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タグ “TYPE-MOON” を含む記事 11件

増殖を続ける『Fate』シリーズに感じる嬉しさと残念さ。

 きょうは電撃文庫の発売日です。成田良悟さんの『Fate/strange Fake』最新刊が出ていますね。  これも設定を聞く限りめちゃくちゃ面白そうなんだけれど、ぼくはまだ読めていません。  最近ほんとに小説を読めていないので、なんとか時間を作って読まないととは思うのですが、なかなかね……。  それにしても『Fate』はいったいいくつシリーズがあるんだろ。  最初の『Fate/stay night』に『Fate/hollow ataraxia』まではまあ「正典(カノン)」といえるとして、そのあとの作品群が膨大なんですよね。  とりあえず『Zero』は「正典」に次ぐ地位にある感じですが、そのほかの作品群はどう解釈したらいいものやら。  パラレルワールドだと思って読むのがいちいばんいいのかなあ。  そういえば『Fate』世界にはパラレルワールドを飛びまわる謎のジジイがいたような気もするが、まあいいや。  『Fate』の番外編というと、『Zero』を除くと、まずは『Grand Order』が思い浮かびます。  これはソーシャルゲームですね。ゲーム的にはかなりひどい出来だとさんざんいわれているものの、キャラクターの魅力とストーリーの面白さによって大人気を博しているようです。  結局のところ、魅力的なキャラクターがたくさんいればほかはぐたぐだでもけっこうなんとかなるという典型的な例でしょうか。  それから、ゲームの類としては、プレイステーションポータブルで出た『フェイト/エクストラ』とその続編『フェイト/エクストラ CCC 』があります。  これは当然というか漫画化もされていて、『フェイト/エクストラ CCC Foxtail』という作品にもなっているようです。  あと、格ゲー仕様の作品としては『フェイト/アンリミテッドコード』がありますね。  やったことがないので評価はわかりませんが、そこそこの作品ではあるようです。  あと、小説作品としては『Fate/Prototype 蒼銀のフラブメンツ』というものもありますね。  『Fate/Labyrinth』はこの派生なのかな? よくわかりませんが関連作品であるようです。  さらには『Fate/Apocrypha』というものもありますし、いちばん最初に挙げた『Fate/strange Fake』もこの系統です。  さらに漫画では『Fate』を魔法少女ものに仕上げてしまった『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ』という作品もありますし、『Fate/mahjong night 聖牌戦争』という、もはや何がなんだかよくわからない作品もあります。  あと、四コマの『氷室の天地 Fate/school life』も一応は『Fate』シリーズか……。  ざっと数え上げただけでもこれだけの『Fate』関連作品が出ているわけです。まだ取りこぼしたものもあるかも。  かつて高校生の奈須きのこがノートに書いて竹内崇に見せていた妄想ストーリーがここまで発展するとは、当時、奈須さんも竹内さんもまったく想像していなかったことでしょう。  ただ、 

増殖を続ける『Fate』シリーズに感じる嬉しさと残念さ。

『Fate/stay night』、背徳と頽廃の第三ルートがいま始まる。

 タスクオーナ『Fate/stay night (Heaven's Feel) 』最新刊読了。  既に発売から十数年を経るロングヒットコンテンツ『Fate』の第三ルート、漫画版です。  『Fate』は2004年の発表以来、さまざまな形でメディア展開して来たわけですが、『HF』はいままで触れられて来ませんでした。  この作品は満を持しての初漫画化というわけです。  また、『HF』は2017年に映画化も決定しているので、ほぼ同時に映像と漫画で同じ物語が展開することになりますね。  映画も楽しみですが、まずは漫画の話。  結論から書くと、とてもよくできている作品だと思います。  『HF』は正義の味方を目ざす少年・衛宮士郎と、かれを慕う少女・間桐桜の物語であるわけですが、『Fate』全編でも最も昏く淫靡な話なので、なかなか漫画にはしづらいところがあります。  しかし、作者はこの漫画版で可能なかぎり深いところまで描くことにチャレンジするつもりのようです。その覚悟やよし。  ちなみに、この第2巻まではまだ「共通ルート」の話で、いままでの『Fate』と同じ展開をたどっています。  セイバーの召喚とか、ランサーとの死闘といったところですね。  新しい物語が始まるのは次の巻から。だから、次巻がとても楽しみです。  ところどころ挟まれるオリジナルエピソードは『Fate』や『Fate/Zero』を意識した内容で、作者の原作への愛情を感じさせます。  この漫画版は読者が本編の物語を知っていることを前提として構築されているといっていいでしょう。  その意味では新味はないわけですが、作者がこの『Fate』第三の物語をどう料理して来るかという興味は尽きません。楽しみ楽しみ。  『HF』は『Fate』の三つのルートのなかで最も賛否が分かれる物語です。  ぼくは大好きなのですが、嫌いな人は嫌いらしい。  その理由は、 

『Fate/stay night』、背徳と頽廃の第三ルートがいま始まる。

アニメ『Fate』最終回にこの世界の真実を見た。

 ども。ペトロニウスさんが日本に帰国したことを機に、ひさしぶりに東京へ遊びに行って来ました。  いやー、めちゃくちゃ楽しかった&疲れた。  旅先だと気が昂って眠れない癖はなんとかしないといけないですね。睡眠導入剤でも使うしかないのかも。  プアなニートの身の上にもかかわらずフォアグラだのなんだの美味しいものを片っ端から食べてきたので、この上は働くしかないでしょう。そういうわけで記事を更新します。  まずはアニメ『Fate/stay night [Unlimited Blade Works]』最終回の話。  聖杯戦争が終わったあとを描くこの回はほぼアニメのオリジナル展開。  魔術協会の統治機構である「時計塔」が存在する街ロンドンに住む遠坂凛と衛宮士郎が描かれます。  激烈を究める闘争が終わったあとの平和な日々。癒やされますね。  あの過酷な事件を生き抜いた魔術使いである凛と士郎もここでは一学徒。  ふたり、幸せな時間を過ごしています。こいつら、いちゃいちゃしやがって。  聖杯戦争の物語がすべて終わったあと、舞台を変えることによって生じる「世界がひろがっていく」感覚が素晴らしいですね。  本編では聖杯戦争がすべてだったわけですが、ことここに至ってはそれも数ある事件のひとつに過ぎない。  『Fate』全編を内包してさらに続いてゆく広大な世界を感じさせるこの構成は凄いです。  アニメ版未視聴の原作ユーザーも、この最終回は一見の価値ありといえるでしょう。  しかし、ひとときの幸せはまるでまどろみの夢。おそらく士郎はいつかまた再び戦いのなかに身を投じることになるに違いありません。  それがかれがかれであるということ。  いっときの幸福を味わうことはできても、そこに浸りきるためにはあまりにも気高い理想を抱えているのが衛宮士郎という人間なのです。  また、それがあってこその『Fate』であるということもできるでしょう。  そんな士郎を凛はどこまでサポートすることができるのか? これから続いてゆく物語を予感させて長い物語は終わります。  平和が夢か、それとも戦いの時こそが夢なのか、むずかしいところですが、全編、戦いが続いたこの物語の終幕には、この平穏なエピローグこそがふさわしいのかもしれません。  それにしても、 

アニメ『Fate』最終回にこの世界の真実を見た。

『艦これ』最終回を見て『真月譚月姫』を思い出す。

 アニメ『艦これ』の最終回の評価、さんざんだったようですね。  ぼくも見ましたけれど、たしかに「……」な出来。  とくべつ作画が崩壊したとかそういうことじゃないんだけれど、シナリオの脈絡がなさすぎる。  いや、脚本家としてはすべての描写に意味があると主張したいかもしれないけれど、ファンが一生懸命「解釈」しないと意味が通らない時点でやはり失敗でしょう。  シリアスをやりたいのかコメディをやりたいのかよくわからないですしね。シリアスな場面でむやみと萌えカットを挟むのはやめてほしいところ。  ただ、今回、このアニメ版が不評なのは、単純に出来が悪いという以上に、原作の設定を大きく改変しているという一点に問題があるらしい。  意味もなく原作を改変すると熱心なファンが沸騰するといういいサンプルですね。  その話を聞いてすぐに思い出したのがアニメ『真月譚月姫』であるキャラクターがスパゲッティを食べている描写があったこと。  本来ならまったくどうということはない一シーンなのですが、そのキャラクターは原作では根っからのカレー好きという設定なので、ファンは強烈な違和感を抱き、大きな話題になったのでした。  ことほどさように視聴者は作品のディティールに愛着を抱き、大切にするものだということです。  製作スタッフにしてみれば「そんなの、どうでもいいじゃん」と思うかもしれませんが、むしろそういう細部こそが作品に命がこもるかどうか決する決定的なポイントなのです。  『真月譚月姫』にせよ、『艦これ』にせよ、そこまでクオリティが低いアニメというわけでもない。  むしろそれなりにはよくできているからこそ、原作ファンは「何か違う」と感じてしまうのだと思います。  で、面白いのは、同じ『真月譚月姫』であっても、佐々木少年による漫画版の評判は非常に高いんですね。  ぼくも全巻読みましたが、たしかに傑作だったと思う。  ただ、漫画は漫画でオリジナル展開を付け加えたりしているんですよ。  それなのに、そのことに対して文句をつけるファンはほとんどいない。いったいどこが違うのか?  それについて、ぼくは昔、「わかってる度」という尺度を考えたことがありました。  「原作に忠実」と評されている作品でも、じっさいにはメディアが違うわけだからそこまで忠実に映像化しているはずはない。  やはり、原作の描写や設定を何かしら解釈して描き出していることには違いないわけです。  しかし、それらの作品では原作に対する理解とリスペクト、つまり「わかってる度」が高いから、ファンがそうしてほしいように解釈している。  結果、あたかも何もかも原作に忠実であるかのような印象を与える作品ができあがることになる――そういうことなのではないかと。  つまり、『月姫』の漫画とアニメでは「わかってる度」に差があるわけです。  「わかってる度」が高いとは、 

『艦これ』最終回を見て『真月譚月姫』を思い出す。

安西先生、TYPE-MOONの完全新作をプレイしたいです。

 電撃文庫から『Fate』の新作が出ていますね。成田良悟『Fate/strange Fake』。未読なので内容はわかりませんが、ほんとに『Fate』の世界は果てしないなあ、と感嘆しきり。  正直、もう『Fate』はいいから他のシリーズを始めてよ、という気もなくはないのですが、発表される新作を読んでみるとじっさい面白いからあまり文句もいえない。むずかしいところです。  それにしても、『Fate』って過去11年間で何作くらい出ているんだろ? まずはシリーズの「正典」ともいうべき『Fate/stay night』、そのファンディスクの『Fate/hollow ataraxia』がありますよね。  それから虚淵玄が圧倒的迫力と完成度で『Fate』の前日譚を描いた『Fate/Zero』。それにプレイステーション・ポータブルのゲーム『Fate/EXTRA』、その続編『Fate/EXTRA CCC』。  『Fate』の原型を小説化した『Fate/Prototype 蒼銀のフラグメンツ』、さらにパラレルワールドを描いた小説『Fate/Apocrypha』、何だかよくわからん漫画『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ』があります。  さらにさらに、この春から『Fate/Grand Order』と題する何やらやたら面白そうなRPG(?)が始まるとか。もちろん、これらの作品群はそれぞれがアニメ化したり漫画化したりしているわけで、全部で何シリーズになるのかはちょっと数えきれない感じ。20作くらいは行っているのではないでしょうか。  いや、もうほとんど『ガンダム』とかに匹敵する、日本のオタク業界を代表する一大エンターテインメントシリーズに成りおおせた印象ですが、でも、これでいいのか?という一抹の疑問が残ることもたしか。  何といってもいまに至るも『Fate』のなかでいちばん面白いのはオリジンの『Fate/stay night』であって、その後の『Fate』はいわば「番外編」に過ぎません。  だから、ひたすら「番外編」を増やすのはこれくらいにして「新作」をこそ描いてほしい、そう思っても無理はないところではないでしょうか。  じっさい、『Fate/stay night』以降、『Fate』の実質的な「作者」である奈須きのこは、それらの「番外編」の展開に関わりながら、ほとんど「新作」を発表していないわけで、もういいかげんにしてくれないかな、と思ってしまう気持ちも正直あります(『DDD』とかあるけれどね)。  たしかに『Fate』の二次展開はどれもそれなりには面白い。なかには、『Zero』のようなオリジンをも超えたのではないか?と思わせられる破格の作品もある。  しかし、それでもなお、それらはどこまで行っても「外伝」、「外典」、「番外編」、「前日譚」、「パラレルワールド」の類であるに過ぎず、純粋に『Fate』を乗り越えたとはいえない。  そうだとすれば、いまこそ純然たる新しいイマジネーションを以って、『Fate』よりもさらに面白いエンターテインメントを志してほしい。そう願っているのはぼくだけではないでしょう。  いやまあ、永野護が『ファイブスター物語』を描きつづけているように、荒木飛呂彦が『ジョジョの奇妙な冒険』を更新しつづけているように、奈須きのこはひたすら『Fate』を書いていればいい、そういう考え方もあるとは思う。  しかし――やっぱりもったいないよなあ。本来、奈須さんの作品世界は『Fate』をも超えてもっとはるかに壮大に広がっているはずで、「それ」をこそ見せてほしいわけですよ。  たしかに『Fate』は面白い。単なる「番外編」であってなお、どれも十分以上に面白いのだけれど、でもね、ぼくは「最高」しか求めていない。  奈須きのこには「超一流」であってほしい。「最高」、「至上」の作品をこそ生み出してほしい。それだけの桁外れの才能を持ったクリエイターなのだから――そういうふうに思う。  初めて奈須きのこの名前を知ったのは15年前、血まみれの20世紀がようやく終わろうとしていた頃。『月姫』という同人ゲームのタイトルが耳に入って来たときでした。 

安西先生、TYPE-MOONの完全新作をプレイしたいです。

『Fate』は続くよどこまでも。

 どもです。このあいだ、新潟駅前でてれびんと逢ったのですが、普段、LINEで24時間会話しているから、いざ逢っても何も話すことがありませんでした(笑)。  互いに黙ってスマホを眺めているばかり。完全に現代のダメな若者そのもの。36歳にもなってぼくはいったい何をやっているんだ。全然ひととして成熟していないじゃん! 色々反省しましたにょ。  いやー、それにしても、最近、戦場感覚だとか、現代幸福論だとか、妙にマジメな記事が続いていますねー。いったいぼくはどうしてしまったんだろう?  ダメだ。本来のおれはこうじゃないはずだ。もっとこう、おっぱいのこととか書きたい。おっぱいおっぱい。どうせ女性読者なんてほとんどいないんだからおっぱいについて書き散らしたところでイメージは壊れないはず。  いやまあ、昨日、1日で5本ほど記事を書いて、きょうまた何本か書く予定なのでマジメな話をするのに飽きてきたってだけなんですけれどね。愚痴を云っていても仕方ないので書きますけれど。  あー、女性読者ほしいなあ。キャラクターイラストをイケメンキャラに変えようかな。自画像と思われると困るんだけれど。  そういえば、話が飛びますが、TYPE-MOONが『Fate/Grand Order』という作品を発表していますね。『Fate』のオンラインゲーム(?)のようですが、セイバーとジャンヌ・ダルクが同時に描かれているイラストが公開されています。  また、シナリオライターを務めるぼくらの奈須きのこの日記を読んでも、思わせぶりなことが書かれていて、期待を煽ります。  ほんとうにこういう面白そうな設定を考えさせるとこのひとは凄いなと。21世紀のオタク・クリエイターとしては最高の才能なんじゃないでしょうか。 

『Fate』は続くよどこまでも。

どこまで広がる『Fate』ワールド。

 ここのところカラダとココロの具合が悪くて更新が滞って申し訳ありません。いま飲んでいる精神安定剤は飲むと起きていることができません。たぶん効果は出ていると思うんですけれどね……。寝る前とかに服用するのが良いのかも。  さて、しばらく前に発売された『Fate』シリーズの新作『Fate/apocrypha』第1巻を読んでみました。最新作というか、番外編というのがふさわしいかも。  「apocrypha」とは「外典」の意味で、その名にふさわしくいままでの『Fate』とはまた趣きが違う物語が展開します。  『Fate』の小説版というと、既に『Fate/Zero』という巨峰がそびえ立っているわけで、その後に続く作品はこれと比較される運命だと思うのですが、さて、『apocrypha』の出来は如何に?  結論から書いてしまうと、やっぱり『Zero』には及ばないかなと。まあこれは『Zero』が抜群によく出来すぎているということで、仕方ないんだけれど、ちょっと肩透かし。  もちろん、『Zero』と比較してどうこう云うこと自体が無意味なので、単体として読めば十分に面白いと思います。  物語の舞台は第三次聖杯戦争が終わった時点で既存の『Fate』正史と分岐したもうひとつの世界。世界各地で小規模な聖杯戦争が繰りひろげられているこの世界で、サーヴァント七騎と七騎が雌雄を決する「聖杯大戦」が開かれることになる、というところから物語は始まります。  いままでの『Fate』では、過去の世界の英雄七人をサーヴァントとして召喚して覇を競わせる聖杯戦争が描かれてきたわけですが、この作品ではそれが一気に倍になったわけですね。  まず、この設定をどう見るか。もともとは 

どこまで広がる『Fate』ワールド。
弱いなら弱いままで。

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海燕

1978年新潟生まれ。男性。プロライター。記事執筆のお仕事依頼はkenseimaxi@mail.goo.ne.jpまで。

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