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育鵬社の公民教科書は思想が浅い。
作っている人間の知性に問題がある。
曽野綾子のコラムを使っているのだが、その中には、
「人は一つの国家にきっちり帰属しないと、『人間』にも
ならないし、他国を理解することもできないんです」
などという記述がある。
これでは日本国籍を取得していない在日朝鮮人や
在日中国人を差別する理屈になる。
さらに中東では国民意識のない部族がいっぱいいるが、
あれは全部人間ではないことになる。
中国にも国家への帰属意識を持つ者が本当にいるのか
すらも怪しいが、中国人は人間ではないのか?
近代国家には「国民」意識が必要で、民主主義も
国家への帰属意識がなければ成立しない。
だがその感覚を、世界に普遍化するのは難しいし、
国家への帰属意識は、教科書で平然と記述するべきでは
なかろう。
さらに曽野氏のコラムにはレディー・ファーストを
否定する記述があるが、これは相当に酷い。
女性に対して、ドアを開けてやる行動は、九州の風土で
育ったわしでも心掛ける。
もはやその程度のレディー・ファーストは、日本人も
米国のマネではなく受け入れてもいいと思う。
女性には優しくしたいと思うのは、男性の本能
なのではないか?
このように「保守」と言っても、懐古趣味を「保守」する連中と、
良き慣習は受容しつつ日本人の魂は守ろうという
わしのような感覚の「保守」では全然違うのだ。
ある意味、「リベラル」を自称しつつ、マナーを
全然守らない野蛮人だって多い。
わしの方が「リベラル」だと思うことはいくらだってある。
右も左も「保守」の意味を全然わかっていないのである。
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小林よしのりライジング
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