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オタクだって幸せになってしまえばいいと思うのだ。

 正月も終わりましたねー。そろそろふたたび日常が始まる感じです。もっとも、ぼくの場合は何も始まらないし終わりもしませんけど。ええ、変化に乏しい人生を送っています。  しかしまあ、さすがに何ひとつ行動しないというわけにも行かないので、漫画を読んだりテレビ番組を録画したりしています(笑顔)。  とりあえず『アイドルマスター シンデレラガールズ』と『艦これ』は録画したので、いずれリアルタイムで感想を書いたりしようかと。  漫画は電子書籍で大人買いしたりしています。この便利さは癖になりますね。欲しいと思った時にすぐ手に入ることや場所を取らないことはもちろんですが、何より、きちんと場所を把握できるようにしなくても本がどこかに行ったりしなのがいい。  ただ、Kindleアプリには本を整理する機能が付いてないので、何千冊とか買うとわけがわからないことになってしまいそうではあります。  ここらへん、改善の余地があると思うんだけれど、Amazonにしてはイマイチなシステムのままですね。フォルダで分けられるようにしたりしないんだろうか。  まあそういう欠点はありつつも、非常に便利であることは間違いないので、ぼくとしては既にほぼ本はタブレットで読むものという認識になっています。いまとなってはiPadのほうが紙より軽いし綺麗ですからね。  さて、そういうわけでKindleで買ってiPad miniで読んだのがタチバナロク『恋愛しませんか?』。タイトルからわかるように恋愛漫画なのですが、オタネタが散りばめられていて半分はオタク漫画といった印象です。  このところぬるめの恋愛/萌え漫画を中心に漫画を読んでいるのですが、これはそのなかでもかなりぬるいですね。長く浸かっていると心がぽかぽかします。  それでは、面白いのかというと――いやー、これはどうなんだろ……。さすがに内容的に古すぎるんじゃないかなあ。  二次元にしか興味がないオタクの主人公がアキバのメイドカフェでメイドをしている女性から「わたしと一ヶ月の間、お試し恋愛をしてみませんか」と誘われる話なのだけれど、設定といい、内容といい、ちょっと一昨年の漫画とは思えないようなところがある。  二次元に逃避してオタクやっているという主人公の設定がもう時代遅れなんじゃないかと思うんですよね。もちろん、現代にもそういう人はいるでしょう。  しかし、美少女ゲーム愛をどこまでも肯定的に描き切った『神のみぞ知るセカイ』の後でこの漫画を読むことはちょっと辛いかな、と(もっとも、連載期間は重なっているはずだけれど)。  ここでのギャルゲオタクはトラウマからの逃避の手段でしかなくて、ネガティヴな意味合いが強い。それはもう、この時代の風潮にマッチしていないんじゃないかと思うのです。  いや、当然、いくら時代が変わったとはいってもルサンチマンに駆動されてアニメを見る人がいなくなったわけではないでしょう。だけれど、そういう人はいまでは主流ではない。  べつだん、現実から逃れるためにオタクをやるのが悪いとはいわないものの、もうそういうあり方はメインストリームではありえないだろう、ということです。  さらにこの主人公の場合、なぜか一途に好意を向けてくれる後輩の女の子がいるので、普通に彼女と付き合えばいいんじゃね?と思ってしまうわけなのですね。  まあかれはそのあからさまなアプローチにまったく気づかないいわゆる「鈍感系主人公」なんだけれど、ここまで鈍感だともはや罪としかいいようがありません。 (ここまで1450文字/ここから2460文字) 

オタクだって幸せになってしまえばいいと思うのだ。
弱いなら弱いままで。

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海燕

1978年新潟生まれ。男性。プロライター。記事執筆のお仕事依頼はkenseimaxi@mail.goo.ne.jpまで。

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