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ルルーシュと純粋贈与の困難。

 うに。このところ、ハードカバーの厚い本ばかり読んで、漫画やライトノベルを読んでいないのでここに書くことがないなあ。たぶん、ここを読んでおられる方の大半はそういう作品に関する記事を期待しておられると思うのですが。  うーむ、あちらを立てればこちらが立たず、むずかしいものです。まあ、まったく読んでいないわけでもなく、『絶園のテンペスト』とか全巻を読み上げているのですが、特に感想がない。  というか、『ヴァンパイア十字界』もそうなのですが、推理ものは何を書いてもネタバレになってしまうので書きづらいのですよね。  あ、『ヴァンパイア十字界』はほんとうに本物の歴史的傑作ですので、絵柄に騙されずぜひご一読ください。シナリオの完成度が異様に高いことがわかると思います。  作者本人が書いている通り、あまりに複雑にプロットが錯綜するので、「こういう話だからオススメ!」といいづらいのがきついところなんですけれどね。いや、ほんとうはいえるんだけれど、ネタバレになってしまう。だから、何もいえない。  ぼくの見る目を信じるという方は、あれこれネットで情報を仕入れたりせずにご一読ください。面白いよ!  まあ、そういうわけであまり書くことがありません。『ココロコネクト』を読もうとか、『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』を読み返そうとか、思うには思うのですが、いったいいつになることか。  『無職転生』とか『勇者様のお師匠様』とか、なろう小説も溜まっているんだよなあ。『リーングラードの学び舎より』は本になるんだっけ。うまく行ってほしいものです。  まあ、時間というより集中力が足りないのでしょうね。1日は24時間あるわけですから、そのうち12時間くらい集中して読みつづけられるだけのコンセントレーションがあればすぐに進むと思うんだけれど、どうもすぐ気が逸れてしまう。情けない話です。まずは部屋を片付けろという話かもしれませんが……。  そんななか読み上げた中沢新一『愛と経済のロゴス』、とても面白かったです。「カイエ・ソバーシュ」と名づけられたシリーズのなかの一冊なのですが、シリーズのほかの本は読んでいません。しかし、これだけでも十分にぼくの興味を満たしてくれました。  ぼくがこの本を読んだのは、「純粋贈与は可能なのか?」と知りたかったからです。純粋贈与――つまり、何の見返りも求めることなく、ひとに贈り物を与えることですね。  そういう行為には正当性があるのか、そのことについて知りたかった。そして、この本を読む限り、どうやらそれは不可能である、あるいは困難が付きまとうという結論になりそうです。 

ルルーシュと純粋贈与の困難。
弱いなら弱いままで。

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海燕

1978年新潟生まれ。男性。プロライター。記事執筆のお仕事依頼はkenseimaxi@mail.goo.ne.jpまで。

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