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萌え絵のパラドックス。萌えとは性欲なのか、物語なのか。
2018-10-24 02:3351pt「狐の王国」の「萌え絵はポルノではなく、人間への回帰なのである」という記事を読ませていたきました(http://koshian.hateblo.jp/entry/20150916/1442403299)。
非常に面白い内容で、感銘を受けたのですが、その一方で「萌え絵とポルノが無関係である」とする主旨には、やや違和感が残りました。
個人的には、萌え絵とポルノ、あるいは「性的なもの」は深く関係していると考えるからです。
とはいえ、90年代、ゼロ年代と萌えカルチャーを消費しながら過ごしてきたひとりとして、この記事の論旨は非常に納得がいくものでもあります。
おそらく、この論旨は間違えていないのです。しかし、同時に完全に「萌え」という概念を掘り尽くしていないのではないか、とも感じます。そこで、ぼくなりの「萌え」論として、いくらか自分の意見を書いておきたいと思います。
さて、上記記事では結 -
『魔法少女リリカルなのは Detonation』は混沌とした定食屋アニメだ!
2018-10-20 15:1651ptふらっとうちに『スーパーマリオパーティ』をやりに来たてれびんに誘われて、映画『魔法少女リリカルなのは Detonation』を観て来ました。
ちなみにぼくは『魔法少女リリカルなのは』シリーズを見るのは初めて。この映画、前後編の前編にあたるのですが、その前編すら見ていません。正真正銘の初なのはです。
このシリーズ、14年にわたって続いているので、当然、「いままでの作品を観ていないと理解できないのでは? ぽかーんとしているうちに終わってしまうのでは?」と思うところですが、てれびんの野郎が「大丈夫、大丈夫、最初に「これまでのあらすじ」みたいなやつをやるから、それでわかるよ」とのたまったので、「そうかなー」と思いつつもいっしょに観てみることにしました。
で、たしかにありました、「これまでのあらすじ」。あったのですが――こんなものでわかるかー! さっぱり何のことだか理解できないぞ!
いや、 -
結局、『ドラゴンボール』の面白さは色あせたのか?
2018-10-16 18:0551pt「『ドラゴンボール』を読んだことのない僕が、先輩に反論するために全巻読了した結果」という記事を読みました。
https://liginc.co.jp/429028
タイトルの通り、いままで鳥山明のマンガ『ドラゴンボール』を読んだことがなかった著者が、『ドラゴンボール』を押しつけてくる先輩に反論するためにあらためて全巻を通読し、感想を述べた記事です。
これがネットで話題を呼び、というかちょっとした炎上状態になっているため、ぼくも読んでみたわけです。
ネットでは、この記事はいろいろな批判にされています。たとえば、「そもそも「先輩に反論する」というようなネガティヴな意図で読んだのだから面白いはずがない」という意見は大量に見つかります。
たしかにその通り。ですが、それはこの記事そのものに対してもいえることなのではないでしょうか?
最初から「『ドラゴンボールを』を貶してアクセスを稼ごうと -
キズナアイとちびくろサンボは「差別的なステレオタイプ」なのか。
2018-10-12 00:13【『ちびくろサンボ』という傑作絵本】
『ちびくろサンボ』という絵本をご存知だろうか。
こう書くのは、『ちびくろサンボ』はある程度以上の年齢の世代だと知らないものはいないほどのタイトルなのだが、長いあいだ複数の出版社で絶版になっていて、入手できない時期が続いていたからだ。
いまでは問題なく読むことができる本だが、あるいは、ある年齢層の人たちにはなじみがないかもしれない。 それでは、この本はなぜ絶版の憂き目を見たのだろうか。特に内容に問題があったのか。そういうふうに見る人もいるが、ぼくはそう考えてはいない。この本の絶版は、ひとえにそのなかに「差別」が誤認されたという不幸な問題に寄る。そう思っている。
【キズナアイとちびくろサンボ】
なぜ、いま、この作品のことを取り上げるかといえば、Twitterでつるし上げられたキズナアイの問題に、この『ちびくろサンボ』を巡る問題と重なるものを感じ -
Vtuberの「自我」はVtuberのものです! フェミニストのものではありません!
2018-10-09 22:5651pt以前、このブログでも取り上げた少年ブレンダさんが、一昨日、ブログ記事を更新していました。これ(↓)です。
http://rainbowflag.hatenablog.com/entry/2018/10/07/232520
Twitterでの主張は正直、荒唐無稽の印象が強いものの、この記事はなかなか読ませます。以下、この記事について語っていくので、未読の方はまずはリンク先に飛んで読んでおいてください。
――読みましたね? この先は読んでいることを前提として語っていきます。
さて、皆さん、この記事についてどう思われたでしょうか? Twitterを見る限りかなり好評のようだし、じっさいかなり良く書けていると思うのですが、同時に、ちょっと読んだだけでは気づかないくらい巧妙に、複数の、それぞれ異なる事情を持つ事例が混同されています。
どういうことか。見て行きましょう。その前に、まずこの記事で気になる -
映画『若おかみは小学生!』微ネタバレありレビュー。
2018-10-04 13:4151ptネットでやたらに評価が高い(が、興行収入は振るわない)映画『若おかみは小学生!』を観て来ました。
上映している映画館がちょっと遠いところにあるので行くのが大変だったけれど、結論としては観て良かったです。
高い世評も納得の秀作。一本のアニメーションとしての出来が抜群に良く、ファミリー映画として、大人も子供も楽しめる作品です。むしろ、子供より大人のほうが「刺さる」かも。
ただ、個人的には気になる点もなくはなく、文句なしの絶賛とまでは行きませんでした。
物語は主人公の少女「おっこ」が両親とともに自動車に乗っているとき、事故に遭うところから始まります。その事故で両親は亡くなり、おっこは母がたの祖母に引き取られることに。
そこで彼女はその祖母がおかみを務める旅館に住み着いた幽霊や鬼と交流しながら、「若おかみ」として少しずつ成長し、また癒やされていくことになるのですが――というお話。
原
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