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イスラム国の人質に対する安倍政権の対応を、
評価する世論の方が多いらしい。
それはわからなくもない。
2人の人質に対してあまり同情しないからだろう。
1人は武器マニアが商売で行っただけであり、
もう1人はプロのジャーナリストである。
戦場ジャーナリストは人質にならなくても
死ぬ確率は高い。
「自己責任」という言葉は、今回は使用しても
間違っていない。
かつてイラク戦争時に人質になった3人の場合は違う。
イラク戦争は米国の侵略戦争だったのであり、
イラクの子供たちの人道支援をボランティアで
やっていた女性が捕まっていた。
あれは侵略戦争を支持した日本に落ち度があり、
人質事件は完全に「想定外」の事態だった。
今回の場合は「想定内」過ぎる。
ジャーナリストの母親が起死回生の同情心を
湧き起こすかと思ったら、残念ながら
スピーチがヘタだった。
原発の話は関係ない。
息子に助かってほしいという切迫感があれば、
あんな席で原発の話なんかしない。
同情心を巻き起こす世論形成に失敗したのだ。
だからと言って、このたびの安倍政権の対応は
万全だったかというと、それは違う。
国民は安倍首相のミスに気付いていない。
イスラエルで対テロ戦争のための支援を
スピーチすれば、それはイスラム国への挑戦と
受け止められても仕方がない。
過激派のテロに対して批判的なイスラム教徒でさえ、
米国・イスラエルの側に明確に立った安倍首相には
失望を覚えるだろう。
「対テロ戦争」「テロとの戦い」なんて言葉を
普遍的真理のように思い込んでると、
外交的に取り返しのつかない大失敗を
やらかすことになる。
日本は西欧の価値観からも、イスラムの価値観からも、
「中庸」でなければならないのだ。
安倍首相は「中庸」の言葉が好きらしいが、
残念ながら言動が全然「中庸」になってない。
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小林よしのりライジング
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