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記事 3件
  • 「正義」の思想につばを吐く。

    2016-10-26 01:56  
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     Twitterで古い知りあいの唯野さん(なんと初めて逢ったのは20年近く前。何もかもみななつかしい……)に「海燕さんはオメガバースに興味もちそう」みたいなことをいわれたので、オメガバースについて調べてみました。
     オメガバースとは、海外のBL(スラッシュフィクションと呼ばれる)業界でわりとメジャーなSF設定で、αがどうのΩがどうのという専門用語がいろいろあり、差別や階級の問題が繊細に絡んで来るので、単純によしあしをいいづらい話ではあるんだけれど、個人的に「ああ、こういうのが流行るのはわかるなあ」とは感じます。
     階級とか支配とか凌辱とか、こういうのが好きな人、いるよねえ。ぼくも嫌いではない感じですが、どうにもベタすぎて気恥ずかしい。ぼくの好みの物語と非常に近いところにありながらちょっと違う感じ。
     ぼくはやっぱり差別に安住する物語ではなく、差別を乗り越える物語を見たいのかもしれません。ま
  • シロウトは真似するべからず。文法すら無視する栗本薫の「華麗なる悪文」に賛嘆する。(2198文字)

    2013-01-11 10:45  
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    栗本薫さんの『真夜中の天使』を取り上げてそのとんでもない文体を味わっている記事です。いまさらネットでこの作品を取り上げるひとも少ないでしょうが、いやー、名作なんですよね。この作品を電子書籍で読めるようになったことはまことに慶賀すべきというべきでしょう。あとは『トワイライト・サーガ』と『終わりのないラブソング』が電子化されたらいうことなし。
  • 人形と人形使いのゲーム。相田裕、栗本薫、永野護らが描こうとしているものは何なのか。(1734文字)

    2013-01-04 00:15  
    53pt
    相田裕『GUNSLINGER GIRL』と栗本薫の『真夜中の天使』、永野護『ファイブスター物語』という、一見何の関係もなさそうな作品について語った論考です。そこには「つくるもの」と「つくられるもの」、つまり創造者と被造物の関係の逆転というテーマがひそんでいるのだと語っています。いやー、しかし、『真夜中の天使』は名作だなー。あらためてそう思いました。