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新作を読んでもらう場としての発表媒体の機能が低下している(と思う)。

 ぼくはしょっちゅう「何か新作を読みたいなあ」、「まったく見ず知らずの、でも面白いエンターテインメントにふれたいなあ」と呟いています。  おそらくそういう話を聞くと「じゃあ、読めばいいじゃん」と考える人もいるでしょう。  しかし、これが意外にむずかしいんですよね。  なんらかの既存の作品の延長線上にある作品はその面白さを把握しやすく、購入意欲を高めやすいけれど、そうでないまったくの新作は買うのに勇気がいる。読むのに挑戦心がいる。  どうしたってついつい既に面白いとわかっているシリーズものの続きなどを読んでしまう結果になりがちです。  つまり、面白い新規作品を探し求める読者としては、市場にまったく知らない新作が出て来たとき、何を根拠にしてその本を買うか? 読むか? という問題があると思うんです。  これを作家側の視点でいうなら、まったく世に知られていない新作を何をとっかかりにして買って読んでもらうかということでもある。  この問題を解決できない本は売れないと断言できます。なぜなら、だれもその本を買うべき理由を見いだせないから。  もうちょっと格好つけるなら購入するインセンティブがない、といういい方になるのかな。  したがって、本を売る側はなんらかの情報を本に付与して購入意欲を高める計算を働かせる必要があります。  最も基本的なところでは、「作家の名前」があります。  以前読んだ作品と同じ作者の本なら、きっと面白いだろう。読者側がそう判断して買ってくれることを期待するわけですね。  本に作家の名前を載せるなんてあまりにもあたりまえのことではありますが、それにも購入意欲向上因子としての役割があるのです。  あとは「表紙」もその因子として機能します。  ライトノベルなどでは非常にわかりやすいですが、きれいなイラストが付いている本は面白いのではないかと思いたくなる。  そしてまた、「帯」や「あらすじ」なんかも重要ですね。  帯の推薦文を読んで買うことにする人とか、あらすじを読んで面白そうだったら買う人というのは、そう多くはないにしろ一定数はいることでしょう。  さらには「レーベル」などもあります。  あるレーベルから出ている本であればそのレーベルを信頼して買うという人はいますよね。  ほかにもあるでしょうが、まあ読者はだいたいこういった要素から本の内容を予測して買うことにしている。  逆にいうと、これらの要素に買うべき理由を見いだせなかったら買わないのです。  で、いち読者として思うのですが、この頃、その「まったくの新作を買うべきだと判断する」ことがちょっとむずかしくなってきてね?という気がするのですよ。  どういうことか。 

新作を読んでもらう場としての発表媒体の機能が低下している(と思う)。
弱いなら弱いままで。

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海燕

1978年新潟生まれ。男性。プロライター。記事執筆のお仕事依頼はkenseimaxi@mail.goo.ne.jpまで。

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