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「無職の才能」が足りなくて。

 再度、記事に付いたコメントを転載させていただきます。  転載されたコメントの「メディアへの接触は自由である」というのは、ネットへの書きこみや投稿ができる状態でしょうか。  もしそうでないのならば、そのうち楽しくなくなると思います。これは他の記事でもコメントしたことですが、「自己承認欲求」が満たせないからです。  いくら面白いコンテンツを自由に消費できても、これだけだと「自分は世の中の何かに役だっている」という実感を得られません。  「自分は何のために生きているのか」「この世に自分は必要なのか」「このまま何も成し遂げずに死ぬのか」という疑問がわいてきて、楽しむどころじゃなくなってくるのではないかと。  自己承認欲求が無い人も、中にはいるかもしれません。でも、そういう人は少数だと思います。  たいていの人は、社会と関わって他人や自分自身によって「自分を何らかのかたちで認められる」ことがないと、欲求不満になってしまうのではないでしょうか。  ――ああ、承認欲求、ありますよねえ。  いまの世の中には楽しいことや面白いものが山のようにあふれているわけですが、やはりひたすらそれらを楽しんで面白おかしく生きていくことはできないようです。  いや、できる人もいるのだろうけれど、ぼくにはできない。やっぱり「ぼくはなんのために生まれてきたんだ?」とか思い悩んでしまう。  なんといっても人間は社会的動物で、社会との関係を構築せずに生きて行くのはしんどいのだと思います。  ひとは「他者」という鏡があって初めて自分の立ち位置を確認できるようなところがある。  ぼくにしてからそれは変わらず、お気楽なニート暮らしを満喫しているとどうも不満感が高まっていくようなのですよね。  ぼくですらやっぱり何かひとの役に立つことをしたいとか思ってしまうわけなのです。  そういう強迫観念に捕らわれず自由に人生を楽しめる人もいるのだろうけれど、どうやらぼくはそうではない。  そういう意味ではぼくにはあまり「無職の才能」はないのかもしれません。ただやむを得ず無職しているだけなんですね。 

「無職の才能」が足りなくて。
弱いなら弱いままで。

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海燕

1978年新潟生まれ。男性。プロライター。記事執筆のお仕事依頼はkenseimaxi@mail.goo.ne.jpまで。

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