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2017年12月の記事 48件

特報! noteでも有料ブログを始めるよ!

 noteに「弱いなら弱いままで。」の出張版を作りましたー。 https://note.mu/kaien/m/m9202126d0f5b  ニコニコチャンネル版の「弱いなら弱いままで。」と同じくブログとメールというふたつの機能で読めます。内容的にはニコニコチャンネル版と同じ。そして月に何本かおまけ記事が付く予定です。  さらに! note版ではゲスト記事としてかんでさんとてれびんの記事も読めます。海燕さんが日ごろよく話題にする友達のかんでさんやろくでなし医師のてれびんってどういう人なの?という興味がある人はぜひnote版をご利用ください。  また、noteには音声をアップロードする機能もあるのでnoteでしか聞けないラジオなども放送したいところです。あと、コメントなどもニコニコチャンネルより簡単に付けられるはずです。  価格はニコニコチャンネル版よりちょっとだけ高くなって月500円! でも、当然ながら海燕さんに入るお金も増えるので、「もっと海燕さんに楽な生活をしてほしいわ」という人(いるのか?)はnote版をご利用くださるといいかもしれません。ちなみに、これも当然ですがてれびんとかんでさんにもお金が入ります。  何ならニコニコチャンネル版とnote版の両方に入ってもらってもかまわないんですぜ、旦那。ええ、特に意味はありませんが、ぼくは得します。あと、noteには投げ銭機能もあるので、ご利用いただいてもかまいません。ていうかご利用ください。ぺこぺこ。  とりあえず12月の過去記事はnoteに移植中です。何しろ30本以上あるのでまだ移植し切れていませんが、基本的にはニコニコチャンネル版で読めてnote版で読めない新規記事はないことになります。  では、ニコニコチャンネル版でもnote版でもかまわないので、これからも「弱いなら弱いままで。」をお楽しみください。お見捨てなきよう。 

特報! noteでも有料ブログを始めるよ!

C・A・スミスからG・R・R・マーティンまで。ダークファンタジーの黒い血脈。

 いまさらながら『ダークソウル3』が面白いです。やたら複雑な操作があるダークファンタジーアクションゲーム。暗鬱で陰惨な世界設定にダークファンタジー好きの血が騒ぎますね。  ダークファンタジーというジャンルは昔からあって、たとえばクラーク・アシュトン・スミスという作家がいます。  栗本薫の『グイン・サーガ』などにも影響を与えたといわれる伝説的な作家で、クトゥルー神話ものなども書いているのですが、その作品は暗く重々しく、現代のダークファンタジーに近いものがあります。  100年ほど前のパルプ雑誌でその名を響かせた作家であるにもかかわらず、なぜか現代日本で再評価され、何冊か新刊が出ているようです。悠久の過去とも久遠の未来とも知れぬ世界を舞台に、闇黒と渇望の物語が展開します。く、暗い。でも好き。  栗本さんの作品でいうと、このスミスの影響が直接ににじみ出ているのは『グイン・サーガ』よりむしろ『トワイライト・サーガ』のほうかもしれません。  『グイン・サーガ』の数百年、あるいは数千年後、世界そのものがたそがれに落ちていこうとしている時代を舞台にしたダークファンタジーの傑作です。  全2巻しかないのだけれど、その妖しくも頽廃したエロティックな世界の美しいこと。主人公の美少年ゼフィール王子と傭兵ヴァン・カルスの関係は、のちにJUNEものへと発展していくものですね。  あとはやはり、マイケル・ムアコックが書いた〈白子のエルリック〉もの。いまの日本では『永遠の戦士エルリック』として知られる作品群は素晴らしいです。  この物語の主人公であるエルリックは、一万年の時を閲するメルニボネ帝国の皇子として生まれながら、生まれつき体が弱い白子の身で、斬った相手の魂を吸う魔剣ストームブリンガーなしでは生きていけません。  しかし、この意思をもつ魔剣は、時に主を裏切り、かれが最も愛する者たちをも手にかけていくのです――。この絶望的パラドックスと、〈法〉と〈混沌〉の神々の対立と対決という壮大な世界が、何とも素晴らしい。  一時期、映画化の話があったようですが、さすがに実現しなかったようですね。まあ、ひとことにファンタジーとはいっても『指輪物語』よりはるかにマニアックな作品ですからね。  ちなみにムアコックは『グローリアーナ』というファンタジーも書いています。これはマーヴィン・ビークの『ゴーメンガースト三部作』に強い影響を受けたと思しい作品で、とにかく凝った文体と世界を楽しむものですね。  エンターテインメントとして読むならエルリックとかエレコーゼのほうがはるかに面白いでしょうが、この作品には文学の趣きがあります。そういうものが好きな人は高く評価するでしょう。  ただ、かなり読むのに骨が折れる作品には違いないので、気軽に手を出すことはできそうにない感じ。よくこんなの翻訳したよなあ。  あと、最近日本では、アンドレイ・サプコフスキの『ウィッチャー』シリーズも翻訳されています。ぼくはいまのところ未読ですが、売れないと続編が出ないそうなので、先の展開が心配です。  早川書房は時々こういうことがあるんだよなあ。ぼくはマカヴォイの『ナズュレットの書』の続きを楽しみに待っていたんだけれど、ついに出なかった……。  この手のヒロイック・ファンタジーものとは系列が違いますが、ダークファンタジーを語るなら天才作家タニス・リーの偉業は外せません。  彼女の作品は数多く、すべてが日本に紹介されているわけではありませんが、訳出されたものを読むだけでもその恐るべき才幹は知れます。その代表作は何といっても『闇の公子』に始まる平たい地球のシリーズでしょう。  「地球がいまだ平らかなりし頃」を舞台に、数人の闇の君たちの悪戯や闘争を描いた作品で、アラビアンナイトの雰囲気があります。耽美、耽美。すべてが徹底的に美しく、あるいは醜く、半端なものは何ひとつありません。  主人公である闇の公子アズュラーンは邪悪そのもので、人間たちの意思をからかって遊びます。しかし、この世界に神はおらず、いや正確にはいるのですが人間たちに関心を持っておらず、かれの悪戯を止める者はだれもいないのです。  まあ、こういう作品たちがダークファンタジーの世界を切り拓いてきてくれたからこそ、ぼくはいま『ダークソウル3』を遊ぶことができるわけですね。  はっきりいってめちゃくちゃ好みの世界だけれど、クリアまで行けるかなあ。ちょっと無理そうな気がする。いまの時点で操作の複雑さ、多彩さにココロが折れそうだもの。  それから、もちろん、現代におけるダークファンタジーの巨峰として、以前にも何度か触れたことがあるジョージ・R・R・マーティンの『氷と炎の歌(ゲーム・オブ・スローンズ)』があるのですが、これはスケールが壮大すぎてダークファンタジーの枠内にも入りきらないかもしれません。  世界的に大人気の作品ですので、未読の方はぜひどうぞ。 

C・A・スミスからG・R・R・マーティンまで。ダークファンタジーの黒い血脈。
弱いなら弱いままで。

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海燕

1978年新潟生まれ。男性。プロライター。記事執筆のお仕事依頼はkenseimaxi@mail.goo.ne.jpまで。

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