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「ワクチン薬害被害者の声と、ワクチン推進派言説」小林よしのりライジング Vol.422
2022-01-11 17:30150pt1月7日放送のNHK『ニュースウオッチ9』で、ワクチン接種後に体調が悪化した女性のインタビューが放送された。(※見逃し配信1/14まで)
1回目の接種後、動機と不整脈と悪寒が止まらないまま、ほぼ寝たきりになり、ご飯も食べられなくなったというこの女性は、2か月半もの休職を余儀なくされた。接種から13日後に病院を受診したところ、 「心筋炎」 と診断されている。
診察した医師は、NHKのインタビューに応えており、 「ワクチン接種の直接の影響であろうと考えた」 と発言していた。
15歳の息子も、2回目接種後に体調不良で食欲不振に陥っており、今後7歳の娘が接種対象になった場合について、女性は「もうちょっと様子を見てもいいかもしれない」と発言している。
NHKは、これまでコロナの恐怖を煽りまくり、「こびナビ」を持ち上げて、ワクチン慎重派の意見を一方的に「フェイク」と決めつける番組を作ってまで接種圧を高めてきた。だが、ここに来て、とうとう薬害が隠蔽できない水域にまで達し、「アリバイ作り」を始めたのではないかと感じさせられる報道だ。
https://www.nhk.or.jp/gendai/comment/0016/topic031.html
そして、河野太郎は、心筋炎について、自身のYoutubeチャンネルで「また反ワクチンの人が騒いでますけども」などと嘲笑し、次のように語っているが、この女性に対してどう感じるのだろう。
「新型コロナウイルスに感染すると、心筋炎、かなりの割合、けっこう重症の心筋炎になる方がいます。 ワクチンでも心筋炎になる人がいるんですけども、確率的にも小さいし軽症です。 ほとんどの人は回復しています。
ですから、『ワクチン打ったら心筋炎ガー!』って、また、反ワクチンの人が騒いでますけども、 それは全然気にすることはありません 」
(河野太郎公式Youtube『たろうとかたろう』にて)
女性の症状が、「軽症」とはまったく思えない。2か月以上も休職になれば、食うや食わずに陥り、生活保護に頼るしかなくなる人だって少なくないだろう。
河野太郎は、娘への接種を控えたがっているこの女性に対して、「全然気にすることはありません」と言えるのか?
大勢のワクチン心筋炎患者、死者に対して、同じことが言えるのか?
マスコミによるワクチン薬害の報道は、少しずつだが出はじめている。
1月8日には、長崎新聞社が、接種後の異変に苦しむ女性のインタビュー記事を掲載した。
https://nordot.app/852368123359707136?c=174761113988793844
病院の事務職として働いていた30代女性は、職域接種を直前まで迷ったものの、「受けない」と言いにくい雰囲気を感じて接種。
ところが接種後、急に全身が熱くなり、意識が朦朧として、帰宅後も全身のだるさと吐き気、左背部の痛みに襲われた。翌日、職場の病院を受診したが、医師からは 「副反応だろうが、対症療法しかない」 と薬を処方され、その2日後には、顔の左側だけ口角が下がるという異常が発生。そして、体のあちこちが痙攣するようになり、やがて歩くこともできなくなって入院となった。
検査をしても原因はわからず、医師はワクチンの影響を否定。女性は医師から、 「疲労だから数週間すれば治る」「あなた痩せすぎだから。ちゃんと食べてる?」 などと言われて不信感が募ったという。
接種から10か月たった現在も、症状は回復しておらず、女性は杖が手放せない状態で、子どもたちと遠くに遊びに行くこともできない。改めて医師に「ワクチンが原因ですよね」と尋ねると、今度は否定せず「これからこの症状と付き合っていくしかない」と軽い調子で言われて、失望したという。
医師の様子があまりに冷たく閉口するが、凄まじい「ワクチン接種圧」がかかる病院という組織、そして、大勢の人々に接種している現場の医師として、もはや、患者の声に耳を傾けるという超基本的な「職責」すら、捨て去られてしまったのではないか?
苛烈な副反応や、ひどい後遺症を訴える人は、自身の良心に呵責を加える不都合な存在となり、まともに対応できないという心理状態が生まれていることも想像される。「だってしょうがないだろ、全体がこの状況なんだから」と、責任の所在を蒸発させてしまってはいないだろうか?
女性は、長崎新聞の取材に対して、こう訴えている。
「 メディアがワクチンのメリットばかりを発信し、実際にある副反応への対策や情報発信をしないのはフェアじゃない。 私よりも重篤な症状に苦しんでいる人もいる。3回目接種や子どもたちへの接種が進められているが、接種のリスクを知った上で検討してほしい」
ワクチンのメリットや安全性が「証明されている」と断言し、素人が専門家に意見するななどと言ってきた「こびナビ」は、この女性に対してどう答えるのか? -
「米軍、イラク撤退。検証しない文化?」小林よしのりライジング Vol.405
2021-08-03 21:55150ptもう日本では、世の中にはコロナとオリンピックしか存在しないかのような状態で、世界でどんな歴史的なことが起こっていようと一切無視されている。
わしもコロナ禍・ワクチン禍という喫緊の課題に対処しなければならないので、「SPA!」では『コロナ論4』シリーズを集中して描く以外にない。
だが「ライジング」くらいは、その他の話題も扱っておきたい。
アメリカのバイデン大統領は先月26日、ホワイトハウスでイラクのカディミ首相と会談。両政府は声明を出し、 年末までにイラクの駐留米軍が戦闘任務を終えると発表した。
イラク戦争は2003年に始まり、2011年にはオバマ大統領(当時)が完全撤退に踏み切ったものの、イスラム国(IS)が勢力を拡大させ、その掃討のために再派兵を余儀なくされていた。
今回は完全撤退ではなく、約2500人の米兵は駐留を続けるが、イラク軍への助言や支援に専念し、直接戦闘にあたることはなくなるという。
一方アフガニスタンの駐留米軍については、今月末までに完全撤退することが既に決まっており、先月2日には最大拠点だった首都カブール近郊のバグラム空軍基地に駐留していた米軍の撤退が完了している。
2001年9月11日にアメリカ・同時多発テロが勃発、米軍は直ちにその翌月アフガニスタンに侵攻し、それから約20年もの歳月が経過。 アフガニスタン戦争は「米国最長の戦争」とも言われるが、これがようやく終わることになる。そして時を同じくしてイラクでも、米軍は直接の戦闘任務から手を引くという。
いま、明らかに時代の一区切りがつけられようとしている。世界中に甚大な被害と禍根を残したままで。
米軍はアフガニスタンへピーク時に約9万人を派遣。イラクへは、ピーク時に約17万人を派兵した。
戦死者は合わせて約7000人。そして帰国後に心を病んで自殺した復員兵の数は、戦死者数をはるかに上回ると推測されている。
また、 米軍のアフガニスタン、イラク、シリア、パキスタンにおける2001年以降の戦費は5兆6000億ドル(約638兆40000億円)にも上る と、米ブラウン大学ワトソン国際公共問題研究所(WIIPA)が試算している。
この額は米国防総省の試算の3倍以上に達するが、国防総省の試算は「直接戦費」だけであり、手足を失ったり失明したりした重傷者の生涯の年金、治療費や国債の利息など将来の費用を加算すれば、ここまで膨れ上がるというのだ。
そしてこれだけの犠牲を払いながら、これで米国が得たものは何もなく、何一つ解決されたことはなかったのである!
米政府は9.11テロ事件の黒幕とされるオサマ・ビンラディンを匿っていたアフガニスタンのタリバン政権にその身柄の引き渡しを要求し、断られた。
そこでブッシュ大統領(当時)は「テロとの戦い」を宣言して2001年10月7日、米英を始めとする連合軍がアフガンを攻撃した。
それから約2カ月でタリバン政権は崩壊、11月には有志国連合とアフガン諸勢力の代表らが暫定政府の樹立などに合意し、12月には暫定行政機構が発足した。
そして次にアメリカはイラクがテロに関与しているとの疑いをかけ、イラク攻撃へと突き進んだ。
翌2002年初頭の一般教書演説でブッシュは、イラク・イラン・北朝鮮を、大量破壊兵器を保有するテロ支援国家として名指しで非難。
この時、ブッシュは三国を「悪の枢軸」と称したが、これは言うまでもなく第二次世界大戦におけるドイツ、イタリア、日本になぞらえたもので、明らかに日本への侮辱になる言葉だった。
ところが日本の自称保守派は誰一人この発言を非難せず、それどころか、こぞってこれを大歓迎した。
連中は、アフガンをやっつけたアメリカは次にイラクをやっつけ、さらにその次には北朝鮮をやっつけてくれると思っていた。だから、アメリカを支持さえしておけば、日本も安心できると本気で信じていたのである。
米国はイラクが「大量破壊兵器」を保持していると主張し、これにより危機が迫っているから「自衛」のためにイラク攻撃が必要だと唱えたが、これにはアフガン攻撃の際とは違って、国連の合意を取り付けることができなかった。
それにもかかわらずアメリカは2003年3月19日、イラク侵攻を強行。
わしは西部邁と共に、戦争の大義とされる「大量破壊兵器」などイラクに存在せず、これは侵略戦争であると批判。さらにこの戦争は泥沼化し、米軍が負けることになると予測した。
そしてこれに対して、親米保守派の連中は総がかりでわしと西部へのバッシングを繰り広げたのだった。
開戦後1か月足らずでフセイン政権が崩壊したあたりの、親米保守派の勝ち誇り方はものすごかった。
ところが結局、戦争の大義であった大量破壊兵器は結局存在せず、イラク戦争は侵略戦争以外の何物でもないことが明白になった。 するとあろうことか、親米保守派は 「戦争に大義など要らない」 などと言い出したのである。
しかも米軍は、イラクの占領政策に完全に失敗した。独裁者・フセインさえ倒せばイラク国民は大喜びで民主国家を樹立するだろうという楽観的すぎる予想はあっさり覆され、 それどころか、フセイン独裁だったからこそ抑えられていたシーア派とスンニ派の衝突が勃発して内戦状態となり、さらにはテロ組織が続々と流入して、イラクは完全なカオスと化してしまったのだ。
米軍は治安維持のための増派などを余儀なくされ、完全に泥沼にはまってしまった。 -
「常識の逆襲にあった鬼畜系」小林よしのりライジング Vol.404
2021-07-27 18:20150pt開催前日まで「中止にしろ」だの「選手入場だけにしろ」だのと叩かれまくった東京オリンピックの開会式だが、フタを開けてみれば実に素晴らしいものだった。
そして柔道の阿部兄妹など日本人選手のメダルラッシュが始まると、世の中はつい最近まで世論の8割が「中止」または「延期」を求めていたことなどケロっと忘れて、歓喜の嵐である。そんなもんだ、民意なんてものは。
オリンピック・パラリンピックは大いに盛り上がってほしいが、そうなるとたちまち忘れ去られそうな話題もあるので、今回はそれについて書いておく。
東京オリ・パラの開会式で作曲を担当していたミュージシャンの小山田圭吾が、過去に凄惨ないじめをした経験を雑誌のインタビューで自慢げに語っていたことが問題視され、開会式の4日前に辞任した。
問題とされた記事は主に「ロッキン・オン・ジャパン」1994年1月号と「クイック・ジャパン」1995年8月号のもので、小・中・高一貫校の和光学園の学生時代、障害のある同級生に対して 「全裸にしてグルグルに紐を巻いてオナニーさしてさ、ウンコを喰わしたりさ。ウンコ喰わした上にバックドロップしたりさ」 等々、筆舌に尽くしがたいいじめ、というより「残虐行為」を行っていたことを、笑いながら「武勇伝」のように語っていた。
小山田は長文の謝罪文を発表したが、その謝罪を本気で受け止めた者はいなかった。なぜなら問題の記事は26~27年も前のもので、この件はその後もネットで何度となく蒸し返され、炎上していたのに、小山田はそれを一切無視していたからだ。
本当に過去の自分の言動を反省し、謝罪する気持ちがあったなら、その機会はいくらでもあったにもかかわらず、小山田はその全てをスルーし続けていた。それを今になって謝罪文を出したところで、オリ・パラの作曲から降ろされたくないという「保身」にしか見えなかったのは当然である。
これは決して「過去」の問題ではなく、小山田は現在に至るまでこれを悪いことだとは思っていなかったと解釈されても仕方がない。
ポリコレ棒で人材を抹殺していく最近の風潮は間違っていると思っているが、この件はそれとは明らかに異なり、辞任はやむを得なかったとわしは思う。
むしろ、小山田の身障者いじめ自慢の件は、音楽業界では知らない者がいないほど有名な話だったのに、それをオリンピックのみならずパラリンピックの音楽担当にまで起用した人間が、どうかしていたとしか言いようがない。
さてここで問題なのは、なぜこんな吐き気がしそうなほど非常識な「いじめ自慢話」が複数の雑誌に平然と掲載されたのかということだ。
これは、90年代のサブカル界隈で流行っていた「鬼畜系」というものを知らなければ理解できない。
「鬼畜系」とは、わざと世の良識に背き、欲望のまま徹底的に下品で残酷なものを楽しみ、悪趣味な行動や発言をしようという、今となっては理解のし難いムーブメントである。
当時の状況を、「週刊SPA!」1996年12月11日号はこう書いている。
若者のファッションや音楽において「渋谷系」というジャンルが席巻したように、若者カルチャー界で今、急速にその足場を固めつつあるのが「鬼畜系」だ。死体写真やフリークス写真に軽~いノリの文章を添え、ハードなスカトロなどの変態の世界を嬉々として笑い飛ばす。さらにドラッグやレイプ、幼児買春といった犯罪行為の情報も満載。このタブーなき欲望追求カルチャーは一体どこへ向かうのか?
現在では考えられない話だが、昔だったら「変態」と蔑まれ、マニア向けの専門店にひっそりと置かれていたはずの情報が、当時は「鬼畜系」という言葉で「危なく下品」だけど「明るく楽しくオシャレ」なものに化け、一般書店で堂々と平積みされていたのだ。
そして「鬼畜系ブーム」は若者カルチャー界をも越え、凶悪殺人犯を1冊に1人特集し、犯行現場の死体写真なども満載した「マーダーケースブック」という週刊誌がデアゴスティーニから発行され、テレビCMまで打たれて結構売れるという現象まで起こった。
その背景には90年代の世相がある。 -
「ここがヘンだよ“こびナビ” その1」小林よしのりライジング Vol.403
2021-07-20 21:40150pt河野太郎ワクチン大臣は、ワクチンに関する正しい情報を伝えるために、『こびナビ』の監修を受けているという。
『こびナビ』は、 「新型コロナウイルス感染症に対するワクチンの正確な知識をお伝えすることを目的として集まったプロジェクト・チーム」 らしい。
メンバーを見たところ、千葉大学病院の関係者を中心に結成されたようだ。さらに、ネット上で積極的にワクチンを推進する発言や、「感染拡大」「外食は危険」「密に注意」などの分科会の提言を広めながら、コロナ・ブームにのって陽の目を浴び、一般人のフォロワーを数万~10万人単位で増やしてきた “医療系インフルエンサー”と言える医師たちが集まっている。
★小林先生のためのワンポイント解説★
「インフルエンサー」とは…
マスメディアで活躍している有名人ではないが、ブログやSNSなど、ネット上に数万~数百万人単位のファンを抱えており、その発信に注目する大勢の人々に影響を与える人物のこと。
インフルエンサーが写真や動画などで紹介したスイーツや美容用品、服、ゲーム、レジャー施設などは、急激に売り上げを伸ばし、店には客が殺到して行列ができるなど、局地的な経済効果を生んでいる。
広告やマーケティングの世界は、現在インフルエンサーの争奪状態。専門のプロダクションも芸能事務所なみに乱立しており、もはや珍しくない。
『こびナビ』は、医療系のWEBプロモーション会社と組んで、ネット上の人々を取り込むことにかなり力を入れているようだ。今年3月には、クラウドファウンディングで資金集めを行っており、ひと月足らずで3000万円以上のカネをかき集めることに成功している。
資金集めの名目は 「コロナワクチンの正確な情報で元の世界を取り戻したい」 。
いわく、「無関心な層」にもワクチンの情報を提供するために、大規模な広告展開を検討しており、そのためには多額のカネが必要だとのことだ。
公表されている3000万円の資金の用途を見ると、ウェブサイト設置やデザイナーによる資材制作などに200万円、プロに依頼しての動画作成 に250万円、ポスターや新聞折り込みチラシなどの制作や各施設への発送などに500万円と豪快だ。
さらに、 「広告業界と連携し、たとえばYoutuberと接種体験を共有するような仕組み」に2000万円 などとされている。著名なYoutuberにカネを積んでワクチンを打たせ、実況でもさせるつもりなのだろうか?
どうしても若者にワクチンを打たせたい、それが『こびナビ』の目的であることがよく伝わってくる。
■ワクチン解禁、厚労省と『こびナビ』始動の関係
『こびナビ』メンバーに注目してみると、気になることがいくつかある。
まず、代表の吉村健佑医師は、千葉大学病院次世代医療構想センターのセンター長で、精神科専門医、公衆衛生修士などの肩書を持つ人物なのだが、経歴を調べると、2015 年に厚生労働省に入省、保険局・医政局で医療情報分野の政策立案と制度設計に関わった元医系技官であった。
もともと厚労省と強力なコネがあったのか?
さらに、『こびナビ』発足前後の出来事を時系列で調べてみると、こうだ。
まず、日本でファイザーのワクチンが正式承認されたのは、2021年2月14日。
そして、厚労省の報道向け資料によれば、翌2月15日の午前9時に、厚労省がコロナワクチンに関する電話相談窓口を開設している。
またこの日は、衆院予算委員会で菅首相が、「17日には医療関係者への接種を開始したい」などと発言。
そして、さらに、この日の午後3時から行われたのが、『こびナビ』プロジェクトを始動するという記者会見なのである。
この記者会見は、NHKほか民放各局から報道されている。
ここで疑問が浮かぶ。なぜいきなりテレビで注目されたのだろう?
いくら医師が集結したと言っても、発足したばかりの『こびナビ』などという、まだ得体の知れない集団が、ここまでマスコミに信用された理由は?
非常に不可解に思い、この会見について調べてみると、なんと会見の行われた場所は、 厚生労働省内の会見室 だったことがわかった。
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