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記事 24件
  • 御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記 第28回 歴史的な200万人デモと苦すぎる現実

    2019-07-18 07:00 7時間前 
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    香港の社会運動家・周庭(アグネス・チョウ)さんの連載『御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記』。逃亡犯条例に端を発する巨大な運動の中にある周庭さん。来日中に史上最大規模となる200万人を動員するデモを実現し、条約改訂を封じ込めることには成功したものの、その心にあるのは苦い思いのようです。(翻訳:伯川星矢)
     この原稿を執筆し終えた時点で、Facebookを通して悲しい情報が入りました。4人目の仲間が自分の命を絶ちました。そう、4人目です。反逃亡犯条例改定の運動の中、すでに4人の尊い命が未来に絶望して自死したのです。これは香港の主権移譲後の社会運動ではじめての出来事でもあります。
     ここ一ヶ月は香港人にとってとても長い一ヶ月でした。日本の皆さんもメディアを通じて香港の状態を知っていると思いますが、香港人はさまざまな方法で改定案の撤回、警察の暴力行為の追求、民主主義を求める決心を表明しました。例えば署名活動、全世界の新聞広告(朝日新聞にも載りました。皆さんご覧になりましたか?)、100万人デモや200万人デモ、あの手この手で活動していました。  しかし、例え香港人が香港史上最大規模の民主化活動を成し遂げても、やはり、わたしたちが求めていた要求を叶えることはできませんでした(行政長官の林鄭月娥は記者会見で「条例改定は死んだも同然」と言いましたが、「撤回」という言葉を使うことはありませんでした)。
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  • 御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記 第27回 雨傘運動以来の大規模デモ、逃亡条例改定反対運動のゆくえ

    2019-05-28 07:00  
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    香港の社会運動家・周庭(アグネス・チョウ)さんの連載『御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記』。香港は今、大きく揺れています。中国の司法介入を認める逃亡犯条例の改定案が審議されているからです。13万人が街頭に出た、雨傘運動以来という反対運動の様子を語ります。(翻訳:伯川星矢)
     いま、香港人がもっとも話題にしている「逃亡犯条例改定」については、3月の連載でお話しをしました(参照)。  この逃亡犯条例が立法会を通過すると、将来的には香港人、もしくは香港に入境しただけの人でも、香港当局に容疑者として拘束された場合、中国へと引き渡される可能性があります。  中国は公平な法制度や基本的人権が存在しない場所です。過去にも多くの人権活動家が政府の意に反する発言をしたがために、投獄されたり、あるいは「消されたり」しています。

     4月末、民間団体による逃亡犯条例反対デモが行われました。このデモはの参加者は約13万人にもなり、雨傘運動以来、最多の動員数となりました。  もちろん、香港衆志とわたしもそのデモに参加し、銅羅湾(コーズウェイベイ)から金鐘(アドミラルティ)にある政府本庁へと向けて行進をしました。  出発前には、すでに銅羅湾の街道2、3本分を占める参加者が集まっていました。あまりに人数が多かったことから警察から開始時間を早めるよう要求があったほどです。  参加者の中には、大人から子供まで一家そろって参加している人たちもいました。彼らは中国と香港の司法制度、その公平性には大きな違いがあることを深く理解していて、今後、香港人が中国側に引き渡されるようになることを危惧していました。

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  • 2020年、押し寄せる大量の中国人観光客にどう対応するか?6年後の東京に迫られる課題――社会学者・張彧暋(チョー・イクマン)インタビュー(PLANETSアーカイブス)

    2019-05-10 07:00  
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    今朝のPLANETSアーカイブスは、香港出身の社会学者・張彧暋(チョー・イクマン)氏のインタビューをお届けします。2020年の東京オリンピックの課題は、「外国人にどう東京の・日本の魅力をアピールするか」ではなく、押し寄せる中国人観光客にどう対応するかであるという張氏。そして、日本ポップカルチャーの東アジアでの「実際の受け取られ方」とは――!?(聞き手・構成:中野慧)※本記事は2014年7月29日に配信された記事の再配信です
    ■2020年、東京には大量の中国人観光客が押し寄せる
     
    ーー張さんは、2020年の東京オリンピックの開催についてどのようなことを考えていますか。
    張 私は香港人なので、やっぱり観光客としての目線で捉えていますね。2008年に北京オリンピックがあって、2012年にロンドン、その次に2016年にリオ・デ・ジャネイロがあって、その後が東京オリンピックなわけですよね。たとえば2008年の北京オリンピックって、かつて1964年に開かれた東京オリンピックと性格が似ていたと思うんです。チャン・イーモウさんの劇場型の開会式に見られるように、工業化と経済発展のさなかの中国にとっては、ナショナリズムが盛り上がるクライマックスの時期でした。
    それに対して2020年の東京って、すでに工業化自体は完了しているわけですよね。宇野さんが「PLANETS vol.9」でやろうとしているプロジェクトも、工業化社会ではなくサービス・エコノミーやクリエイティブ・エコノミーの側面を打ち出していこうというものだと思います。
    ▲『PLANETS vol.9 東京2020 オルタナティブ・オリンピック・プロジェクト』
    その一方で面白いのは、2013年に日本に来た観光客の数は年間1000万人ぐらいで、一番多いのは韓国で、次に台湾、中国、香港で、やっぱり東アジアの国々が大半なわけです。そして東アジアのなかでも、韓国・台湾・香港と日本の経済構造は近似性が高い。すでに製造業が衰退し、新しいサービス、新しい体験が発展している。経済構造が近いということは観光に求めるものも近いということで、これらの国から来る観光客は、たとえば秋葉原に代表されるようなサブカルチャーであったり、いろんな温泉体験であったり、美味しい食事であったり、カフェ巡りだとか、ファッションだとか、美術館に行くことを目的にしていたりする。香港の例を出すと、5-10年前までは東京に来ても日用品などを買っていたわけですが、今は韓国や台湾からの観光客と同じように、消費だけではなく文化体験のほうにゆっくりと方向性が変わっていっています。
    ですが中国からの観光客はまだ工業化時代のメンタリティが強く、ナショナリズムと経済の成長と国の誇りを一緒に考えています。たとえば香港には去年、年間5000万人の観光客があのちっぽけな島に来て、大半が中国大陸からの観光客でした。彼らが求めているのはサービスではなく、ブランド品と日常用品の買い物です。そしてその5000万人の観光客はそろそろ香港には飽きてきて、今は台湾に進撃中です。そして台湾ではたくさんの中国人観光客が溢れて、マナーが悪いということで非常に問題になっている。
    で、2020年の東京オリンピックを考えるとやはり、韓国・台湾・香港やヨーロッパ人、アメリカ人はともかくとして、そういう中国の観光客に対してどう対応するかが課題になってくると思います。たとえば、彼らが求めているのは必ずしも秋葉原のサブカルチャーだけではなくて、薬品を買いに来たりとか……。
    ーーえっ。薬品って、何のことですか……?
    張 香港でいま一番多い店は薬局なんです。観光客がいろんな美容品とかサプリメント、もしくは赤ちゃんのための粉ミルクを求めるからですね。中国はとにかく社会に対する信任(Trust)があまりにも低くて、信頼性の高い、体に良い製品を買い求めるんです。
    ーー「外国人にどうやって興味を持ってもらうか」ということだけではく、むしろ中国の人たちがたくさん押し寄せるのはもう確実だから、どうやって対応するかを考えないといけないということですね。
    張 そう。対応といってもホテルの数のようなインフラの話や、サービスをどう充実させればよいかという問題ではなく、とにかくすごい人数が来るから、そこにどうやって対応するかということですね。
    年間数千万の観光客が東京に溢れて薬局で薬を買ったり粉ミルクを買ったりとか、もしかするとホテルでダブルベッドに10人が寝ているとかそういう光景も繰り広げられたりするかもしれない。おそらく東京の生活リズムを破壊されていくし、都市の景観自体もすっかり変わってしまいます。
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  • 御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記 第26回 卒論の季節と大学生になるということ

    2019-04-18 07:21  
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    香港の社会運動家・周庭(アグネス・チョウ)さんの連載『御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記』。この3月は卒論に取り組んでいたという周庭さん。高校時代から学生運動に参加していた彼女にとって、日本よりもはるかに狭き門である香港の大学に合格することは、自身の活動を大人たちに認めさせるという意味でとても重要なことでした。(翻訳:伯川星矢)
    忙しかった3月がやっと終わりました。
    忙しいと言ってもやるべきことはたった一つ、卒論を完成させることだけです。 もともとは去年のこの時期に終わらせている予定だったのですが、立法会選挙の出馬で1学期休学したので、卒業計画もそのまま一年遅らせることになりました。わたしの同期はほとんどが去年卒業したので、正直ちょっと寂しいです。 雨傘運動と選挙出馬の休学、さらに社会運動への参加や立法会のお仕事もあり、学業の進捗は他の人より少し遅れて、今年の12月に大学課程を修了する予定となりました。

    卒論に集中していたこの1カ月ですが、香港衆志では「逃亡犯引き渡し条例」に反対する活動を数多く企画していました(条例改定の内容については前回の連載をご参照ください)。卒論に集中しなくちゃいけないわたしはあまり活動に参加できず、正直悔しいけれど、でも、卒業がかかっているので仕方ないというのが現実でした。

    高校二年生の時から今まで、わたしは社会運動家、学生、雇われ労働者を兼任しています。どうやって時間の兼ね合いをつけているのかよく聞かれます。実はそんな隠し技もなく、ただ単に人より多くの時間をかけて仕事をしているだけです。 でも、「選択する」ことはとても重要だと思います。例えば、大学受験前の数ヶ月間、わたしは学業に集中するために、学民思潮(当時所属していた学生組織)の会議への出席回数を減らしました。
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  • 御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記 第25回 香港の罪が中国で裁かれる「逃亡犯条例」

    2019-03-14 07:00  
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    香港の社会運動家・周庭(アグネス・チョウ)さんの連載『御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記』。今、香港を騒がせているのが「逃亡犯条例」の改定。香港・マカオ・台湾の犯罪者を、中国に引き渡し可能にするという条例です。香港の法的な自立性が脅かされつつある背景について語ります。(翻訳:伯川星矢)
    ここ1ヶ月の間、香港で最も議論されている議題は、政府が提案した「逃亡犯条例」の改定です。
    事の発端は、香港の男性が台湾で彼女を殺害し、香港へ戻ってきた事件です。 香港と台湾は刑事共助条例(いわゆる引き渡し協定)を結んでいないため、香港政府は被疑者を台湾政府に引き渡すことができませんでした。香港政府はこの件に便乗し、逃亡犯条例と刑事共助条例を改定を提案しました。内容は「個別案件移送」という方式で、共産党政府が「中国の一部」であるとしている香港、台湾、マカオの犯罪者を、中国本土に移送可能にするというものです。
    ▲ネットメディアの取材で写真撮影中
    簡単に言えば、条例の改定後は、今回の殺人事件の被疑者のみではなく、香港人でも香港に訪れた観光客でも、法廷と行政長官の同意のもと中国大陸に引き渡すことが可能となります。
    わたしたちはこの改定に強く反対しています。 まず、この改定自体が法律的な根拠がなく、そして反体制者(もしくは中国政府が好まない人)の安全を脅かします。ご存知の通り、中国は法治国家ではなく、公平な裁判を受けることもできない場所です。この改定案が通ってしまうと、中国当局を批判したことがある人は、香港人・短期滞在の旅行者問わず、中国へ引き渡すことができるようになります。引き渡し後は不幸が待ち受けているでしょう。中国政府は人権問題においては悪名高き存在で、ちょっとしたことで「国家転覆罪」によって、記者や人権派弁護士、政府を批判した市民を逮捕しています。今回の改定は香港が全体主義国家の共犯者に成り下がる出来事といえるでしょう。

    香港政府によれば、たとえ条例を改定しても、政治犯罪者などの中国への移送依頼は拒否するとしています。しかし、共産党政府の「実績」を思い出すと、多くの人権活動家は政治犯罪で逮捕されているわけではなく、「経済犯罪」などの罪名を無理矢理被せられています。例えば、数年前の銅羅湾(コーズウェイベイ)書店の関係者2名は、「交通犯罪」や「違法書籍販売経営罪」などの罪名で逮捕されています【注1】。
    ※注1:2015年に中国共産党に批判的な書籍を出版・販売していた銅羅湾書店の関係者5名が失踪した事件。後に中国当局によって拘束されていたことが判明した。

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  • 御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記 第24回 香港の春節と日本の大晦日

    2019-02-20 07:00  
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    香港の社会運動家・周庭(アグネス・チョウ)さんの連載『御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記』。日本の正月にあたる春節(旧正月)を迎えた香港。周庭さんたち香港衆志は歳の市に出店し、干支にちなんだイノシシのデザインのグッズを販売することで、政党の理念のPRに努めたようです。(翻訳:伯川星矢)
    春節おめでとうございます!
    日本の新年と同じように、春節は香港最大の祝日でもあります。 わたしたちはいつも通り、香港最大の歳の市ーーヴィクトリアパーク歳の市で出店をし、イノシシ年のグッズ販売しながら、わたしたちへの応援を呼びかけました。

    今年は、布バック、ハンカチ、Tシャツ、デコテープと、わたしたちの理念がプリントされている旗を販売し、とても良い売り上でした。 特に布バックは、今年の干支であるイノシシ年に合わせて、香港人にもっと社会や時事に関心を持ってもらいたいと思って作ったもので、「今年はもう“香港ブタ”にならない」をテーマとしています(「香港ブタ」とは最近流行り始めた単語で、社会に無関心、流されるままの香港人を意味しています)。

    わたしたちは毎年、社会に関するさまざまなテーマでグッズをデザインし販売しています。例えば今年のTシャツでは、泣いているイルカのイラストを印刷し、政府の埋め立て計画が海の生態を破壊していることと、香港の海域周辺に住むシナウスイロイルカが帰る場所を失ったことを表しています。 そして、デコテープには、わたしたちが幼い頃よく歌っていた「ゴジラ版国歌」(※注)の歌詞が印刷されています。政府がこれから進めようとしている「国歌法」では、国歌の歌詞の改変が違法となりますが、それが一般市民の表現と創作の自由を侵害していることを表しています。 「国歌法」はすでに立法会に提出され、審議中となっています。審議の初日(2019年1月末)に、わたしたち香港衆志は政府本庁前の「公民広場」に突入し、フラッグポールに「歌わない自由」と書かれた横断幕を掛け、国歌法によって表現の自由が制限されることに対して抗議しました。
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  • 御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記 第23回 37時間の誕生日と巨大化する人工島

    2018-12-19 07:00  
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    香港の社会運動家・周庭(アグネス・チョウ)さんの連載『御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記』。アメリカの旅の途中に22歳の誕生日を迎えた周庭さん。前回に引き続いて、ランタオ島の埋め立て計画の続報をお届けします。政府と利権団体の緊密な関係によって、開発計画は無責任かつ杜撰に拡張され、ここでも香港議会はあからさまに軽視されているようです。(翻訳:伯川星矢)
    【告知】 周庭さんが〈HANGOUT PLUS〉にやってきます。 周庭×宇野常寛 「香港で民主化運動している女子大生は今何を考えているか」 1月7日(月)21:00より放送予定。ぜひご視聴ください!
    わたし、22歳になりました!
    約一週間前の12月3日は、わたしの22歳の誕生日です! 正直、わたしはまだ自分が1歳老いた事実を受け止められていません(苦笑)。ついこの間まで10代だったのに……。そういえば18歳の誕生日は、雨傘運動の占拠区で過ごしていたし……あれからもう4年も経つのだと考えると、本当に時の速さには驚くばかりです。
    今年、わたしは37時間に渡る誕生日を過ごしました。 なぜならその日はネイサン・ローと一緒にアメリカのワシントンに向かい、パスポートを没収されたジョシュアの代わりにLantos Foundationからの人権賞を受賞しに行きました。ワシントンと香港は13時間の時差があり、祝う時間もありませんでしたが、過去21回の誕生日よりも長く過ごせたので悪くない「プレゼント」だと思っています。

    大学のテストもあり、アメリカには4日しか滞在できませんでした。また、過密なスケジュールに加え、激しい時差ボケで、ほとんど休むことすらできないありさまでした。 でも、アメリカの上院・下院の議員にお会いでき、「香港人権および民主法案(Hong Kong Human Rights and Deomcracy Act)」を支持してもらえるように呼びかけができたので、少し疲れたけれども、価値のある訪米だったと思います。

    前回、香港政府より、ランタオ島(大嶼山)に1700ヘクタールの人工島を建設する計画が発表されたことをお話ししました。あまり日本では報道されていなかった様なので、今回はそれについてもう少し詳しくお話ししようかと思います。
    実は数年前、香港政府にはランタオ島の開発計画があり、当時の資料では埋め立て面積が1000ヘクタールの予定でした。すなわち、当時市民や社会による意見や討論(賛成・反対問わず)も、この1000ヘクタールに基づいていることとなります。 しかし、今年10月の施政方針演説では行政長官の林鄭月娥より全く違った計画が発表されました。1700ヘクタールの埋め立て計画、そして施工場所も本来と異なる内容でした。
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  • 御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記 第22回 香港の利権を独占しているのは……?

    2018-11-14 07:00  
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    香港の社会運動家・周庭(アグネス・チョウ)さんの連載『御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記』。再び民主派の議員が立候補資格が取り消され、政府と民主派との対立が深まる香港。政府による土地の独占、造成予定の人工島の危険性など、現在の香港が抱えている問題について語ります。(翻訳:伯川星矢)
    また一人、立法会選挙の候補者が立候補無効となりました。
    去年、6人の立法会議員が資格剥奪となり、その補欠選挙を行うこととなりました。そのうちの4回は今年の三月に行われました(私が立候補無効となった回)。 今年の11月25日、前回議員資格剥奪となった劉小麗(ラウ・シィウライ)氏の代わりに、九龍西区に補欠選挙が予定されています。本来それは劉氏の議席であり、彼女自身も続投を希望していたため、今回の補欠選挙でも彼女は民主派を代表し、親中派と争う予定でした。
    しかし、劉氏は10月12日に選挙主任より立候補資格無効を言い渡されました。これは彼女が立候補する資格を失ったことを意味しています。 劉氏は私が所属している香港衆志と同じく「民主自決」を主張しています。政府が彼女に送った立候補無効宣言の書類では、彼女の主張が香港憲法にある「基本法」に違反しているため、立候補資格が満たせていないことが理由として書かれていました。
    政府は、劉氏が2016年に香港衆志の共同声明で「民主自決」を主張し、「香港独立」を自決の選択肢として擁護すると主張したことを問題視しています。選挙主任は、この主張により劉氏が、中国が香港の主権を所有していることを認めていないと見做し、基本法の「香港は中華人民共和国の一部である」という部分に反していると認定しました。
    ▲補欠選挙の街宣活動の様子
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  • 【特別寄稿】倉田徹「香港民主化問題:経済都市の変貌史」

    2018-02-28 07:00  
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    来る2018年3月11日に、香港では立法会の補欠選挙が予定されています。香港衆志の周庭氏も立候補を予定していましたが、基本法に反することを理由に出馬無効を言い渡されました。なぜ香港の若者が活発に民主運動を行うことになったのか、なぜ政府は民主派を弾圧するのかーー。現在の状況に至るまでに香港が辿った歴史について、立教大学法学部政治学科の倉田徹教授に解説していただきました。
     香港と聞いて、日本人がイメージするものは何か。グルメ天国、買い物天国、目もくらむような看板のネオンサインの洪水、あるいは林立する高層ビル、アジアの金融センター、はたまたブルース・リーやジャッキー・チェンのカンフー映画……。観光や文化、経済についての様々なキーワードが浮かんできそうだが、その一方で香港の政治は、従来注目されることが非常に少なかった。「香港人は金儲けにしか興味がない」が、自他共に認める香港人に対するお決まりの評価であった。
     ところが2014年、その香港が国際政治の焦点になってしまう。「真の普通選挙」を求めて集会に殺到した人々が、79日間も道路を占拠して民主化運動を展開したのである。警察の催涙スプレーから、手持ちの傘でとっさ身を守ろうとする人々の姿から名付けられた「雨傘運動」は、「エコノミック・アニマル」とは全く異なる新たな香港人の像を世界に示したのである。
     一体なぜ、このような大きな変化が生じたのか。
     重要なのは若い世代の台頭であった。「雨傘運動」で活躍したのは、当時わずか17歳の黄之鋒(ジョシュア・ウォン)や周庭(アグネス・チョウ)などの若者であった。上の世代と全く異なる価値観を持つ世代の登場によって、香港の民主化運動は空前の盛り上がりを見せた。一方、巨大な運動は、北京の中央政府からの強力な弾圧も引き込むこととなった。そういう情勢の中で、香港の民主化運動は現在どういう状況にあり、将来どのような展開が見通せるであろうか。
     現在を知り、将来を考えるため、ここでは香港の民主化問題を過去から遡って考えてみよう。
    植民地期・「金儲けにしか興味を持てなかった」時代
     香港は1842年にアヘン戦争によってイギリスの植民地となり、1997年に中国に返還された。その150年を超えるイギリス統治の歴史のうち、1980年代までの約140年の間、香港にはほとんど全くまともな民主主義はなかった。政治権力はほぼイギリス人の総督が独占し、反政府的な社会運動には厳しい弾圧もあった。しかし、香港市民の間では、強い民主化運動は起きなかった。これが香港市民は「政治に無関心」と評された主な理由である。
     なぜ香港に民主化要求は起きなかったのか。イギリスの統治の巧みさや、政治を汚いものとして嫌う中国人の政治文化などが理由とされてきたが、近年言われているのは、政治に興味を持つことを許されなかったという、香港市民の置かれた環境条件である。選挙がほぼ存在せず、異民族支配の環境では、そもそも一般市民には議員や政府の高官や長になる手段がなく、政治家を職業とすることは不可能である。
     もっとも、イギリス当局への批判は弾圧の対象であったが、中国を批判することは自由であり、政府に動員されたり、忠誠を誓わされたりする類いのこともなかった。その点では政治の面でも、毛沢東の中国や、蒋介石の台湾といった周辺の独裁体制よりもましでもあった。少なくとも、社会主義体制とは異なり、金儲けは自由にできた。特に戦後の香港は飛躍的な経済成長を実現したから、裸一貫から大富豪になる者もいたし、そこまでは無理でも、努力によって暮らしを改善させてゆくことは、多くの者にとって可能であった。香港市民の多数派は、こういう条件の香港という地を選んで、大陸から逃げてきた難民とその子孫たちなのである。当然ながら、彼らは政治に背を向けて、自身の生活のために日々努力を重ねる以外に生きる術がない。「金儲けにしか興味がない」というより、「金儲けにしか興味を持てなかった」のである。
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  • 御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記 第11回 議員資格剥奪・収監・反権威主義運動【毎月第3水曜配信】

    2017-10-18 07:00  
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    香港の社会運動家・周庭(アグネス・チョウ)さんの連載『御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記』。香港では民主派議員の議員資格が剥奪され、著名な若手活動家たちに禁固刑が言い渡されるなど、大きな変化が起こっています。民主を目指し活動する周庭さんが、改めて香港の未来について考えます。(翻訳:伯川星矢)
     わたしが書いた文章を掲載するのはとても久しぶりとなってしまいました。前回はブラック・バウヒニア行動と返還記念日デモのお話をしました。7月1日の返還記念日から今日までの間で、香港の政治情勢はまた大きく変わってしまいました(恐らく日本でも同じですが)。今回は、この変化についてお話をしたいと思います。
    民主派議員の議員資格剥奪
     まず7月14日、香港の最高裁判所は香港衆志のネイサン・ローを含む4人の民主派議員の議員資格剥奪の判決を下しました。この件についてあまり詳しくない読者もいるかもしれませんので、簡単に説明したいと思います。昨年の10月、香港の律政司は「香港独立」を主張する二人の立法会議員が就任する際の宣誓内容に不備があると称し、議員資格の有効性について司法審査を要請しました。11月、全人代は基本法の内容に対して解釈権を行使しました(実際は解釈のみではなく新たな制限を設けており、実質的には改正でした)。12月、香港政府はさらに4人の民主派議員の議員資格の有効性について司法審査を要請しました。その結果、現在合計6人の民主派議員の資格が剥奪となりました。
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