-
アニメ『くまみこ』は「ネトラレのタブー」への解答なのか。
2016-04-21 02:0851pt
アニメ『くまみこ』が面白いです。
何この神アニメ。豊作といわれる今期でもこれがいちばん面白いかも。女の子(とくま)可愛い。
『マクロスΔ』とか『甲鉄城のカバネリ』とか『Re:ゼロから始まる異世界生活』みたいなシリアス寄りの作品もいいけれど、ただひたすらに可愛くてちょっとシュールなこの作品がいまのところいちばん楽しく感じるなあ。
まあ、そうはいってもほかのアニメも面白いのですけれど。
今期は『はいふり』とかもあるし、ほんとに豊作だよなあ。
最新話から見ても特に問題ないと思われるので、未見の方、わりとオススメです。はい。
このアニメの何がいいのかってしばらく考えてみたのですが、結局、くまを出すことで女の子の可愛さを引き出しているところに良さがあるんじゃないかと。
もちろん、その逆もあるわけだけれど、とにかく、くまと女の子(巫女)という組み合わせがすごい。
この組み合わせは、ちょっと考えるとシュールすぎるようだけれど、じっさいにはよく考えられていると思う。
というのも、女の子の可愛さを引き立てるにはやっぱり男の子を出さないといけないという側面があるわけです。
男の子が男らしく凛々しいほど、女の子がキュートに見えて来るという比較の妙。
まあ、もちろん、男の子が可愛くて女の子がかっこよくてもいいわけですが、基本的にはやっぱり女の子の女の子らしさというものを描くためには比較のために男の子が必要になって来ると思うんですよね。
でも、このあいだも書いたように、いまのアニメでは男の子を出しづらくなっているんですよね。
簡単にいってしまえば、「ネトラレのタブー」に抵触するからです。
それで女の子ばかり出て来るアニメが増えたりするのだけれど、そればかりになってくると差別化がむずかしくなってくると思うのですね。
そこで、『くまみこ』では男性キャラクターの代替としてくまを採用したのではないでしょうか。
少女とくま。ちょっと -
萌えアニメは心のマッサージ。シリアスアニメは心の活力剤。
2016-04-18 17:4751pt
今期はいままであまり見なかった日常系萌えアニメをいくつか見ています。
原作が4コマ専門誌掲載だったりすることが多いアニメ。
『三者三葉』、『ばくおん!!』、『あんはぴ♪』、『くまみこ』、あと『ふらいんぐうぃっち』あたりですね。
『少年メイド』もまあここに入らないこともないかも。
『SUPER LOVERS』は――うん、あれは違うものですね。ショタBLだからな!
まあ、そうしてあらためて見てみると、こういうアニメも面白いものですね。
ただ、いったん放送を逃すとあとから見なおす気にはなれない。
あくまで生活に組み込まれた形で見るべき作品なのだと思います。
というのも、面白いことは面白いのだけれど、どれも内容的に大差はない。
いってしまえば互換可能な作品性を持っているからでしょう。
こう書くとすぐに「個性がない」という話になりそうですが、必ずしもそういうわけではない、それぞれに違いはある。
ただ、その個性が一定の範疇に収まっているということなのですね。
それはもちろんこれらの作品が「癒やし」と「慰め」という社会的役割を持っているからだと思います。
見てみて癒やされるようでなければこれらの作品に意味はない。
「努力」と「成長」を至上視するマッチョな価値観からすれば、こういうアニメを見て癒やされるなんてことはくだらないことに違いありません。
もっと自分のためになるアニメを見るべきだ、ということになるでしょう。
ためになるアニメとは意味不明ですが、甘くない現実を思い知らせてくれる作品、ということでしょうか。
そうやって常にままならない現実と向き合い、辛くしんどいことを噛みしめ、その上で生きていくということが必要だとする価値観があるのです。
しかし、社会が斜陽化しているいま、そういった「現実を見ろ」、「もっと努力しろ」という意見は説得力を失いつつある。
ひたすらまったりした日常を見て癒やされているほうが幸福に近づく近道に思えてもおかしくないでしょう。
そういうわけで、一度見逃したらそれまでという作品ではあるのですが、ちゃんと録画して毎週見てみると、これが楽しいのです。
癒やされるということもそうなのだけれど、その「癒やし」の効果が生活に組み込まれることで生活そのものが一段階豊かになる感覚がある。
これがたぶん「エンターテインメントの日常化」ということでしょう。
エンターテインメントを生活の一部として受け止めることで、生活そのものをアップデートするということ。
ただし、 -
今期の正座して見るアニメはどれで、流し見するアニメはどれだ?
2016-04-08 07:0351pt
春アニメを色々追いかけています。
Amazonプライム・ビデオも見れるし、dアニメストアも見れるいまのぼくに死角はない。ふっふっふ。
とりあえず今期のアニメで面白そうだと思ったのは『マクロスΔ』かなあ。
『逆転裁判』がイマイチで残念です。『ばくおん‼』はまあまあ。
『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない』は、あたりまえですが面白いですね。
『Re:ゼロから始まる異世界生活』も面白いという話なのだけれど、ネットで配信されるまで見る手段がない。
『マクロスΔ』は「いつもの『マクロス』」といってしまえばそれまでなのですが、あいかわらずのクレイジーな世界が素敵です。
「よし。歌が効いてきた」とか、イミフな台詞があたりまえのように飛び出すあたり思わず笑ってしまう。
いや、『マクロス』だから意味不明でもなんでもないんだけれど、これ、このシリーズを初めて見る人がいたら「なんじゃこりゃ」と思うんじゃないでしょうか。
壮絶な空戦アクションと可憐なアイドルステージが一体化したアニメーションは色々な意味で凄まじく、わけのわからない迫力に満ちています。
テレビアニメでここまでのアクションを放送できる時代なんだよなあ。凄い。ヒロインの女の子もなかなか可愛い。
『くまみこ』もほのぼの系で良いですね。
『ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った?』はライトノベルらしい都合のいい話で、気恥ずかしくもなかなか楽しい。
ただ、いちいちヒロインのおっぱい(巨乳)をフォーカスするカットがアレ。
40近くなってこういう思春期願望充足アニメを見ているぼくはどうなんだという気がしなくもない。
こうやって並べてみるとけっこう面白そうな作品が並んでいるなあ。
オタク的な願望充足系が多いみたいだけれど、『Re:ゼロ』みたいなきつくて地味な話もきっちりアニメ化されているあたり、ちゃんと多様性のある時代なんだなあと感心します。
『Re:ゼロ』はほんとにきびしい話なのですが、シナリオのポテンシャルはぴかいちです。
「なろう系」とは思えないほど構成が秀抜。アニメもていねいに作っているという噂なので、とりあえず期待したいところです。
あと、すでに完結した作品ですが、『灰と幻想のグリムガル』のアニメをいま後追いで見ています。
まだ序盤なのだけれど、これ、素晴らしいですね。
非常に地味な作品であるかとは思いますが、とにかく演出が光っている。最後まで追いかけていきたいと思います。
いや、これだけの質と量のアニメがいつでもただで見れるというのは凄いことですね(dアニメストアは有料だけれど、それにしても月額400円くらい)。
そりゃ、エンターテインメントが日常化するわけだよ、と思ってしまう。
エンターテインメントの日常化という現象の背景となっているのは、「絶対に消化し切れないほどの量のエンターテインメントがあたりまえのように存在する」という現実です。
ライトノベルにしろ、テレビアニメにしろ、ウェブ小説にしろ、いまとなってはどうあがいても消費し切れないくらいのボリュームの作品群が日常的に提供されつづけていることはご存知の通り。
あるいは、よほど暇な人ならライトノベルだけ、テレビアニメだけならある程度は追いかけることができるかもしれないけれど、それらすべてを消化することはもうどうしたって不可能なわけです。
そういう意味では、あるジャンルに関してなんでも知っている博覧強記の人物という意味での「オタク」は、もう成立しない時代になっていますね。
岡田斗司夫さんがいうところの「オタク・イズ・デッド」はそういう意味でも必然なのだと思います。
とにかくこうなると必然的に一作一作を真剣に見ていくことはむずかしくなるし、あるいは真剣に見るにしても「膨大な量のなかから見るべきものを選ぶ」という作業が必須となる。
そうなって来ると、もうエンターテインメント体験は特別なものではなくなりますよね。
この「量」の問題が現代のエンターテインメントを語るにはどうしても付きまとうと思うのです。
もちろん、それぞれの作品の「質」も高くなっていて、まったくかつてない贅沢な時代が到来していると感じます。
「飽食」ならぬ「飽楽」の時代、といえばいいでしょうか。
ひとつひとつの娯楽が神聖な輝きを失ってしまうほどありふれている時代。
かつて、何百年も前には、娯楽というものはほんとうに貴重なものだったでしょう。
たとえば、年に一度の村祭りで芝居を見るために、一年間きつい仕事に耐えるというようなことだって、ほんとうに行われていたわけです。
そういう時代においては、その芝居はほんとうに面白く、神秘的なまでの輝きを放つものでありえたはずだろうと思う。
その時代において、エンターテインメントはまさに非日常そのものであったといっていいかと思います。
いや、ほんの数十年前にしても、エンターテインメントはもう少し特別な体験だったといっていいでしょう。
少なくとも日常そのものではありえなかった。
しかし、
1 / 1