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  • 宇野常寛 NewsX vol.11 ゲスト:田中元子「マイパブリックとグランドレベル」【毎週金曜配信】

    2018-12-14 07:00  
    550pt

    宇野常寛が火曜日のキャスターを担当する番組「NewsX」(dTVチャンネル・ひかりTVチャンネル+にて放送中)の書き起こしをお届けします。11月13日に放送されたvol.11のテーマは「マイパブリックとグランドレベル」。株式会社グランドレベル代表取締役の田中元子さんをゲストに迎え、地域の人々の目線の高さに合わせた、グランドレベルからのパブリックなコミュニティ構築の可能性を、江東区森下の「喫茶ランドリー」の実践例から考えます。(構成:籔 和馬)
    NewsX vol.11「マイパブリックとグランドレベル」2018年11月13日放送ゲスト:田中元子(株式会社グランドレベル代表取締役) アシスタント:加藤るみ(タレント) アーカイブ動画はこちら
    宇野常寛の担当する「NewsX」火曜日は毎週22:00より、dTVチャンネル、ひかりTVチャンネル+で生放送中です。アーカイブ動画は、「PLANETSチャンネル」「PLANETS CLUB」でも視聴できます。ご入会方法についての詳細は、以下のページをご覧ください。 ・PLANETSチャンネル ・PLANETS CLUB
    喫茶ランドリーから考える、ちょうどいい距離感のコミュニティ
    加藤 NewsX火曜日、今日のゲストは株式会社グランドレベル代表、田中元子さんです。宇野さんは田中さんとどういう経緯でお知り合いになったんですか?
    宇野 僕の友人のNHK出版の井本光俊さんが元子さんの友達なんですよ。元子さんが主催しているイベントに井本さんが僕を誘ったんですよね。その会場で会ったのが、たぶん初対面です。それが「アーバンキャンプ」という、おもしろいイベントなんですよ。場所は神田の大学ですよね。
    田中 東京電機大学の跡地をキャンプ場として開放するイベントです。
    宇野 元子さんはもともと建築雑誌などの編集をやっていた人なんですけど、その仕事の延長線上で、街を見つめ直し、都市について考えるイベントをいっぱい企画していて、そのうちのひとつなんですよ。

    加藤 本当にビルの中でキャンプをしているんですね。
    宇野 普段は絶対に寝泊まりしないようなエリアなんですよ。神保町とか御茶ノ水といった、マンションも一軒家もほとんどないような都心で、地上50cmぐらいの場所からビル群を眺めると、いつも訪れている街が全然違って見えて、すごく新鮮な体験でした。
    加藤 特別な体験だったんですね。
    宇野 街中でのキャンプだから、風呂も近所の銭湯に行くし、ご飯もカレー屋さんが多い神保町なので、有名なカレー屋さんに行って食べたりしましたね。

    宇野 彼が井本光俊というNHK出版『きょうの健康』編集部の中年男性ですね。キャンプが大好きという。

    宇野 これは大学で都市論を研究していた学生さんが、キャンプに参加しながら街の地図を書いていたのかな。目算が甘かったのか夜になってもまだできていなかった。結局翌朝雨が降って、未完成で終わるんですけどね。

    宇野 これは井本さんがくつろいでいるところ。シュールな画ですよね。この背景でこのシチュエーションはなかなかないですよね。

    宇野 これは寝袋に入っている僕ですね。秋のイベントだったんで夜は寒くて、寝袋にくるまって寝ているところです。この時期のキャンプは初めてだったんですが、すっぽりと寝袋に入るとすごく暖かくて。ミノムシってすごく合理的な生き方なんだなと思いましたね。この後、夜明けと同時に大雨が降ってきて、街中だから水捌けが悪くて、水死しそうになりながら撤収しました。すごく新鮮な体験だったけど、教訓としては、水捌けの悪いところではキャンプをしてはいけないということですね(笑)
    加藤 ちょっと運が悪かったんですね。
    田中 そうなんです。雨には勝てないんです。
    宇野 でも、本当におもしろいイベントでした。こういうイベントを企画したのが元子さんなんですよ。元子さんは出版活動のかたわらというか、むしろこちらのほうがメインですよね。いろんなイベントを仕掛けたり、実際に街づくりのためにいろんな提案やいろんな場所をつくったりしている人です。
    喫茶ランドリーという住宅街のど真ん中からの実践
    加藤 今日のテーマは「マイパブリックとグランドレベル」です。
    宇野 これは元子さんが一年ぐらい前に出版して話題になった本のタイトルなんですよ。元子さんの今までの活動と、これからのマニフェストがまとまった本ですよね。この本は、元子さんがどうすれば街がもっと楽しくなるのかをまとめたものなんですよ。だから、今日はその話題について二人でじっくりと議論したいなと思っています。
    ▲『マイパブリックとグランドレベル』
    加藤 今日も三つのキーワードでトークしてきます。まず一つ目は「喫茶ランドリーに行ってみた」です。
    宇野 喫茶ランドリーとは、元子さんが今年の春にオープンした東京の江東区の森下というド住宅地にオープンしたランドリーカフェです。でも、それはただのランドリーカフェではなくて、マンションばかりで地元住民の交流がそれほどなかったところに、喫茶ランドリーができたことで一気にコミュニティが生まれて注目されているんですよ。そこに僕はずっと行ってみたくて、せっかく元子さんが来るのでスタッフを連れて行ってきました。なので、そのVTRを観てもらいたいんですけど、その前に喫茶ランドリーの説明を軽くしてもらえますか?
    喫茶ランドリー
    田中 喫茶ランドリーという名前のとおり、喫茶店でありつつ洗濯機とかミシンがある、ちょっと複合施設的なところなんです。個人的に公民館とか公園とか「公」がつくものをやってみたいという夢があって、今回は公民館をつくるような気持ちで複合的な場所、施設をつくったという感じです。
    加藤 実際に宇野さんが行ってみたということで、VTRのほうをお願いします。

    加藤 外見もおしゃれですね。
    宇野 「旬のビールいろいろあります」という張り紙がありますね。クラフトビールブームに思いっきり乗っかっていますね。
    田中 言われるがままにやっていますね。私はビールだけじゃなくて、コーヒーとか洗濯機とかコンテンツそのものはどうでもいいところがあって、そこに対してのこだわりはあまりないんですよね。街の方がどう使ってくれて、どう馴染んでいくかが興味のあるところです。

    宇野 ここは奥の洗濯施設ですね。
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