-
「国家管理のマイナンバーに拒否感」小林よしのりライジング Vol.151
2015-10-13 18:10153ptマイナンバーというやつが、とにかく気に食わない。
わしは決して「反体制」ではなく、「国家」の存在を否定しているわけではない。
しかし、だからといって、国家が個人に対して何をやっても許されるなどとは全く思っていない。
個人には、個人としての尊厳がある。
個人個人にナンバーを付けられるというだけでも、囚人のような気がしてしまう。
ましてやそのナンバーによって、個人情報が何もかも国家に把握されるなんてことには、とにかく拒否感が湧いてくる。
わしは国家に管理されるのがイヤなのだ。
これは「反体制」とかいう問題ではない。
そもそも、これは以前には 「国民総背番号制」 と言われていたのだ。それを「マイナンバー」などとカタカナ語にして柔らかく見せようというのも、あまりにも姑息である。
読者諸君は、14年前に 「ウシは10ケタ、ヒトは11ケタ」 というフレーズが唱えられたのを覚えているだろうか?
平成13年(2001)、その翌年から施行される改正住民基本台帳法に基づいて、国民全員に11ケタの番号が振られ、「住基ネット」で情報のコンピュータ一元管理が始まることに反対する運動が繰り広げられた。
その時に唱えられたのが「ウシは10ケタ、ヒトは11ケタ」だ。なお「ウシは10ケタ」というのは、このころ狂牛病(BSE)対策のため、牛に10ケタの個体識別番号がつけられたことを踏まえている。
このフレーズを唱えたのは左翼系の団体だったが、人間に番号を割り振って管理しようという発想自体が、人を人とも思わず、牛と同様に扱っているように思えて拒否感を覚えるということには、右も左も関係ない。人として自然に発生する感情だと言っていい。
その証拠に、この時には保守系知識人も 「私は国民ではあるが、番号ではない。番号になることも断じて嫌である」 と、はっきり言っていた。
これ、誰が言ったかというと、櫻井よしこだ。
櫻井は「改正住民基本台帳法を考える国民会議」を開催、自らが筆頭となり、屋山太郎、田中康夫、三枝成彰と連名で以下のようなアピールを発表している。
改正住民基本台帳法が、2002年8月17日までに本格的に施行されます。国民総背番号制のこの制度は国家がひとりひとりの情報を一元的に管理し、監視するものです。
また、コンピュータに入力された個人情報が、万一、漏れ出すことになれば、プライバシーに対する重大な侵害となります。
改正住民基本台帳法を考える国民会議では、自由主義を守りプライバシーを尊重する観点から、改正住民基本台帳法の改正部分、国民総背番号制の廃止、凍結、再検討を小泉総理大臣に申し入れるともに、広く国民の皆様に強くアピールいたします。
さらに同国民会議は、以下のようにも呼びかけていた。
1 / 1