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記事 511件
  • 「財務省、怒る。コロナ特別措置はいい加減にしろ!」小林よしのりライジング Vol.453

    2022-11-22 19:25  
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     11月7日、財務省の財政制度分科会・増田寛也会長代理が記者会見を行い、 コロナワクチンの全額国費負担について、廃止を検討すべきだ と述べた。
     財務省は、コロナだけを特別扱いし、多額の国費を割いている現状に問題があると指摘しており、ワクチンだけでなく医療の面でも特例的な措置については見なおすべきだという「厚労省批判」ととれる見解を発表。
     ワクチン接種そのものに反対しているわけではないが、財務省が財政制度審議会に提出した資料は、なかなかの内容だったので、今日はそれを紹介したい。
    ●2022.11.7 財務省 財政制度分科会 議題「社会保障」配布資料
    https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/zaiseia20221107.html
     今回、財務省は、「ウィズコロナへの移行と全世代型への制度改革」を掲げ、社会保障の現状について精査している。
     まず、現状の日本では、今後3年間で後期高齢者が急増する一方、 コロナによって少子化が加速したことで、人口減少が、推計されていたものよりも7年程度前倒しされている状況である と報告。
     
     人に会うな、近づくな、人を見たらコロナと思えと喧伝し、経済はわざわざ悪化させる一方で、不安が膨らむばかり。おまけに、妊婦は強制PCR&帝王切開という扱いだ。躊躇する夫婦も増えただろうし、出生率が下がるのは当然だろう。
     
     さらに、2番目のグラフを見ると、後期高齢者人口の増え方が、今年以降の3~4年間で急角度の右肩上がりになっているのがわかる。1947~49年の第1次ベビーブームで生まれた団塊の世代が、ごっそり75歳以上のゾーンに入るからだろう。
     このうち一定の割合が、毎年寿命を迎えて死んでいくことになる。
     コロナでは、他国に比べて死者の出なかった日本だが、これからは避けようのない寿命を迎え、毎年どんどん死者数が増えることになるわけだ。
    「あれだけ自粛を強いて、経済を犠牲にし、一体なにを守ったんでしたっけ?」
    という話である。
     また、この後期高齢者人口の急増については、話題の「超過死亡」について捉えるとき、頭のなかに置いておかなければならない点でもあると思う。(※今回は超過死亡についての記事ではないよ!)
    「コロナによって少子高齢化が、ますます加速したぞ!」「今後は後期高齢者が急増だ!」と印象づけたあと、財務省は、「新型コロナの重症化率等の推移」について独自に分析した結果を発表。
    〇オミクロン株への変異により、感染者数は大きく増加したものの、重症者数は減少している。
    〇直近の新型コロナの重症化率等については、季節性インフルエンザの比較も含め様々なデータが示されており、これらを踏まえて今後の政策を検討していくべきである。
     
     出所は、厚労省のオープンデータだ。武漢株、デルタ株の時期よりも、現在ははるかに新規感染者数が増えているにもかかわらず、重症者数はそれに比例して増えているわけではないことがよくわかる。
     さらに、東京における第7波の致死率をズバリ。
  • 「WGIP(ウォーギルト)洗脳」小林よしのりライジング Vol.452

    2022-11-08 16:00  
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     統一協会の被害救済法案を巡る議論で、「洗脳」や「マインドコントロール」の定義が問題になっている。
     与党側は「マインドコントロール」の定義が難しいとして、法案にこの言葉を使うことに難色を示しているという。
     だが、定義が難しいからといって「洗脳」や「マインドコントロール」の概念を曖昧にしてはいけない。これは統一協会などカルトの問題だけには留まらないので、一度整理しておく必要がある。
     そもそもの 「洗脳」の語源は中国語 で、成立から間もない中華人民共和国が、旧体制の知識人などを監禁のような特異な環境下に置き、物理的・社会的圧力を加えて 強制的に行った「思想改造」 のことを意味しており、 1950年代から 広まった言葉である。
     一方、 「マインドコントロール」は強制力を伴わない手段を用い、心理操作によって自律的な決定権を奪い、様々な判断を自らの意思ではできない精神状態にしてしまうことをいう。 これは90年代に統一協会が問題になった頃から一般化した言葉である。
     そして、実は学校や刑務所での 「教育」も、ある情報操作によって人の心理を一方向に導くものであり、これもマインドコントロールの一種 なのである。
     本来の「洗脳」は、あくまでも強制的な手段を用いて行われるものを指していたのだが、「洗脳」の語は一般的に使われるようになるにつれ、意味合いが拡がっていった。
     そして今では強制力の有無とは関係なく、人の主義・思想を恣意的に改めることは全て、普通に「洗脳」と呼ばれるようになっている。
     つまり、狭義の洗脳は強制力を伴う本来のものに限られるが、広義の洗脳はものすごく幅があり、強制力を伴わない「マインドコントロール」も「教育」もその中に含んでいるのである。
     なお、平凡社の百科事典「マイペディア」では 「程度の差、手法の巧拙はあれ、あらゆる教育が洗脳である」 と明記している。
     というわけで、普通に使われる広義の意味での「洗脳」は、
    【狭義の洗脳】>>>【マインドコントロール】>>>【教育】
    となっている。
     その強制力の程度にはかなり差があるが、それぞれの境界はグラデーションになっていて、はっきり区別することはできないものなのである。
     さて、わしは『新ゴーマニズム宣言SPECIAL戦争論』(1998年・幻冬舎)で、日本敗戦後の米軍による占領政策について、次のように描いた。
    アメリカGHQは「ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム」という、日本人に戦争の罪悪感を植えつける洗脳計画を実行した。
    あらゆるマスコミを検閲し、日本は戦争中こんな残虐なことをした、悪の軍隊だった、原爆落とされても仕方ないくらいの愚かな国だった、日本人は軍部にだまされていたのだ…という情報を、映画・ラジオ・新聞・書物などで徹底的に流し続けたのである。
    日本国民はコロ~ッとこれに洗脳され…
    「軍部にだまされていた私たちを救ってくれたのはアメリカ様だ、GHQ様だ」
    「日本に民主主義のプレゼントありがとう」
    「日本人の戦犯はさっさと処刑しちゃってください」
    「戦争はもうイヤです」
    「もうしません。歯向かいませんとも」

    「戦争は悪です」
    「軍隊もいりません」
    「平和が何よりです」
    「ギブミーチョコレート」
    「ギブミー日本国憲法」
    当時、GHQには「マッカーサー様ありがとう」と感謝する手紙が次々と舞い込んだという。
    こうしてオウムの信者並みにGHQにマインドコントロールされた日本人は50年たった今も、よりキツイ「洗脳されっ子」となって、当時、東京裁判でもまったく問題にならなかった戦場慰安婦のことまでも「従軍慰安婦」と名づけ、自ら…
    「ここにも犯罪があったじゃないか――」
    …と世界に叫び始めたのである。
    (第4章『東京裁判洗脳されっ子の個人主義』)
     この部分は『戦争論』の中でも特に反響が大きく、「自分も洗脳されていた」「目が覚めた」といった感想を実に数多くもらった。
      当時は「従軍慰安婦」が全ての中学歴史教科書に記載され、自虐史観が極限まで達していた。
     なぜ教科書までがここまで自虐史観に染まり切ってしまったのかといえば、それは確実に洗脳の結果だった。
      だからこそわしは西尾幹二氏、藤岡信勝氏らと共に「新しい歴史教科書をつくる会」を作り、自虐史観をひっくり返そうとしたのである。
     ところが『戦争論』から24年経って、 「自虐史観はGHQの洗脳のせいではない」 と主張する本が出て来た。名古屋大学大学院特任准教授・賀茂道子著 『GHQは日本人の戦争観を変えたか 「ウォー・ギルト」をめぐる攻防』 (光文社新書)である。
     もしこの本が正しければ、わしは『戦争論』の記述を大幅に修正しなければならないが、果たしてどうなのか?
  • 「“拉致監禁して脱会強要”これ、統一協会のキャンペーン用語です」小林よしのりライジング Vol.451

    2022-11-01 15:20  
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    「月刊Hanada」が、統一協会擁護へと完全に振り切れた。
     2022年12月号では、福田ますみというノンフィクション作家を起用し、『新聞・テレビが報じない“脱会屋”の犯罪』なるルポをスタート。すっかり「統一協会の機関誌」として商売する方向で固めたようだ。
     
    ●家族による保護を「拉致監禁・監視」と言い換え
     このルポは、統一協会に入信したのち、家族に引き戻されて脱会説得を受けたものの、協会に戻ったという信者の「証言」を元に書かれている。
     目玉は、後藤徹という信者だ。
     1986年、兄と兄嫁が入信したのをきっかけに、後藤氏とその妹も統一協会入り。だが、この時すでに悪質な勧誘や霊感商法は問題となっており、後藤氏の両親は、子どもたちを心配して、脱会を請け負う牧師に相談。数か月後に兄夫婦が脱会、次いで妹も脱会していた。
     1人協会に留まった後藤氏は、父親からホテルの一室に呼び出され 【監禁された】 が、隙をついて逃げ出す。8年後、再び東京都内の実家に帰宅したところを、家族・親族に取り囲まれて、無理やりワゴン車に押し込まれた。その後は、家族の暮らすマンションで 【監禁】 され、両親と兄夫婦、妹から 【24時間監視】 される生活を長年送ったという。
    【監禁、監視】 というのは、あくまでも後藤氏と執筆者が使っている言葉で、家族や説得を請け負った牧師にとっては 「保護」 である。当時についてこう書かれている。
     部屋はマンションの高層階にあり、飛び降りて逃げることもできず、そもそもそうした窓や玄関には防犯錠や南京錠が取り付けられ、開閉できないようになっていた。
    「(説得を請け負った牧師の)宮村は、合計73回、元信者を引き連れてやってきて、親族を含め、10人ほどが私を取り囲んでずらっと座るんです。
     宮村は、教義がいかにおかしいかを指摘する。こちらが聞き入れず、『これは監禁だ!』『人権侵害だ!』と言うと、『偉そうなことを言うな』『監禁なんかしていない。家族が保護してるんだ』『ほんとうなら、ぶん殴って半殺しにしてやるところだ』とみなで怒鳴りつける。完全なつるし上げです」
     まず、脱会説得のために1人のところへ73回も足を運ぶとは、請け負った牧師の根気強さに脱帽する。それほど大変な作業なのだ。
     家族も、一度逃げ出して協会に戻った経緯がある限り、厳重に管理するのは理解できるし、自暴自棄になって窓から飛び降りる危険を考えれば、施錠するのも当然だろう。
     このまま協会に戻せば、親類・友人を騙して集金活動したり、悪質な霊感商法や勧誘に手を染め、犯罪者になるかもしれない。ぶん殴ってでも留め置かなければならないという家族の絶対的な覚悟、責任感、そして後藤氏への愛も感じる一節だ。
     その後も、玄関に突進して脱出しようとする後藤氏を、家族が布団でぐるぐる巻きにして保護したり、兄とは、服が破れて流血するほどのもみ合いになるなど、かなり壮絶な格闘があったようだ。
     また、後藤氏は、1か月におよぶハンガーストライキ(絶食)を3回も行った。それでも家族は、協会に帰さなかったという。凄まじい。だが、続く文章がおかしい。
     出される食事は次第に質量ともに粗末なものになり、70キロあった体重は50キロまでやせ衰えた。後藤氏はついに生ゴミを漁るようになる。  1か月もの絶食を、3度もやられたら、普通の食事を出せなくなるのは当たり前だろう。
     私が母親なら、食事を拒否され続けたら、無理やり口に詰め込むわけにもいかず、せめて、冷めても食べられるようなおにぎり、漬物、卵焼き、みかんやバナナなど、刃物を使わずに食べられる果物などを置いておくようにする。
     さらに拒否されて絶食が続いた場合は、いきなり食事をとると、内臓に負担がかかるし、胃が受け付けないかもしれないと思って、流動食に近いものを考える。医療的にも、衰弱した患者や絶食者には、重湯や具のないスープから再開するのが常識だろう。
     自分から食事を拒否してガリガリになっておいて、生ゴミを漁る後藤氏のほうが圧倒的におかしいではないか。
     しかも、刑務所の独房ばりに一室に閉じ込められていたのかと思ったら、腹が減って台所まで出てきて生ごみを漁っているのだから、自宅内では普通に過ごしているのである。 
     だが、2008年、家族は、とうとう脱会説得を諦めてしまう。後藤氏を家から追い出したのだ。12年5カ月もの格闘の末だった。ついに疲労困憊して、見放したのだろう。
     解放された後藤氏は、10キロ離れた協会本部まで歩いて戻り、そして病院に搬送され、全身筋力低下、栄養失調などで50日間入院したという。
     ルポには、ガリガリになって車いすに座る後藤氏の写真が掲載されている。世界日報にも掲載されているものだ。
     犯罪被害者ぶりをアピールする1枚だが、 そもそもガリガリに痩せたのは、自分で絶食したからであり、それだけ痩せ衰えても、自力で10キロも歩いて本部に帰ったのだから、一体何を言っているのかとしか思えない。
     その後、後藤氏は、母、兄夫婦、妹、脱会説得を行った牧師たちへの告訴状を提出。警察は 「家族の案件だから簡単ではない」 として逮捕も捜査も行わず、不起訴処分になった。
     だが、後藤氏は、さらに民事訴訟を起こし、こちらで全面勝訴する。
     判決では、憲法20条「信教の自由」が適用され、 「ある宗教の教義がどのようなものであったとしても、それが直接対外的に他の人々や他の団体等の権利や自由を侵害したり、危害等を加えたりするものでない限り、他から干渉されない自由が保障されているものである」 とされた。
     12年間も家族ががんばって自宅に留め置いた状態で、それでも統一協会の教義を信仰していると主張されたら、信仰そのものが内心で維持された状態になり、こうなってしまうのか。
     なんとか脱会させたいという家族の情念があるからこそ、強硬な手段になることもあるわけだが、最終的に裁判所に持ち込まれ、粉々になってしまったのだから、無残としか言いようがない。脱会をめぐって家族崩壊が起きること自体が、統一協会の異常性を示しているとも言えるだろう。
    ●まったく逆の目線から読むと…
     さて、ここまでの話を、まったく逆の目線、 「後藤氏に対して、家族と一緒に脱会を説得した立場」 から語った記事がある。
  • 「鈴木宗男の呆れた北方領土発言」小林よしのりライジング Vol.450

    2022-10-18 16:40  
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     いよいよ23日は『ゴーマニズム宣言SPECIAL ウクライナ戦争論』の発売日だ。
     これはウクライナ戦争を他人事としか思わず、「どっちもどっち」などと平気で言っている平和ボケ日本人に「覚悟」を迫る書である。
     ウクライナのゼレンスキー大統領は7日夜、ビデオ演説の冒頭で 「本日、重要な決定がなされた。歴史的だ」 と述べた。
     その歴史的に重要な決定とは、
    「ロシアに一時的に占領された北方領土を含め、日本の主権と領土の一体性を尊重することを再確認する」
    というものだった!
     そしてゼレンスキー大統領は同じ趣旨の大統領令に署名し、ウクライナ最高会議(議会)も同じ内容の決議を採択したことを明らかにした。
     確かにこれは、歴史的な決定である!
     ウクライナ議会の決議は、 「日本の北方領土は1945年にソ連が何の法的根拠もなく占領した」「全ての日本の市民を強制的に追放した」 と強調した上で、 「(北方領土は)ロシアの占領下にあり続けている」 として、 ロシアに返還を求める日本の立場を支持し、国際社会が解決のためにあらゆる手段を講じるように訴えている。
     そしてゼレンスキー大統領も演説で北方領土について、
    「ロシアはこれらの領土に何の権利も持っていない。世界中の人々がよく知っている。我々は行動しなければならない。私たちはロシアが占領する全ての土地を解放するため行動しなければならない」
    と重ねて述べ、こう訴えた。
    「ウクライナと国際法秩序に対する今回の戦争によって、かつてロシアに奪われたものすべてが真に解放されるのも時間の問題になった。ロシアはこの状況に自ら陥った」
    「侵略者は敗北しなければならない。戦争が再び起きないように。そして平和が本当に長く続くために。侵略者には何も残すべきではない。我々のパートナーの国々のために正義が復活すると信じている」
     よくぞ言ってくれた、ゼレンスキー大統領!
     ロシアに領土を不法占拠されているという点においては、ウクライナも日本も同じである。
      現在ロシアと領土問題を抱えている国は、他にもジョージア、モルドバがあり、さらに歴史をさかのぼれば、フィンランド、ポーランド、バルト三国など、ロシアに侵攻され、泣く泣く領土を放棄させられた国は数多い。
     このようなロシアの横暴は、今度こそ終わらせなければならない。これは、世界史的な転換点となる戦争である。
     ロシアに対するウクライナの戦いは、日本にとって決して他人事ではない。むしろ積極的にウクライナと共闘し、日本もロシアから北方領土を取り返し、世界に正義を復活させるための戦いを展開すべきなのである!
     ところが、このウクライナの歴史的決定に対する日本のニュースの扱いは、極めて小さかった。
     しかも報道はしても「日本政府に対して、ロシアへの制裁とウクライナへの支援を継続してほしい意向があるものとみられる」などと、いかにもウクライナ側の「打算」の産物のように示唆する、冷ややかな論調が目立った。
     何が何でも「他人事」にしておきたい、どんな事情があろうと戦争にだけは関わりたくない、頑としてお花畑に居座り続けたいという情けない日本人は、まだまだ多いと言わざるを得ない。
     とはいえ、関わり合いたくないと逃げる臆病者は、まだマシな方だと言うべきなのかもしれない。
     中には「他人事」どころか完全にロシアの側に立って、ゼレンスキーを非難する信じられない人間までいるのだ!
      日本維新の会副代表の参院議員・ 鈴木宗男 は、ゼレンスキーの北方領土発言について10日のブログにこう書いた。
    「単純に考えれば日本を支持する立場のように見えるが、有難迷惑な話である」
     宗男が「ロシアの手先」だということは、知ってる人にとっては「何を今さら」の事実なのだが、ウクライナ戦争開戦以降は、もうそれがなりふり構わぬ様相と化している。
     宗男は開戦直後・2月26日のブログで、
    「ゼレンスキー大統領になってから、ミンスク合意、停戦合意を履行しなかったことが今日の事態を招いている」 と述べ、メディアについても、
    「一方的にロシアを批判する前に、民主主義、自由主義は約束を守るのが基本である。その約束を守らなかったのはどの国で誰かをメデイアは報じないのか」 と非難した。
      宗男は戦争の原因がゼレンスキーの約束違反であり、正義はロシアの側にあり、ウクライナの自業自得であると決めつけ、その後も何があろうがロシアの立場を正当化する発言のみを続けている。 今回のゼレンスキーの発言に対する非難も、その一環である。
     宗男は北方領土についても、ロシアの支配を正当化してこう言う。
      それは、戦後の国際的諸手続き(ヤルタ協定、国連憲章、ポツダム宣言、サンフランシスコ平和条約等)で、ロシアが現在実行(ママ)支配しており、二国間で解決すべき問題であり、いわんやロシアを刺激しても何も得るものはない。
     まず、これが何を言っているのかよくわからない。
     普通は「国際法に基づきロシアが実効支配」と書くはずだ。
      国際法ではなく 「戦後の国際的諸手続き」 によって 「ロシアが実効支配」 とは、どういう意味なのだろうか?
     わかりにくいのも無理はない。これは宗男が自分で考えて言っているわけではなく、現在のロシアの主張をそのまんま鵜呑みにして言っているだけなのだ。
    「ヤルタ協定、国連憲章、ポツダム宣言、サンフランシスコ平和条約」 を基に、北方領土は合法的にソ連に移り、それをロシアが引き継いだというのは、ロシアの言い分そのものであり、 鈴木宗男は忠実なるロシアの手先として、それを繰り返しているのである。
  • 「権力者を“権威”にする国葬は必要ない!」小林よしのりライジング Vol.449

    2022-10-04 18:15  
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     安倍晋三元首相の「国葬」が終わった。
     わしは最初から賛成も反対もしない、無関心という姿勢でいた。政府がやると決めてしまった以上、中止などできるわけもなく、反対を唱えたって意味がないからだ。
     しかしやったことの総括は必要であるし、それにもかかわらず誰も正確な総括をしていないのだから、ここでわしがやっておくしかないだろう。
     そもそも今回の葬儀、一般には「国葬」という表記が多かったが、政府はずっと 「国葬儀」 と言っていた。
     日本では明治以降、国葬は「国葬令」という法律に基づいて行われていたが、 国葬令は戦後失効・廃止され、現在は国葬の基準を定めた法律はない。
     それを全額国費で行うのなら、少なくとも国民の代表である議会に問うべきじゃないかと思うのだが、岸田内閣は閣議決定だけで実行した。
     実際には、現状の制度では国会の関与等の担保が存在しないので、 閣議決定だけでやっても法的に問題はないらしい。
     しかし政府もそれをよく理解していなかったのか、十分な説明もせずに強行した形になってしまった。それで、これではとても「国葬」とは呼べないということで、「国葬儀」という、国葬であるような、ないような、ヌエのような言葉を使ったようにも思える。
      実は、戦後唯一の「国葬」の前例とされていた吉田茂元首相の場合も「法的根拠の不在」を野党に追及され、政府は国会答弁で 「国葬儀」 という言葉を使っており、岸田内閣はそれを踏襲したのだ。
     そういう、国葬なのかそうでないのかよくわからない「国葬儀」を、マスコミも大衆もなんとなく「国葬」と呼んでいたわけで、これはあまりにもいかがわしすぎる葬儀だった。
     それならいっそ、「国葬儀」ではなく「国葬 偽 」という名称にすれば、ことの本質を表現できてよかったんじゃないか? 「偽国葬」なら、もっとはっきりわかったと思うが。
     そんな調子で、最初っからいかがわしさに満ちた「国葬」だったが、そのいかがわしさの中でも最たるものが、一般献花に並んだ人の列の映像だった。
     ネトウヨはこの映像に大興奮、ツイッターでは 「とんでもない長蛇の列、いや、これは大蛇の列です」「サイレントマジョリティの静かな抵抗に涙。日本はまだ大丈夫」 などと、感涙にむせぶ者までいた。
     だが、その参列者の人数は「2万人」だったという。
     わしはそれを聞いて、「なーんだ」と思ってしまった。
     わしがAKBのコンサートを見に行っていた頃は、国立競技場で7万人を動員したりもしていたし、新日本プロレスの東京ドーム大会では6万人入っていたし、その他にもわしはいろんなミュージシャンのスタジアムコンサートなどに行っているから、直観的に「2万人しかいなかったの?全然少ないな」と思ったのだ。
     献花の列が長かったのは、単に行列の管理の仕方がヘタで、一列に並ばせていたからにすぎない。
     2万人を一列で並ばせたら、だらだらとものすごく長くなってしまうのは当然で、普通のコンサート会場ならそんな並ばせ方はしない。何列にも分けて並ばせて、スムーズにさばいてしまう。 「献花会場まで5時間かかった」なんて報道もあったが、コンサート会場でそんなことをやったら、入場できた時にはコンサートが終わってしまうじゃないか。
      しかも、そこに統一協会の動員がかかっていないわけがない。
     安倍晋三は統一協会とズブズブの関係で、それゆえに統一協会を憎む若者に殺されたのだから、統一協会が献花に動員をかけないはずがないということくらい、誰だって考えるだろう。
     だから、本心から国葬に行きたいと思っていた人は、実際にはものすごく少なかったということになる。
     ところが「羽鳥慎一モーニングショー」までが、その映像を流して「すごい行列です!」などと興奮気味にミスリードしていたものだから、馬鹿じみていると思った。そんなに安倍が好きだったのだろうか? 
     そこでわしはブログにこう書いて、ネトウヨを挑発してやった。
    「コミケなら1日10万人が集まるのに、国民の巨額の税金を使ってやった国葬が、たったの2万人か!」
    「巨人戦なら東京ドームに4万人、集まるらしい。
     なのに国を挙げて交通規制して、大騒ぎでやった国葬がたったの2万人とはこれいかに?
     少ないな~~~~~~~~~。」
     するとこれがネットニュースで断片的に紹介され、それがSNSで拡散されて炎上した。反響は賛否が半々というところだったが、激昂して罵詈雑言をわめき散らすネトウヨの反応は、実に面白かった。
  • 「戦前のテロに対する考察」小林よしのりライジング Vol.448

    2022-09-27 17:35  
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     9月27日(火曜)は安倍晋三元首相の「国葬儀」だ。
     弔いたい人は弔えばいいが、わしにとっては特にありがたい政策をやってもらった首相でもなく、最も重要な皇統の問題を放置されたことが腹立たしく、統一協会を権力の中枢に招き入れたことも、馬鹿馬鹿しい限りで許せることではない。
     アベノミクスでトリクルダウンはないと、最初から見抜いていたし、今もデフレは続いている。
     ただ長期政権だっただけで、なぜ感謝してる人がいるのか、全く分からない。
     弔いたいなら自民党葬でやっておけばよかったのに、わざわざ国葬儀にするから国民全員が文句言う資格が出来てしまい、「反対」の方が多くなるというみっともない世論になってしまった。故人に恥かかせる決定をしただけである。
     安倍氏の生前の業績を、産経新聞やWiLL、Hanadaら自称保守界隈は最大限に美化しようと必死だが、これもいずれ峻厳なる歴史の審判が下ることは間違いない。
     ただ、凶弾に斃れた安倍の最期に関しては、またぞろ「テロに屈するな」だの「テロは断固許してはならない」だのという決まり文句が出て来そうなので、その無意味さについて今回は改めて論じておきたい。
     先週も引いたが、批評家・東浩紀は、安倍殺害犯の山上徹也に同情する声があることについて、AERA8月8日号の巻頭コラムでこう述べた。
    「ネットや一部メディアで容疑者に理解を示す声が聞こえるのも心配だ。戦前でもテロリストに同情が集まった。それは敗戦に至る暗い歴史を準備した。」
     前回検証したとおり、 山上の犯行は個人的怨恨が動機で、「テロ」には当たらない。
     そして今回取り上げたいのは、 「戦前のテロ」 についてである。
    「戦前はテロの犯人に同情が集まったためにテロが頻発し、戦争への道を歩んだ。だから過ちを繰り返さないために、テロリストに同情してはならない」
    …というのも実によく聞く決まり文句だが、この主張は正当なものなのか、この機会に歴史を検証しておこう。
     とはいえ東の記述では、戦前の「テロ」とは具体的に何を指しているのかわからない。
     そこで、似たようなことを言っているノンフィクション作家・保阪正康の主張(毎日新聞 電子版・7月13日)を見てみよう。
     昭和5(1930)年から4~5年の間の要人テロと未遂事件は結局は、昭和の歴史を暗黒に染める役割を果たした。改めて並べてみると、5年の浜口雄幸首相、7年2月の井上準之助前蔵相、3月の三井財閥の団琢磨、そして5月には首相官邸で犬養毅首相の暗殺と続いている(5・15事件)。その後も8年の神兵隊事件や、10年の陸軍省における永田鉄山軍務局長の暗殺、翌年の美濃部達吉銃撃事件、2・26事件と休む間もなく不穏事件が続いていくのだ。まさにテロは連鎖していくのである。
     保阪は続けて 「二度とこういう体験を繰り返さないためにも私たちはあらゆるテロに徹底した批判の姿勢を堅持すべきなのである」 と述べている。
     東の主張と全く同じだ。東はおそらくこの記事を読んでAERAのコラムを書いたのだろう。保阪はマスコミには「昭和史の権威」として扱われているから、学校秀才バカの東は、これを全く疑うことなく丸呑みしたのではないか?
     だが、保阪が言っていることは全くおかしいのだ。
     ここで保阪が挙げた事件は、以下のとおりだ。
    【1】浜口雄幸狙撃事件(1930)
    【2】血盟団事件(1932)
    【3】5.15事件(1932)
    【4】神兵隊事件(1933)
    【5】相沢事件(1935)
    【6】美濃部達吉銃撃事件(1936)
    【7】2.26事件(1937)
     保阪はこの7事件すべてを「テロ」と呼んでいるわけだが、とても歴史家とは思えない粗雑さである。
     先週のおさらいだが、テロリズムとは敵対する当事者や、さらには無関係な一般市民や建造物などを攻撃し、これによって生ずる心理的威圧や恐怖心を通じて譲歩や抑圧などを強いることで、特定の政治目的を達成しようとする行為をいう。
     ただ、テロと一般犯罪との境界はあいまいでもあり、要人が公然と襲われた場合などは、実行者の動機や目的と関係なくテロとみなされてしまうこともあるが、それは大衆が感覚レベルで共有する漠然としたテロイメージであって、法的に定義されるテロとは違う。
     正確に歴史を検証するには、厳密な定義を蔑ろにしてはいけない。
  • 「【テロに屈するな】という標語は無意味」小林よしのりライジング Vol.447

    2022-09-20 19:35  
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     統一協会という「反日・反天皇カルト」を国家の中枢まで招き入れた人物を「国葬」にすることには反対の方が多くなっている。法の根拠がないまま、閣議決定で決めたことには首を傾げるが、弔いたい人はそうすればいい。
     奇しくも昨日、イギリスのエリザベス女王の国葬が行われたから、皮肉な格好になってしまって気の毒でもある。
     これまで散々「安倍マンセー」を唱えてきた言論人は、安倍が選挙に勝つために統一協会と手を組み、そのおかげで「憲政史上最長の政権」を維持していたという「不都合な真実」から目をそらそうと必死である。連中も所詮は 「反日・反天皇カルト」 に与する売国勢力にすぎないのだ。
      普通の宗教なら、自分の正体を隠して、日本人だけを洗脳し、主体性を完全に奪って、集金奴隷に改造するようなことはしない。統一協会は明らかに人権無視のカルトなのだ。
     7月10日、ニコニコチャンネルの参院選開票特番で、国際政治学者・ 三浦瑠麗 、批評家・ 東浩紀 、ノンフィクションライター・ 石戸諭 の3人が、社民党党首・福島瑞穂の発言に対して、常軌を逸した反応を示す一幕があった。
     福島はまず、安倍が殺害された事件について 「いかなる暴力にも反対する」「安倍さんの死に哀悼の意を表する」 と述べ、その上でこう発言した。
    「もし統一教会を応援しているということが問題とされたのであれば、まさに自民党が統一教会によって大きく影響を受けている、ということも日本の政治の中で、これは問題になりうると思っているのですね」
     見事だ!ぴしゃり、当たっている!
     これに東は 「『自民党は統一教会と関係しているからこのようなテロを招いた』と言った」 と口調を荒げ、三浦は 「ほぼそれに近い」 と同調。
     さらに東は 「これは大変な発言ですよね!」 と言い、石戸が 「だから福島さんというか、社民党は小さくなるんですよ!」  と非難し、さらに三浦が 「これはもうニュースになってしまいます。しかし申し訳ないけど私の責任ではないと思います。一度、牽制球を投げましたからね。」 と言ったのである。
     福島は「自民党は統一教会と関係しているからテロを招いた」とは言っていない。あくまでも自民党が統一協会の影響を受けていたとしたら問題ではないかと言っているだけで、それは全く真っ当なことである。
     それなのに三浦瑠麗、東浩紀、石戸諭の3名が、ここまで狼狽するというのは、見るからに異常である。
     実はこの3人こそが、自民党が統一協会と関係があると知れたら大変なことになると心底恐れていて、そこに直接触れる発言がいきなり出てきたものだから、パニックを起こしてしまい、全力で封殺しなければならないと血相を変えたのだろう。
      しかしその後たちまち、統一協会と自民党、特に安倍政権がズブズブの関係だったということは、隠しようのないものとなった。
     すると、「自民党と統一協会に関係があるなんて、その可能性について言うことすらまかりならん!」と言っていたはずの三浦瑠麗は、「自民党と統一協会に関係があったとしても、そもそも統一協会なんて大した問題ではない」という発言を繰り返すようになった。
     8月26日の「朝まで生テレビ!」では 「統一協会で何を今さら騒いでるんですか、みんな知ったことでしょ。私はこの問題に興味ありません」 とまで発言。興味のない問題で、なぜあんなに狼狽したのか?
     さらに三浦は 「すごい献金してて困窮してても、多くの家族は山上みたいに殺人してない!」 だの 「反日なんて言葉使わないで!」 だのと、問題を矮小化しようと必死だった。
     一方の石戸も、 「選挙運動を手伝ったり、政治家のパーティー券を買ったりと政界とのつながりは現在もある (中略) だが、つながりがあることと、影響があることはまったく別の問題である」( サンデー毎日8.14号)だの、統一教会が持つ票数は8~15万票程度だから 「公明党の支持母体・創価学会が持つ600万~700万票にも遠く及ばない」 (SPA!8.2号)だのと書いている。
     統一協会信者の実数は6万人程度で、石戸の言う「8~15万票」より少ないが、選挙ではものすごい僅差で勝敗が決まる激戦区があり、当落ギリギリの候補へ効果的に票を割り振れば、6万票で何人かは当選させられる。実際に安倍は実際統一協会に頼んで票の差配をやっていたし、ましてや地方議会はもっとずっと少ない票数で決まるから、その威力は相当なものとなるのは間違いないのである。
     SPA!の執筆者の批判は、SPA!連載の『ゴーマニズム宣言』で描いてはいけないというルールを強いられているのでここで書くが、石戸は事実を平然とねじ曲げて、統一協会の問題を火消ししようと躍起となっているのだ。
  • 「なぜ統一協会の教義に嵌るのか?」小林よしのりライジング Vol.446

    2022-09-06 16:20  
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     安倍晋三が殺害されて間もなく2カ月になる。
     月刊誌「WiLL」「Hanada」は先月に引き続き今月号でも、大々的に安倍の写真を表紙に配した特大追悼号を組んだ。
     両誌とも表紙は同じ写真で、安倍の家族葬で飾られていた遺影を使っていて、必死に追悼ぶりを張り合っているようだ。
     世間じゃ安倍晋三と統一協会の関係が明らかになるにつれ、追悼ムードというより、国葬反対で沸騰してしまっている。
     安倍の国葬については、唯一賛成が反対を上回っていた読売新聞の世論調査でも、ついに逆転した(国葬実施を「評価しない」56%、「評価する」38%)。
     岸田首相は国葬を決めた理由のひとつに 「安倍元首相に対する諸外国の弔意と敬意」 を挙げ、先月31日の会見でも 「諸外国から多数の参列希望が寄せられている。国として礼節をもって応える必要がある」 と言っていた。
      ところが実際は、案内状の返事が8月中旬の締め切りを大幅に過ぎて9月になっても多くの国から届いておらず、外務省は困惑しているようだ。
      米国のバイデン大統領、フランスのマクロン大統領、そしてドイツのメルケル前首相も参列を見送ることが決まり、中でもG7で一番長く一緒だったメルケルまで来ないことは驚きの目で見られているという。
     この調子だと、「弔問外交」で安倍の権威付けを図った狙いも壮大な空振りになるのではないか。
     国葬費用は2億5000万円と発表されていたが、これには警備費用が計上されていない。ある見積りでは警備費用に35億円はかかるといい、昭和天皇の大喪の礼の警備費用24億円、今上陛下の即位礼正殿の儀の際の28億5000万円を遥かに超えるのは確実だという。
     この調子だと、オリンピックと同じでどこまで費用がふくらむかわかったものではない。昭和天皇の場合は葬儀と陵の造営までを含めて100億円だったそうだが、それを超えることだって起こりかねない。
     左翼はあくまでも「国葬反対」でデモまでやったりしているが、安倍マンセー派は、どうせ「アベガー」の左翼が騒いでるだけと思っている。
     わしとしては 「勝手に国葬していいから、暗殺の原因を徹底究明して、統一協会を排除しろ 」と言いたい。
      暗殺の原因を徹底究明したら、浮上するのは安倍晋三本人だと判明するし、カルト団体が権力の中枢に入っているのは、国家の恥だとわしは主張している。これはあくまでも「保守」の追及の仕方であり、左翼と一線を画すことが出来る。
     世間一般の安倍に対する冷ややかな反応に比べて、「WiLL」「Hanada」の相変わらずの熱狂的な「安倍マンセー」ぶりは、まるで別世界だ。
     統一協会問題については、WiLL巻頭の櫻井よしこと門田隆将の対談で、櫻井が
    「天宙平和連合 (UPF)なる統一教会の関連団体にビデオメッセ―ジを寄せただけで、「広告塔」扱いされています。」
    と、安倍を擁護。
    「統一教会の関連団体にビデオメッセ―ジを寄せただけで」 って!
      そういうのを「広告塔」っていうんだよ!!
     これに門田はさらに、UPFにはトランプ前米大統領、フランス、インド元首相らもメッセージを寄せていて、安倍だけではないと擁護。
      そのギャラは日本の女性信者から収奪したカネだというのに!
     ふたりとも、これで世間を論破できたつもりでいるところがすごい。櫻井は自分が統一協会系団体で講演していた関係があるから、何があっても「問題ない」ことにしなければならないのだろうが、保身のために必死で嘘をついているという様子もなく、むしろすっかりカルトの思考に染まっているようにも見える。
     これが「Hanada」になるともっとすさまじくて、 「総力特集 統一教会批判は魔女狩りだ! 」というページを組み、 しかもその筆頭の記事の著者がなんと「世界日報特別取材班」だ!
     いまや政治家は、過去に世界日報にインタビューが載っていただけでも「統一協会とつながりあり」と見なされて針のムシロに座らなければならないというのに、わざわざ 「世界日報特別取材班」 を、堂々と名乗らせて執筆させているのだから呆れる。
     編集長の花田紀凱という人物は、どんなに人間的にモラルを欠いても商売人の嗅覚だけは鋭かったはずだが、ついにその鼻もカルトの毒にやられたらしい。
     しかもそうまでして招いた世界日報による記事が言っていることが、 「世界日報は統一協会の機関紙ではない」 という、些細な問題に終始している。
     前号の泉美木蘭さんの記事にあるとおり、厳密にいえば世界日報は統一協会の「機関紙」ではないが、 「統一協会系新聞」であることは間違いなく 、協会と一体であることに変わりはない。もちろん、泉美さんが前号で紹介した世界日報の闇の部分などには、一切触れてはいない。
     花田は、こんなどうでもいい記事を載せることと引き換えに、 自ら月刊「Hanada」は「統一協会の友好雑誌」であると宣言したのである。
  • 「よーしゃなき【論破祭り】VS.男系固執カルト」小林よしのりライジング Vol.445

    2022-08-23 19:00  
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     皇統の男系派に対する「論破祭り」が、ものすごい盛り上がりとなっている。
     8月12日、『男系固執派の「論破祭り」をせよ!』と題してわしが書いたブログがその出発点で、ここにその理念が凝縮されているので、改めて全文掲載しておこう。
    8月7日放送の「そこまで言って委員会NP」の議論内容を「論破祭り」せよという指令を総合Pに出した。
    笹さんにも言っておいたが、とことん「論破祭り」をやってくれ!
    実名を出して論破するんだ。倉田真由美、山口真由なども容赦せずにガンガンやってほしい。
    我々は今まで「常識と論理」で戦おうとしてきた。
    それで何が変わった?
    男系固執派には「常識と論理」がないが、「狂気」がある。
    女系公認派には「常識と論理」があるが、「狂気」がない。
    そこがダメなんだ!
    戦いは常識ある一般国民とではない。
    敵は一部の男系固執派なのだ。
    メーリスでも論破祭りをせよ!
    「愛子天皇サイト」でも論破祭りせよ!
    『小林よしのりライジング』でも論破祭りする。
    笹幸恵さんはブログで論破祭り、泉美木蘭さんと「淑女我報」で論破祭りせよ!
    答えがいくらでも重なってもいい。
    人によってどうせ語り口は違うんだ。
    大衆に届く簡潔な解答の方がいい。
    これを「東海ゴー宣道場」につなげる。
    「論破祭り」「論破祭り」「論破祭り」「論破祭り」だ!
     男系派はどんな人間であろうと、どんなデタラメな意見だろうと発言をしているから、全体としては「マイノリティー」にすぎないはずなのに、非常に「ノイジー」な存在となっている。
     それに対して 我々は、皇室に関わることなのだから節度をもって行動しようという意識があったものだから、「マジョリティー」であるにもかかわらず、「サイレント」な状態になっていた。
     それでゴー宣道場では高森明勅氏が「サイレント・マジョリティー」から「ボーカル・マジョリティー」になろうと呼びかけ、昨年の衆院選や先月の参院選の選挙期間中には、候補者に対して「愛子天皇をお願いします!」と陳情する運動が、前例のない規模で行われた。
     それは確かに意義があっただろうが、しかしこれもまた非常に節度を保った範囲内の運動であり、しかも今後2年以上は国政選挙も行われない。
     ノイジー・マイノリティーの男系派に打ち勝つには、ここでもうひとつ殻を破る必要があったのである。
     これまで女系公認派は、表立って発言して男系派と戦う人が高森明勅氏とわしくらいしかいない。「多勢に無勢」という思いをしていた。
      だからこそ、「オドレら正気か?」の小規模の「巡業」を増やして、論客として戦える人材を発掘していくしかないとわしは考えていた。
     ところが、「狂気」を解放して男系派を論破せよとブログで呼びかけただけで、これほどの動きが起こるとは思ってもみなかった。
     みんな常識と節度を保って発言を控えていただけで、本当は男系派の暴論・珍論の数々に反論したくてうずうずしていたようだ。
      そしていざ反論を開始してみたら、みんなそれぞれに勉強していたから、たちまち男系派を圧倒し始めてしまったのだ。
      男系固執派は数がいるように見えても、誰も自分の頭では考えておらず、同じ紋切り型の言葉を全員で繰り返しているだけなのに対して、女系公認派はそれぞれが自分の頭で考え、それぞれ自分の言葉で論破している。
     わしは一夜にして幾万の味方を得たような気分だった。
     そしてもうひとつ、「論破祭り」によって男系派の驚くべき実態が次々と晒されるようになったのも、非常に意義のあることだ。
      中でも特に重大な問題が「統一教会」との関係で、驚くべきことに、男系派の主な論客はみんな統一教会系の団体で講演をしていたことが明らかにされた。新田均、櫻井よしこ、八木秀次、中西輝政、大原康男、竹内久美子、小川榮太郎、渡部昇一、そしてもちろん、竹田恒泰もだ。そして、保守系と言われる論壇誌も揃って統一協会の広告塔になっていた。
      それだったら「保守派」がみんな男尊女卑になっていたのは当然だといえる。統一協会の教義が男尊女卑そのものなのだから。
     統一協会の教義では、韓国が「アダム国」、日本が「エバ国」で、エバの日本はひたすらアダム・韓国に仕え、お金を貢がなければならないことになっている。
      そして「合同結婚式」では、日本人の女は韓国人の一番劣等な男に嫁がされて、奴隷のような扱いをされているのだ。
  • 「ウクライナから台湾へ?」小林よしのりライジング Vol.444

    2022-08-16 16:50  
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      もしもロシアがウクライナ侵略を達成し、国際法秩序の破壊に成功したら、中国は迷わず台湾を侵攻するだろう。だが逆にロシアが失敗したら、中国も一蓮托生となるかもしれない。今は世界史的な分水嶺にある。
     8月2日から3日にかけ、米国の大統領・副大統領に次ぐ「ナンバー3」といわれる下院議長、ナンシー・ペロシが台湾を訪問した。
     これに中国は猛反発、事前には米中首脳会談で習近平国家主席がバイデン大統領に 「火遊びすれば身を焦がす」 と警告した。
     この言い回し、ほとんどマフィアの恫喝だが、ペロシはこれに動じず台湾訪問を実行。中国はその「報復」のように、台湾近海での軍事演習を4日から9日まで行った。
     そしてこれとちょうど時を同じくして3日から5日までの間、カンボジアの首都プノンペンでは、ASEAN関連の国際会議が開催されていた。
     台湾問題に関してASEAN各国の対応は分かれていて、シンガポールやマレーシアなど、米中双方と経済的な結びつきが強い国は「中立」的な態度を取り、カンボジアやラオスなど、中国に経済で大きく依存している国は「台湾や新疆ウイグル自治区、香港などは全て中国の内政問題」として、中国寄りの態度を取っている。
     ウクライナ戦争について、ロシアへの依存度によって各国の態度が変わるのと同じ現象である。
     そんな中、4日に行われた会議で日本の林芳正外相は、中国の軍事演習に「懸念」を示した。
      すると、これに対して中国の王毅国務委員兼外相が激怒。 王は台湾の現状について日本の 「歴史的な責任」 を持ち出し、 「日本には発言する資格がない」 と声を荒らげたという。
     中国外務省も報道官(外務次官補)が記者会見で 「日本は台湾問題で歴史的な罪を負っており、とやかく言う資格はない」 と発言した。
      王毅は4日に予定されていた、対面では1年9カ月ぶりとなる日中外相会談を開始予定の2時間前に急遽キャンセル。
      翌5日の東アジアサミット外相会議では林外相の発言の際、ロシアのラブロフ外相とともに退席した。
     一国の外相が国際会議の席で声を荒げて激怒し、その後にドタキャンだのボイコットだのを繰り返すとは、あまりにも子供じみていて外交的には失態としか思えないが、それほどまでに余裕を失っているようにも見える。
     中国は日本に対しては、居丈高に 「歴史的な責任」 を言いさえすれば勝てると思っているから、今回も 「日本は台湾を植民地にしていたのだから、台湾のことを言う資格はない」 と言えば、日本は黙ると思ったのだろう。
      そして実際に、中国に「歴史カード」を出されたら直ちに平伏する、歴史を全く知らないバカな日本人もいるのだから、始末に悪い。
     そこで今回は、この中国のイチャモンに対して反論しておこう。
     とはいえ、細かい検証などする以前に、いくらなんでも 「台湾を植民地にしていた日本には、台湾のことでモノ申す資格はない」 というのは、呆れるほど見当はずれな言いがかりであることは明白である。
      だったら、ミャンマー(ビルマ)を植民地にしていたイギリスは、現在のミャンマーにおける人権侵害に対して何も言う資格はないのだろうか?  もちろんそんなことはなく、イギリスはミャンマーの軍事政権に制裁措置を行っている。ミャンマーに対しては、なぜか日本政府の方が制裁に消極的なのだが。
     さて、まず強調しておかなければならないことは、 現在の中国=中華人民共和国は、歴史上一度も台湾を国土としたことがないという事実である!