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萌え漫画の皮をかぶった少女漫画、『やさしいセカイのつくりかた』が面白い。

 竹葉久美子『やさしいセカイのつくりかた』を第3巻まで読んでみました。  タイトルの「やさしい」は「優しい」なのか「易しい」なのか、本編を一読してもわかりません。  主人公が物理学者という設定だから「易しい」が正しいようにも思えるのだけれど、あるいはダブルミーニングなのかもしれない。  いい漫画です。『電撃大王Genesis』連載らしいので、「どうせよくある萌え漫画だろ」というバイアスでもって読んだのですが、あにはからんや、面白い。  というか、これ、どう考えても少女漫画だよね。  一応は男性主人公の視点で物語が綴られていくのだけれど、すぐに女の子の視点が入る。  その女の子も特に「萌えキャラ」的な描写がされているわけじゃなくて、云ってしまえばふつうの女子高生たち。  腐女子キャラなんかも出てくるんだけれど、べつだん過度なデフォルメが施されているわけじゃない。  ただただキュートにコミカルに少女たちの恋愛事情が綴られていくばかりです。まあ、一世代前の少女漫画ですよね。  たしかに意味がないパンチラとかあるにはあるのだけれど、そこに情熱を傾けている作家じゃないと思う。あくまで関係性の物語を描きたいひとなのではないかな。  こういう作品がある種の萌え漫画として消費される時代になったんだな、と思うと感慨深い。  Amazonのレビューを見ていくと「女の子が可愛い」という意見が多いし、たしかに女の子たちは可愛く描けているのだけれど、やっぱり時代が違えば少女漫画雑誌に連載されていた作品なのではないかと思えてなりません。  まあとにかく面白いので、この漫画のことを教えてくれた友人連中には感謝です。さすがにぼくも『電撃大王Genesis』とかチェックし切れないよ。  さて、先述したとおり、この漫画の主人公は天才的な物理学者の青年です。  わずか19歳にしてアメリカの大学で活躍するも、運悪くプロジェクトの資金援助を得られずに帰国、女子校の教師に、という設定。  「ギフテッド」と呼ばれる早熟な 

萌え漫画の皮をかぶった少女漫画、『やさしいセカイのつくりかた』が面白い。
弱いなら弱いままで。

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海燕

1978年新潟生まれ。男性。プロライター。記事執筆のお仕事依頼はkenseimaxi@mail.goo.ne.jpまで。

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