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記事 3件
  • 日常系作品の四象限図を作りたい。

    2015-12-03 01:29  
    51pt

     先ほど、『よつばと!』の第13巻と『イチゴ―イチハチ!』の第2巻を購入して来ました。
     どちらも待ち望んだ新刊で、もったいなくてすぐには読めない。
     こういう作品の存在はそれ自体が生きる張り合いになりますね。
     この2冊を同時に読めるなんて、生きていて良かったと思うもん。
     『よつばと!』にしろ『イチゴ―イチハチ!』にしろ、いわゆる日常系の物語なのだけれど、その描写はかなり進歩して来ているように思います。
     日常系の魅力はいかに平穏な日常の楽しさを描くことができるかに尽きるわけですが、最近の日常系ってそこがほんとうに洗練されているなあ、と。
     いやまあ、まだ読んでいないのでこれらの巻についてはわかりませんが、既刊の描写はそうだったのです。
     三つほど前の記事で書いた「いま、青春群像劇が面白い」ということも、この日常系というジャンルと密接に関わっています。
     というか、ぼくがいうところの新しい世代の青春群像劇もまた、日常系の成果として生まれて来たものだと思うのですよね。
     『妹さえいればいい。』とか『エロマンガ先生』がやたら生活のディティールに拘るのも、日常のリアリティを演出したいからに違いありません。
     それは『よつばと!』とか『海街diary』といった作品がありふれた日常をどこまでもていねいに描き出して来たことに通じています。
     『妹さえいればいい。』はオタクネタが飛び交うので異質なものに見えるかもしれませんが、本質的には『よつばと!』などと同じ日常を楽しく過ごすことの賛歌だと思うのですね。
     あるいは四象限の図とか作れるかもしれません。
     「オタク⇔非オタク」、「目標がある⇔目標がない」の二軸で作る日常系マトリクス。
     そこに『よつばと!』、『イチゴ―イチハチ!』、『けいおん!』、『響け!ユーフォニアム』、『ゆゆ式』、『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』、『心が叫びたがってるんだ。』、『バクマン。』(映画)、『SHIROBAKO』、『エロマンガ先生』、『妹さえいればいい。』、『海街diary』、『ちいさいお姉さん』、『冴えない彼女の育てかた』、『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』あたりをマッピングしてみると、色々なことが見えて来るかも。
     いや、これはぼくが反射的に思い浮かべたタイトル群なので、まだ欠けているものがいくらもあるに違いありませんが。
     ちなみに目標意識が強ければ強いほど日常系っぽくなくなると思います。
     ちょっと『バクマン。』を日常系と呼ぶのは抵抗がありますよね。
     でも、ぼくの目から見ると、あの作品もまた紛れもなく同時代的な精神の産物と映るわけです。
     Excelとかでちょっと作ってみるといいのだろうけれど、もうニート生活が長すぎてExcelの使い方なんて忘れたよ……。だれか作らない?
     これらの作品を見ていくと、 
  • 吉田秋生の華麗なる世界。『海街Diary』と『ラヴァーズ・キス』が見せてくれるもの。(1697文字)

    2013-02-06 21:55  
    53pt
     過去に何度か書いているが、吉田秋生『海街Diary』が素晴らしい。もう、読み返すたびに凄みを思い知らされる。どこがどう偉いのか、うまく言葉にできないのだが、あたりまえの日常のなかにひそむ哀しみと正面から向かい合うことの凄み、といえばいいかもしれない。
     物語そのものは典型的な「日常もの」で、何ひとつ大きな事件は起こらない。美系キャラクターもほとんど出てこないし、少女漫画としてはきわめて地味な作品といえる。吉田が『BANANA FISH』、『YASHA』、『イヴの眠り』と書き連ねてきたシリーズの非日常的な空気、ドラマティックな展開とは対照的である。
     しかし、それなら退屈かというと、そんなことはまったくない。吉田は繊細な気遣いでもって、鎌倉の街の空気を描き出していく。何気ない展開のひとつひとつの裏にあるものは濃密な「死」の匂いだ。
     そもそも物語の端緒が、主人公たち四人姉妹の父親の死から始
  • 天才作家が描く「日常系」。吉田秋生『群青』に別格の凄みを感じる。(1672文字)

    2012-12-11 17:08  
    53pt
    吉田秋生さんの『海街Diary(5) 群青』のレビューです。いやー、素晴らしかった。あたりまえの日常をただユーモラスに描き出しているだけのようでありながら、そこらの「日常系」が束になっても敵わないほど深い世界観を感じさせる作品となっております。いったい何が違うんだろうなあ。とにかくこういう作家がいてくれることは実にありがたいことだと思います。