村山談話・河野談話に未来はあるか?
第37回 河野談話に何が書いてあるか分かってるのか?
未だに河野談話は「慰安婦強制連行を認めた談話」だと
説明される。
自称保守の言論人たちは、「強制連行」がなかったことを論証すれば
河野談話を否定できるものと思い込んでいる。
または、検証なしの元慰安婦証言だけが根拠の
「官憲等が直接関与」という文言を否定しようとする。
そういう連中は、河野談話を読んだのだろうか?
河野談話の本文は860字、この連載の1回分と
同じくらいの分量しかない短いものだが、
連中はそれさえ読まずに論じているとしか思えないのだ。
河野談話は「強制連行」の内容をすり替えていて、
もう「奴隷狩り」的なものは対象に入れていない。
「官憲等が直接関与」というのも、大した問題として
扱ってはいない。
河野談話の核心は、慰安婦問題を
「当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く
傷つけた問題」と認識し、国家として「お詫びと反省」を
表明していることにあるのだ!!
談話では、具体的にどのような行為が「女性の名誉と尊厳」
を傷つけたのかはほとんど判然としない。
そのため、「強制連行」の有無も大した問題ではなく、
「慰安所」というものがあったこと自体が
「女性の名誉と尊厳を深く傷つけた」のであって、
それこそが慰安婦問題の本質であると言っているように
読めてしまうのだ!
そして間違いなく、米国や韓国・中国では、
そういうものとして読まれている。
「強制連行の有無」が河野談話の最大のポイントだなんて
思っているのは、日本の自称保守派だけなのだ!
国家として「お詫びと反省」を表明するというのは一大事であり、
お詫びする対象はできるだけ具体的に限定するのが常識だ。
ところがここまで漠然とした、どこまでも対象を
拡大解釈できそうな文言で謝罪したのだ。
一国の政府として、正気の沙汰とは到底思えない。
河野談話は、宮沢内閣退陣により自民党が結党以来38年間
守ってきた政権の座から転落する5日前、どさくさ紛れに発表された。
後は野となれ山となれとでもいうつもりだったのだろうか。
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