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  • ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 vol.003 ☆ 「未来を変えたい若い人ができること - 鈴木寛×平将明×堀潤×宇野常寛が大隈講堂で話し合った"新しい民主主義のカタチ"」

    2014-02-05 07:00  

    未来を変えたい若い人ができること
    鈴木寛×平将明×堀潤×宇野常寛が
    大隈講堂で話し合った
    "新しい民主主義のカタチ"

    ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 ☆
    2014.2.5 vol.003
    http://wakusei2nd.com


    ★★☆宇野占い☆★★

    全身に力がみなぎり、何をやってもうまく行きそうな一日。この勢いを殺さないためにも、若手評論家と与党幹部の対談本あたりを読んで意識を高めておくとパーフェクト。『こんな日本をつくりたい』(石破茂, 宇野常寛・2013)http://www.amazon.co.jp/dp/4778313259
    ラッキー三国志武将:司馬懿

    昨年、大隈講堂で語り合われた「新しい民主主義のカタチ」。
    インターネット時代における政治参加のあり方を選挙に留まらず多彩な視点から話し合いました。
    1月から3回に分けて連載してきた書き起こし記事の完結編です。
    (※ 講演をもとに登壇者が手を加えて再構成しています)
    ▼ 講演会の内容はこちらから試聴できます。
    前編
    http://www.nicovideo.jp/watch/1387691973
    後編
    http://www.nicovideo.jp/watch/1387692182
     
    ▼ 前回までの内容はこちらから読めます。(先月より継続入会の方のみ限定で読むことができます)
    第1回
    http://ch.nicovideo.jp/wakusei2nd/blomaga/ar441687
    第2回
    http://ch.nicovideo.jp/wakusei2nd/blomaga/ar446070
     
     

    最終回:未来を変えたい若い人ができること
     
    ■ どうロビー活動をするべきか
     
    堀 時間も迫ってきましたので会場からの質疑応答の時間に入りたいと思うんですけれども、まず「これを平さんに聞きたい!」「すずかんさんに聞きたい!」「宇野さんに聞きたい!」というものがあれば、ぜひ。
    じゃあ、一番前の列の白いシャツを着た彼が一番早かったです。お願いします。
    質問者1 明治大学の大学院に通っております、石井と申します。実は堀潤さんと鈴木寛先生にはお会いしたことがあります。平将明先生はずっとファンで、5回くらい色んな講演会を見せて頂きました。この前「ファンなんです」といって平先生のところに行ったら嬉しそうに名刺をくださいました(笑)。
    「こどもの城 青山劇場」というものがありまして、厚生労働省の管轄で27年間運営されていたのですが、これが突然「もう老朽化したから閉館します」という話になったのです。まだ27年しか経っていないのに老朽化というのも変な話なのですが、実はその前に建設会社から「今後ずっと使っていくのなら、向こう10年以内に大規模改修をした方がいい」と報告書が出されているのですね。しかし、なぜか役所では、老朽化したので「壊します」となった。
    堀 具体的な質問をぜひ。
    質問者1 実はその中で、「新しい民主主義のカタチ」にちょっと被るかなと思うことがあるんです。
    街頭に立って演説みたいなことをしながら街頭署名を集めたり、あるいは各界の保育の専門の先生や建築家の先生に会ったりして、色んな情報をまとめてインターネットから再発信することをやっているんです。じわじわと支持は伸びているんですよ。
    ただ、やっぱり最終的には政治の判断になるので、国会への陳情活動をずっとやっています。そこでお伺いしたいのですが、どうしたらロビー活動で政治家を動かしていけるのでしょうか? 陳情は全部通じないんですよ。よく話を聞いてくださるのは、野党系のいろんな話を聞いてくださる方です。
    堀 福島みずほさんとか、よく聞いてくれますよね。ただ、それが本当に実行されるのかと。
    質問者1 実行されないんです。一方で、与党の方々はお忙しいので会えない。
    堀 つまり、こういう現場での色んな市民運動を政治の場に持ち込んで陳情したときに、よりそうした声がきちんと実行されるような新しい仕組みについてどういう方向性があるのか、ということですね。
     
  • 【第2回】代議制民主主義の危機とネットによるテーマコミュニティ再編 - 鈴木寛×平将明×堀潤×宇野常寛が大隈講堂で話し合った「新しい民主主義のカタチ」

    2014-01-27 11:38  

    早稲田大学公認学生団体鵬志会の後期講演会で2013年12月22日に行われた、大隈講堂でのシンポジウム「新しい民主主義のカタチ ―僕らは政治を変えることができるのか―」の書き起こしの特別配信です。ネット選挙解禁で見えてきた、インターネットと政治をめぐる新しい問題――。このシンポジウムでは、2013年の参院選で東京都選挙区から立候補した鈴木寛氏らを迎えて、今後の民主主義について熱く議論を交わしました。2013年の参院選をめぐる反省に始まり、民主主義の根幹をなすコミュニティが今後どうあるべきかにまで及んだ熱い議論が展開されました。今回は、その3回に分けた配信の第2回です。■出演者
    ・鈴木寛氏(元文部科学副大臣)
    ・平将明氏(自由民主党衆議院議員)
    ・堀潤氏(市民ニュースサイト「8bitNews」代表)
    ・宇野常寛氏(評論家/「PLANETS」編集長)

    ▼ 前回の配信はこちらから読むことができます。http://ch.nicovideo.jp/wakusei2nd/blomaga/ar441687第2回:代議制民主主義の危機に際して

    ■ インターネットの「世間」とどう向き合うか
    堀 今回、早稲田大学の大隈講堂での講演ということで、ご覧いただいたらわかるように若者たちも結構たくさん来ています。若者の投票率がなかなか上がってこないのですが、そこに若者たちが入ってくればですね、固定層から無党派層の取り込みというか、そうした今まで動いてこなかった票が動く。2%でも動くと、なにかが変わる。実際、民主党政権が誕生したあの時には、若者の投票率が跳ね上がって、政権交代が起きていったわけですよね。ところが、あの痛手を僕らは二度と見たくないという無力感もあって、「別に政治はさ」という声も出てきた。
    そこで逆に、若者たちの投票行動というか、政治参加を促していくにはどのようなことをやっていく必要があるのかということを、ぜひお伺いしたいんです。
    宇野 その前に聞いてみたいのが、若者って本当に鍵なのかなということです。ちょっと疑似問題のような気がしませんか。若者が選挙に行けばもっと違った結果が生まれるんだ、というのは幻想だと思う。
    実際のところは東京においては、無党派層がすごく多いので、今までの選挙とは違うルールで動いている。参議院や東京の選挙区だと中途半端にネット選挙とかを解禁すると、今回みたいな恐ろしいことが起こってしまうということくらいしか言えないと思うんですよね。
    僕の考えでは、これから若者層を中心に政治を変えるのなら、もっとほかのシナリオを構想した方がいい。
    たとえば社民連とか新自由クラブの人たちは、都市部のインテリの無党派層を組織化しようと、この数十年すごく頑張っていたわけですよね。しかし彼らは、それに失敗し続けて、あれくらいの勢力にとどまってしまった。でも、ライフスタイルがかなり変わってきた今だったら、もしかしたら新自由クラブや社民連ができなかった都市のリベラルなインテリ層の組織化を、インターネットを使ってある程度できないか、と思うんです。
    そういうことを一回考えてから選挙に望むべきだと思うんですよ。つまり、ふわふわ浮ついている無党派層をね、メディアを使って頼るというのでは、炎上マーケティングしかなくなっちゃうんですよ。これを打開するには、本来ダマになっていない都市部の富裕層、浮動票の持ち主、無党派層というのをいかに組織化するのかということを考えるべきだと思うんですよね。
    そのときに例えばキーワードになるのが、ライフスタイルの違いだったりすると思うんですよ。例えば、民主党って、つまずいた原因の一つが明らかに連合問題なわけじゃないですか。「自民党と違って私たちはリベラルです、弱者に優しい社会を自民党よりはちゃんと作ります」と一応は言う。でも、バックに連合がいて、男性大手企業正社員の、既得権益保護団体がバックについていて信用できるのかと、当然みんな思うわけですよ。
    実際のところ、本当に民主党の、しかも東京とかに地盤を持ってる人がやるべきことは、そうじゃないと思う。戦後的なサラリーマン家庭のライフスタイルから離れてしまった、新しい日本人たち、おそらくさっきすずかんさんが仰ったような、本とネットで生きていて、テレビを見ない人たちを、どう組織化するのかを考えた方がいいと思うんです。
    そもそも、ネット、ネットとは言うけれど、やっぱりメディアとしての「煽り力」で挑戦するとテレビには勝てないし、成功したとしても、もう一個のテレビになるだけなんですよ。そうじゃなくて、地域を超えて人を結びつける力だったり、意識的に人々が発信できる側面を上手く使って、本来組織化できない人たちをどう組織化するかを、僕は考えるべきだと思うんですよね。
    平 やっぱりね、「ちょっと最近のマスコミおかしいだろうな」という人がいる。そういう人が、玉石混淆だけども、ネットにもそれなりにクオリティの高いものをみつけると、そこから情報を入手できると思うんですよね。だから、インテリ層の組織化はできないけれども、言い方は悪いけれども、実はインテリ層とアクセスするリスト化みたいなものは、ネットのツールを使えばできる。そのくらいのことになると、ネットがなければ逆にできなかった。
    民主党が組合に頼るのも、自民党があらゆる団体に頼るのも、ネットがなかったからですね。その組織の下に色んなメンバーがいる人たちを、押さえる必要があったわけですね。でも、自民党にしても民主党にしても、伝統的な支持層はどんどん縮小していて、その代わりに無党派というニューマーケットのシェアがどんどん大きくなっていた。ここにアクセスする方法を我々は持っていなかったところに、インターネットが出てきた。 
  • 【第1回】炎上マーケが威力をふるった参院選2013 - 鈴木寛×平将明×堀潤×宇野常寛が大隈講堂で話し合った「新しい民主主義のカタチ」

    2014-01-21 13:45  

    早稲田大学公認学生団体鵬志会の後期講演会で2013年12月22日に行われた、大隈講堂でのシンポジウム「新しい民主主義のカタチ ―僕らは政治を変えることができるのか―」の書き起こしを、今週から特別配信いたします。ネット選挙解禁で見えてきた、インターネットと政治をめぐる新しい問題――。このシンポジウムでは、2013年の参院選で東京都選挙区から立候補した鈴木寛氏らを迎えて、今後の民主主義について熱く議論を交わしました。2013年の参院選をめぐる反省に始まり、民主主義の根幹をなすコミュニティが今後どうあるべきかにまで及んだ熱い議論を、今週から3回に分けてお送りします。■出演者
    ・鈴木寛氏(元文部科学副大臣)
    ・平将明氏(自由民主党衆議院議員)
    ・堀潤氏(市民ニュースサイト「8bitNews」代表)
    ・宇野常寛氏(評論家/「PLANETS」編集長)

    第1回:ネット選挙解禁の帰結とは
    平 衆議院議員の平将明です。所属政党は自由民主党で、当選3回。今は副幹事長と、情報調査局長をやっています。私は、早稲田大学出身で平成元年卒業。カミさんも早稲田大学で、大学の同級生。子供も、上の子が早稲田の二年生。下の子は早稲田実業なんで、そのうちに早稲田へ行く。
    そういうことで根っからの早稲田になりますけど、久々に大隈講堂に来て「懐かしいな」というふうに思っております。今日は「どうやったら政治に興味を持てるか」とか、「ネットが政治をどう変えていくか」とか、そういう話になると思いますので、よろしくお願い致します。
    宇野 評論家の宇野常寛といいます。主にアニメ、漫画、アイドルといったサブカルチャーの評論家なのですが、何かの間違いで今日ここに紛れ込んでしまいました。ここに集まっている皆さんの代弁というにはちょっともう歳をとりすぎているんですけど、素人代表という立ち位置から、率直な疑問をぶつけていけたらな、と思ったりしています。
    ■ 自民党のインターネットへの目覚め
    宇野 たぶん僕、平さんと一年ぶりくらいですよね。ちょうど総裁選をやってる頃に、石破茂さんの番組にゲストで呼ばれて、そのとき平さんが仕切りだったんですね。「Cafe Sta」と言って、自民党本部の一階で平さんが毎週やっている謎のネット番組です。「よく刺されないな」と思って、いつも見てるんですけど。
    平 いま「Cafe Sta」と言ってもらいました。宇野さんも出てもらったんですが、自由民主党という政党もですね、2009年の選挙で大惨敗をしました。今までは、マスコミは放っておいても取材に来るものという感じでしたし、官僚や色んな団体も、自民党に押し掛けてくるわけだったのですが、野党になった瞬間に誰も来なくなりました……ということで、始めた動画サイトがあるんです。
    大きな転機は、ニコ生で「自民党12時間スペシャル」をやったことですよ。政党の案内番組を見たくはないものですよね。しかし、なんと「12時間スペシャル」をやったら、26万人が見に来たんです。これで「ネットというのは凄いな」と。今まで非常に保守的で、ネットに対する理解がなかった自民党が目覚めたんですね。
    そして次に何が起きたかというと、安倍晋三さんという政治家が、2007年に第一次安倍内閣で悲惨な辞め方をします。普通の政治家であれば、おそらく政治生命が断たれたと思います。その後に、安倍さんがFacebookを始めたんですね。このFacebookが、自民党の若手とのコミュニケーションツールとして、ものすごい機能したんです。
    秘書がやっているのかと思ったら、本人がやってるんですね。本人がやっていて、例えば私がやっているFacebookの書き込みに「いいね!」を押すんですよ。そうすると、私も安倍さんに「いいね!」を返しますよね。そうこうしているうちに、だんだん色んな議員がFacebookを介して安倍さんと情報交換するようになって、ネットワークが出てきた。
    安倍さんが総裁選に出る基盤を、Facebookが作ったんだと思います。ですから、今までの「お金」とか「派閥」とかとちょっと違う意味で、ネットのツールが動き出した瞬間だなあという、そういう感想を持ちました。
    (堀潤氏、到着)
    堀 遅くなりました。平さんお久しぶりです、お願いします。
    平 堀さん、知事選の打ち合わせか何かをしていたんですか?
    堀 ちょっと番組の収録があって、遅くなってしまったんです。でも、今日奇しくも都知事選のこれからに向かってざわざわし始めていて、鈴木寛さんも候補として既に早い段階から名前が挙がっていたので、今日はどんな発言をするのかと思っています。
    これまでの選挙で戦ってきた皆さんたちも、士気が上がってきている様子だったので、今日はぜひいろいろ聞いてみたいなということも、裏テーマで持っています。
    宇野 今日、ここで3人が共謀して、うっかりと「出馬します発言」をとりつけるとか、やりたいよね。
    ■ 猪瀬知事の辞任問題
    堀 平さんは今回の都知事選の前段となる猪瀬知事の問題は、どうですか?
    平 いまどき、現金貰ってそれを持っておく感覚が、信じられない。その時点でアウトでしょうね。
    現金で貰っていて後ろめたいから貸金庫に保管していて、アクションを起こしたのも徳洲会事件が発覚した後ですからね。