは当然である。
     辛坊治郎などは「加計問題」は「フェイクニュース」であり、何の問題もないと言っているようだが、すっかり安倍政権の太鼓持ちになり果てて、常識的な思考力も失ってしまったらしい。
      これは巨額の公金が投じられる問題である。 我々の税金も投じられるし、今治市は総額37億円相当の建設予定地の無償譲渡と、最大96億円の建設補助金支給、合計133億円もの補助を決めている。それならば、その支出が妥当かどうか、国民に対して十分納得のいく説明が必要なのは当然である。
     その際には本当に獣医学部の新設が必要なのか、本当に今治市の地域振興の役に立つのかという説明責任も絶対に果たされなければならない。
      これは完全に公的な問題であり、全くやましいことがないのなら官僚が資料を隠さず、判断材料を全部テーブルの上に並べればいい。
     その上で、安倍が自分のお友達に便宜を図るために行政を歪めたのではなく、全く正当な手続きに則っており、税金の無駄遣いにもならないと、説明責任を果たして見せればいいだけのことだ。
      とにかく税金の無駄遣いをしてほしくないという公的な問題なのだから、説明責任は必要不可欠である。
      一方、豊田真由子議員のパワハラの場合は、説明責任が求められる類の話ではない。当事者間で裁判でもして調停すればいいことだ。
     実際、暴行に関しては元秘書が埼玉県警に被害届を出しており、捜査が進められているところだ。あとは、選挙で有権者が判断すれば済む問題だ。
      ただし、社会的にもパワハラがまかり通っているという問題があるから、それは許されないのだと啓蒙する意味では、あの暴言の音声を暴露したのは公的意義のあることだったと言える。
     だが、それならば他の議員も追及しなければならない。実際にあんなことをやっている議員は、他にもいくらでもいるはずだ。
      パワハラ議員を全部暴露させて、パワハラがまかり通っている体質を改めることこそが一番肝心なのであり、豊田だけを責めても意味がない。
     問題の本質に踏み込まず、豊田だけを槍玉に上げるのはただのリンチである。 今の大衆はただひたすら、リンチしたいという欲求のみを増大させている。これは民主主義の病いが露骨に表出した大問題だ。
     あらためて山尾志桜里議員の場合に戻るが、これは全く私的な問題だ。