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「断言主義から放言主義へ」小林よしのりライジング Vol.152
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「断言主義から放言主義へ」小林よしのりライジング Vol.152

2015-10-20 19:00
  • 107
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第152号 2015.10.20発行

「小林よしのりライジング」
『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。
毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、著名なる言論人の方々が出版なさった、きちんとした書籍を読みましょう!「御意見拝聴・よいしょでいこう!」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが無限に想像をふくらませ、とことん自由に笑える「日本神話」の世界を語る「もくれんの『ザ・神様!』」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行)

【今週のお知らせ】
※「ゴーマニズム宣言」…価値相対主義を批判し「価値判断から逃げるな!」と檄を飛ばすことから始まった『ゴーマニズム宣言』。しかし、そんな『ゴー宣』の語り口がウケると、いつの間にか似たような物言いが増え、今や「暴言・放言」が持て囃される時代になってしまった。複雑な思考を重ね責任を負って主張している『ゴー宣』と、炎上目的の無責任な「暴言・放言」主義者を一緒にするな!
※「ザ・神様!」…相模国での絶体絶命の大ピンチを乗り越え、より一層絆を深めたヤマトタケルとオトタチバナヒメ。一行は鎌倉を抜け横須賀へ、半島の東端に辿りつくと、目の前には、走水海(現在の浦賀水道)が広がっていた。しかし、そこにはさらなる危険と大きな悲劇が待ち受けていた…!
※よしりんが読者からの質問に直接回答「Q&Aコーナー」!マイナンバーへの拒否感は左翼の感覚に通じていないか?クリントンが大統領になり「TPPやめる」と言ったらどうなる?南京大虐殺がユネスコの記憶遺産として登録された件をどう思う?「コロコロ」でライバル視したり意識していた作家は?ハロウィンはこのまま定着して良いの?身共に離れられないのに刹那で、虚無的な男女関係をどう思う?…等々、よしりんの回答や如何に!?


【今週の目次】
1. ゴーマニズム宣言・第148回「断言主義から放言主義へ」
2. しゃべらせてクリ!・第112回「貧ぼっちゃま!こりが格差社会ぶぁ~い!の巻〈前編〉」
3. もくれんの「ザ・神様!」・第67回「ヤマトタケル物語・その8」
4. Q&Aコーナー
5. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど)
6. 読者から寄せられた感想・ご要望など
7. 編集後記




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第148回「断言主義から放言主義へ」

 90年代前半、『ゴーマニズム宣言』がヒットし始めた時、真っ先に注目されたのは、その「語り口」だった。
 人にどう思われようが、自分の思うところをズバリと「断言」するスタイルは、当時としては非常に斬新なものだったのだ。
 それは、自ら意図したことでもあった。
 なにしろわしが『ゴー宣』を始める当時は、「価値相対主義」の時代であり、「ポストモダン」の時代だった。絶対的価値はない、価値判断から逃げるべきであるという風潮が主流だったのだ。
週刊SPA!平成4年(1992)1月22日号に載った連載第1回では、わしは「日本人はまったく自分を主張せん!」「謙譲の美徳にかくれてはっきりモノを言わん態度をとりたがる!」と批判し、「自分の考えをゴーマンかませ!」と檄を飛ばすことから始めている。
「傲慢」だの「たかが漫画家が」だのというバッシングが来るのも想定のうちで、それでもかまわず表現の自主規制問題から部落差別、オウム事件、薬害エイズ事件、従軍慰安婦問題から歴史認識問題と、その当時誰も手をつけようとしなかった事柄について次々発言し続け、様々な反響を巻き起こしながら現在に至っていることは、古くからの読者には周知のことであろう。

 だが、そんな「ゴーマニズム」の語り口がウケると、いつの間にか似たような物言いが増えてきた。
 そして気がつくと、今や「断言調」の語り口は世の中に氾濫している状態である。
 世間一般の目からすれば『ゴーマニズム宣言』の小林よしのりの語り口も、よくある「断言調」の物言いのひとつで、そう珍しくはないものに映っているのではないか。もしかしたら、むしろその中ではまだおとなしい方に見えているかもしれない。
 何しろ、一般大衆の多くは「語り口」しか見ていない。その「断言口調」で何を言っているのか、発言の内容まで深く吟味しようとは考えない。
 どんなに間違ったことだろうと、全く無責任な放言だろうと、明らかな嘘八百だろうと、とにかく強硬に「断言」さえしていれば、スゴイと思われるのだ。
 その発言が批判を受け、しかもその批判が正当で、発言が矛盾していることが暴かれていても、開き直って破綻した主張を「断言」し続ければ、批判に屈しない信念のある態度だとして人は喝采するのだ。
 だから、安倍晋三の人気は落ちないのである。

 安倍晋三は、安保法案の審議において「断言」を繰り返した。
「戦争に巻き込まれるということは絶対にないということは断言したい」
「徴兵制が敷かれることは断じてないと明快に申し上げておきたい」
「専守防衛が基本であることにいささかの変更もない」

 この「断言」は、オリンピック招致の際のあの発言を思い出させる。
「私が安全を保証します。状況はコントロールされています」
「汚染水は福島第一原発の0.3平方キロメートルの港湾内に完全にブロックされている」
「健康に対する問題はない。今までも、現在も、これからもない」
「東京にはいかなる悪影響を及ぼしたことはなく、今後も及ぼすことはありません」

 いずれの「断言」も何一つ根拠がなく、明らかな大嘘である。そしてそのことは散々指摘され、批判を浴びているのに、それが大して安倍のダメージにはならないのだ。 
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他97件のコメントを表示

来月のゴー宣道場のテーマが、「とりまデモって民主主義か?」ではなくて「とりま民主主義ってデモか?」
まずそこにタイトルをつけた人の狙いを感じます。
「とりまデモ」ではなくて「とりま民主主義」。
戦後70年間の民主主義は実は「とりま民主主義」だったのではないか?
「とりま民主主義」の覚悟のなさが覚悟のないデモを生み出したのではないのでしょうか。
…と、思うのですが、いかがでしょう。

No.109 103ヶ月前

ふつふつとイメージが湧き起こったので、度々の書き込み失礼します。

「なんとなく」デモや圧力団体の存在を正しいもの、唯一絶対的な存在のものと思い込んでた私がいます。
それは中学で習った社会や高校で習った公民の教科書に「なんとなく」書いてあって、新聞とかも総じてデモや圧力団体を「肯定的に」扱っていたので、今まではなんとなくデモや圧力団体の存在は民主主義にとって必要不可欠だと思っていました。

だけど、ここに出会ってからはこう考えるようになりました。
「デモや圧力団体の存在は、政権の座に固執して専横的に振る舞う権力者に対しては効果があるが、国民を統合する象徴や聖域に対して使われたら、怖いなあ。」

No.110 103ヶ月前

本物は見る人が見ればわかる!

のはずですが、その「見る人」が少なくなっているのでしょう。
最近の人はネットの影響か長い文章を読めなくなった、というのも強く影響していると感じます。
(たとえ内容が伴ってなくても)分かり易いワンフレーズを勢いよくかます。
それがツイッター文化がもたらした災いであり、そこを突いたのが安倍政権でしょうか。
ある意味最悪な時代です。

No.111 103ヶ月前

歯の話ですが、私の奥歯が欠けたので家の近くの腕がいいと評判の歯医者に行きました。
やはり虫歯が悪化して欠けたとのこと。レントゲン写真で見て歯が痩せてしまっていたみたいです。
そこで治療のために局所麻酔をしてもらったら、意識が遠ざかって睡魔に襲われ、気分が悪くなってしまいました。
結局、治療ができずに、後日大学病院で治療のために紹介状を書いてもらうことになりました。
何でも、麻酔アレルギーだとのことです。私自身、薬物や化学物質に大変敏感で、食べ物なども野菜なんかは自宅の家庭菜園で採れる有機・無農薬の野菜を食べて育ち、田舎なので外食の経験もほどんどなく、アルコールやカフェインも受け付けず、極端な話自動販売機で売ってある飲み物で買って飲めるのはミネラルウォーターと100%の野菜ジュースとジンジャーエールだけ、といった具合です。うちの母親も同じような体質で、局所麻酔が使えないため胃カメラが飲めません。
とにかく、虫歯を治すためには全身のケアができて麻酔の専門医がいる大きな病院に行かなくてはならないので、今から憂鬱です。虫歯を放置したのは自己責任ですが、体質をすぐに変えることはできないし、悩ましいです。
風邪を引いても、市販や病院で処方された薬にはアレルギーがあって副作用がひどいので、もっぱら寝て治すしか方法がありません。最近は免疫が強くなって、風邪を引いても半日寝れば治るので、健康体といえば健康体なのですが。
虫歯の治療も、麻酔なしで痛くない方法でやれないものかな、と思ってしまいます。本気で手塚先生のブラックジャックに頼もうかとも(あれは架空の話ですし…)

No.112 103ヶ月前

>こけこっこーさん
返信遅れました。
よしりん先生の言葉の力って凄いですね。
今、僕は調度子育て中、うちの子は「おぼっちゃまくん」にハマっていて、茶魔語を連発してますが、セリフの言い回しも秀逸なんですよ。「極上の食物が圧縮された香り高い一品」とか「胃袋に保管する」とか。子供の国語力を上げる力があると思ってます。

>カレーさん、ボンさん
そろそろツッコミましょう。
んなわけあるかい!!
キラーパスだけに光ってますな。キラーと。

>ライスバーガーさん
折角の提案を潰しにいくような真似してご免なさい。

>na85さん
「デモはクレーム」はお察しのとおり、とりま僕です。

No.114 103ヶ月前

>>106:mayuさん
 わかりました。まずは小型の手鏡で歯の表だけでも確認しながらやってみます。

 ハロウィン肯定派(仮装も好き)なmayuさんに、>>49が慰めと成ればと思います。

 歯に被せる銀の冠は最近見ないか… na85

No.115 103ヶ月前

配信ありがとうございます。昔から先生が断りを入れてゴーマンかましてるのに対し、今は何でも言葉を吐き放題吐き散らかして、後は責任を取らない、自分で吐いたものは、自分で片づけるのが常識でしょう。

『相克』って言葉、時代劇の『助け人走る』で知って、この意味なんだろうって?調べましたね。 父と息子の骨肉の争いを描いた秀作で、最後の田村高廣が相手を仕留めて終わるラストシーンかっこよかったなぁー、「人殺しなんてとんでもない」というのはあたりまえだけど、それを簡単に『悪』と決めつけてしまう事のほうが危険だと思います。

ハロウィンってどうして、根付いたんだろう? 肯定も否定もしないけど、だったら日本風にアレンジしてもいいんじゃないのかな?『天の岩戸』風とかに・・・子供向けじゃないか(笑)

No.116 103ヶ月前

 ゆえあって以後2号ほど私は消えます。それ以降のことはその後考えます。

 とりまの措置です na85 

No.117 103ヶ月前

>>117 na85さんへ

あははははははは(^O^)

また、そんな言葉足らずな書き方をしたら、
「さては、また断筆宣言をするつもりだな、この承認欲求のブタ野郎!!さぁ、このクツをおナメなさい!!」
って、誤解されるんじゃないですかぁ~(笑)

いやいや、暴言と暴走、失礼しました。

確かに、関西ゴー宣道場までの大切な時間、
インターネットからは離れてみて、
集中してテーマについて考えてみたい気持ちは、よく分かります。

その前に、当選するのかな? (ドキドキっ)

No.118 103ヶ月前

>>118:カレーさん
 「裁判長!被告側の最終弁論の前に、女王様のチェンジを要求します!」って、なんのことやねん!!


 関西ゴー宣道場の前には、PCの電磁波照射を避け、斎戒沐浴して過ごそうと思います。その際はもちろん「断髪」もして。そういう宣言ですね。

 同じく、当選…そもそもするのか? na85

No.119 103ヶ月前
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