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毎日を遊んで暮らすことには才能がいる。

 Phaさんの新刊『しないことリスト』を購入しました。  「どうしてもこれをやらなければならない」という思い込みに縛られている現代社会に対し、「やらなくていいこと」のリストを作ることでの脱出を目指そうとする一冊です。  書かれていることはいままでの本とほとんど変わりありませんが、一貫性があるといういい方もできるでしょう。  全編、「怠け者の哲学」ともいうべき独特の思想が通底していて、とても面白い。  ぼく自身は日々、懶惰な人生を送っているわけですが、忙しくしている人は読んでみるといいかもしれません。何か気づきがあるかも。  あまりに世界が違い過ぎてなんの参考にもならないという可能性もありますが……。  ニートを自称するPhaさんはいわば「怠惰の達人」です。  忙しく働いている人からすればその生き方はただ怠けているだけに見えるかもしれませんが、じっさい本人が幸せそうなのだから傍から文句をいうような問題ではないでしょう。  ぼくから見ると、すごいなー、偉いなーと感嘆するばかりで、ぼくもこういうふうになりたいな、と思わせられるものがあります。  ぼくが実在の人物をそういうふうに評することはめったにないのですけれどね。  しかし、あまりに達人すぎて、凡人であるところのぼくにはとても真似できそうにないということもほんとうです。  Phaさんはいま、執筆などで年間100万円ほどの収入を得るほかは一切働いていないそうです。  それで暮らしていけるものなのかと驚きますが、つつましやかな生活をしていれば特に困ることもないようですね。  ぼくも同じくこのブログを更新するほかはほとんど働いていない身の上ですが、ぼくのほうはいまの自分に不満があるのですよねー。  というのも、ぼくは退屈に耐えられないのです。  仕事をしていないと、家族以外の人と逢ったり話したりすることもほとんどないので、どうしても日常が退屈になって来る。それが辛い。  ひきこもりの辛さですね。  普段から忙しい人からすればそんなものは辛さのうちに入らないというかもしれませんが、いや、じっさい、ほとんどやることもなくただ日々をむなしく過ごすというのも辛いのですよ。  アニメ見たり漫画読んだりここを更新したりする作業そのものはまったく大変じゃないし、むしろ楽すぎてどうなのだと思うくらいなのだけれど、日常の灰色さは真剣に辛い。  「やらなければならないこと」がいくつかあったほうがよほど楽だろうと思う。 

毎日を遊んで暮らすことには才能がいる。
弱いなら弱いままで。

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海燕

1978年新潟生まれ。男性。プロライター。記事執筆のお仕事依頼はkenseimaxi@mail.goo.ne.jpまで。

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