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『ラノベのプロ!』第2巻は業界の裏側を克明に描き出す傑作巻だ。
2017-06-24 00:1451pt
「読者の需要に応えるのがプロ作家の仕事だよ。僕はただ、読者のために書いてるだけ……みんなが求めているんだよ。二番煎じを、劣化コピーを、後追いを、便乗商法を、パクリを、トレスを、テンプレを、レプリカを、シェアワールドを、類似品を、粗悪品を……求めているのは、他でもない読者なんだ」
物語を、進呈しよう。狂奔の物語を。喀血の物語を。天上至福の物語、そしてまた業火轟々と燃えさかる無間地獄の物語を。
読者よ。よっく目をひらいて見てみてほしい。『ラノベのプロ!(2) 初週実売1100部の打ち切り作家』。これはひとつの絶頂を迎えているようにも、漸く斜陽を迎えているようにも見えるライトノベル業界を舞台に、幾人かの作家の苦闘を綴った作品である。
テーマは「打ち切り」。そう、「シリーズ作品が途中で刊行を打ち切られること」を意味する「打ち切り」だ。前作の結末でひとつの契機を迎えた主人公とヒロインを横目 -
『のらダンジョンを拾ったので愛情を込めて育ててみた』。
2017-06-23 12:4651ptいろいろとせわしなく働くかたわら、小説を書いていました。われながら今回はいままでよりは出来がいいと思うので、ここに序章を載せておきます。これは完成させてどこかの新人賞に出すつもり。よければご一読ください。
『のらダンジョンを拾ったので愛情を込めて育ててみた』
序章
だんじょんです。ひろってください。
ひらひらと桜の花びらさながら降りしきる真白い粉雪のなか、歳の頃、十四、五歳と見えるひとりの可憐な〈少女〉が、そう記された木製の看板を片手に持ち、ある名も知れない街道の端の小さな四角いダンボール箱のなかに座っていた。
その箱には、この大陸の共通語とはまるで異なる奇妙な文字で、何か意味がわからない言葉が記されている。それは実は「和歌山みかん」と読むのだが、この世界にその文字を読める者はいないし、仮にいたとしてもここから始まる物語には一切の関係がない。
そもそもダンボール箱なるものじたい -
6月、半ばを過ぎて。
2017-06-16 21:3351pt六月は書く、といってから早くも半月が過ぎ去った。これはいけない。さすがいいかげんに本当に書かなくてはいけないと考えて、いま、この記事を記している。
さて、この半月、特に遊んでいたわけでもなく、実は、珍しく仕事に励んだりしていた。その詳細は書けないが、とにかく、ぼくが仕事に集中していること自体、めったにないことである。
しかし、一旦、仕事に時間を取られると、これが実際、相当に忙しく、本も読めない。ゲームもできない。それでもまだなかなか終わらないのだから、なるほど、世間の人々はこうも忙しなく暮らしていたのか、といまさらに思い至った程である。
むろん、仕事が忙しいなどとは、言い訳にもならない。が、ともかく時間が取れないことは真実で、書くことに倦んだわけではない。
それでも、活字中毒のことで、やはり本は読みたい。そこで、石川淳の短編「紫苑物語」や『新尺雨月物語』を読み返してみた。
いず -
セミナーを開きます!
2017-06-01 02:2551pt……先月、2本しか更新しませんでしたね。過去最低を更新です。ごめんなさいごめんなさいごめんなさい。今月はまっとうに更新を続けることを誓います。
で、初日の最初の記事からいきなり告知で申し訳ないのですが、8月に新宿の会議室を借りて文章講座を開くことにしました。題して「海燕の基礎から学ぶブログ文章術セミナー#1」。
http://kaien-seminar-001.peatix.com
Peatixというイベント告知サイトを利用しているので、そちらを通して参加表明することができます。参加者はわずか10名限定、早い者勝ちなので、ぜひ皆さん、ふるってご参加くださいねー。
だれも参加してくれなかったら、ぼく、泣いちゃうかもしれないよ。十分ありえることが怖い。
はっきりいって手間がかかるわりに金銭的メリットはほとんどない企画なのですが、でも、やりたいからやるのだ! お金は他の仕事で手に入れれ
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