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『異世界居酒屋「のぶ」』はひと味違って美味しい漫画だ。

 最近、自分の家のまわりの外食に飽きて来ました。どこか美味しい店はないかな。  そう、居酒屋でいい。じっさいに行けないならおいしそうな料理を見るだけでもいいかも――ということで『異世界居酒屋「のぶ」』漫画版の第1巻を買いました。  原作小説のほうは未読なのだけれど、とりあえずとっつきやすい漫画版から読んでみることにしたわけ。  うん、面白いですね。とある異世界(という表現もなんですが)のとある街に開かれた居酒屋「のぶ」をさまざまな客たちが訪れるというお話。  物語は基本的に客の視点で綴られ、いったいこの店を経営する「ノブ・タイショー」と「しのぶちゃん」が何者であるのかはわかりません。  わかりませんが――まあ、どう考えても何かの拍子に異世界とつながった日本の居酒屋だよね、これ。  ちなみにこの作品をAmazonを見ると『テルマエ・ロマエ』の居酒屋版、というような評価が多いようです。  ぼくは「なろう」の文脈で見ているけれど、それを外すとそういうふうに見えるわけですね。なるほど。  毎回毎回、日本人の目から見ると平凡だけれどとても美味しそうな居酒屋料理が出て来て、異世界人たちがそれを「なんだこれは!」とかいいながら賞味するという話の流れになっています。  ある意味、日本の居酒屋文化自慢を日本人が読んでいる形になるわけで、ある種むずむずする感じは消せないのだけれど、まあ、そういうことを深く考えながら読む漫画でもないと思うので、素直に「美味そう!」と思って読むことにします。  ぼくもチキン南蛮、食べたいなあ。  もっともぼくはビールを飲まない人なので、冷えたビールを一気に飲み干す喜びはわからないけれど。  世界的に見てもあそこまでビールを冷やすのはめずらしいそうですね。  それにしても、こういうある種の「お国自慢漫画」を読むと、日本人が自国の何に誇りを抱いているかわかる気がします。  日本人が自分の国の文化で世界に誇れると感じているもの、それは『テルマエ・ロマエ』でもそうでしたが、やはり風呂や食事といった生活文化なのでしょう。  たしかに日本での庶民生活って快適に思えるものな。  はるかに贅沢な環境はいくらでもあるだろうけれど、日本は美味しいものを安く食べられる国なのです。  最近、セブンイレブンで出しているアップルパイ美味しいよなあ。エクレアとかショートケーキも。  たぶん、異世界コンビニというのもあるだろうな、と思ってサーチしてみたら、 

『異世界居酒屋「のぶ」』はひと味違って美味しい漫画だ。
弱いなら弱いままで。

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海燕

1978年新潟生まれ。男性。プロライター。記事執筆のお仕事依頼はkenseimaxi@mail.goo.ne.jpまで。

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