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  • ドラマ版『DEATH NOTE』の改変が「あり」か「なし」かとは別次元で面白い。

    2015-07-02 23:46  
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     ドラマ版『DEATH NOTE』のあらすじが公開されて話題を呼んでいるそうです。

     夜神月(窪田正孝)は、警視庁捜査一課に勤務する父・総一郎(松重豊)と妹・粧裕(藤原令子)と暮らすどこにでもいるような大学生。弥海砂(佐野ひなこ)が所属する「イチゴBERRY」のライブに行く以外は、学業とアルバイトに精を出す日々だ。
    http://www.ntv.co.jp/drama-deathnote/story/index.html

     「どこにでもいるような大学生」。
     うん、うん……。あらすじの段階からいきなり不安を煽りますね。
     まあ、でも、ドラマがオリジナルの展開をたどることに文句はありません。
     いまさら原作のストーリーをなぞったところで連載時のサスペンスはもうないし、「原作を改変するな!」とはまったく思わないのですが、このレベルで変えちゃうなら「夜神月」とか「ニア」といった名前を使用することもない気はする。
     オリジナルの名前を使えばいいじゃんね。
     ところで、メロは存在そのものを抹消されてしまったのだろうか……。
     まあ、たぶん普通にありふれた失敗作として終わるでしょうが、一発逆転で原作読者をも驚かせる意外な展開が続く可能性もなくはない、かな? 期待せずに放送を待ちたいと思います。
     それにしても、このドラマ版の設定を見ると、原作がヒットした理由が逆によくわかりますね。
     『DEATH NOTE』の根幹にある「名前を書くとそのひとが死ぬノート」というアイディア自体は、実はそこまで秀でたものではないと思うのです。
     いや、ひとつの秀抜なアイディアではあるにせよ、いってしまえばそれだけのことでしかない。
     『DEATH NOTE』が傑作になっているのは、そのアイディアを物語レベルに昇華する段階での手際が飛び抜けているからでしょう。
     まず、 
  • 海燕の月額3000円コンテンツ充セット(2015年5月編)。

    2015-05-21 11:18  
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     前の記事で書いた通り、月額3000円以内で楽しめるエンターテインメント・コンテンツをパックで入手するアイディアを提案させていただきます。
     じっさいには個別で買ってもらうことになるわけですが、たとえばこんな内容で1ヶ月をお安く楽しんでみてはいかが、というサジェスチョンです。
     小説、漫画、映画、アニメ、ゲーム、とそれぞれ簡単な紹介を付けてオススメします。
     小説とアニメはテレビや図書館で入手すればいいので0円としてもいいのですが、それではあまりに身も蓋もないので両者ともお金を払って手に入れることを条件とします。
     また、「駿河屋」や「ブックオフ・オンライン」といった古本屋サイトでは一定額以上でないと送料無料にならないシステムがありますが、これはまとめて購入することを前提として送料無料で考えることとします。
     では、一ヶ月のエンターテインメント生活の一例としてご覧ください。

    ・小説――リサイクルショップ「駿河屋」で「我孫子武丸尽くし」。『少年たちの四季』70円。『人形はこたつで推理する』70円。『探偵映画』100円。総計税込み240円。
    http://www.suruga-ya.jp/search?category=&search_word=%E6%88%91%E5%AD%AB%E5%AD%90%E6%AD%A6%E4%B8%B8&adult_s=1&rankBy=price%3Aascending
    ・漫画――「駿河屋」で『DEATH NOTE 全12巻+DEATH NOTE HOW TO READ 全13冊セット』を購入。税込み1300円。
    http://www.suruga-ya.jp/product/detail/WK1714
    ・映画――レンタルサイト「ぽすれん」で『風立ちぬ』、『最強のふたり』、『英国王のスピーチ』をレンタル。税・送料込み553円。
    http://posren.com/
    ・アニメ――アニメ配信サイト「dアニメストア」で『コードギアス 反逆のルルーシュ』全25話を鑑賞。1話25分×25分で10時間25分。税込み432円。
    https://anime.dmkt-sp.jp/animestore/ci_pc?workId=20029
    ・ゲーム――「駿河屋」で『久遠の絆 再臨詔』(プレイステーション2)を購入。税込み450円。
    http://www.suruga-ya.jp/product/detail/144004273001

     総計2975円!
     けっこうオススメの作品をそろえさせていただいたのですが、いかがでしょう。 
  • どんどんひとが死んでいく物語は刺激的だろうか。

    2015-03-24 22:23  
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     ども。海燕です。
     どうやら風邪をひいたらしく、ふらふらしています。
     いまは薬が効き始めたようで正常になったけれど、さっきまでもうろうとしていました。
     失って初めてわかる健康のありがたさ。ぼくもいいかげん歳老いたので、健康に気を遣わなくては。
     さて、そういうわけできょうは特にネタはありません。
     そこで、最近ちょっと興味がある「デスゲーム」の話でもしようかと。
     デスゲーム。ある厳密なルールのもと、命を賭けてゲームを展開する物語の一ジャンルです。
     古くは山田風太郎があり、また横山光輝があるわけなのですが、現代的な意味でのデスゲームものの嚆矢はやはり『バトル・ロワイアル』になるでしょう。
     いまさら詳細に説明する必要はないと思いますが、この小説の目新しさはデスゲームの戦場を現代(一応は架空の国家ではありますが……)に持って来て、一般の中学生たちを主人公にしたところにあります。
     話の展開そのものは『甲賀忍法帖』や『バビル2世』に近いところがあるとしても、その文脈がまったく違っているのですね。
     先日のラジオでLDさんが話していましたが、デスゲームものが流行する背景には「生の不全感」があるように思います。
     「生きているということ」が満たされていないから、死が目の前にある極限状況に「生の燃焼」を求める。これは非常にわかりやすい話だと思います。
     デスゲームものの最高傑作のひとつである『DEATH NOTE』にしてからが、主人公夜神月が「退屈だ」と感じている場面から始まるわけです。
     社会を変えるとか新世界の神になるとかいった野望はあるにしても、あくまで「退屈な生」を充足させることが本来の目的。
     スリリングな戦いの日々はすべてそのためにあるのです。
     つまり、デスゲームものとは「生の不全感」を癒やす方法論のひとつだということ。
     その意味で、暴力に充足感を求める『ホーリーランド』とか『自殺島』といった作品に近いところにあるといえます。
     ここまでは、まあ、わかる。
     ところが、ぼくが見るに、最近のデスゲームものは「死」が非常に軽く扱われているように思えるんですよね。
     『少年マガジン』の『リアルアカウント』とか『神さまの言うとおり』あたりが象徴的ですが、「死」の描写がやたら軽い。
     あたかも文字通り「ゲーム」に過ぎないかのように見える。
     いや、ゲームであってもかまわないのだけれど、そのゲームに命がかかっているという切迫感が、『リアルアカウント』などには見られないと思うのです。
     これには異論もあるかもしれません。 
  • スラッカー(怠け者)ヒーローの系譜を考えてみる。

    2014-07-30 07:00  
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     「小説家になろう」で津田彷徨『やる気なし英雄譚』を読みはじめた。ペトロニウスさんが、何かのラジオで「この主人公みたいなキャラクターは、いそうで案外いないよね」と云っていたので、どういうキャラクターがいるのか考えてみた。
     思うに、この種のキャラクターの特徴は、「怠け者」というネガティヴな個性を背負っているところだと思う。
     トム・ルッツの『働かない 「怠けもの」と呼ばれた人たち』によると、こうした「怠け者」たちは、その時代、時代でさまざまな名前が与えられるものの、現代ではスラッカーと呼ばれているらしい。Wikipediaではこんなふうに記述されている。

    スラッカー, slacker は、第1次/第2次世界大戦間の時期に、徴兵制を拒否していた人々を指していたが、1990年代には、静的、熱心でない、努力をしないような人々の状態を表す言葉として使われる。典型として、スラッカーは無職・或はサービス業で不安定な被雇用状態にある。
    イギリスでは、アイドラー, "idlers" とも呼ばれる。

     また、同書の訳者あとがきでは、「『ドラえもん』ののび太くん、『釣りバカ日記』のハマちゃん、フーテンの寅さん、放浪芸術家の山下清などなど」が日本のスラッカー文化のキャラクターとして挙げられているのだが、ぼくとしてはここに『必殺』シリーズの中村主水、『機動警察パトレイバー』の後藤隊長と、『銀河英雄伝説』のヤン・ウェンリーを付け加えたいところだ。
     『ルパン三世』のルパン、『シティハンター』の冴羽獠あたりにも何か共通するものを感じる。Twitterで指摘されたところでは、キン肉マンや『DEATH NOTE』のLなんかもあてはまるかもしれない。
     それから、『ファイブスター物語』のダグラス・カイエン。『涼宮ハルヒの憂鬱』のキョンや『氷菓』の折木奉太郎は微妙なところか。
     こうやって並べてみると、ある程度の共通点が見て取れる気がする。これらのキャラクターの共通点は、