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【全文無料公開】倉田徹 香港民主化問題:経済都市の変貌史(PLANETSアーカイブス)
2019-06-14 07:00
今朝のPLANETSアーカイブスは、香港政治に詳しい立教大学の倉田徹教授の寄稿を再配信します。香港立法会補欠選挙への出馬を、基本法違反を理由に無効とされた周庭さん。なぜ香港の若者が活発に民主運動を行うことになったのか、なぜ政府は民主派を弾圧するのかーー。現在の状況に至るまでに香港が辿った歴史について解説していただきました。 ※この記事は2018年3月1日に配信された記事の再配信です。
香港と聞いて、日本人がイメージするものは何か。グルメ天国、買い物天国、目もくらむような看板のネオンサインの洪水、あるいは林立する高層ビル、アジアの金融センター、はたまたブルース・リーやジャッキー・チェンのカンフー映画……。観光や文化、経済についての様々なキーワードが浮かんできそうだが、その一方で香港の政治は、従来注目されることが非常に少なかった。「香港人は金儲けにしか興味がない」が、自他共に認める香港人に -
政権交代で再始動するマレーシアでの学生たちとの出会い|周庭
2018-10-16 07:00
香港の社会運動家・周庭(アグネス・チョウ)さんの連載『御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記』。香港民主化運動を描いたドキュメンタリー映画の上映会で、マレーシアを訪れた周庭さん。建国以来初となる政権交代が実現したばかりのマレーシアで、香港とは違った気風を持つ学生たちと交流を深めたようです。(翻訳:伯川星矢)
御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記第21回 政権交代で再始動するマレーシアでの学生たちとの出会い
ちょうどマレーシアから香港に戻りました!
今からちょうど4年前の9月28日は、警官隊がデモ隊に催涙弾を打った日です。 今年の9月28日、わたしはマレーシアに渡り、映画の上映イベントやトークを準備していました。 今回はマレーシアのFreedom Film Festival(以下FFF)のお誘いにより、「Joshua: Teenage -
ショートヘアと政治運動|周庭
2018-09-18 07:00
香港の社会運動家・周庭(アグネス・チョウ)さんの連載『御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記』。選挙活動を終えて、思い切って髪を短くした周庭さん。ショートヘアへの憧れはあったものの、選挙運動中はイメージ作りのために、思い通りの髪型や服装にはできなかったようです。(翻訳:伯川星矢)
御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記第20回 ショートヘアと政治運動
これまでの連載で、みなさんに香港の様々な社会問題や、政府による弾圧についてお話をしてきました。実はここ数カ月、わたし自身にもいろんな出来事と変化がありました。ここまで重く難しいお話が続いていたので、今回は少しリラックスしたお話をしましょう。 まず最初に、わたしが下した大きな決断についてです。 わたし、ショートヘアにしました(笑)。 前回、髪を切ったのは去年の年末。選挙への出馬に向けて準備を -
独立派の団体を違法化する「社団条例」|周庭
2018-08-28 07:00
香港の社会運動家・周庭(アグネス・チョウ)さんの連載『御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記』。香港政府が独立派に対して加えた次なる弾圧は、政治団体の運営の法的な禁止でした。違法団体には罰金・禁固が課せられる「社団条例」の適用により、周庭さんの所属する香港衆志も重大な危機に晒されることになります。(翻訳:伯川星矢)
御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記第19回 独立派の団体を違法化する「社団条例」
香港政府は、独立と民主自決を主張する候補者の議員への立候補を禁止したあと、どのような手段で反対者を弾圧するつもりなのか。二週間前の対応によって、その答えがわかりました。
この記事を執筆する二週間前の7月17日、香港政府の保安局局長が記者会見を開きました。 内容は「社団条例」の権力を行使し、国家と公共の安全確保を理由に、独立を主張する香港民族党の -
2018年の返還記念日デモで考えたこと|周庭
2018-07-24 07:00
香港の社会運動家・周庭(アグネス・チョウ)さんの連載『御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記』。 7月1日は、香港の主権がイギリスから中国に返還された記念すべき日でした。2003年と2014年の激動の返還記念日デモを振り返りながら、新しい熱気が生まれつつある2018年のデモの様子を報告します。(翻訳:伯川星矢)
御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記第18回 2018年の返還記念日デモで考えたこと
7月に入りました。今月、最も重要なのが返還記念日デモへの参加です。
1997年7月1日、香港の主権がイギリスから中国に移りました。この日は、その後の香港の多くの変化を象徴することになります。以降の十数年間で、多くの香港人は民主、自由、法治などの普遍的な価値が、だんだんと衰退していくのを実感することになりました。 1997年以降、香港の団体「 -
重すぎる処罰を課す「公安条例」|周庭
2018-06-20 07:00
香港の社会運動家・周庭(アグネス・チョウ)さんの連載『御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記』。 2016年の旧正月、香港の旺角(モンコック)では無許可の屋台を撤去しようとする警察と市民の衝突が起こりました。衝突に参加した人々には、今月重すぎると言える判決が下され、運動家の間では衝撃と落胆が広がっています。(翻訳:伯川星矢)
御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記第17回 重すぎる処罰を課す「公安条例」
今月もまた様々なことが起きた一ヶ月でした。
▲6月10日が投票日だった区議員補欠選挙、候補者の李鳳琼氏と
最近、香港の社会運動家にとって、もっとも衝撃的で、もっとも落胆した出来事がありました。以前、裁判で暴動罪成立の判決を受けたデモ参加者たちが、5月31日付で28から51ヶ月の禁固刑になったのです。2年前の旧正月、警察が突然旺角(モンコ -
スタンフォード大学での講演|周庭
2018-05-29 07:00
香港の社会運動家・周庭(アグネス・チョウ)さんの連載『御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記』。 今回は初めて訪れたアメリカで、スタンフォード大学でのイベントに参加しました。官僚との貴重な討論の機会となった本イベントでは、香港に関わる人同士の異なる意見がぶつかり合う場にもなりました。(翻訳:伯川星矢)
御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記第16回 スタンフォード大学での講演
執筆の二週間前に、わたしはアメリカのスタンフォード大学の招待を受けるという幸運に恵まれ、民主主義論の第一人者である政治学者のラリー・ダイアモンド氏、そしてサンフランシスコ在住の香港経済貿易所所長と香港の政治情勢について話し合いました。わたしはアメリカに行くのは初めてで、正直なところ、渡航前はアメリカンサイズの食べ物くらいしかアメリカについてのイメージがありませんで -
香港の未来のため、岐路に立つ民主派|周庭
2018-04-03 07:00
香港の社会運動家・周庭(アグネス・チョウ)さんの連載『御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記』。3月11日の補欠選挙出馬無効を言い渡された周庭さんでしたが、急遽民主派の代表として立候補した区諾軒(アウ・ノックヒン)氏の応援活動をすることになりました。同氏の当選、楽観視できない香港の政治状況について、選挙戦を振り返りながら解説します。(翻訳:伯川星矢)
御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記第15回 香港の未来のため、岐路に立つ民主派
数日前に立法会の補欠選挙が終了しました。4つの議席のうち、民主派が勝ち取ることができたのはわずか2席でした。「悪くない結果ではないか」と思われる方もいるかもしれません。そこで、今回の補欠選挙の背景について改めてご説明したいと思います。
1年前、民主派議員6人が全人代の基本法解釈と政府の司法審査により、議員資格剥 -
認められなかった立候補|周庭
2018-02-22 07:00
香港の社会運動家・周庭(アグネス・チョウ)さんの連載『御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記』。3月11日の補欠選挙への出馬を表明していた周庭さんでしたが、その立候補は認められませんでした。政見の審査による出馬無効、香港人が立たされている困難について、周庭さんが語ります。
御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記第14回 認められなかった立候補
今年の3月11日、立法会の補欠選挙が行われます。本来だったら、この時期に様々な選挙活動や、公開討論、ディベートなどでわたしの予定はいっぱいになるはずでした。しかし、政権の不条理、反対意見を持つ者への心の狭さのために、わたしは立候補することができませんでした。
立候補申込書提出後の1月27日の午前、わたしは政府選挙主任から「立候補申請を認められない」という旨のメール連絡を受けました。つまり、わたしは選 -
わたしが補欠選立候補を決意するまで|周庭
2018-01-24 07:00
香港の社会運動家・周庭(アグネス・チョウ)さんの連載『御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記』。3月11日の補欠選挙への出馬を正式に表明した周庭さん。その決意をするまでには様々な葛藤がありました。(翻訳:伯川星矢)
御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記第13回 わたしが補欠選立候補を決意するまで
2018年になりました。まずは新年のご挨拶をさせていただきます。みなさん、あけましておめでとうございます。昨年の12月、わたしは今年の3月11日に行われる立法会選挙香港島区への出馬を「前向きに検討する」と発表しました。そのときから、わたしとわたしのチームは休む間もなく様々な準備活動や宣伝活動、公約の準備などを進めてきました。この原稿を書き始めた今日はすでに1月10日、あと3日で選挙出馬を発表し、正式に選挙戦へ突入することになります。
今思い返して
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