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記事 23件
  • 鷹鳥屋明 中東で一番有名な日本人 第22回 日本のゲーム産業を誘致できるか?飛び交う中東各国の思惑

    2019-09-19 07:00  
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    鷹鳥屋明さんの連載『中東で一番有名な日本人』。東京ゲームショーで存在感を増しつつある中東の国々。ドバイやアブダビは日本など海外の企業と協業するのみならず、中東のコンテンツ制作の拠点となる野心を抱いているようです。加えて今回は、9月14日にサウジアラビアの石油施設に対して行われたドローン攻撃、その政治的背景についても考察します。
    TGS、東京ゲームショーが9月12日から15日までの間、開催されました。2日間のビジネスデイと2日間のパブリックデイで構成されており、今年の2019年はビジネスデイ2日間で約7万人近く、パブリックデイは約19万人近くの、合わせて約26万人の来場者だったそうです。
    実は去年に比べて若干の落ち込みがありましたが(去年は29万人の来場)それでも盛んであり、世界中からのゲームビジネスのハブであり、世界に向けて最新情報を発信する国際展示会の規模であると言えます。 様々な国の人たちが行き交う中で、ここ最近増えている地域に中東があります。これは私のポジショントークではなく、実際中東からのお客様が増えていると同時に、中東で行われるゲーム開発だけでなく、イベントなどで日本企業と一緒に何かをやりたい、コンテンツを持ってきて欲しいという中東企業が増えている証左と言えます。
    去年はゲームショーではなくアニメジャパンで、サウジアラビアの会社がブースを出して、SNKとのコラボレーションで『キング・オブ・ファイターズ』の新作に、中東からのデザインコンテストで優勝したキャラクターが起用された内容で、実装されたものが体験できるコーナーまで設けられていました。
    ▲『キング・オブ・ファイターズ』の新作と、左にサウジ公募選抜のキャラクター
    サウジアラビアではこちらかなりのニュースとなりましたが、残念ながらそこから弾みをつけて格闘ゲームが次々と生まれる、という展開にはならず、中東キャラクターを出す『ストリートファイター』『鉄拳』の新作に圧されて話題性は埋もれてしまいました。 まだまだプロジェクトベースや企画に関してはやはり大手には勝てないですが、徐々に「委託して作らせる」という段階から「日本企業や海外企業と協力して作品を作る」を経て、そろそろ自分たちで作品を作る段階まできているのではないかと考えさせられます。 第13回の「中東に本当に廃課金ユーザーは多いのか?」の記事で書いたように、eスポーツの分野において中東が日本に向ける目は熱いものになっています。第13回の記事にも書いた2018年8月17日に調印された「日本・サウジアラビアeスポーツマッチ」は、本来なら2019年の1月に開催される予定でしたが、例のジャーナリストが色々あった某事件の影響を受けてこちらは延期となり、未だ開催されておりませんし、なかなか進む気配もなさそうです。 日本との交流は上記理由により一度なくなってしまいましたが、だからといって交流がゼロになったわけではなく、ゲーム人口が人口比率の中でなかなか高い中東産油国諸国のゲーマーの方々は、かなりの腕前を持っています。『FIFA2018』の優勝者は当時18歳のサウジアラビア人、モサード・アルドラーシ氏でした。eスポーツ関連のイベントは中東全域で大規模、小規模を含めて毎年様々な場所で開催されています。今回の東京ゲームショーにもサウジアラビア政府、バーレーン政府、バーレーン商工会議所、アラブ首長国連邦ドバイ首長国、エジプトなどなどの中東諸国から東京ゲームショーへの視察、参加が多くありました。
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  • 鷹鳥屋明 中東で一番有名な日本人 第21回 G20サミットと中東SNS世論形成

    2019-08-20 07:00  
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    鷹鳥屋明さんの連載『中東で一番有名な日本人』。今回はサウジアラビアからのレポートです。6月に大阪で開かれたG20。サウジアラビアからは、次期国王と噂されるムハンマド皇太子が出席していましたが、2018年にトルコのサウジアラビア総領事館で起きた事件への関与疑惑を日本のメディアが報じたことで、SNSでは大規模なイメージアップ作成が展開されました。
    【告知】▲今週末の8月24日(土)、鷹鳥屋明さんが出演するイベントが行われます。学生は無料。PLANETS CLUB会員には割引があります(詳細はfacebookグループの掲示板ご参照のこと)。ぜひご来場ください!
    G20の裏にあったプロモーション合戦
    少し前のお話になりますが、この6月に雨の降る中、大阪で2019年G20が行われました。中東からはサウジアラビア王国、トルコが参加、招待国の中にはアフリカ連合の代表としてエジプトが参加していました。その中でも次回の2020年11月に行われるG20の議長国となるサウジアラビア王国は写真撮影の席次や、今回のイベント全体での立ち位置などを含めて総合的な印象ではかなりの厚遇を受けているようでした。そしてこの厚遇を受けてメディアやいろんな場所で登場した要人はサウジアラビア王国の次期国王と噂されるムハンマド・ビン・サルマン皇太子殿下でした。
    ▲来日したサウジアラビア皇太子
    さて、この皇太子殿下の来日に合わせて、G20のメディア報道にピックアップされる際に日本のメディアの報道の仕方にかなり偏りが出てきました。かなり意図的なものと思われますが、今回ムハンマド皇太子が各テレビ局のテレビ画面に出る際にテロップや放送内容で出てきたものが「33歳の若さで国内の権力をほぼ掌握、ジャーナリスト殺害事件関与の疑いも」「サウジの皇太子ジャーナリスト暗殺に疑いが?」や「若くして権力掌握を成しえた次期国王」などの全体的にポジティブとは言えない内容がほとんどでした。
    ▲G20サミット、一同勢ぞろいの写真。真ん中に安倍総理、すぐ右手に次回議長国のサウジアラビア■PLANETSチャンネルの月額会員になると…・入会月以降の記事を読むことができるようになります。・PLANETSチャンネルの生放送や動画アーカイブが視聴できます。
     
  • 鷹鳥屋明 中東で一番有名な日本人 第20回 観光地化するサウジ、巡礼だけではなく

    2019-07-03 07:00  
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    鷹鳥屋明さんの連載『中東で一番有名な日本人』。今回はサウジアラビアからのレポートです。同国では近年、女性の社会進出や文化開放が進み、観光ビジネスやアート事業が目覚ましい発展を遂げています。鷹鳥屋さんがサウジ滞在中に発生した空港テロと、ホルムズ海峡でのタンカー襲撃事件の現地報道についても語ります。
    改革開放が進むサウジとアラブ首長国連邦の今後の優位性
    先週、サウジアラビア、アラブ首長国連邦とオマーンに出張した際に、様々な都市を定点観測しているのですが、一時期大きな話題になっていたサウジアラビアのリヤドの街中で女性ドライバーを多く見かけるようになりましたし、女性が女友達だけで夜に遊びに出歩くことも多くなりました。サウジアラビアの方々に聞いてみても大変良い流れである、という人もいれば、時代の流れと割り切る人もいれば、やはりこの流れをあまりよく思わない層もいるようです。ただ若年層の多くはやはりこの動きを広く支持しているようです。

    ▲リヤドのモール内を髪を出して歩く西洋人女性
    さらに男女別の席ではありつつも、野外のイベントにて仮設テントなど野外のドームで音楽演奏を楽しむというイベントも行われるようになっておりました。 数年前では考えられなかった様子が日常的になりつつあることに外国人である我々だけではなく、アラブ人の方々でもここ最近大きく変わったなぁという認識があるようです。

    ▲サウジ、リヤドにて野外のドーム音楽イベントを楽しむサウジ男女
    さて、ここで問題になるのは、サウジアラビアの改革開放が進むと元々中東諸国の中で人の流れと貿易に対して寛容でハブとして機能していたアラブ首長国連邦のドバイのような都市の優位性が低下してしまいます。かつてこのような野外イベントや映像、音楽、ゲームイベントは多くがドバイやアブダビ、クウェートなどで行われていました。そのため多くのサウジ人が、それも数千人、時には万単位でイベントに参加をしておりましたが、サウジアラビアの国内各都市で行われている類似のイベントにそれらの多くが吸収されているという現象が起きています。実際記事で何度か取り上げたドバイコミコンの来場者数が年々減少しており、代わりにサウジコミコン、コミコン・アラビアや各種アニメ、ゲームイベント、映画館の上映に伴うイベントなどが次々とサウジアラビアのエンターテイメント庁(通称、娯楽庁)主導で行われています。今までこれらイベントの多くがサウジアラビア外部の国々で行われており、それらイベントに伴う各種売上などの海外に落ちていた分がサウジアラビア国内で消費されるように誘導していると言えます。

    ▲サウジアラビアのゲームセンターで遊ぶ若者たち

    ▲「サウジを世界有数のエンタメの中心とする」、と語る娯楽庁トルキー長官(©SPA)
     
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  • 鷹鳥屋明「中東で一番有名な日本人」第19回 ところ変われば化粧変わる、中東コスメ展示会

    2019-05-16 07:00  
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    鷹鳥屋明さんの連載『中東で一番有名な日本人』。今回は中東のコスメ事情のレポートです。女性の美しくありたいという思いは万国共通。顔の大部分を隠すイスラムの女性も、目元を中心におしゃれには余念がないようです。中東で人気のつけまつげやネイル、さらに日本や中国、韓国の化粧品の評判について報告します
    慎ましく、でももっと美しく
    日本も中東もそろそろ春から夏の陽気を感じる季節になってきました。これから中東は気温が上がり、30度を超える日が増えてきます。こう暑くなるとそろそろ紫外線の心配をする季節になってきたとも言えます。日本よりも紫外線量の多い中東はお肌のケアも欠かせないですが、今回はビューティーワールド・ドバイを通じて現地の「お化粧事情」をご報告致します。
    ▲ビューティーワールド・ドバイ入り口
    ビューティーワールドは世界各国で行われている化粧品、ネイル、美容機器、ヘア、スパなど美容に関わるものの最新の製品、サービスを見ることができる美容系の総合見本市です。ドバイでは2019年4月15日〜17日の間に、日本でも2019年は5月13日〜19日の間に東京ビックサイトで開催されています。ドバイでは3日間の間におおよそ約2000社、3〜4万人の来場があるイベントです。
    ▲ビューティーワールド・ドバイ会場内
    会場では化粧品の香りだけでなく、様々な香りをつけたボディケア製品、オーガニック石鹸の香り、アラブでは多くの人が身につける香水の特設ブースから漂う独特の香り、スパゾーンから漂う香り、ヘアケア製品の香りなど男性の私からすると、日頃慣れない多くの香りに包まれて鼻が混乱していました。有名なブランドの新作発表や宣伝広告だけではなく、化粧品原料、OEM生産、製造装置、測定装置など幅広い分野の広告や展示品が並んでいました。
    ▲スパゾーンの実物を試すバイヤー、来場者
    ▲メイクアップ実演とメイクアップ後のモデルの女性たち
    ▲ヘアサロンのテクニック講習まで行われていました
    所変われば化粧も変わる
    日本で美容、ケアに関して最初にイメージするのは「お肌」と考える方が多いかもしれません。それに対してアラブの女性は化粧をする際にどこに一番力を入れるのかと聞かれれば多くの人は「目」であると答えるでしょう。そして二番目は「手元」(爪とも)ではないかと考えられます。 これはアラブの女性の多くが顔をヴェールで(正確にはヒジャブやニカブ)隠しているため露出の機会が一番多い部分が「目」のゾーンであるためです。そして日常生活の中でどうしても晒すことになる部分に手元があります。アラブの伝統的な装飾であるヘナ(ヘンナとも言います)はまさに中東〜南アジアにおける手の装飾の代表と言えます。 そんな伝統を証明するかのように会場の中ではムガル帝国時代創業のアイケア製品の会社もブースを構えており、伝統的な製品だけでなく新しいラインナップを揃えていました。
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  • 鷹鳥屋明「中東で一番有名な日本人」第18回 断交後のそれぞれの国〜牛乳とパトリオットミサイル〜

    2019-04-16 07:00  
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    鷹鳥屋明さんの連載『中東で一番有名な日本人』。前半は断交後のカタール国内の様子です。現在、中東5カ国との交流を断っているカタールですが、トルコなどの支援と自国産業の育成により、物資は充分に供給されている様子です。後半は中東の武器見本市「IDEX」と最新の武器輸出状況から、中東諸国の軍事的パワーバランスを読み解きます。
    断行後に勃興するカタール地場企業
    第2回(参照)、第10回(参照)の記事でサウジアラビア、アラブ首長国連邦とカタールの断交について書かせていただきました。 私も所用があり断交後のカタールを久しぶりに訪問致しました。その中で第2回目の表紙写真を飾ったネオジオを楽しんでいたカタールのオタクや、カタールの友人たちと断行前後の様子を聞いたり、生活の変化について聞いたりしました。景気という点では断交の影響を受けた物資の高騰が考えられますが、政府の支援が入るので庶民の生活には大きな影響がない様子でした。
    ▲カタール内にあるSPARのスーパーマーケット
    スーパーマーケット内にあるものの多くは主にオマーン産、トルコ産やイラン産などが目立つようになりました。それと同時に自国の産業の育成に力を注いだ結果か自国産、カタール産のラインナップが増えました。
    ▲国交を持つ国々から輸入されたフルーツや果物が並べられている。
    ▲前回取り上げた雪見だいふくも大型になりました。日本円で約1000円
    ▲カタール産のトウフ約300円、左横にあるのはSHIMEJI約450円
    ▲DOHAマークのロゴが入るカタール産の鶏肉
    そして連載第10回には、ヨーロッパからの乳牛の大輸送とカタール自国の乳製品ブランドの確立について書きましたが、この約1年の間にカタールブランド「BALADNA」の躍進は目覚ましいものがありました。
    ▲「BALADNA」のショップに並ぶカタール乳製品の数々。カフェも絶品
    ▲各スーパーマーケットで陳列されている「BALADNA」の牛乳。政府補助もあり安価。
    また、カタール産ブランドには前述の「BALADNA」だけではなく「DANDY」「RAWA」という名前のブランドもあります。いろいろな販売店でそれぞれのブランドが切磋琢磨している印象がありました。サウジやアラブ首長国連邦との断交後、確保が難しかった乳製品はこの2年の間に育成され、カタール国内の乳製品の供給を充分にこなしていると言えます。
    ▲カタールへ乳製品を供給する「BALADNA」のトラック
    ▲各スーパーマーケットに並ぶヨーグルト(1kg 180円)BALADNAとDANDY
    また乳製品だけではなく、スーパーマーケットの中でカタール産の靴下を見つけました。湾岸諸国のほとんどの国で、繊維系の商品はエジプト産やインド産が多いですが、湾岸諸国の中で作られるケースは珍しく、政府補助を強く受けているとは言え、食品だけではない様々な製品の自国産育成を目指すカタールの姿勢を強く感じました。断交はまだまだ長く続くが、カタールはなかなかしぶとく生き残るのではないか、と感じるカタールのレポートでした。
    ▲カタール産の靴下、4足セットで700〜800円
    アラブ首長国連邦武器見本市「IDEX」
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  • 鷹鳥屋明「中東で一番有名な日本人」第17回「YUZU」は中東にどれだけ響くのか?

    2019-03-19 07:00  
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    鷹鳥屋明さんの連載『中東で一番有名な日本人』。以前も取り上げた中東最大の食の見本市・ガルフードですが、今年は日本食の中でも「お茶」や「柚子」が特にプッシュされ、香りにうるさい中東の人々も興味津々だった模様。後半は、断交中のカタールとUAEが準決勝で激突したAFCアジアカップのスタジアムの様子を報告します。
    食の見本市「ガルフード」の今年の見どころ
    第11回の記事「中東で日本食はどれだけ通用するのだろうか?」においてドバイのガルフードについての記事を書きました。この2月に行われたガルフードについて、再度レポートすると共に、中東現地で活躍しようとする日本企業や日本の製品についてもお知らせいたします。
    ▲ガルフード2019年の会場
    今年の中東の食品・飲料見本市のガルフードは去年と同じく大盛況でした。このイベントでは2019年の2月17日から21日までの5日間の間行われます。出展者は約4000社近くで来場者数は10万人近くのイベントです。 去年と比べて驚いたことに、変な気づきとも言えますがコンパニオン女性の露出の高さがあります。ドバイは他の湾岸諸国に比べて色々と規律がオープンな環境と言えますが、それに拍車がかかってきた印象があります。 一例としては、ヨーロッパの乳製品の会社のコンパニオンの、「MILK RICH」というTシャツを着た、乳製品を扱うにふさわしいお姉様達の存在があります。このブースはかなり人気で、ヨーロッパの乳製品に興味があるのかないのかわかりませんが、多くの人、多くの男性が集まっていました。
    ▲「MILK RICH」のTシャツを着込んだお姉様たちが乳製品を紹介してくれます。
    食品とは関係ないですが、このような露出度が高いコンパニオンが許されるようになったことはかなり驚きで、今後このような流れがどんどん拡大していくのか、あるいは規制されていくのか気になるところです。コミコンなどのコスプレに関しての規制も、露出が高いものに関しては今では許されていますが、今後どのようになるか同じく興味深いです。
    さて、話を食品に戻すと、日本でも最近力を入れている和牛の輸出ですが、オーストラリア産の和牛すなわち「WAGYU」が展開されていました。中東の高級店ホテルやレストランでも、日本産の和牛ではなく、オーストラリア産のWAGYUを多く見ることができます。昨今のニュースでもあるように、日本の品種改良された和牛は世界各国から狙われていると言えます。日本の和牛は中東ではまだまだ展開しておらず、展開する前にオーストラリア産や中国産などに市場を蹂躙される可能性が高いと言えます。それに対して日本産がどのように戦うべきなのか、今後の課題とも言えるかと思います。
    ▲アンガスビーフと共にWAGYUを扱うオーストラリアの業者のブース
    また飲料においては近年、中東の大きな動きでもある健康税とも言うべき清涼飲料水に対する税金の付加があります。宗教上の理由でお酒が浸透しない代わりに、コーヒーやエナジードリンクなどカフェインが多い飲料を飲むことが多い中東において、エナジードリンクは数多くのバリエーションが出ています。世界各国のエネジードリンクが現地のマーケットに自社製品を浸透させようとプロモーションに余念がありません。様々な味や高カフェイン、パッケージなどで差別化の努力を行なっている様子でした。
    ▲「emoji」と言う名前のドイツのエナジードリンクとカザフスタンのお姉さん
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  • 鷹鳥屋明「中東で一番有名な日本人」第1回 中東で一番有名な日本人?(PLANETSアーカイブス)

    2019-03-15 07:00  
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    今朝のPLANETSアーカイブスは、「中東で一番有名な日本人」とも言われる鷹鳥屋明さんの連載の第1回です。サウジアラビアのサルマン国王に関する報道でテレビ出演をしていた鷹鳥屋さんは、日本での偏った報道について憤りを感じていました。中東やアラブに造詣の深い鷹鳥屋さんの視点から、中東のイメージと現実のギャップについて語っていただきました。 ※この記事は2017年5月16日に配信した記事の再配信です
    【告知】 鷹鳥屋明さんが、3月18日(月)に開催されるオンラインサロン・PLANETS CLUBの第13回定例会で、ゲストとして登壇されます。イベントチケットはこちらで販売中。PLANETS CLUB会員以外のお客様も購入可能です。ご参加お待ちしております!
    中東で一番有名な日本人?

    ▲バーレーン、マナマの友人の結婚式にて
    はじめまして、鷹鳥屋明(たかとりや あきら)です。現在日本と中東を繋ぐベンチャー企業で商品企画の仕事をする傍ら、日本文化や日本のポップカルチャーを中東全域に広める活動を個人で行っております。「中東で一番有名な日本人」という少し大げさなタイトルにはなっておりますが、上記活動を継続し私人として中東各国の日本のことに興味がある、日本に興味があるアラブ人の方々はだいたい知っている、現地中東大手メディアに出演を繰り返し、InstagramやTwitterでフォロワーの合計がアラブ地域で合計9万人くらいまでになり、Like数も250万を超える、くらいに知名度を上げることができました。

    ▲サウジアラビア、キングダムタワーにて講演私自身、中東・アラブという地域に触れてまだ6年程度で多くの諸先輩方を差し置いて色々お話することは大変おこがましいですが、この常時何万人ものアラブの方々からの繋がりから集めた情報や現地の人たちの意見などを交え、日本から離れており知り得る機会が少ないこの中東地域について、私自身が学んだことや感じたこと、知り得たことを皆様に共有し、少しでも正確な情報をご提供できればと思います。このような機会を与えてくださったPLANETSの方々に感謝致します。
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  • 鷹鳥屋明「中東で一番有名な日本人」第16回 日本の書籍はどこへいったのか?世界3番目のブックフェアにて(後編)

    2019-02-07 07:00  
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    鷹鳥屋明さんの連載『中東で一番有名な日本人』。前編に引き続き、中東最大の本の見本市「シャルジャ・ブックフェア」のレポートです。子供向けの絵本や知育玩具では、イスラム文化圏らしくムハンマドやコーランを題材にしたグッズが充実。「忍者」や「和食」など、日本文化を紹介するワークショップは、現地の人々に大人気だったようです。
    アラブ世界ならではと言える知育・玩具紹介
    前編でお話したシャルジャ・ブックフェア、残念ながら日本の書籍をほとんど見ることができない(一部有志による出版社の出店を除く)今回の書籍イベントですが、この日本から遠い場所で開催されているこの会場では日本人である我々にあまり馴染みのない珍しい品々を見ることができます。
    ▲シャルジャ・ブックフェア内、学生と教師で溢れる様子
    現在、アラブ諸国の人口ピラミッドは末広がりの構造になっており若年層が厚くなっております。そのためその若年層向けの書籍や商品の比率がとても高いと言えます。大量の絵本や漫画の類が若年層向けに展開されているのは当然と言えますが、その中でも日本の絵柄やデザインをコピーしたものを垣間見ることができます。
    ▲日本の漫画の影響を少し受けたようなUAE現地の漫画作品
    さらに中東のご当地ならでは、と言えるグッズがあり我々日本人にはなかなか珍しいものが多く、見応えがあると言えます。
    ▲シリアの出版社によるアラビア語・知育グッズコーナー
    書籍だけではなく子供達が楽しく学べるような工夫を凝らした作品は特に見応えがあります。学校教育系の工夫を凝らした知育グッズはいくつかありますが、そこは日本やヨーロッパと大きな差はありません。ですが、大きな違いは若年層向けの宗教教育にあると考えられます。それらをピックアップしてみましょう。 私のオススメはお人形の「タリアちゃん」。左手にあるボタンを押すとイスラームの聖句を唱えるというお人形遊びと宗教教育を両立させた人形です。
    ▲聖句おしゃべり人形タリアちゃんとその笑顔
    このタリアちゃん、左手のボタンを押すと女性の声でクルアーンの聖句を奏でます。また「聖なる玩具」という点では預言者ムハンマドの一生を辿る双六(すごろく)もありました。このゲームもなかなか手が込んでおり面白いのが、聖地各地を巡る中でコマの中にイスラームの教えが書かれていたり、物語を進めるにあたり必要な服やテント、巡礼用の道具などを買わないといけなかったり、となかなか実際の生活に即した内容になっています。どちらかというと双六というより人生ゲームと言った方が近いかもしれないですが。
    ▲左、預言者ムハンマドの生涯を辿る双六(人生ゲーム)
    このように宗教関連の児童教育本はかなり充実しており本だけでなく玩具の類も多くあります。子供のうちからイスラームとして模範的な生活とはなんなのか、を学ぶツールのバリエーションの多さを感じます。
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  • 鷹鳥屋明「中東で一番有名な日本人」第15回 日本の書籍はどこへいったのか?世界3番目のブックフェアにて(前編)

    2018-12-06 07:00  
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    鷹鳥屋明さんの連載『中東で一番有名な日本人』。アラブ首長国連邦で行われるシャルジャ・ブックフェアは、約200万人が訪れる、世界第三位の規模を誇るブックフェアです。今回は日本がホスト国として招かれましたが、日本の出版文化を広く知らしめるような展示は難しかったようです。
    大規模書籍見本市、シャルジャ・ブックフェアとは?
    皆様は「ブックフェア」というイベントをご存知でしょうか? 出版物の催事セールや展示会のことで、本や書籍の見本市と言えるイベントです。主に出版関係者のためのイベントではありますが、本のバーゲンセールも行われるため、一般の方々が本を買いに来るイベントでもあります。 この本の見本市で、世界最大の規模と言われているのがドイツのフランクフルト・ブックフェアになります。こちらのイベントは5日間、7500社近く展示と28万人の来場者数を誇るイベントになります。それに対して中東において有名なのが、エジプトのカイロ・ブックフェアと、アラブ首長国連邦で行われるシャルジャ・ブックフェアになります。シャルジャという国には馴染みがないかもしれませんが、シャルジャ(シャールジャ)首長国はドバイの北にあるアラブ首長国連邦を構成する首長国の一つで、ドバイのベットタウンとして有名な街です。シャルジャのトップであるスルタン3世首長は学術、文化関連へ注力しており、スルタン3世自身もシャルジャの大学の学長を兼ねているなど、力の入れようを感じられます。
    ▲ドバイの北にあるシャルジャ首長国。東京をドバイとするならシャルジャは埼玉のようなポジション
    ▲ブックフェア初日にご来場されたシャルジャ首長のスルタン3世
    さてこのシャルジャ国際ブックフェアですが、その規模はかなり大きく、近年カイロ・ブックフェアが行われていないこともあり、世界第3位、中東最大規模のブックフェアと呼ぶに相応しい規模になっています。イベントは11月上旬の11日間で、世界77カ国から出版社は1874社、来場者数は238万人と大変大きな規模になっております。この238万人という数字は、入場無料、期間の長さ、再入場カウント、周辺首長国から小学校から高校生までを動員しているといった背景から、これだけの数になっていると考えられます。 現在、このシャルジャに続いて他の首長国、アブダビやアルアインなどもブックフェアを行なっていますが、1982年から継続してブックフェアを行なっているシャルジャには、まだまだ規模と認知度は及ばないのが現状です。
    ▲多くの人が訪れるシャルジャ国際ブックフェアの様子
    名誉招待国、日本がホスト国に任命された2018年
    日本と距離が離れていることや、英語ではなくアラビア語というある種特殊な言語圏で、日本の書籍はほとんど翻訳されていないといった様々な要因があるためか、このシャルジャ国際ブックフェアは残念ながら日本ではほとんど認知されていません。さらに前述のフランクフルト・ブックフェアと時期が被ることから、参加を敬遠されてきたという事情もあります。世界において出版大国の一つである日本ですが、これまではほとんど参加できていなかったのが実情でした。 しかし今年は少々様相が変わり、日本も無関係ではなくなりました。2018年は日本が名誉招待国として招待されることになったからです。去年の名誉招待国は大英帝国イギリスでした。招待されたイギリスは広告会社ブリテッシュ・カウンシルと連携し、多くのイベントを行いました。招待された人々も、英国版ヴォーグ誌前編集長のアレクサンドラ・シュールマン氏、英王室伝記作家のクラウディア・ジョセフ氏、英国人ジャーナリストのサーフラズ・マンズール氏、作家のニール・ムカージー氏、ロンドンブックフェア総責任者のジャック・トーマス氏など、現地や周辺諸国において高名な方々が出席しました。ホスト国であるイギリスはアラブ湾岸諸国に数百万人規模のインド人が住んでいることを把握しており、その層を狙ったイギリス系インド人の作家を招聘したところが見事でした。 さて、今回の日本ですが、シャルジャ政府側が日本を選んだ理由としては、文化や社会の進歩に重要な書籍を展開し、世界的に文化的成果をもたらしている点を評価したためです。中東地域においても三島由紀夫、村上春樹、カズオ・イシグロなどの著名な日本人小説家の作品がアラビア語訳されており、文化分野の育成につながっているというコメントがなされています。 ですが、いざ開催されたシャルジャ国際ブックフェア、不思議なことに今年のオープニングセレモニーで名誉招待国である日本について言及されることはほとんどありませんでした。また日本の総領事の講演や登壇もありませんでした。
    ▲オープニングセレモニー会場、名誉招待国の日本について高官からコメント無し
    これは不思議なことです。今までテーマ国に選ばれた国がこのような対応を受けることはありませんでした。これはなぜでしょうか。その原因を知るためには、この200万人以上が来るイベントで、在ドバイの日本領事館がどのようなパビリオンを展開したのか、という点がそれを解く鍵になるかと思います。
    日本の書籍はどこへいった?日本の文学は鯉とケーキと乳酸菌飲料?
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  • 鷹鳥屋明「中東で一番有名な日本人」第14回 日本のホンモノはどこにあるのか?――深刻化する版権無視商品と日本の正規品の所在

    2018-10-09 07:00  
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    鷹鳥屋明さんの連載『中東で一番有名な日本人』。今回は、中東で広がる“偽”日本産商品についてです。日本で人気のチーズケーキは、中東にも進出していますが、そっくりな商品が現地企業で作られていたり、日本のオタクグッズの非正規コピー品が大量に流通していたり……。その背景には、日本のライセンス権利者の動きの悪さもあるようです。
    「プルプルのチーズケーキ」戦争
     日本のスイーツは世界のどこでも人気、それは中東の方々が相手でも例外ではありません。  夏休みや秋休みの時期に来日したアラブ人は日本で食べられる甘味の数々を堪能しており、中東の有名人たちが拡散することでその商品は益々有名になります。この中東で有名になった日本製の甘味の数々を、ぜひ自分たちの国でも食べたい、展開したいという声が多くあります。  その声にしっかり答えている日本企業も存在しており、例えば鳥取の寿スピリッツという会社のブランドでアラブ首長国連邦で10店舗近く展開している「YAMANOTE ATELIER」という日本式のパン屋さんは、かの有名なドバイモールの中に店舗を持ち、アラブ人だけでなく世界中の観光客に広く受け入れられています。商品のレベルも高く、今後王道の日本式のパン屋として益々の展開が期待されるブランドです。
    ▲YAMANOTE店舗の写真 多くの女性が日本式パンと共にカフェを楽しんでいる
     このように日本式のパンや甘味も徐々に進出している中で、最近特に目立つものに「プルプルのチーズケーキ」があります。日本でも人気のチーズケーキの「りくろーおじさんのチーズケーキ」「てつおじさんのチーズケーキ」などのブランドをご存知の方もいるのではないでしょうか?  これらのケーキのブランドは今世界中でも大人気で、もちろんアラブ地域においてもその人気は例外ではありません。アラブ人の観光客の人たちが、「りくろーおじさんのチーズケーキ」は大阪周辺だけで売られていることを知らずに東京に来て、『都内のどこに「りくろーおじさん」のお店はあるのか?』という問いかけを過去に私も何度かされたことがあります。  実際に海外進出の引き合いがあるこれらチーズケーキの中で、「てつおじさんのチーズケーキ」は「UNCLE・TETSU」の名前で、サウジアラビア、クウェート、オマーン、カタール、バーレーン、UAE(アラブ首長国連邦)など幅広く展開しています。
    *ポイントなのは通常のチーズケーキや濃厚なチーズケーキではなく「プルプル」であるということですので、この後「プルプル」という言葉が多用されることご容赦ください。
    ▲サウジアラビアのダンマームにあるショッピングモール内の「てつおじさんのチーズケーキ」店舗
    ▲湾岸アラブ諸国で展開する「てつおじさんのチーズケーキ」
    ▲チーズケーキの現地価格は通常版は約900円、チョコレート入り960円
     私もサウジアラビアの店舗を訪問し食べたことがありますが、味は日本で食べたものとは変わらず美味しくいただけました。ですが、全ての企業が進出しているわけではなく、その穴埋めは現地ブランドにより補填されていると言えます。
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