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オウム真理教、と学会、そしてぼくたちの正気と狂気。
2018-08-08 11:4351pt◆オウムを笑う人々はほんとうに正気なのか。
YouTubeで「オウム真理教に入信した女性の末路」という動画を見ました。
https://www.youtube.com/watch?v=OF3v6v5QXMI
テレビで放送されたオウムに関するドキュメンタリーの一部らしいのですが、なかなかに見ていてぞくっとする内容になっています。
ぼくも何度か宗教に誘われたことがあるので、ひょっとしたら並行世界のイフルートのぼくはいまごろ熱心にマントラを唱えて修行にいそしんでいたりするかもしれないなあ、などと思いますね。ないか。ないな。
まあ、この動画そのものは良いのですが、ぼくが気になるのはこの記事についたコメント。
個人的にコメント欄はインターネット最悪のシステムだと思っているのですが、ここのコメントもやっぱりそれなり。
いや、べつに内容あるものを期待しているわけじゃないのですけれど、それにし -
『あなたがしてくれなくても』とセックスレスと自尊心。
2018-08-08 11:4151pt◆セックスレスは女を、男を深く傷つける。
『あなたがしてくれなくても』。
ひらがなばかりの印象的なタイトルをもつこの作品のテーマは、そう、「セックスレス」。週刊誌やインターネットでひそやかに、あるいはときに公然と囁かれる「夫婦の秘密」。
セックスレスをテーマにした漫画というと、いかにも興味本位の物語が思い浮かびますが、この作品はまったくそうではありません。
むしろ、限りなく繊細に、しかし執拗に、セックスレスという問題がいかに人を傷つけていくかが描写されています。
いや、これは傑作。じつに素晴らしいと思う。このテーマを扱った作品としては最高傑作といって良いでしょう。
主人公は結婚5年目の女性。そして、夫とセックスレスになってから2年が経つ。夫とは仲が悪いわけではないが、セックスがないことだけは辛いと思っている。
そんな彼女が、夫から精神的にも肉体的にも愛されたいと願い、さまざ -
非モテが幸せになるたったひとつの冴えたやりかた。
2018-08-08 11:3351pt◆非モテと「相対的剥奪」。
すでにお読みかもしれませんが、こんな記事がしばらく前に話題になりました。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/56258
はるか遠くのアメリカで、日本と同じように「インセル」という名前の「非モテ」男性が過激化してテロに走っているという内容です。
どこの国でも同じだなあというか、あまりにもくだらなすぎて情けなくなってくるのだけれど、でも、まあ深刻な社会問題ではあるのでしょう。
ここで面白いのが、「相対的剥奪」という概念。耳馴れない言葉かと思いますので、ちょっとこれについて説明している個所を引用してみましょう。
相対的剥奪は、元々はこんな話だ。ある部署では、ある時期になると50%が昇進する。別の部署は25%しか昇進しない。常識的に考えれば、昇進する割合や人数が多い部署のほうが不満は少なさそうなものだが、こうした場合、先の -
細田守は家族と血脈を愚直に描く「骨太の物語作家」だ。しかし――
2018-08-08 11:2951pt◆細田守の「聖母」。
細田守という映画監督のことを考えています。
いままでどうにも捉えどころがないような作家だと思っていたのですが、『未来のミライ』を見たことで、ちょっとわかったように思います。
この人は、たぶん、本来、シンプルでプリミティヴな物語を作りたい人なのですね。
でも、時代が時代だから、なかなかそれができない。それで、その歪みが作品に刻印されることになる。そういうことなのかな、と。
もう少しわかりやすく説明しましょう。
細田監督のいまのところ最もかれらしい作品にして、いちばん賛否両論を呼んだのは『おおかみこどもの雨と雪』だと思います。
これはまあ、ぼくの目から見ても批判が生じるのはよくわかるような映画なんですよね。
何といっても、女性の、あるいは母親の描き方にまったくリアリティがない。現代の映画としてはいかにも受け入れがたい。
でも、同時に、この「リアリティのな -
知識と思索の「ずれ」を埋めるために。
2018-08-08 03:0951ptいよいよコミケですね。精魂込めて作った本がどのくらい売れるのか、売れないのか、楽しみ半分、不安半分の気持ちです。
たぶんそれなりには売れると思うんだけれど、こればかりはふたを開けてみないと何ともいえないからなあ。なるべくたくさん売れることを祈るばかりです。
で、「プロジェクト物語三昧」(https://www.monozann.com/)の記事を書いていてふと思ったのだけれど、たぶんこのサイトの記事でぼくの文章を初めて、あるいはひさしぶりに読むという人もかなりいるのでしょうね。
これからアクセスは増えていくと思われますから、そういう人もさらに増えることでしょう。
まあ、それは当然といえば当然で、このブロマガは有料のサービスですからね。基本的には購読している数百人以外には読めません。
つまり、よく考えてみると、このブロマガを開設してから6年くらいぼくは表立って文章を発表して来なか -
『マインドマップで語る物語の物語(1)』正式告知!
2018-08-04 08:4451pt
そういうわけで――というか何というか、同人誌『マインドマップで語る物語の物語(1)』の最新にして正式の告知です!
今後、計4冊か5冊くらい出していく予定のシリーズの一冊目です。ただし、これがまったく売れなかったら次はありません(笑)。いや、マジで。
イベント価格を1冊1000円という、なかなかとんでもない安さに設定してしまったので、少なくとも200冊くらいは売れてくれないと困るのですね。
諸経費を考えると、本来はいくら何でもこの値段は無理なのですが、そこは早期入稿によって印刷代を削ることにで破格のお値段を実現しました。
あまり儲けは考えていないどころか、ほんとに赤字ギリギリの価格設定です。だから、みんな、買ってくれ~!
まあ、もうちょっと裏話を話すと、今回はほんとうに原稿が早く仕上がっていて、そのおかげですべてがきわめてスムーズに運んでいます。
具体的にいうと、コミケの2か月前にはもうすべての原稿が完成し、推敲まで済んでいました。
我がことながら素晴らしい。みんなよくやったよ。ぼくも頑張った。偉い偉い(最近、自分で自分を褒めることにしている海燕さんなのであった)。
まあ、今回、サークルメンバーは日本中どころか世界各地(笑)にバラバラに住んでいて、直接集まって話をしたことは一度もないのですが、それにもかかわらずすべてがとてもスムーズに、スピーディーに進行しました。
内容に関するさまざまな議論もすべてLINEやSkypeを使って行われています。
いやー、まさに現代。時代は変わりましたね。こんなことがあっさり実現可能な世の中になったんですね。わかってはいたことだけれど、じっさいやってみると感心する。もう、いちいち会社とか通う必要なくないですか?
まあ、ペトロニウスさんも書いていますが(http://d.hatena.ne.jp/Gaius_Petronius/20180803/p1)、そもそもはLDさんが作った巨大なマインドマップを世に出すためにスタートした企画です。
これは戦後のエンターテインメントを一望するというとんでもないシロモノなのですが、初めて見せられたとき、「何だこりゃ」という感じだったので、そのショックをみんなに共有してもらおうということなのですね。
それから1年。よくここまで形になったものだと思うほど綺麗な本ができあがりました。はっきりいって自信作です。
もちろん、次回以降はこれをさらに超えるクオリティ&エンターテインメント性に仕上げたいと思ってはいますが、それもこれもこの本が売れるかどうかにかかっているわけです。 さて、はたしてこの企画が、沖田さん大勝利!に終わるか、無残な失敗となって消え去るかは、いまのところはまだわかりません。すべては売り上げしだいなのです。
いや、あまりくり返すとしつこい印象になるけれど、お願いだから買ってね。ほんとうに頑張って作ったので……。
もちろん、通信販売も行う予定です。その場合はさすがにイベント価格よりいくらか高い値段設定になりますが、ご了承ください。
で、内容についてはここ(https://www.monozann.com/doujinnshi/)にも書いたのですが、戦後日本の物語の歴史、そのプロローグということになります。
ある意味、ヒーローたるアニムスくんと、ヒロインにしてやっぱりヒーローでもあるアニマちゃんを主役にした「物語の物語」とも受け取れる作品です。
つまりは、あまたの物語(コンテンツ)を通し、ひとつの物語(コンテキスト)を見いだすある種の批評的冒険ということ。
面白いよ。しかもシリーズを通して尻上がりに面白くなっていく。これが全巻出せなかったら無念でしかたないので、ほんとよろしくお願いします。
夏コミ3日目、東館ト‐58bにてお待ちしております。ちなみにその前日の「堕天使条約機構」にも委託しています。こちらは東1K-30bです。
また、今回はアージュの吉宗鋼紀さんや作家の津田彷徨さんに原稿を依頼していたりもします。これがまた興味深い仕上がり。豪華だねー。
それにしても、いやはや、大丈夫なのだろうか。コミケは何度か参加しているけれど、毎回心配です。
まあ、相当の冊数を用意したので売り切れることはないと思いますが、参加される方はお早めに。ちなみに、ぼくは午後から顔を出す予定です。午前中はペトロニウスさんやLDさん、銀鷹さんが売り子をやっています。
で、これもペトロニウスさんが書いていることですが、サークル名の「プロジェクト物語三昧」はそのうち名前を変更する予定です。
このままだとペトロニウスさんの個人サークルみたいだからね。Projecet Azukiarai Academiaというのが有力候補らしい。なんかかっこいいな(笑)。
あ、そうだそうだ、ハバネロPに急遽お願いして(ありがとう!)、動画も作ってもらいました。ここ(https://youtu.be/0X010S57TZg)ですね。これがまた素晴らしい仕上がり。涙でそう。うるうる。
まだ終わってはいませんが、今回、ほんとうに楽しかったです。みんなでひとつの企画を実現していくって楽しいよね。しかもどいつもこいつも有能だし、大人だし。
ある意味、10年以上かけて積み上げてきたぼくたちの仲間の総決算にして、新たなスタート地点ともいえる企画です。よろしくなのです。それでは、コミケでお逢いしましょう! -
ドラマ『幸色のワンルーム』規制の是非より大切なこと。
2018-08-03 12:4151pt◆Netflixならテレビで規制された『幸色のワンルーム』が問題なく見れる。
見出し通りの話ですが、テレビでは規制が入って一部地域での放送が中止した『幸色のワンルーム』、Netflixではふつうに見れるんですよねー。うーん。
この現実を見ると、そもそもテレビで放送するべきかどうか議論することにあまり意味がなかったかもしれないとすら思いますね。
結局のところ、いま、あきらかに「オワコン」になりかけているテレビというメディアに論理や良識を期待することじたい無理があるのかも。
テレビがごくつまらない無難な番組ばかりになって滅んでしまっても、ネット配信さえあれば問題ないということになりそう。
いやまあ、現時点で『幸色のワンルーム』を見ていないので、これが面白いのかどうかはわかりませんが。たぶん、面白くはないだろうというのがぼくの予想。
しかし、ともかくテレビほどの公共性を期待されないこ -
二次創作は物語の面白さを増すのか、『エヴァ』と『FGO』で考える。
2018-08-03 12:3751pt◆二次創作並行世界は物語に何をもたらすか?
並行世界について考えている。
つまり、並行世界という概念は物語に破滅的退屈さを呼び込むのか、それともより豊饒な実りをもたらすのか?
前回はこの概念をわりとネガティヴに捉えていたので、今回はポジティヴに捉えなおしてみよう。並行世界の存在によって、物語はさらに面白さを増すと考えるのだ。
そもそもここでいう並行世界とは何かというと、端的にいうならつまり、二次創作のことである。
たとえば、『新世紀エヴァンゲリオン』で考えてみよう。
『エヴァ』本編では人類補完計画が発動し、人類は滅亡し、碇シンジは補完されてしまったわけだが、その一方で本編とは異なる展開を描く無数の並行世界が存在する。
一例を挙げるなら、漫画版の『エヴァ』がそうだ。
貞本義行による漫画版の『エヴァ』は、アニメ本編とは似て非なる展開を遂げる。
これはまさに、アニメ版『エヴァ』 -
創元推理文庫の『Fate/Grand Order』帯採用に出版業界の希望を見るよ。
2018-08-03 12:3151pt◆「あの」創元推理文庫が『FGO』を帯に採用!
かの創元推理文庫が『Fate/Grand Order』のキャラクターを活用した帯を採用したという話。いまさらかもしれませんが、凄い。素晴らしい。
おそらく、いま『FGO』をプレイしているような若者たちにとっては「お堅い古典」に過ぎないだろう『吸血鬼ドラキュラ』や『フランケンシュタイン』をこのような手で売り込もうとは。
さすが創元! おれたちにできないことを平然とやってのける。そこにシビれる! あこがれるゥ!
いやまあ、このやり方でほんとうに古典が売れるのかどうかはわかりませんが、それにしてもこういう方法論にチャレンジしようということそのものが素晴らしい。
それにしても、TYPE-MOONの影響力がここまで来たと思うと感慨無量ですね。『月姫』から延々と追いかけているわけで、少しずつ少しずつ影響力を増していった結果、とうとうここまで来て -
空気系はどこへ行く? 『よりもい』と『ゆるキャン△』で考える。
2018-08-03 12:3051pt◆変わらない空気系が変わりはじめた。
ある夏の日、吹き抜ける風がぼくに問いかけた。「空気系はどこに行くのか?」と。ぼくは答えた。「さあ、知らない」と。
しかし、「知らね」で終わらせるのも何なので、少し考えてみようと思います。空気系、あるいは萌え日常系のアニメや漫画はどこへ行くのか?
そのまえに整理しておくと、ここで「空気系」と呼んでいるのは、皆さんご存知であろう『のんのんびより』とか、『きんいろモザイク』といった美少女たちの穏やかな日常を描く作品のことです。
現在、これらの作品は1クールに1作はかならずアニメが制作されている印象で、非常に人気が高いといっても良いと思います。
ただ、この種の作品はあずまきよひこの『あずまんが大王』を嚆矢としているわけですが、未だにこの偉大な漫画を乗り越えられていない印象がなくもない。
基本的に「変化の乏しい日常生活」を淡々と(ある程度は面白おかし
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