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タグ “ヲタクに恋は難しい” を含む記事 5件

『ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った?』は素晴らしく出来のいいダメ人間製造アニメだ。

 どもです。  あまり根を詰めて記事を書いているとだんだん生産性が落ちてきますねー。30分で書けた記事が1時間かかるようになったりする。  効率が良くないので、適度に休んだりする必要があるのだと悟りました。じっさいに疲れ切るところまでいかないと悟れないあたり、オレ、マジどうしようもないな。  そういうわけで人生に疲れ果てたからアニメでも見るかということで、『ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った?』を見ています。  あー、これ、ほんと見やすい。異常に楽。心にストレスが一切かからない素晴らしいアニメだな。  『灰と幻想のグリムガル』とか『甲鉄城のカバネリ』みたいなきびしい話もそれはそれでいいけれど、この種の願望充足萌えファンタジーも人類には必要だよなあ。  これと『くまみこ』があればしばらく生きていける気がするよ。  ただ、そういうふうに気楽に見れるには違いないのだけれど、リアルに考えるとけっこう切実な話だよなあとは思う。  リアルに適応できない、ネトゲのなかでしか生きられないような人間はどうすればいいか?  物語のなかでは亜子は仲間を見いだし、旦那まで見つけてそこそこ幸せそうに暮らしているわけだけれど、これが現実だったらひきこもり一直線でしょうねえ。  そう考えるとかなり辛いものがある。「リアルはしんどいです」は非リアの魂の叫びだよなあ。よくわかるよ、ぼくもしんどいもん。  アニメ見て漫画読んでゲームやるだけの暮らしをしたい――って、既にもうそういう生活をしているか。  まあ、そうはいっても一切リアルとの交流を断つわけにはいかないので、それなりに色々あるのですよ。  こういう限りなく楽な生活を送っているぼくですら辛いと思うのだから、真面目に学生とか社会人とかやっている非リアの人はほんとうに辛いだろうな、と思う。  それはひきこもりも増えるわ。リアルは無理ゲーだもん。どう考えても。あんなもん。まともにプレイできる奴らのほうがおかしい。どっか狂っているに違いない(偏見)。  「坑道のカナリア」ではありませんが、神経が繊細な人間はこの社会の異常さをだれよりも早く感じ取って苦しむものだと思うのです。  もちろん、狂っていない社会など存在しないのかもしれないし、どうあがいてもそこから脱出することなどできるはずもないんですけれどね……。  リアルに絶望した人間が、ネットゲームのなかに希望を見いだす話というと、『ソードアート・オンライン』もそうですよね。  まったく違うように見えるけれど、ある意味では共通点があるお話ということになる。  ただ、『ソードアート・オンライン』の世界まで行ってしまうと、学業とか仕事もネトゲのなかでこなせばいいような気がする(笑)。  あの仮想現実の世界はゲームをはるかに超えているよね。  いまの時代、それもプレイステーションVRとかでなかば現実になりかけているあたりが恐ろしい。  これから実現するであろうヴァーチャルリアリティ・ネットゲームの依存度の高さはいままでのネトゲの比じゃないでしょうね。  じっさいのところ、何かしらの対策を練らないとまずいんじゃないでしょうか。  萌え萌えっていうレベルじゃねえぞ。出生率さらに下がるかもしれないぞ。  まあ、『ヲタクに恋は難しい』がミリオンセラーを記録したりするところを見てもわかるように、我らオタク・トライブのイメージもだいぶ明るいものにはなりましたが、それでもリアルに適応できない人は一定数いるわけなのですよ。  さらに進歩を続けるゲームの世界はそういう人にとって救いになりえるかもしれない。  でも、そうやってゲームに耽溺すればするほどリアルがさらに耐えがたくなっていくという矛盾があるわけで、それはどうしようもないのかもしれないなあ、とも思います。  あるいは、 

『ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った?』は素晴らしく出来のいいダメ人間製造アニメだ。

『ヲタクに恋は難しい』は斬新な(ライト)オタク漫画だ。

 『ヲタクに恋は難しい』最新巻、読了。  第一巻が100万部を突破したという大ヒットコミックスの続刊です。  いや、100万部て。この漫画不況の時代にとんでもない売れ行きですね。  それでは、その成果に値するほど面白いのかというと――これが、そうでもない。  まあ、普通? 普通よりは上かな? それくらいの漫画だと思います。  もちろん悪くはないのだけれど、天才の閃きを感じさせるとか、そういうことは一切ない。ごくありふれたラブコメ漫画。  それにもかかわらず、この作品が圧倒的人気を博しているのは、ひとえに時代を捉えるセンスが傑出していたからではないかと。  いい方を少々下品な方向に変えるなら変えるなら「時代と寝た」一作といっていいでしょう。  どういうことか?  この漫画は既存のオタク漫画、たとえば『げんしけん』とかとは決定的に違う作品だと思うのですね。  『げんしけん』とか『こみっくパーティー』といった漫画が、なるべくディープなオタクの生態を描こうとしていたのに対し、この『ヲタクに恋は難しい』が描いているのは、どこまでも「ライトオタク」なのです。  あるいは作者の能力の限界からたまたまそういうことになったのかもしれないけれど、あくまでもライトなオタクの世界を描いている。  取り上げられるネタのひとつひとつもオタク的にはごく「薄い」ものばかりで、そういう意味では面白くない。  でも、これが現代のオタク漫画としては「正しい」と思うのですね。そうそう、これでいいんだよね、と。  じっさい、話の内容も、お前は有川浩か!といいたくなるようなベタ甘さなので、『ヲタクに恋は難しい』というタイトルもほんとうは正確じゃない。  このタイトルは一種の反語であって、『(ライト)ヲタクに恋は易しい』が正しいと思う。  しかも、男性はどこまでも格好良く、女性はどこまでも可愛く、可憐に描写されている美男美女漫画でもあるので、既存のオタク漫画が好きな人は「こんな奴らいねーよ」と思うかもしれません。  でも、おそらく、いるのです。あの「リア充オタク」という造語で話題になった(ていうか炎上した)『新・オタク経済』で語られたような人たちは、多数派ではないかもしれないけれど、たぶんそれなりに数がいるんですよ。  いままでオタク文化とされてきたカルチャーはそこまですそ野が広がっているということ。  それは旧来のオタクからすればいたって「薄い」「凡人」に過ぎないかもしれません。  でもねー、たかが趣味に「濃さ」なんてものを必須として求めるほうがどうかしているとぼくは思うのです。  いま、若年層でいっさいアニメや動画を見たことがない、ゲームをしたことがないという人は、むしろ少数派なんじゃないかな?  ということは、若年層の大半は、程度の差はあれどこかしら「オタク」であるのです。  『ヲタクに恋は難しい』は、そういう時代をみごとに捕まえた一作といっていいでしょう。これはこれで素晴らしい。  いや、ほんと、つくづく思うけれど、こういう漫画が出る、しかも100万部とか売れてしまうご時世なんだよなあ。時代は変わりにけり。  でも、 

『ヲタクに恋は難しい』は斬新な(ライト)オタク漫画だ。
弱いなら弱いままで。

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海燕

1978年新潟生まれ。男性。プロライター。記事執筆のお仕事依頼はkenseimaxi@mail.goo.ne.jpまで。

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