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丁寧に生きるということ。「生」のキラメキを捉えたい。

 ども。あまりこのブログに書くことではないかもしれませんが、最近、なんとか自分の「生活」をより良くしたいなあと思っています。  日々の「暮らし」を洗練させることはぼくの数年来のテーマで、つまりより生き活きと暮らしたいわけです。  森浩二の『自殺島』は、人生に絶望した自殺志願者たちがなぞの「自殺島」へ送り込まれサバイバルしながら「生」の輝きを取り戻す物語でした。  しかし、ぼくとしては平穏な都市生活を送りながらなんとかその「生」のキラメキを実感したいと思うのです。  そのためにはたぶんいまよりもっと丁寧に生きることが必要でしょう。  「生きている意味が全て噛み合うその瞬間を味わいたいのなら丁寧に生きろ」とは漫画『少女ファイト』の名台詞ですが、ぼくとしては「瞬間」ではなく長期間にわたって「生きている意味」を実感しつづけたいのです。  可能なら死ぬとき、「ああ、いい人生だった」といって死ねるような、そんな人生を送りたい。  そのために、自分のすべてを燃やし尽くすように烈しく生きるという手段もあるでしょう。  『あしたのジョー』とか『昴』のような人生ですね。どこまでも高みを目指して自己を燃焼させるスタイル。  そういう目的志向な人生も悪くはない。でも、ぼくとしては日々のあたりまえの「暮らし」のなかにこそ「生」を実感したいと思うのです。  たとえば、一冊の本、一曲の歌、あるいはひとすくいのそぼろあんかけ豆腐に「生」は感じ取れると思う。  目的は都市生活のなかで麻痺している「いま、生きている」というあたりまえの感覚を取り戻すこと。生き活きと暮らすこと。刻々と過ぎてゆく一瞬一瞬を噛み締めること。  それでは、そのためには具体的にどうすればいいのか。そう考えていくと、まずは早寝早起きして――という、きわめて平凡な地点にたどり着きます。  丁寧な生活はそういうところからしか始まらない。まあ、そういいつつもこうして夜更かししているわけですが、ほんとうは良くないと思うのですよ。  朝起き、夜眠る。太陽のリズムとともに生きていく。そんな当然のことの大切さを思います。  全然実践できていませんが、ほんとうは朝早く起き、前日のうちに準備しておいた仕事を早めに終わらせ、その後はゆっくりと翌日の仕事のために本を読んだり映画を見たりする、という暮らしを送りたいのです。  こう書くと、もうひとりのぼくが「じゃあ、送ればいいじゃん」とささやくし、まったくその通りなのですが、現実にはなかなか生活のリズムが整わない。  まるで丁寧に生きられていないなあ、と反省するばかりです。  生活に関するぼくの興味は、たとえば料理や、入浴や、睡眠、読書、音楽、映画、インテリア、菜園、狩猟といった方向へ向かいます。  狩猟はちょっとべつとするにしても、こういった生活のディティールをより良いものに変えていければ、もっと良い人生を送れるのではないかと思うのです。  最近、ぼくはわりと自炊しているのですが、生活リズムが整っていないせいで毎日同じタイミングで料理することができていません。  やっぱりまずは生活リズムからだよなあ、と思います。それが人生の「基本のき」だよな、と。  まあ、それでも自分で料理していくらかでも美味しいものができあがるととても嬉しいです。  それもまた「生活の喜び」のひとつでしょう。そういうささやかな喜びを丁寧に積み重ねていけば、いつかは「いま、生きている」という実感にたどり着けるのではないか、と漠然と思っています。  「いつか」なんてあいまいなことではいけないのかもしれないけれど……。  そういう文脈でいうと、映画『リトル・フォレスト』は田舎暮らしのなかでさまざまに自炊して暮らす様子を綴った物語で、「生」の実感が山盛りの素晴らしい作品した。  一種の「スローライフもの」なのですが、流行りの言葉で終わらない生々しさを捉えた傑作です。  「スローライフ」とか「シンプルライフ」とか「ミニマリズム」とか「断捨離」とか、綺麗な言葉に惑わされないよう気をつけたいものです。  そう、生活の魔法は一 

丁寧に生きるということ。「生」のキラメキを捉えたい。
弱いなら弱いままで。

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海燕

1978年新潟生まれ。男性。プロライター。記事執筆のお仕事依頼はkenseimaxi@mail.goo.ne.jpまで。

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