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『ペルソナ』ファン要注目! 『幻影異聞録#FE』が面白い。

 WiiUのRPG『幻影異聞録#FE』を購入しました。  アトラスの看板ソフトである『女神転生』シリーズといわずと知れた任天堂のヒット作『ファイアーエムブレム』を悪魔合体させたというソフト。  さて、どんなもの出来上がるかと期待と不安は高まるばかりであったわけですが――うん、仕上がったものを見てみると、これ、『ペルソナ』ですね。  いや、ぼくはほとんど『ペルソナ』シリーズだという評判を聞いたから買ったのだけれど、それにしてもほんとうに『ペルソナ』っぽい。  3、4と徐々にライトになってきている『ペルソナ』シリーズをさらに明るくしたような感じ。  今回は芸能界が舞台ということもあって、作中の雰囲気はそれはもう明るいです。  その分、『ペルソナ』シリーズには紛れもなくあった明暗の妙みたいなものが薄れていて、正直、シナリオの出来はもうひとつかという気がします。  「自分の心のなかの暗黒面=ペルソナと対峙することによって力を得る」という設定がなくなっている分、登場人物への感情移入も少しダウンしている気がするし。  そういう意味ではもうひとつ、という気にもなりますね。  なぜだか全然売れていないみたいですけれど、『ペルソナ』外伝と銘打てばもう少し売れたんじゃないかな、などと余計なことを思わせられるソフトです。  RPGとしての出来はかなり良いだけに、もったいない印象が強いですね。  そう、このゲーム、戦闘を初めとするテレビゲームとしてのディティールがものすごくよくできています。  その一点だけに限るなら、名作として知られる『ペルソナ4 The Golden』をも凌ぐでしょう。  とにかく戦闘シーンの爽快感がすごくて、延々とプレイしていてもほとんど疲れない。1日10時間くらいはプレイ可能かも。  これで『ペルソナ』における「コミュ」システムのような深みのあるシステムが搭載されていたら文句なしに名作認定できるところなのですが、残念ながらそこはもうひとつ浅い感じです。  しかし、くり返しますが、戦闘はほんとうによくできているのです。  今回、プレイヤーがあるキャラクターで敵の弱点を突くと、べつの味方キャラクターが追撃を加えてくれる「セッション」というシステムが設けられているのですが、これが非常に気持ちいい。  まともに立ち向かっていると手ごわい敵であっても、効果的に弱点を突きつづけることによってセッションが連続してあっさり倒すことができるというカタルシスがたまりません。  こと戦闘に関しては『ペルソナ』から着実に進歩を遂げているといっていいでしょう。  まあ、 

『ペルソナ』ファン要注目! 『幻影異聞録#FE』が面白い。

大作RPGにひたるだらけた生活。

 プレイステーション4版の『ウィッチャー3 ワイルドハント』を始めました。  ポルトガルの会社が制作したダークファンタジーで、きわめて壮大。  ポルトガルってこんなものすごいゲームを作れる国だったんだ、という驚きがありますね。ひょっとしたら国はあまり関係ないのかもしれませんが。  何がすごいって、世界が広い。  いわゆるオープンワールド系のRPGなのだけれど、それはそれは果てしなく世界が続いています。  ただ広漠としているだけだったら日本のゲームにもあるかもしれないけれど、フィールドはきわめて詳細に設計されており、どうやったらこんな世界をひとつまるごと作れてしまうのだろうと驚嘆するばかり。  まあ、日本のゲームも日本のゲームなりに進歩しているのでしょうが、世界のスピードは恐ろしいことになっているということを実感させられます。  グロテスク表現も満載で、これがもう一段階グラフィックがレベルアップしたら、さすがに気持ち悪くて見ていられないと思う。  どこまでリアリズムに徹するべきなのか、判断はむずかしいでしょうね。  ちなみに主人公は異世界のモンスターハンター「ウィッチャー」の戦士で、かれは戦乱の世界を旅しながら求めるものを探しつづけます。  いまのところ、まだグランドストーリーは始まってもいないようなのだけれど、この時点ですでに世界の作り込みの凄まじさはよくわかります。  戦乱の世界とひとことでいってしまいましたが、戦争状況下の世界の様子は徹底してリアル。  何もここまでリアルに描き出さなくてもいいだろうと思うくらい。  人々の生活は地獄のような戦争のなかで困窮を究めています。  あしたの暮らしすらままならない上に、グリフィンやレイスといったさまざまな怪物たちが襲い掛かって来るという絶望的状況。  だがそれでもひとは生きていかなければならない。  そういう異常に辛く暗い世界を舞台に物語は進んでいきます。  当然ながら、その世界を旅する主人公も単なる善人ではいられません。  かれは(プレイヤーの選択によっては)それなりに善良になり、人助けもしますが、決してただひとが良いだけの甘ちゃんではないのです。  むしろ、かれこそはこの野蛮な世界を代表する人物だといってもいいかもしれません。  しかし、それでもかれは自分の信念を持った人物でもあり、あくまで自分なりの信条を貫こうとします。  とはいえ、超人的なヒーローではあっても決して個人の能力の限界を超えているわけではないかれは、どこかで妥協することを余儀なくされます。  その葛藤がこのゲームの見どころです。  ここまで来ると単純にゲームといっていいのか?と思うくらい素晴らしい作品といっていいでしょう。  序盤はちょっと主人公が弱い印象もあるんだけれど、後半に行くにしたがって無双もできるようなので、先が楽しみです。 

大作RPGにひたるだらけた生活。
弱いなら弱いままで。

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海燕

1978年新潟生まれ。男性。プロライター。記事執筆のお仕事依頼はkenseimaxi@mail.goo.ne.jpまで。

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