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『君の名は。』のヒットの理由は「古典性」にあり。
2016-11-29 01:5151pt「クローズアップ現代」の『君の名は。』特集、全力で見のがしたーw どうせ「NHKオンデマンド」に登録されるからそれで見ればいいや、と思っていたのだけれど、どうやら「NHKオンデマンド」には入っていない模様。
映画の著作権の関連があるからネットには上がらないということかな? ぐぬぬ、失敗した。まあいいか。とりあえずLINEで得た情報によると、『とりかえばや物語』の話が出ていたとか?
そう、『君の名は。』のログラインそのものはきわめて古典的/神話的なんですよね(この作品にはあらかじめふたつのログラインが用意されていたといいます)。
やっぱりログラインの神話性を現代風に処理したところが良かったのかなあ。『スター・ウォーズ エピソード7』といっしょですね。
デートムービーとしてヒットしたのだという話もあったようだけれど、アニメがデートムービーになりえるということ自体、きわめて画期的な話な -
物語には各ポイントでクリアするべき課題がある。
2016-11-27 13:5751pt先週の『少年ジャンプ』で『デモンズプラン』という新連載が始まりました。何となく一読してみたのですが、うーん、と悩んでしまいました。
というのも、ちょっと読んだだけでも展開が凝っていて、非常によく考え抜かれていることがわかるわけです。そう、非常に考えられていて、話の密度も濃くて、しかも、あまりうまくいっていない。そこが何とも見ていて歯がゆいというか、辛い気持ちになる作品でした。
漫画技術というより、ストーリーテリングの技術があまりうまくない。そこが、未熟も未熟ながら、一応、悩みながら話を作っている側に属しているぼくとしては妙に辛かった。ああ、頑張っているんだろうけれどなあ、というね。
もちろん、お話をゼロから作り上げることと後知恵でああだこうだいうことはまったく次元が違う行為ですが、いまのぼくには少しだけこの作品に残された「努力の爪痕」が見える気がします。
いうまでもなくぼくなんか -
しなやかなメンタルを獲得するために目標を明確にする。
2016-11-24 11:1851pt『GRIT 平凡でも一流になれる「やり抜く力」』という本を読んでいます。ちょっとややこしいのですが、前に取り上げた本とは別物です。「GRIT」と題した本が日本では2冊出ていて、その2冊目なのですね。
こっちの本はちょっと根性礼賛みたいなところがあって、ブラック企業がはびこる日本に住んでいる人間としては、いささか「うーん?」と思わないこともないのですが、まあ、成長のためにグリットが必要なのは事実です。単純に幸福になるためだけなら必ずしもいらないかもしれないけれど。
ひとがある分野に関して最も早く成長するための方法論はもうわかっていて、「目の前の課題に集中すること」なのですね。前に取り上げた『やり抜く力』では、「目標のピラミッド」という考え方でこのことを説明しています。
つまり、長期的に叶えるべき「最上位の目標」をピラミッドの頂点に置き、その下に「中位の目標」や「下位の目標」を置く。そ -
にこなまー。
2016-11-23 20:1251pt -
またもプロットを考える。
2016-11-23 04:3151ptさて、何度目かのプロット作りです。
まず、大前提としてこのお話は「大貴族ガラ侯爵の秘宝を盗みだすことで貴族社会への復讐を遂げようとするレン」と「それを阻止しようとするライールと〈猟犬隊〉」の対決で成り立っています。
となると、そういうふうにプロットを組み立てるべきでしょう。「レンが宝を盗みだそうとする」→「ライールたちが妨害する」→「レンがその妨害を越えて宝を盗みだすことに成功する」という流れが美しいと思います。
第一章が動機づけ、第二章は盗みの準備で、第三章が決行&失敗、最後の第四章で逆転&成功ということになるかな。「逆転また逆転」が描ければいいのですが……。うーん、ぼくの技量ではどうかなあ。まあ、頑張って考えるしかないのだけれど。
ただ、このままではどうも「小さくまとまっている」作品ができそうではありますね。いや、あるいは「小さく破綻した」ものになるかもしれませんが、それは避 -
キャラクターに問いかけてみる。
2016-11-22 10:0051ptさて、さらに続きです。ぼくの主人公レンくんの「弱点/欠点」を考えたいと思います。基本的に完璧なキャラクターは魅力がありません。どこかに欠けたところがあって初めてひとはキャラクターに共感できます。
では、具体的にどんな弱点がいいか? そうですね。「コミュ障」などどうでしょう。ふだんから不愛想でひとに心をひらくことができない。天才的な技術を持っているにもかかわらず、うまく自分の思いを言葉に変えることができない。
そういう「コミュニケーション下手」のキャラクターとして設定したいと思います。はい。
次に「動機」と「欲望」、ですが、これは「貴族に母親を殺された」、「その際、自分も拷問にあった」という過去が背景になるでしょう。かれの貴族とその「犬」への敵愾心、復讐心で物語を牽引してもらいたいと思います。
「過去」と「未来」はさらにもう少し詳細に詰めたいところですが、これは後回しとします。
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「生きた」キャラクターを作るために。
2016-11-22 08:5751pt前回の記事の続きです。そういうわけで、どうにか「生きた」キャラクターを作りたいと思います。
キャラクターを「立てる」ことももちろん必要ですが、同時にそれを「生かす/活かす」ことも重要でしょう。ただ個性的なだけでは実在感(≠リアリティ)が欠け、白けてしまいます。
優秀なキャラクターは物語のなかで生き生きと動くものです。それは作者がキャラクターの性格や行動原理を的確に把握しているからでしょう。
そのために詳細なプロフィールを作る人もいますが、それは「生きた」キャラクターをこの世に生み出すための儀式のようなものであって、プロフィールを作ることそのものが大切なわけではないと考えます。キャラクターを顕現させるための方法論は人それぞれ。
さて、それではぼくの場合はどうすればいいのか? まず、主人公のキャラクターを考えるべきでしょう。主人公のキャラクターに必要な最低限の要素とは何か?
とりあ -
二次創作なら書ける人がいる理由。
2016-11-22 01:3451pt先ほど、LDさんとLINEで話をして、「小説におけるキャラクターの重要さ」みたいなことを語り合った。
ぼくの解釈によると、ロジカルに整合したプロットを考えようと努力するより、まず「生きた」キャラクターを生み出すことのほうがより面白い物語になりやすい方法論ではないか、といった内容だった。
たしかにそれはそうだろうと思う。「生きた」キャラクターが出てくる作品は、それだけで十分に面白い。反対にキャラクターが「死んでいる」作品は、どうもその世界に入りづらい。
いくら作品として出来が良くても、それはそれとして「壁」を感じることが少なくないのだ。もちろん、特別にキャラクターを必要としない作品もあるが、より一般的には「生きた」キャラクターを生み出すことはエンターテインメント創作の必要条件だといえる。
しかし、だ。ここでいう「生きた」キャラクターとは「個性的な」キャラクターとイコールではない。「 -
グリット――ベイビーステップで成長するために必要なメンタル。
2016-11-21 15:5351pt小説を作っていると、「才能」ということについて考えます。何をするにしろ、ひとには才能の有無がある。もちろん、「ある」か「ない」かに分けられるほど単純なものではありませんが、他人より秀でた人もいれば劣った人もいることは事実です。
たとえば音楽などの芸術的才能などは歴然と差が出るものだといえるでしょう。小説ももちろんそうです。創作をするとき、多くの人が「才能の限界」にぶつかり、その道をあきらめてしまいます。
しかし、ほんとうに良い作品を創り出せるかどうかはあらかじめ才能によって決まっているのでしょうか? ぼくは、必ずしもそうではないと考えています。
たしかに才能の差は大きい。あまりにも大きい。しかし、それがすべてではないと考えたいのです。為末大さんの『限界の正体』という本も書かれていますが、ひとは限界に到達する前に「ここが限界だ」とかってに自分で決めつけてしまうものです。
「どうせいくら頑張ったってあいつにはかなわないよ」とか「才能がないからダメに決まっている」とか。つまり、人はしばしば「ほんとうの限界」の前に「心理的限界」を設定してしまうのです。
そして、さらにその「心理的限界」の手前で努力をやめてしまうこともあります。そうなると、「ほんとうの限界」のずっと前までしか到達できないことになります。これでは、結果が出ないこともあたりまえです。
為末さんはかつて陸上界で信じられていた「1マイル4分の壁」という話を持ちだします。その昔、スポーツにおいては「1マイルを4分以上のペースで走ることは人間には不可能である」という「常識」がまことしやかに信じられていたといいます。
その記録は長年にわたって越えられず、まさに「壁」であると考えられていました。ところが、ある人物がその「壁」を乗り越えると、それから1年以内に23人もの人物がその「壁」を越えてしまうのです!
つまり、じっさいには「限界の壁」など実在せず、ただ「心理的な壁」だけが存在していたということです。これこそまさにひとが「ほんとうの限界」に到達することを阻む「心理的限界」です。
それでは、「ほんとうの限界」に到達するにはどうすればいいのか? -
締め切りを設定する。
2016-11-19 05:2551pt大量にシナリオ論とか物語論の本を読んでみて、だいぶ物語の構造というものがわかってきた気がします。
いままでは世の中にあふれる入り組んだ物語の数々は天才の御業としか思えませんでしたが、ちゃんと分析してみるとそれもロジカルにできているのだと思えるようになりました。
おそらく「どんな複雑な物語も単純な物語構造の組み合わせである」ということがいえるのではないかと。
エラリー・クイーンの『ギリシャ棺の謎』みたいな究極的に複雑な物語も、大枠はシンプルですし、まただからこそ読んでいられるわけです。
で、その単純な構造とは、多くの場合、「主人公がある動機から行動しようとする。敵対者がそれを阻もうとする。主人公は協力者の助力を得て目的を達成する。ないし失敗する」というものです。
ぼくが書きたいのもこのパターンですね。となると、主人公の「動機」と「欲望」が大切であるわけです。これはいわば物語を先へ
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