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アニメ『Charlotte』は情報圧縮の果てにどんな快楽を紡ぐのか。

 アニメ『Charlotte(シャーロット)』を見る見る。  ――えーと、なんだこれ(笑)。第1回から飛ばしてくるなあ。  今回、情報をまったく仕入れないで見ているので、『Angel Beats!』に続く麻枝准さんシナリオのアニメということくらいしか知らないのですが、いやー、これはクオリティが高い。  ほんとうに冒頭から飛ばす飛ばす。  ひと昔前だったら「なんだこれ?」という評価を受けたのではないかと思うのですが、いまならこの程度は十分に「あり」なのでしょうね。  なかなかすごい展開が赦される時代になったものだ。  物語が始まるとあっというまに主人公が(なぜか)ある種の異能に目覚め、その能力を活用してのし上がっていくあたりでは『DEATH NOTE』とか『コードギアス』っぽい異能ピカレスク・ロマンっぽく進むのかと思いきや、物語はあっというまに斜め上の方向へ。  まあ、第1話が終わってみれば順当な展開といえなくもないのだけれど、極端にスピーディなやり取りに圧倒されます。  いまさらいうまでもない話ですが、この圧縮された展開は膨大な学園異能ものの積み重ねの上に成り立っています。  ある展開が複数の作品で使用され、読み手にとって「常識」になるとそれは「お約束」として飛ばすことができるというわけですね。  ちょっと「小説家になろう」における「転生トラック」(トラックに轢かれると異世界に生まれ変わるというお約束展開)を思わせるものがあります。  とにかく、この定石展開を「お約束」としてショートカットしてきたからには、そうではない物語を描く意志があると見ていいでしょう。  この先も情報圧縮がくり返されるのかどうかわかりませんが、新しい時代の新しい作品へ向かおうとする姿勢そのものは高く評価したいところです。  なんといっても麻枝准シナリオなので、このスタート地点からどのようなゴールへ行き着くものか予想を許さないものがあります。  麻枝さんといえば、『Kanon』、『AIR』、『CLANNAD』などのゲームで知られるある種、天才肌のクリエイター。読者の予想を吹っ飛ばす超展開で知られる人でもあります。  今回もおそらくひと筋縄ではいかないシナリオが待っていることでしょう。楽しみ、楽しみ。  良くも悪くも通常のエンターテインメントの枠組みから逸脱した作品を描く人なので、今後、どういうものを見せてくれるのか期待は高まるばかりです。  それにしても、 

アニメ『Charlotte』は情報圧縮の果てにどんな快楽を紡ぐのか。
弱いなら弱いままで。

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海燕

1978年新潟生まれ。男性。プロライター。記事執筆のお仕事依頼はkenseimaxi@mail.goo.ne.jpまで。

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