第114号 2014.12.23発行
「小林よしのりライジング」
『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。
毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、小林よしのりに関するWikipediaページを徹底添削「よしりんウィキ直し!」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが無限に想像をふくらませ、とことん自由に笑える「日本神話」の世界を語る「もくれんの『ザ・神様!』」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行)
【今週のお知らせ】
※「ゴーマニズム宣言」…朝日新聞12月18日付の紙面で「私が問う 衆院選振り返る」という企画に登場した。紙面に入りきらなかった点も含め「腹立たしいこと4項目」を徹底解説。さらに、朝日新聞への要望や、自民党野党転落時代に安倍晋三を応援した真意、朝日の記者から聞かれた「いつもの質問」に対する回答など、未公開の話も掲載!
※「ザ・神様!」…コメント欄で始まった、読者の皆さんによる企画「キャラクター&神エピソードグランプリ2014」結果発表&木蘭さんの感想を番外編として特別掲載!さらには“おまけエピソード”も公開!
※“集合痴”ウィキペディアの記事を徹底的に添削しちゃう大好評「よしりんウィキ直し!」。男系絶対派が書いた知性皆無の記事をよーしゃなく添削!…のはずが、あまりの迷文・痴文っぷりに抱腹絶倒!ますます混迷を極めるウィキ記事で年内の笑い納めを!?
【今週の目次】
1. ゴーマニズム宣言・第112回「衆院選:腹立つ4項目と民主党の課題」
2. しゃべらせてクリ!・第74回「茶ンタが街にやってきたぶぁ~い!の巻〈後編〉」
3. もくれんの「ザ・神様!」・番外編「キャラクター&神エピソードグランプリ2014 結果発表」
4. よしりんウィキ直し!延長戦・第4回「『ゴーマニズム宣言スペシャル・天皇論追撃篇(新天皇論)』過去版」
5. Q&Aコーナー
6. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど)
7. 読者から寄せられた感想・ご要望など
8. 編集後記
第112回「衆院選:腹立つ4項目と民主党の課題」 最近、朝日新聞は小林よしのりを重宝してくれるようで、結構何度もインタビューの依頼があり、紙面で安倍政権批判をする機会を得ている。
自称保守連中が親の仇みたいに朝日新聞バッシングに血道をあげてる時に、平然と朝日の紙面に登場するのは快感である。
12月18日付の紙面では、「私が問う 衆院選振り返る」という企画で、わしは「腹立たしいこと4項目」として「制度」「国民」「首相」「報道」を挙げ、その理由を説明した。
記事は論点を凝縮してうまくまとめていたが、何しろ2時間も話したので、紙面に入りきらなかったことも多かった。
そこで今回は記事にならなかったことも含めてもう一度衆院選の「腹が立つこと4項目」をまとめておこう。
①制度
まず腹立たしいことは、「地滑り効果」をもたらす小選挙区制という制度だ。
小選挙区制では、たとえ1票差でも2位だったら落選し、膨大な死票が発生してしまう。
そもそも今回の衆院選の得票率を見ると、2013年参院選(自民圧勝・ねじれ国会解消)と比較したとき、自民党が1846万から1766万に減っている。公明党も757万から731万に減っている。
民主党は713万から978万に増えていて、共産党も515万から606万に増えている。
投票率が最低レベルという事実も踏まえ、自民党への懐疑と批判票は増えているのだ。
有権者の6人に1人しか入れてない自民党が、70%超の議席を占める小選挙区制の異常さの中で、勝った政党が、国民の「白紙委任」を受けたかのように振る舞う小選挙区制は、「議論」を重要視し、「少数派」の意見も検討するのが原則である「民主主義」を形骸化させる。
少数派の意見が議席に極めて反映されにくい小選挙区制には問題があるのだ。
さらにもう1点、小選挙区制では大政党の公認のない候補が当選することが非常に難しい。そのため立候補予定者は、候補者を決定する党執行部の意向には一切逆らえない。
小泉純一郎の「郵政解散」の際、執行部の方針に反対して郵政民営化に反対を唱えた議員は「抵抗勢力」として公認を外され、代わりに公認を取り付けた「刺客」候補まで立てられ、その多くが落選した。議員たちには、その恐怖の記憶は今なお生々しい。
もともと自民党は多様な価値観を持つ議員が集まっていた政党であり、今でもリベラルな議員はいる。しかし小選挙区制では執行部の方針と異なる議員は発言力も権力もない。一人一人の議員の考えは圧殺され、議員が単なる「駒」になってしまうのだ。
自民党内に他の選択肢があるという意識は国民にもなくなってしまい、自民党はタカ派一色という様相になっている。小選挙区制は、多様な価値観が認められず、独裁が行われる危険性が高いのだ。
また、選挙ではその時その時の「風」次第で一方が大勝し、大量の「チルドレン」政治家が誕生する。経験も知識もない素人でも議員になってしまうが、必要なのは「頭数」だけだから、「採決要員」でよくなってしまう。これでは有能な政治家は育ちようがない。
小選挙区制は民主主義を破壊する制度であり、まずはこれに一番腹が立つ。
②国民
次に腹が立つのが「国民」だ。
世論調査では「与野党伯仲が望ましい」という意見の方が多数である。それならば自民党の補完勢力ではない野党に投票すればいいのに、「魅力的な野党がない」と言って投票にも行かなかった国民は、ただ口を開けて「魅力的な野党」ができるのを待っているだけなのか?
有効に民主主義を機能させるために、自分が野党をつくり、育てようという気もない。投票したい党がないからと選挙に行かないか、あるいはしょうがないから自民党に入れるというような怠惰なことをやっている国民は、レベルが低すぎると言うしかない。
この怠惰の結果が史上最低の投票率であり、自民党への「白紙委任」である。
小選挙区制にはこういう罠があることを踏まえて、自分の一票に重要な意味があるということを考えなければならないのに、何もしようとしない国民は実にふざけている。
③首相
3番目は安倍首相だ。
衆議院の解散は天皇の国事行為であるにも関わらず、政権の長期化という私利私欲の解散総選挙を行なうのは、天皇陛下を愚弄する行為であるということはライジングVol.110で詳述した。
来年になったらアベノミクスの失敗が顕わになってくるから、今のうちにやっておこう、そして政権を延命して、何が何でも憲法改正をして、歴史に名を残そうというのが、安倍首相の本音である。
本当は
コメント
コメントを書く>>219
私は元坂口さんの実力を知っている。
ふっふっふっ♪ふ~~っふっふっ♪ふ~~~~っふっふっふっ♪
Ψ( ̄∇ ̄)Ψ
怖い。
( TДT)
…変化ない。
。。(〃_ _)σ∥
大河「花燃ゆ」第1回を見ました。安倍の地元への利益誘導と、維新後の山口県が総理を輩出し続けることに正統性を与える長州閥礼賛のためのドラマとして、安倍のゴリ押しでねじ込まれた割には、期待が持てそうな幕開けという感じを受けました。
吉田松陰が愚直に信じた、孟子の「至誠にして動かざるは未だこれ有らざる成り」の理想が松下村塾塾生らにどう受け継がれてゆくのかに注目していきたいと思います。『大東亜論』で活躍中の前原一誠がどのように描かれるかにも興味があります。
NHKは、前回の「軍師官兵衛」では、ちょうど集団的自衛権行使容認論議のタイミングで、秀吉に引きずられて朝鮮出兵に従軍し、大義なき戦のため士気も上がらず大敗する様を描いたのは記憶に新しいところです。安倍の腹心が経営委員会に入り込んでも、現場サイドにはまだ反骨精神が残っていると見ています。幕末の松蔭・晋作・一誠らの表す真の誠が、現在の誠なき安倍の醜悪さを浮き上がらせるのではないかと期待します。
安倍の横やりがどこで入るか、まだ予断は許しませんが…
ホームドラマ的展開は当分なさそうですよ na85
小林先生に感化されて、デイヴィッド・フィンチャー監督の『ゴーン・ガール』を見てきました。
サスペンス的にも哲学的にもブラックユーモア的にも、実に面白かった!!
主人公エイミー(ロザムンド・パイク)の天才っぷりを表現するには、やはり天才監督でなければ不釣り合いですね。監督もすごいのですが、ロザムンド・パイクって女優がすごすぎる。『キャリー』のシシー・スペイセクのような強烈な印象で、オスカーはもう彼女でいいや。
ただ、ストーリー展開とカットが際立っているだけに、同監督の『ドラゴン・タトゥーの女』みたいな映像美を期待した人には若干消化不良かも知れません。
映画のテーマはズバリ、「結婚とは何か?」
(「恋愛とは何か」ではないところが重要)
その答えは、たぶん、
「結婚とは、物語を創造するための人生を賭けた壮大な演技」
あまり利口でない臆病なモテない君は、結婚が怖くなって少子化が進んでしまうかも(笑) 女性にとって結婚は、女としての実存を得るために人生を賭けて演じきる舞台なのかも知れません。いや、気付いてないだけで本当は、男にとっても同じなのでしょう。AKBGと同じで、物語り無き実存はあり得ないのが人間という動物なのでしょう。
この映画、人によっては、松本清張のサスペンスのような印象を受けるかも知れません。でもやっぱり違う。松本清張の小説がディテールや論理整合性に拘るのに対し、フィンチャー監督は、些末な論理整合をすっ飛ばしてでも、大枠の普遍的な思想を表現しています。それでいて、ユーモアを絶対に捨てない、という天才的な荒技を見せてくれています。この辺りは、よしりん漫画と通じるものがありますね。
あと、楽曲選定にもセンスが見られ、個人的には、Blue Oyster Cult の "Don't Fear The Reaper" が流れていたのがツボでした。大鎌を持つ死神(異性)を恐れるな、というのもメタファの一つなのでしょう。
え〜ん、(p_q;;
『夫婦の絆』が載ってる『わしズム』が見つからないよー
再版を希望します!!
>田中将大がアイドルDDでもいいじゃあないのお
ダメよ~ダメダメ
で、DD、というわけですね。(スイマセン!)
ゴーンガールとベイマックス、ある意味両極の映画ですがどちらも面白かったです。
ベイマックスについては、なぜ日本ではああいう予告編になったのかという点で、「サブカル・ヒーロー」の回とつながる部分があるように感じました。
ゴーンガールは既婚者の生々しい意見が聞いてみたい!
先生がブログで書かれていましたが、ヲタの楽しみは、まさに名前を覚えていく事だと思います。どんどん詳しくなっていくのが楽しいんですよね。
プロレスにハマった時も格闘技にハマった時もハリウッド映画にハマった時も女子駅伝にハマった時もそうだった私も。
>>219 元坂口さん
パソコンと御自身の体調が悪かった中、
神様グランプリの取り纏めをやりきって頂き感謝です☆
しかし、流行語大賞をやろうと私をそそのかした、
元坂口氏・鷲音モー氏が揃って投票不参加でしたから、
「これは新手の放置プレーか?」とかなり落ち込みました(笑)
ところで今年の年末も何かやるとしたら、
3回連続で同じルールの「流行語大賞」をやるよりも、もっと別のアイデアを出さないといけないと思いました。
【① 読者参加型】で【② 立ち読みの方にライジング購読へのアピール】ができて【③ 参加が手軽&気楽】で【④ 結果発表が面白い】企画が良いです。
元坂口さん、何か思いついたら教えてくださいネ(⌒▽⌒)
11ヶ月もあるから私も考えてみます。
って、そんな未来の話、私は、居るのかな?(笑)
よしりん先生、皆様、新年明けましておめでとうございます。
体調が良くないのであまり書き込めませんが、新年第一号が配信される
前に、少々訂正しておかなくてはいけない点が有りました。
Q&Aコーナーで衆議院選挙の政党ごとの増減の結果を書きましたが、
これは12/15(月)の読売朝刊を見て書いたものだったのですが、
選挙結果を残している読売オンラインを見ると、数が3点違ってます。
http://www.yomiuri.co.jp/election/shugiin/2014/
まず1番目は、維新が1議席増えてます。
これは単純に、読売12/15朝刊に最後の当確が間に合わなかった事が
原因でしょう。自分が「残り議席1」を見落としていたためでして、
訂正してお詫びいたします。
(ただこれで気になるのは、散々475議席目最後の当確は菅直人元首相
!と、どこ見ても煽るように報道してましたが、あれは何だったのか?
恣意的に思える。少なくとも読売系は維新だったはず。)
そして2番目と3番目は、同じ理由です。福岡1区で無所属で当選した
井上貴博氏を、当選後自民党が追加公認したので、無所属が1減り、
自民が1増えたのです。
これは麻生太郎系の井上氏と古賀誠系の新開裕司氏の調整がつかず、
当選した方に遡って公認やる、という理由だったようです。
http://www.asahi.com/articles/ASGDH5DSSGDHUTFK01Q.html
最終的に、自民は-3と書きましたが-2、
維新は-2と書きましたが-1、その他が-8と書きましたが-7となります。
ただ、自分が書いた選挙結果の見解と相違を生む訂正ではないので、
あしからず。
ただ、「5.9%の人間しか、投票行動変えてない事になります」という
表現は、言い過ぎでした。誤解を生む。5.9%の選挙区の結果が変わっ
たというだけで、それ以外の選挙区でも、よしりん先生の前回の参院選
の得票数との比較を見ても、野党の得票数が増えてるに違いありません
。
民主候補が自民候補に負けた所でも、少なくとも自民候補の票数の50%
以上は票を取ってる所が多かったし、調整できず民主と維新の両方が候
補を立て自民に負けた所でも、民主と維新の票数を合計すると自民に勝
っている所も多かった。
自民と共産、公明と共産しか立候補していない選挙区もありましたね。
あと前回の衆院選からは0増5減になったので、33議席→28議席の変化に
なったと書いたつもりだったのですが、伝わってますでしょうか?
ただ安倍総理は、最初から民主党が議席を増やすのは仕方ないので、
民主党の幹部を落とそうと、選挙応援を民主幹部の選挙区に集めたよう
ですね。海江田氏も菅氏もこのエジキになったのでしょう。
http://www.sankei.com/politics/news/141215/plt1412150139-n1.html
ただ手段を選ばない「悪人さ」は、民主党も少しは持たなくてはいけな
いかもしれません。「自民に対抗する」という軸は変えずに、自民の補
完政党に堕ちる事なく、しっかりしたところを見せてほしいです。よし
りん先生のいう「ナショナリズムを基本にした政党」に、皆で誘導して
いかなくてはいけませんね。
ぜんぜん関係ないんですが、年末東京へ出かける電車の中、
スマホいじってると電池切れるのが怖かったので、
『保守も知らない靖国神社』を持って行って読んでました。
正直に言いましょう。まだ全部読み終わっていません(^^;)
よしりん先生のこれまでの主張をまとめたものだという話を聞いてた
し、またよしりん先生のライジングやブログの文章を読むのが手一杯で
、新書の最後まで行き着かないままだった。
どこまで読んだのかを思い出しながら読んでいると、第1章の最後の
ところに、英霊たちの遺書が。
たった数通だけなんですが、久々に読んだら、なんと、
涙が流れてきて、止まらなくなってしまったのです!
大みそかの電車、しかも東京方面へ向かう電車は空いていて、
逆に同じ車両の人の顔が良く見える状態でした。
そこで涙をふきふき本を読んでるもんですから、
みんなにガン見されました(笑)。
よしりん先生、あれは卑怯ですよね(笑)。卑怯は語弊があるか(^^;)
あれを読んで泣かないヤツ居るんでしょうか?
ちなみに自分はゴー宣関連本はほぼ持っていると自負しますが、
『国民の遺書』だけは持っていません。
絶対に泣きすぎて、仕事に支障をきたすと思ったから買いませんでした
(^^;)
ただ、ライジングの「ゴー宣」が結構引用されていて、新書で発表する
形もいいのかなとも思いました。今年も新書も期待しております。
『新戦争論1』、いよいよ1/28!楽しみにしております。
言論封殺魔&池上彰の本より売って、本家の強さを見せつけてやりま
しょう!!
配信日に失礼します^^;
>na85さん
これはこれは、大変失礼しました^^;
では、これから敢えて「表出」できるよう、精進させて頂きますw
>>「許してにゃん」この語が似合う 女子なれば 吾をなーごと 呼ぶも嬉しや na85
なかなか、ハードル高いですね~ww
>>236:ボンさん
もともと「なーごさん♪」の名はmayuさんが付けてくれたものです。この名で自分から、しいちゃんに手紙を出したので、しいちゃんもOK、そのすぐ後に行った道場で、女性門弟さんたちから「なーごさん」と呼ばれてしまい、これも黙認しました。でもしいちゃんパパには許していない(笑)。
鷲音さんに「なーごさん」と2度ほど呼ばれましたが、鷲音さんはロックな人なので権威と見られるものには反抗せざるを得なかったのでしょう。だから、鷲音さんが呼ぶのは目下黙殺中です(笑)。
道場で最初に「なーごさん」と呼んだのは、おそらく設営隊長の女性でした。
設営隊長さんが無事手術を乗り切れることをお祈りしております na85&なーご