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驚異の文豪異能力アクション漫画『文豪ストレイドッグス』に笑う。(1088文字)

 荒木飛呂彦『ジョジョの奇妙な冒険』連載開始から四半世紀、その影響下に生まれた異能力バトル漫画は多彩な進化を遂げた。最高傑作といえばやはり『HUNTER×HUNTER』に尽きるだろうが、なかにはニッチを狙った作品もある。  朝霧カフカ&春河35『文豪ストレイドッグス』もそんな一作。タイトルからわかるかもしれないが、この作品の主人公となるのは太宰治や中島敦を初めとする文豪たち、と同じ名前を持つキャラクターである。  それぞれ特殊な能力を持つかれらは、その異能力を活かして戦う。異能力『人間失格』を持つ太宰治と異能力『羅生門』を使いこなす芥川龍之介が対決したりするわけで、書店の店頭でこの本を見つけた時、ちょっと笑ってしまった。まあ、これはたしかにひとつのアイディアだ。そのアイディアを知った瞬間がいちばんおもしろいので出落ちの印象は否めないけれど。ちなみにAmazonに画像がありません。なぜだ!  何か「痛いニュース」で叩かれていたけれど、ぼくは本を読みもせずに印象だけで語る人間に興味はない。じっさいに読んでみるとそれなりにおもしろい漫画である。自殺マニアの太宰を初め、文豪たちのキャラクターは立っているし、絵柄も美麗。  ただ、文豪である必然性があまり感じられないのはたしかだろう。この手の漫画では文豪たちの作品に関するマニアックなネタをそこかしこに盛り込んで知っている読者をニヤリとさせるのが常套手段かと思われるが、そういうくだりも見あたらない(ぼくが気づいてないだけかもしれないけれど)。  

驚異の文豪異能力アクション漫画『文豪ストレイドッグス』に笑う。(1088文字)
弱いなら弱いままで。

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海燕

1978年新潟生まれ。男性。プロライター。記事執筆のお仕事依頼はkenseimaxi@mail.goo.ne.jpまで。

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