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記事 5件
  • 広尾、麻布十番、六本木 高級住宅街で見つけたテイクアウトできる幸せ(「東京5キロメートル――知ってる街の知らない魅力」第5回)【不定期配信】

    2017-03-14 07:00  
    540pt


    意外な地点を繋げて歩いてみることで、東京を再発見するこの企画。今回は、広尾から麻布十番、六本木のエリアを「食べ歩き」という視点で切り取ります。高級住宅街の下町でPLANETS一行が見つけた「テイクアウトできる幸せ」とは……?

    ◎監修:白土晴一
    ◎取材・文:松田理沙+PLANETS編集部
    ◎写真:PLANETS編集部
    今回の〈東京5キロメートル〉では広尾、麻布十番から六本木までを歩きます。今回は地図の上では3キロメートルと、ちょっと短めの道のりです。
    広尾や麻布は高級住宅街、六本木は賑やかな繁華街というイメージがありますが、今回はこのエリアをひたすら「食べ歩く」ことで開拓していきたいと思います。レストランやカフェに入らずとも、テイクアウトで楽しめるお店をたくさん見つけることができました。おしゃれなセンスが光る現代的なお店から、歴史あるお菓子屋さんまで、食べ歩きの旅がスタートです!

    (1)AND THE FRIET
    PLANETS一行は、広尾駅を出てすぐの商店街にあるフレンチフライ専門店「AND THE FRIET」で待ち合わせました。このお店では8種類のポテトと10種類のディップソースの中から、それぞれ好きなものを組み合わせて選ぶことができます。ポテトは芋の種類によってカットの形も異なり、さまざまな味を楽しめます。

    ▲ベルギー産のポテトと黒トリュフのマヨネーズ。ほくほくしていて美味!
    カウンターにはポテトの容器を差し込む専用の穴があけられていて、便利だなあと思いました。
    (2)LUKE'S
    「AND THE FRIET 」でフレンチフライを食べ終わった後は、商店街のはす向かいにあるお店、「LUKE'S」にも立ち寄りました。こちらはニューヨークで誕生したロブスターロールの専門店。ロブスター以外にも、シュリンプやクラブなどのシーフードロールが販売されています。

    ▲ロブスターをはじめ、シーフードロールを一気に購入!
    旨味が強く、身の引き締まったロブスターと、こんがりと焼けたパンの組み合わせは、初めての味わいでした。パンに染み込むたっぷりのバターが、味にさらなる深みをプラスしています。白土さんいわく、お昼時には大行列になるというのも納得のクオリティーでした。やや割高ではありますが、ロブスターを手軽に食べられるお店は、日本では珍しいですよね。

    ▲魚介のおいしそうな匂いがします。
    (3)祥雲寺
    「AND THE FRIET」や「LUKE'S」がある商店街の突き当たりに、古めかしい門があります。そこをくぐると、それまでの賑やかな街並みとはうって変わって、塀にかこまれた静かな空間が広がっていました。見ると、祥雲寺をはじめいくつかのお寺が集まっています。

    ▲祥雲寺。まるで田舎にあるお蕎麦屋さんのような外観です。

    ▲梅の花がきれいに咲いていました。
    道なりに進んで墓地に足を踏み入れると、大きく「鼠塚」と書かれた石碑が目に入ります。明治時代、東京でペストが大流行したことがあり、この鼠塚は、そのとき感染源として大量に駆除処分された鼠たちを供養するために立てられたものだとか。

    ▲鼠塚

    ▲「鼠塚」の文字の下には小さく鼠が描かれています。

    ▲ポンプ式の井戸。
    敷地内で、お墓参り用の水を汲む井戸を見つけました。今でも現役で使われ続けているポンプ式の井戸はなかなか見ることができません。白土さんによると、この「SUN TIGER PUMP」は、とても有名な手押しポンプのブランドだそうです。調べてみると、大量の水を軽い力で汲み上げる性能を備えた、最高級のモデルとのこと。
    祥雲寺の墓地は広く、人間の身長を軽く超えるサイズの墓石がたくさんあります。ここは渋谷区史跡に登録されている「黒田長政の墓」をはじめ、福岡藩や黒田家に関係する人物のお墓が数多くあるお寺なのでした。

    ▲大きくて立派なお墓がたくさんあります。
    墓石には「天保」「安政」「寛永」など、歴史の教科書で見覚えのある元号が彫られていて、歴史上の偉人たちが眠っていることがわかります。白土さんいわく、最近は歴史が好きな女性、いわゆる「歴女」たちに人気のスポットなのだとか。
    墓地からはすぐ隣の高台が見えます。
    「高台が高級住宅街になっていて、そのふもとに住宅街を支える商店街が広がるというのが東京に多い地形ですが、広尾周辺はその典型的な例ですね。」
    そう白土さんに言われて振り返ると、たしかに私たちが歩いてきた商店街は土地が低く、生活感にあふれています。その一方で、ここから見える高台は閑静で立派な家々が並んでいます。「山の手」と「下町」という言葉の由来を実感した瞬間でした。
    (4)nuts tokyo
    祥雲寺から商店街に戻ると、お寺の出口の近くに、なんだか珍しそうなお店を発見。
    「nuts tokyo」は「ナッツのある毎日を」をキャッチコピーに、たくさんのフレーバーのナッツを量り売りしているお店です。注文すると、店員さんがその場で袋に入れてくれます。2016年12月にできたばかりの新しいお店です。

    ▲カレー味や紅茶味など、個性的な味もありました。

    ▲窓際に並ぶナッツたち。
    家具や内装もとてもおしゃれで、店の中にいるだけでいつもよりも素敵な毎日を送れるような気がしてきます。実際に紅茶味のナッツをいただいてみました。紅茶の香りがしっかりとついており、アクセントにレーズンと思われるドライフルーツも入っています。ナッツの香ばしさとの相性が抜群でした。他の味も試してみたかったです!
    (5)ナイス トゥー ミート ユー コダマ広尾店
    さらに商店街を歩く途中で、店名がどうしても気になって立ち寄った「ナイス トゥー ミート ユー コダマ広尾店」。定番の味からバジルやカレーなどのフレーバーまで、いろいろなソーセージがあるほか、合わせて食べると美味しいチーズ、サラダなども売られています。

    ▲様々なソーセージのフレーバーを楽しむことができます。商店街の近くにお住まいの皆さんは、こんなおしゃれな食べ物をテイクアウトして優雅な午後を過ごしているのでしょうか……。
    商店街ではこの他にも、野菜ジュースやお箸の専門店など、個性的な店舗が並んでいました。
    商店街を抜けて、次は有栖川記念公園へとむかいます。広尾駅前の交差点を過ぎると、テラス席のあるおしゃれなカフェやパン屋が何軒も並んでいました。
    (6)ナショナル麻布
    このあたりを散策していると、外国人が多く歩いていることがわかります。広尾や麻布には大使館など外国の施設が多いので、必然的に近隣に暮らす外国人も増えたのだとか。外車や外交官ナンバーの車も見かけました。たしかに、今回歩くルートの周囲だけでも、ドイツ、パキスタン、ロシアなどの大使館がありますし、地図で地域全体を見ると、チェコやフランス、中国、フィリピン、オーストリアなどなど、たくさんの大使館が立ち並んでいることがわかります。
    なぜこの地域には外国の施設が多いのか、その秘密を白土さんが教えてくださいました。
    「広尾、麻布十番や六本木の周辺は、江戸時代には大きな大名屋敷がたくさんありました。ところが、明治維新で大名がいなくなると土地が空いてしまいます。そこで、広い土地の活用方法として麻布にアメリカ公使館を建てたのです。そういった施設は集約したほうが効率的ですから、徐々にいろんな外国の施設が集まってきます。その結果として大使館や関連施設が集中しているんですね。」

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  • 浅草橋から蔵前――ものづくりと物流の街を歩く(「東京5キロメートル――知ってる街の知らない魅力」第4回)【毎月配信】

    2017-01-27 07:00  
    540pt

    「普段は歩かないような地域をつなげて散歩することで、東京を再発見する」こちらの企画。今回は、秋葉原から浅草まで歩きました。途中で通過する浅草橋から蔵前といった古い問屋街で見つけた、新しい街の変化とは?

    ◎監修:白土晴一
    ◎取材・文:松田理沙+PLANETS編集部
    ◎写真:PLANETS編集部
    1月初めの晴れた日。私たちは秋葉原駅の電気街口に集合しました。街は、すでにお仕事を始めている人と、まだ冬休みの人たちが入り混じった、なんともいえない不思議な活気に包まれていました。

    今回私たちは、秋葉原から浅草までを歩くことにしました。距離にしてざっと3キロメートル。この二つの街が歩いて移動できること、ご存じでしたでしょうか。今日の街歩きでも、いろいろな発見をすることができそうです。

    (1)CHABARA
    出発はJRの秋葉原駅電気街口前。「オタクの街」秋葉原ですが、アドバイザーの白土さんに案内されて向かったのは高架下のちょっとオシャレな建物。中に入ってみると、全国の珍しい食べ物が勢揃いしています!

    この「CHABARA」という施設には、「日本百貨店しょくひんかん」、「やなか珈琲店」、「こまきしょくどう -鎌倉不識庵-」のほか、期間限定のお店なども入っていました。秋葉原駅から御徒町駅にかけての高架下を再開発するJRのプロジェクト「2k540 AKI-OKA ARTISAN」の第2段としてオープンしたのがこの「CHABARA」だそうです。
    そのなかで、全国の食の作り手と、それを食べる生活者が直接出会う場所というコンセプトでつくられたのが「日本百貨店しょくひんかん」です。一風変わった味付けのご飯のおともやおつまみ、調味料から、都内ではなかなか入手できないけれど現地では知られたお菓子まで。バイヤーさんの厳選したちょっと気の利いた逸品が各地から集められています。

    ▲静岡県発の塩辛。「海老ガーリック」なんて、とても珍しい味です。

    ▲徳島県からきた、「お餅バー」。国産水稲もち米100%の生地に、いろいろな味がついています。食べてみたかった!
    「やなか珈琲店」は注文ごとに、こだわりの珈琲豆を焙煎してくれるお店。早速テイクアウトしていただきましたが、香りの高い珈琲に包まれて、幸せな気分でした。
    さらに「こまきしょくどう -鎌倉不識庵-」では、店内で、本格的な精進料理を食べることができるようでした。次回訪れた際は、ぜひチャレンジしてみたいです!
    (2)柳森神社
    「CHABARA」を出て、まっすぐ浅草橋に向かって歩こうとしたところ、「タヌキを祀っている神社があるんですよ。行ってみませんか?」と白土さんから提案が。神田川を渡って少し歩いたところに、小さな神社がありました。「柳森神社」です。

    ▲本当にタヌキの像が!
    こちらの神社は、太田道灌によって江戸城の鬼門の守りとして祭られた神社です。そのなかに、タヌキが鎮座しているではありませんか! このタヌキは、五代将軍・徳川綱吉の生母桂昌院が江戸城に創建したもので、大奥の女性に信仰されたものだそうです。いわく、大奥につかえる女性たちは、他(た)を抜(ぬ)いて将軍に寵愛されたい、玉の輿に乗りたい…と願ったそうです。と、いうことで「タヌキ」。現代においては、仕事や恋愛で「他を抜いて勝ち抜く」という願いをこめてお参りにくる人たちが多いのかもしれないですね。訪問時には、ランチタイムだからか、会社員と思われる女性の人たちがたくさんお参りに来ていました。

    ▲コンクリート製のこちらの鳥居は、関東大震災で倒れたものを再建したものだそう。
    さらに神社の壁面には、鯉(?)の鏝絵が。

    ▲白土さんいわく、左官屋さんが、漆喰を使いコテで描いたものだそうです。力強い!
    柳森神社から、秋葉原駅の昭和通り口の周辺に戻ってきました。

    小さな駅前の広場のようになっているこのエリア。「佐久間橋」という石碑があり、かつての川を埋め立てた場所であることが伺えます。かつてこの場所は、神田川からの河岸、つまり船着き場だったそう。たしかに、駅の入り口に向かって、まっすぐ開けた空間になっています。秋葉原は、昔は船から運ばれてくる荷物を卸す街だったんですね。
    (3)高架下の倉庫群
    続いて、中央総武線の高架下に沿って、まっすぐ浅草橋駅を目指して歩いていきます。この一帯は、かつて秋葉原に卸された貨物たちを保管する、倉庫群だったそう。倉庫だった名残が、今でも少し残っています。


    ▲倉庫が取り除かれたであろう高架下の風景も、なんだか味があります。
    途中に、佐久間公園という小さな公園がありました。この公園は、ラジオ体操発祥の地なんだとか!

    ▲小さな神社もあります。かつてこの地域は木材の倉庫が多かったため、火事が頻発したことから、火除けを願ってたくさんの神社が建てられたのだそうです。

    ▲国民の健康促進のために考えられたのがラジオ体操だったそうです。国家の予防医学的なプログラムだったんですね。
    (4)浅草橋駅前
    高架下を線路に沿って15分ほど歩くと、浅草橋駅に到着しました!

    ▲浅草橋駅前。電車の線路のあとから駅のホームが作られたため、外側に出っ張っている構造になっているそうです。
    このあたりは昔、問屋が多かった名残で、アクセサリーや人形、ビーズや革製品を扱っているお店が多いとのこと。実際に歩いてみると、たしかにそういった個性的なお店が並んでいることがわかります。

    ▲手芸品に特化した、細かいパーツが売られています。

    ▲革を取り扱うお店の店頭には、なんと鹿の剥製がありました!
    このエリアはこうして昔ながらのお店が多く残る一方、再開発とともに新しいオフィスやお店が目立ち始めているそうです。古い問屋街のなかに、ぽつんとお洒落な飲食店があったり、突然今風のオフィスビルが建っていたりと、新旧入り混じっている町並みが他では見たことのない不思議な光景でした。

    ▲婦人服とダンス用品を扱うお店の名前はなぜか「ビッグバン」。
    (5)BASE2500
    駅前の手芸店たちを一通り眺めたあと、私たちが訪れたのは「BASE2500」。こちらは宇野さんが集めている拡張型都市開発トレーディングフィギュア「ジオクレイパー」の公式ショップ兼ジオラマギャラリーです。なんと先月(2016年12月)にオープンしたばかりとか。
    過去にPLANETSメルマガでもインタビューさせていただいたことがある「ジオクレイパー」は、一つ一つが6cm角の正方形をしています。正方形のユニットにはいくつかのパターンがあり、高層ビルが建っていたり、コンビナートがあったり、高速道路があったり。まるで近代都市としての東京が圧縮されたようなシリーズなのです。「BASE2500」には、大迫力のスケールでこのジオクレイパーたちが敷き詰められていました!

    ▲1216個のユニットで作られたジオラマ。湾岸部と都市部など様々なユニットが組み合わさっており、圧巻です。手前には羽田空港も!

    ▲こだわりを感じられる高速道路のジャンクションユニット。

    ▲湾岸地区を表現したコンテナターミナル。赤いキリンがかわいい!

    ▲まるで、都心の高層ビル群を上空から眺めているような気分です。

    ▲飛行場の1ユニット。壁の裏側まで細かく作り込まれていることがわかります。

    ▲ジオクレイパーを企画する、日本卓上開発株式会社・代表取締役の内山田昇平(うちやまだ・しょうへい)さんと、スタッフの金子さん。
    「実際にお客様にいじってもらって、初めて細かい作り込みがわかってもらえるんですよね。」と内山田さん。たしかに、写真では伝わりきらない魅力があります。小さな正方形のユニットを組み合わせて都市を作り出すという世界に私は触れるのが初めてで、感動してしまいました。特に湾岸部のコンビナートの精巧な作りに魅せられてしまい、私も初めてのジオクレイパーを1つ購入しました!

    ▲配管のひとつひとつまで細かく作り込まれていて素晴らしいです。
    単純にユニットを組み合わせて街を作るだけではなく、自分でアレンジした作品を作っている方たちもいらっしゃり、店内ではアレンジした作品群を見ることもできます。
    ジオラマについて全く知識を持っていなかった私もかなり楽しめたので、ふだんはフィギュアやジオラマに触れたことがないという皆さんもぜひ足を運んでみてください。ここまで大きなジオラマも、滅多に見ることができません。

    ☆★ジオクレイパー情報★☆
    ジオクレイパーHP
    Facebook
    2017年6月には、人気アニメ『エヴァンゲリオン』の舞台:第三新東京市を【TOKYO-Ⅲシーナリー】として発売が決定。ジオクレイパーならではの細かい作り込みで、劇中に登場する兵装関連施設を精巧に再現します。
    また、2月19日(日)に幕張メッセで開催される『ワンダーフェスティバル2017冬』に出展予定。当日は開発中のTOKYO-Ⅲシーナリーをいち早くご覧頂けます。

    (6)友安製作所
    「BASE2500」から歩いて数分のところに、DIYがコンセプトのカフェ、「友安製作所」があります。飲み物だけでなく食事メニューも充実しており、午後のひとときをゆっくりと過ごすのにぴったりなお店でした。

    ▲店内ではタイルやカーテンが売られています。

    ▲壁にはカーテンをかける器具がずらりと並んでいます。

    ▲シールでDIYできるタイルグッズも、一つから購入することができます。いろんなパターンがあって、目移りしてしまいます!
    インテリアやDIYに関するフリーペーパーも置かれています。カフェを楽しんだり、DIYグッズを買うだけではなく、情報を集めることもできる場所でした。


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  • 月島、佃島、石川島――歴史をたどる埋立地散策(「東京5キロメートル――知ってる街の知らない魅力」第3回)【毎月配信】 ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 vol.760 ☆

    2016-12-23 07:00  
    540pt

    月島、佃島、石川島――歴史をたどる埋立地散策(「東京5キロメートル――知ってる街の知らない魅力」第3回)【毎月配信】 
    ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 ☆
    2016.12.23 vol.760
    http://wakusei2nd.com


    「歩いてみることで、東京を再発見する」街歩き企画が、リニューアルして帰ってきました! 普段は気づかない、あんな場所やこんな場所に秘められた歴史だけでなく、各地の新しい魅力にもますます迫っていきます。今回は築地から月島、そして門前仲町まで歩きました。記事のご感想、お待ちしております!
    ◎協力:白土晴一
    ◎構成:松田理沙+PLANETS編集部
    ◎写真:宇野常寛、松田理沙
    「東京5キロメートル」過去の配信記事一覧はこちらから。
    前回:第2回 二子玉川――おしゃれベッドタウンに潜むアナーキースポット
    今回の街歩きでは、下町情緒あふれる東京の湾岸地域を歩きました。東銀座からスタートし、活気ある築地、もんじゃで有名な月島、そして最後は門前仲町までのコースです。
    また、リニューアルした今回から、歴史考察のアドバイザーとして、白土晴一さんに参加していただきます。白土さんと一緒に歩いてみると、このエリアには、東京のウォーターフロントとしての壮大な歴史が隠されていることがわかりました…! 今回は、その詳細を解き明かすとともに、下町の中に見つけた癒やしスポットをご紹介していきます。


    ▲白土晴一(しらと・せいいち)さん。1971年生まれ。リサーチャーとしてアニメやマンガの設定考証を手掛ける。アニメ『純潔のマリア』『ジョーカー・ゲーム』『ドリフターズ』などの設定考証を担当。マンガ『ヨルムンガンド』『軍靴のバルツァー』に設定協力で参加。
    寒さも厳しくなってきたとある休日。私たちは、東銀座駅の近くに集合しました。「東京駅から歩いてきましたよ」と白土さん。お散歩が趣味の一つだそうで、今回の街歩きでご一緒できることに、胸が高鳴ります!
    歌舞伎座に向かおうと歩き出したところ、道の途中、うっかり通り過ぎてしまいそうなほどこぢんまりとした神社がありました。立派な狛犬が座っています。


    ▲供えられていた油揚げは袋に入ったままで置いてありました。
    白土さんいわく、江戸時代、ここには深溝藩主板倉家があり、大名屋敷には中に家内安全・火除けなどの社が多く建立されましたが、明治維新後もこの神社だけが残ったのだそう。江戸時代には流行り神というものがあり、最も流行ったのが稲荷神社なんだとか。だから東京には稲荷神社が多いんだなあと納得しました。
    (1)歌舞伎座 屋上庭園
    最初に私たちは、歌舞伎座の屋上庭園に向かいました。小さいながらも心が落ち着く屋上庭園。歌舞伎座のビルには、それ以外にもカフェやたくさんの展示がありますが、あまり知られていない場所なのか人気がありませんでした。銀座の真ん中に、穴場スポット発見です!



    庭園から下の階へ下りるとき、歌舞伎座の屋根の瓦を間近に見下ろすことができます。とても貴重な経験でした! 一つ下の階へ下りると、歌舞伎座の歴史に関する展示スペースがありました。

    ▲明治時代の歌舞伎座の模型。欧米文化を取り入れようと、外観は西洋風の設計になったそう。

    ▲焼失後、1920年代に建て替えられた歌舞伎座。第二次世界大戦前の時代の雰囲気の影響か、反対に日本式を意識したデザインが採用されています。
     
    ▲現在の歌舞伎座(上部に複合ビルを建設する前)
    何度も建て替えが行われており、すべての模型が揃っていたので見応えがありました。銀座の人混みに疲れたときに、立ち寄ってみてはいかがでしょうか?
    次は、築地へ向かいます。歩いている途中に、築地川銀座公園がありました。

    白土さんいわく、この公園の下を通る高速道路は、築地川という大きな川を埋め立てて道路にしたもの。1964年の東京オリンピック開催を前にして、首都高をつくりたい、でも土地の買収がなかなかできない、となったときに、買収が不要である川を埋め立てて道路にしてしまったそうです。当時は、貨物の輸送手段が船からトラックなど車に交代した時期だったため、水運の要であった築地川も埋め立てが決まったそう。ほかにも、この地域には川だったところを埋め立てた道路がいくつも存在しているそうです。この周辺を歩くときは、ぜひ探してみてください。

    ▲公園の下を通るのは高速道路。昔は川でした。
     
    ▲さらに歩くと、松竹大谷図書館があります。演劇から映画、テレビドラマまで、様々な作品の台本や雑誌などの資料を読むことができます。
    (2)築地本願寺
    築地本願寺が見えてきました! こちらは有名なお寺ですが、目の前を通るだけで入ったことのない人が多いのではないでしょうか?

    ▲築地本願寺。お寺と聞いて思い浮かべる建築とはかけ離れています。
    現在の築地本願寺の本堂は、伊東忠太さんという建築家がデザインしたもの。明治時代に新たな建築を探ろうと、当時の常識の西洋留学とは反対に「それならまずはシルクロードを遡ればいいんだ!」と、中央アジアあたりを参考にしてしまった変わった人なんだとか。そのため、アジャンター様式という、古代インドの建築様式が取り入れられています。
    そして、伊東忠太は怪物が大好きな人だったそうです。たしかに、あちこちに見られる動物の像は全て一味違いました。本願寺を訪れるときには、そこにいる動物たちにも注目してみてください。

    ▲伊東忠太流の怪物(牛?)。とても愛らしいです。
    本堂を出ると、敷地の端に、言われなければ気づくことが難しそうな石碑がありました。「これは説明しないと誰もわからない碑です(笑)」と言いながら、白土さんがこんな話をしてくれました。

    ▲凱旋釜。エピソードを一緒に聞いた瞬間、ただの石碑にしか観えなかったものがとても面白いものに見えました。
    「この石碑は、日露戦争のときに参謀総長だった児玉源太郎と、夢野久作のお父さんである政界のフィクサー・杉山茂丸という二人の親友のお茶目なやり取りの痕跡です。源太郎が戦争に行くとき、茂丸が『勝ったらお前の好きなものをなんでも買ってやる』と言いました。源太郎は『良いお茶の釜が欲しい』と言い残し、無事戦争に勝利して帰って来ました。そこで茂丸は約束を果たしますが、『お前が欲しかった釜はこれだろう!』と源太郎にプレゼントしたのは、豆腐屋さんが大量に大豆を煮る用の、家一軒分くらいの大きな釜だったんです。源太郎はせっかくもらったんだけれどもどうしようもないから、それを本願寺に奉納したと。戦争から帰ってくることを『凱旋』と言うので、これは『凱旋釜」と言うんです」
    お茶用の釜が欲しいと言ったら家一軒分ほどの大きさの釜をプレゼントされ、その出来事がいまもこうして築地本願寺の敷地内に記されているとは、スケールが大きすぎて笑ってしまいました。そんなに大きな釜を奉納された後、本願寺が釜をどう処理したのかも気になります。築地本願寺には、明治時代の軍人と政界のフィクサーとの、ちょっとしたお茶目な逸話も隠されていたんですね。
    (3)築地魚河岸
    すぐ近くには、豊洲に市場が移転したあとも築地に活気を残していく…という目的だった商業施設「築地魚河岸」がありました。ちょうどこの街歩きをした日が施設のプレオープン当日だったため、多くの人で賑わっていました。

    ▲迫力の赤身!
    (4)かちどき橋の資料館
    築地市場から海の方へ歩いていくと、勝どき橋の入り口付近に、「かちどき橋の資料館」があります。資料館は入館無料の施設で、小さい場所でしたが多くの人が訪れていました。
    勝どき橋の歴史や、はねあげ橋(橋の真ん中が開いて、船が通れるようになる仕組みの橋)として活躍していた時代の機械がたくさん展示してあります。普段立ち入ることのできない橋脚内を見ることができるツアーも受け付けているようでした。

    ▲はねあげ橋のモデル。


    ▲とても大きな発電機や、動力機械。橋をはねあげるための装置です。
    (5)勝どき橋
    そのまま私たちは、橋を渡って歩きました。勝どき橋は、昭和15年に開催予定だった万博博覧会のメインゲートとして利用するために、日本では数少ないはねあげ橋として計画されたのだそうです。日中戦争により、いったん建設は中止になったものの、1940年には無事に完成しました。
    どうしてこの場所かというと、近くには石川島播磨重工(当時・石川島重工)の造船ドックがあり、工業の発達した一帯だったから。白土さんによると、月島はまさに近代日本のテクノロジーが生まれるところだったそうです。埋立地ゆえに土地の利権者がおらず、非常に安い土地だったために新興の鉄工所などがたくさんできて、工場で働くというライフスタイルが生まれた地域でもありました。
    かつて、この隅田川は渡し舟で行き来していました。今ではこの橋のおかげで行き来しやすくなった銀座と月島ですが、昔はすごく遠い街だったんですね。

    ▲開発が進む月島、勝どきの街を一望。昔は工業の発信地でした。
    橋から対岸の月島や勝どきエリアを眺めると、続々とタワーマンションが建っている様子がわかります。明治以来、工場労働者層の住む地域だった月島が、いまではニューリッチ層の街に変わったことがわかる景色です。なんだか歴史の変化に思いを馳せてしまいます。

    ▲ここから往来する船の様子を見て、橋の開け閉めを指示していたそうです。
     
    ▲真ん中から下を覗くと川が見えます…!
    橋のちょうど真ん中に立って下を覗くと、川の水がゆらゆら揺れているのがわかります。この橋は、二つのパーツが組み合わさったはねあげ橋なのだと実感できます。車が通ると振動がとても大きくてびっくり。あの振動は、皆さんにも体験していただきたいです……! 立ち止まらずに渡ってしまうと気づくことのできないポイントでした。
    (6)月島西仲通り商店街
    勝どき橋を渡り、月島に入ると、街並みが一気に直線的になります。月島は、埋め立てられた新しい土地であるため、明治以降の、きれいに整備された区画であることがわかります。
    「もんじゃストリート」の異名を持つ月島西仲通り商店街は、その名の通りもんじゃ屋さんがたくさんありましたが、それだけではありませんでした。

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  • 「東京5キロメートル――知ってる街の知らない魅力」 第2回 二子玉川――おしゃれベッドタウンに潜むアナーキースポット 【毎月配信】 ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 vol.633 ☆

    2016-07-01 12:00  
    チャンネル会員の皆様へお知らせ
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    (3)ニコ生放送のメール通知を停止する方法について
    を解説していますので、新たに入会された方はぜひご覧ください。

    「東京5キロメートル――知ってる街の知らない魅力」 第2回 二子玉川――おしゃれベッドタウンに潜むアナーキースポット【毎月配信】
    ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 ☆
    2016.7.1 vol.633
    http://wakusei2nd.com


    今日は、宇野常寛とPLANETS編集部・学生スタッフによる、街歩きの企画をお届けします! 今月の
  • ☆新企画☆「東京5キロメートルーー知ってる街の知らない魅力」第1回 目白ーー高級住宅街で見つけた自然と癒しスポット【毎月配信】☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 vol.605 ☆

    2016-05-30 12:00  
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    (3)ニコ生放送のメール通知を停止する方法について
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    ☆新企画☆「東京5キロメートルーー知ってる街の知らない魅力」第1回 目白ーー高級住宅街で見つけた自然と癒しスポット【毎月配信】
    ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 ☆
    2016.5.30 vol.605
    http://wakusei2nd.com


    今月から、宇野常寛とPLANETS編集部・学生スタッフによる、街歩きの企画が始まります。「実際に