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『響け! ユーフォニアム』を観て「あずにゃん問題」を再考する。
2015-04-10 01:1351pt
今季の新作アニメを粛々と消化しています。
今季の目玉はやはり『アルスラーン戦記』あたりかと思いますが、そのほかにも注目作は多いですね。
そのひとつが『響け! ユーフォニアム』。
武田綾乃による小説を京都アニメーションが映像化した一作です。
京アニの音楽ものということで、どうしても『けいおん!』を連想させられるのですが、それとはまたひと味違う雰囲気の一作に仕上がっています。
非常に王道の青春ものという印象を受けますね。
『けいおん!』は音楽ものとはいっても、じっさいにはぬくぬくとした仲間空間の心地よさを描くことに主眼がありました。
しかし、『響け! ユーフォニアム』は何らかの「競争」を描くことになるのではないかと思います。
ただ仲良くしているだけではいけないような何らかの競争原理が働く世界なのではないかと。
どこまでシリアスな話になるかは未知数ですが、京アニの新境地を期待したいところです。
ところで、この作品を見ていると『けいおん!』放送当時の議論(?)を思い出します。
その頃、「あずにゃん問題」(笑)という問題提起がぼくたちの間であって、つまり「中野梓(あずにゃん)は軽音部のあのぬるい空気のなかで堕落していってしまっていいのか?」という話だったんですね。
努力すれば光るかもしれない才能を持っているのに、それを微温な仲良し空間で腐らせてしまっても良いものなのか、と。
もちろん、明確なアンサーが出る話ではありませんが、この問題をぼくはずーっと抱え込んで考えているのです。
ペトロニウスさんは「日常をたゆたい「いまこの時の幸せをかみしめる」か、それとも志と夢を持ってつらく茨の道をかけのぼるか?」と書いていますが、つまりは「成熟か、成長か」という問題であるのだと思います。
ひととして成熟し幸福になればなるほど、そのすべてを捨ててさらなる成長の試練に挑もうというモチベーションは薄くなる、ということ。
ぼくは昔、
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