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記事 38件
  • 橘宏樹 GQーーGovernment Curation 第10回 公務員の兼業促進と官民リベラル・エリート・ネットワークの思惑

    2019-06-13 07:00  
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    現役官僚の橘宏樹さんが「官報」から政府の活動を読み取る連載、『GQーーGovernment Curation』。久しぶりの連載再開となる今回は、3月に通達された公務員の兼業・副業解禁について取り上げます。この動きの背景には、この20年の間に発達した官民の協働体制、民間の公益団体や社会事業家の献身的な活動がありました。

     こんにちは。橘宏樹です。国家公務員をしております。このGovernment Curation(略してGQ)は、霞が関で働く国民のひとりとして、国家経営上本当は重要なはずなのに、マスメディアやネットでは埋もれがちな情報を「官報」から選んで取り上げていくという連載です。どんな省益も特定利益にも与さず、また玄人っぽくニッチな話を取り上げるわけでもなく、主権者である僕たちの間で一緒に考えたいことやその理由を、ピンポイントで指摘するという姿勢で書いて参ります。より詳しい連載のポリシーについては、第一回にしたためさせていただきました。
    【新連載】橘宏樹『GQーーGovernment Curation』第1回「官報」から世の中を考えてみよう/EBPMについて
     前回が2018年12月号でちょうど半年ほどお休みをいただいておりました。かなり忙しい部署に異動してしまったこともあり、体力と時間を確保するのがなかなか難しく、すみませんでした。元号も令和に改まりましたし、心機一転、頑張っていきたいと思いますので、またどうぞよろしくお願いいたします。
    ▲ 6月15日(土)僕が所属するNPO法人ZESDAは明治大学とともに海外ビジネスに関するセミナーシリーズを開講します。学生は無料。PLANETS CLUBの皆様は割引があります!(詳細はfacebookグループの掲示板ご参照のこと)好奇心だけで結構ですので、ぜひ聞きにいらしてください。
     さて、今回は、本年3月に内閣人事局が各省に通知した公務員の兼業・副業「解禁」について取り上げたいと思います。きっと皆様の中には、「これは公務員の働き方改革の話であって、一般社会、国民全体にとって直接は関係ない話だ」とお感じになる方もおられるかもしれません。しかし僕は、今回の公務員の兼業促進は、公務員個人や組織の生産性やライフワークバランスを改善する働き方改革の文脈よりもむしろ「小さな政府」を準備するための政策のひとつとしても捉えられるのではないかと思っています。 そしてその経緯や展開は、行政が担えなくなった公共領域を巡って、この約20年間、政府の表舞台・裏舞台で躍動してきた官民にまたがるリベラル・エリートたちの共闘ドラマの一幕として見てみても面白いのではないか、と思います。
    「解禁」というよりは、基準の明確化
     まず、公務員の兼業・副業について、何がどうなったか。多くの方がご存知と思いますが、国家公務員には国家公務員法第104条等が規定するとおり、兼業・副業への制限があります。
    国家公務員法第104条(他の事業又は事務の関与制限) 「職員が報酬を得て、営利企業以外の事業の団体の役員、顧問若しくは評議員の職を兼ね、その他いかなる事業に従事し、若しくは事務を行うにも、内閣総理大臣及びその職員の所轄庁の長の許可を要する。」
     素直に読むと、許可を得たなら兼業やってよさそうですよね。実際、昭和41年にもやってよい兼業の範囲に関する通知は出ていたのですが、相続した不動産の賃貸収入、原稿料、講演料といった、限られたケースの収入しか念頭に置かれていませんでした。それ以外の「報酬あり」かつ「定期的な労働」による兼業・副業は、どういう場合ならば許されるのか、これまで示されてきませんでした。
     それが今回、非営利団体において、週8時間、月30時間を超えない範囲で、報酬(交通費等実費のほかにもらう分)も社会通念上相当と認められる額であれば貰ってよい、などというように、やってよい範囲の基準が示されました。もちろん、社会通念上相当の額っていくらだよ?というツッコミはあると思いますけど、業務内容や景気やご時勢によって変るので、まずはこう言っとくしかないんじゃないかな、と思います。
    国家公務員のNPO兼業後押し 政府、許可基準を明確化 共同通信(2019年3月27日)
    国家公務員の兼業について(概要)内閣官房内閣人事局(2019年3月)
    内閣官房内閣人事局通知第225号 「職員の兼業の許可について」に定める許可基準に関する事項について(通知)(2019年3月28日付)
     いずれにせよ、NPO活動であれば「報酬」ももらってよい、という基準が示されたのは「職務専念義務=副業・兼業禁止=副収入一切ゼロ」が当然だと思われていた公務員業界において、非常に画期的だと思います。
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  • 橘宏樹『GQーーGovernment Curation』第9回 入国管理 入管法改正を考える。3つの視点と国の器量

    2019-01-10 07:00  
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    現役官僚の橘宏樹さんが「官報」から政府の活動を読み取る連載、『GQーーGovernment Curation』。今回は2018年12月8日に成立した入管法改正を取り上げます。外国人労働者の受け入れについては、既にさまざまな議論が出揃っていますが、「共生」「生産性」「人材の質」という三つのポイントから、改めて整理します。

     こんにちは。橘宏樹です。国家公務員をしております。このGovernment Curation(略してGQ)は、霞が関で働く国民のひとりとして、国家経営上本当は重要なはずなのに、マスメディアやネットでは埋もれがちな情報を「官報」から選んで取り上げていくという連載です。どんな省益も特定利益にも与さず、また玄人っぽくニッチな話を取り上げるわけでもなく、主権者である僕たちの間で一緒に考えたいことやその理由を、ピンポイントで指摘するという姿勢で書いて参ります。より詳しい連載のポリシーについては、第一回にしたためさせていただきました。
    【新連載】橘宏樹『GQーーGovernment Curation』第1回「官報」から世の中を考えてみよう/EBPMについて
     2018年11月はインパクトの大きい出来事が続いたように思います。まず2025年の大阪万博の決定。これでオリンピック後に不景気に陥ってしまうのではないか、という不安が和らいだとされます。他方で、そういう需要喚起で目先をごまかして根本的な問題解決がさらに先延ばしにされてしまうのではないか、という不安もさらに顕在化したとの声もあります。様々議論があるところだと思います。そしてカルロス・ゴーン氏の逮捕。報酬額に関して、有価証券報告書虚偽記載があったとのこと。捜査は続いています。国際社会でも大きなイベントがありました。米中間選挙では、下院では民主党が過半数となりました。共和党が過半数を占める上院と「ねじれ」ることになりました。「不安定になる」と報じる日本のメディアが多かったですが、一応、2000年代以降はねじれている時期の方が多かったという事実はおさえておきたいところです。パプアニューギニアで開催されたAPECでは、それぞれ自国中心主義的な貿易姿勢を強めるアメリカと中国の溝が埋まらず、首脳宣言が出せない異例の事態となりました。また、日本とロシアの首脳会談も開かれました。四島返還か二島返還か、北方領土問題に注目が集まっています。米中日ロの関係に大きな影響を与える事態が目白押しでした。
     永田町・霞が関界隈では、臨時国会が開催されており、怒涛のごとく各種法案が成立していきました。本稿で取り上げたEUとの自由貿易協定が国会承認を受けて正式に発効しました。イギリスのEU離脱がもつれ、米中貿易摩擦が悪化するなか、さらに重要な意味を発揮していくことになるように思います。
    橘宏樹『GQーーGovernment Curation』第5回 通商 逆襲の自由貿易~日欧EPA~
     さて、この連載では、本来重要なはずなのにあまり報道されていない官報にスポットをあてています。しかし、今回は、かなり十分に報道されているとは思いますが、あえて、入管法改正(出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律)について取り上げたいと思います。
    出入国管理及び難民認定法 及び 法務省設置法 の一部を改正する法律の概要について(法務省)
     入管法改正の経緯と内容については、見た限り、これらの解説が最も簡単でわかりやすいと思います。
    5分でわかる入管法改正案|「なぜ今なのか?」「何が変わるのか?」2018年11月10日(おかんの給湯室)
    入管法改正で何が変わるの?日本企業が直面する深刻な人手不足 2018年12月8日(外国人雇用就労センター)
     また、この法改正の経緯については、非常に端的に言ってしまうと、
    都市も地方も少子化で、圧倒的に人手不足だ。低賃金で単純労働の業種で特に深刻だ。このゾーンでは、これまで、技能実習生(日本で技術を学んだら母国に帰る人)と留学生を低賃金で働かせてしまっていた。だが人権上もよくないし持続可能ではない。なので、ちゃんと枠を新設しよう。条件満たした、ちゃんとした外国人労働者ならば、家族も連れて来れるようにしよう。賃金も日本人と同等にしよう。具体的な施策の中身はこれから考える。当然、各省とも連携が必要になっていくが、法務省が今後「総合調整」していく。
    といった感じです。既に様々なメディアでも是非をめぐる議論は取り上げられました。どこの国の人が何万人来ているかといった統計も提出されましたし、各紙もたくさんの世論調査を行いました。 外国人受け入れについては、反対が賛成を圧倒的に上回る結果のものはなかったと言えるようで、「まあ、しょうがないよね」「てか、もう結構いるしね」という基調が滲んでいるように僕は思いました。
    「時事通信の9月の世論調査で、外国人労働者の受け入れ拡大のため在留期間の上限を5年とする新たな在留資格を来年4月から導入する政府方針について聞いたところ、「賛成」は60.8%で、「反対」は25.4%だった。」(2018年9月14日 時事ドットコム)
    「外国人労働者の受け入れ拡大に賛成が51%、反対は39%だった。」(2018年10月28日NNN・読売新聞)
    「共同通信社が3、4両日に実施した全国電話世論調査によると、外国人労働者の受け入れを拡大する入管難民法などの改正案に賛成するとの回答は51.3%だった。反対は39.5%。」(2018年11月4日 共同通信)
    「日本経済新聞社の23~25日の世論調査で、人手不足が深刻な分野に限って外国人労働者を5年間で最大34万5千人受け入れる政府の方針について聞いたところ、賛成は41%にとどまった。反対は47%だった。」(2018年11月25日 日経新聞)
    「受け入れ拡大については賛成44%、反対46%に割れた。」(2018年12月29日 朝日新聞)
     また、法案審議においては政府案に様々な批判も寄せられました。移民なのか、外国人労働者なのか、外国人材なのか、といった呼称の問題。受入れ見込み人数のデータ算出方法。技能実習生の失踪や人権侵害の反省。受け入れの各種施策の具体的な中身はほとんど未定であること。審議時間が短いまま採決したこと。そもそも供給不足の業種にちゃんとはまってくれるのか。人材の質は確保できるのか。などなど。いずれも重要な論点だと思います。
    外国人労働力について (平成30年2月20日 内閣府)
    【図解・政治】出入国管理法改正案をめぐる衆院本会議の論戦ポイント(2018年11月13日 時事ドットコムニュース)
    参議院法務委員会(2018年12月5日)における移住連理事高谷幸の参考人意見陳述全文(移住者と連帯する全国ネットワーク)
     このように、かなり注目が集まった本法案ですが、僕は、あまりにも多くの情報が飛び交ったことで、なんというか、逆に、今後の行方を注視していく上での俯瞰的な視座が見失わなれないかな、という問題意識を抱きました。改正法の問題点と、社会全体が外国人受け入れを考えていく上での留意点は、全く同じではありません。そこで、本稿では、現に増えている外国人の方々と、我々主権者がきちんと向き合っていくにあたって、何を考えていけばいいのか。今後の議論において、どこを見ていけばいいのか。視点というか視座というか、ポイントを僕なりに3点にしぼって指摘したいと思います。それはすなわち、共生の問題、生産性の問題、人材の質の問題です。
    1. 共生の問題
     既に日本には外国人労働者が約128万人います。東京でもコンビニの店員は8割近くがもう外国人のような気がします。一緒に暮らしています。では、同じマンションで隣に外国人が住んでいる方はおられますでしょうか。彼らは、町内会などの会合に出席するでしょうか。ゴミ出しのルールは守っているでしょうか。料理の香辛料などの匂いが強烈だったりしないでしょうか。夜中大音量の音楽をかけて、酔っ払ってダンスしていたりしないでしょうか。周囲で外国人が犯人の犯罪が増えていないでしょうか。そして、税金を納めているでしょうか。日本人が当たり前だと思っているルールを守らない外国人がいる場合、なんかこう、敵対心というか、排外心が育ってきてしまいます。そうした問題とも向き合っていかないといけないわけです。
    在留資格「特定技能」とは|特定技能1号・2号の違いなど徹底解説します!(外国人雇用の教科書)
     さらに、「特定技能2号」として認められれば、家族の帯同が可能です。配偶者やご両親なども日本語を覚えられるかどうか。なかなか難しい場合も多いように思われます。子供も連れてきて、地元の小学校などに編入した場合、日本語ができなくて、孤立していじめにあったりしないといいなと思いますし、また、日本語ができない子同士でずっとつるみ続けて、不良になっちゃったりしないといいなと思います。
    ブラジルタウン・群馬県大泉町から考える「生活保護外国人」の現実(2018年11月30日 ダイヤモンドオンライン)
    浜松市の外国人は約2万人、定住化の中で活躍する第2世代 浜松市の多文化共生の取り組み(5)共生の時代と浜松宣言(鈴木康友 浜松市長)
    浜松NPOネットワークセンター【N-Pocket】 > 在住外国人との多文化共生
     こうした外国人との共生の問題への対応においては、明らかに、地域に密着した市町村などの基礎自治体やNPO法人などの活動がカギになってくると思います。コミュニケーションの場をどのように設定するか。誰が窓口になるか。粘り強く対応していくのか。どういう地域に、どこの国の人が多くなるのか。状況や場合は様々で、きっと一括りにはできません。大勢のブラジル人が暮らす群馬県大泉町や静岡県浜松市など、ケーススタディも蓄積されています。
     政府答弁では、法務省が司令塔として多文化共生を含めて「総合調整」を担うということになっています。法の所管という点ではそれはそうだと思うのですが、今後の施策の検討過程においては、特に地方六団体(全国知事会・全国市長会・全国町村会・全国都道府県議会議長会・全国市議会議長会・全国町村議会議長会)や総務省の、かなり積極的なコミットが必要になってくることは避けられないのではないかと思われます。なので、今後は、これらの関係者が本件についてどのような言動をとっていくかが要注目だと思います。
    ちなみに、僕は、年に一度在邦外国人と日本人が100名以上集まって外国人と日本人の「共生」について議論する「トーキョー会議」というイベントの運営にかかわっています。これには昨年、我らが宇野常寛PLANETS編集長にも基調講演やパネルディスカッションに登壇していただきました。外国人向け住宅市場、コミュニティの場の創生、日本の人材採用の慣習、都市の国際化などについて議論しました。



    ▲前回のトーキョー会議の模様
    「トーキョー会議2017」の報告
     次回トーキョー会議は2019年1月14日(祝)に開かれます。開会挨拶には総務省出身の岡本全勝内閣参与・元復興庁事務次官が登壇します。基調講演には、外国人就職支援業者の第一人者、柴崎洋平氏(フォースバレー・コンシェルジュ株式会社代表取締役)、パネルディスカッションにはアクセンチュアの幹部など、非常に豪華で舌鋒鋭い論者が集います。本音トークが楽しみです。非常にホットな会になりそうです。日本語でも英語でもOKなので、皆様もぜひご参加ください。
    第5回トーキョー会議(2019年1月14日)の詳細
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  • 橘宏樹『GQーーGovernment Curation』第8回 説明責任 狡猾な正義は、曖昧な恥の文化をハックできるか~平成29年度決算検査報告~

    2018-11-27 07:00  
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    現役官僚の橘宏樹さんが「官報」から政府の活動を読み取る連載、『GQーーGovernment Curation』。今回は「会計検査報告」について取り上げます。行政が正しく機能しているか、国民に代わって説明責任を問う会計検査院。公務員が恐れる機関でもありますが、一方で、その強大な権限を利用して組織内部の改革を進めようとする、志ある公務員もいるようです。
    ▲会計検査院長(代行)が総理に会計検査報告を手渡す様子。(2018年11月9日 首相官邸HPより)
     こんにちは。橘宏樹です。国家公務員をしております。このGovernment Curation(略してGQ)は、霞が関で働く国民のひとりとして、国家経営上本当は重要なはずなのに、マスメディアやネットでは埋もれがちな情報を「官報」から選んで取り上げていくという連載です。どんな省益も特定利益にも与さず、また玄人っぽくニッチな話を取り上げるわけでもなく、主権者である僕たちの間で一緒に考えたいことやその理由を、ピンポイントで指摘するという姿勢で書いて参ります。より詳しい連載のポリシーについては、第一回にしたためさせていただきました。
    【新連載】橘宏樹『GQーーGovernment Curation』第1回「官報」から世の中を考えてみよう/EBPMについて
     2018年10月も色々な出来事がありました。本庶佑京都大学特別教授のノーベル医学生理学賞受賞はおめでたいニュースでした。シリアで拘束されていたフリージャーナリスト安田純平氏の解放に際しては「自己責任論」で世論が割れたりしました。国際社会では、ブラジル大統領選では極右のボルソナロ氏が当選、トランプ大統領は中距離核兵器撤廃条約から離脱と、大国の右傾化傾向は引き続き世界に不安感を与えているように報道されています。  永田町では、第4次安倍内閣が発足。2019年10月からの消費税増税が明言されました。これに歩調を合わせるように、日銀総裁も消費税増税が景気に与える影響について条件付きながら楽観論を表明しました。10月24日に召集された第197回臨時国会の、総理所信表明演説では、社会保障の「全世代型化」などについて語られました。そして、審議される法案の一本目には、外国人労働者の受け入れ拡大に関する法案が上がってきています。
     ちなみに、僕は、年に一度在邦外国人と日本人が100名以上集まって外国人と日本人の「共生」について議論する「トーキョー会議」というイベントの運営にかかわっています。これには昨年、我らが宇野常寛PLANETS編集長にも基調講演やパネルディスカッションに登壇していただきました。外国人向け住宅市場、コミュニティの場の創生、日本の人材採用の慣習、都市の国際化などについて議論しました。
    「トーキョー会議2017」開催のご報告
     次回トーキョー会議は2019年1月14日(祝)に開かれるようですが、この外国人受け入れ拡大法案をめぐる審議と相まって非常にホットな会になりそうです。日本語でも英語でもOKなので、皆様もぜひご参加ください。
     一方、霞が関では、毎年この時期、各省にとっては正直あまり楽しくはないニュースが、毎日のように発信されます。何でしょうか。そう、会計検査報告です。最近「税金の無駄遣い〇〇億円、会計検査院の指摘」といった見出しのニュースを目にした方も多いのではないでしょうか。
    税金の無駄遣い1156億円 指摘件数は過去10年で最少 会計検査院の決算報告(産経新聞2018年11月9日)
    国立病院機構運営65病院が経営悪化、改善計画達成できず...会計検査院指摘(読売新聞 2018年11月11日)
    鳥インフルのワクチン代、3千万円過大 検査院試算(日経新聞2018年10月29日)
    会計検査院調査高校奨学金代理受領12府県制度化せず(毎日新聞2018年10月23日)
    2億円超かけたデータベース、中身すかすか 検査院指摘(朝日新聞2018年10月15日)
    などなど、ずらり。
     会計検査報告とは、会計検査院という役所が、行政のパフォーマンスを独立中立の立場からチェックした結果をまとめたものです。内閣はこれを決算に添えて国会に提出します。換言すると「平成29年度予算が適切に用いられているか調べたところ、こういうマズい点がありましたよ」ということを国会と国民に直接報告するシステムなのです。
    決算検査報告とは(会計検査院ウェブサイト)
     毎年10月頃になると、ぽつりぽつりと発表され、11月初旬には、それらをとりまとめた分厚い書類を会計検査院長が総理に手渡しする様子が報道されます。冒頭の写真がそれです。 また、今年は特に、森友問題の関連でメディアに出てきたことも多かったように思います。「なぜあんなに値引きされたのか調べろ」と国会に要請され、一度調べて、「わからないことが多い」と報告したのですが「なら、もう一度よく調べろ」ということになり、今も調査しています。この問題は、財務省や総理夫人のスキャンダルとして報道されることが多いわけなのですが、会計検査院の検査報告の原文を直接読まれたことがある方はどのくらいおられるでしょうか。僕も今号を機に少し読みかじってみたところ、大部ではありますが、断片を読むだけでも、現地の具体的な状況のイメージが湧いてきました。
    学校法人森友学園に対する国有地の売却等に関する会計検査の結果について(会計検査院ウェブサイト2017年11月22日)
    森友、改ざん文書提出「法違反」検査院、国会に中間報告(共同通信2018年6月19日)
     実は、この会計検査院、僕たち公務員にとってとは非常に「恐ろしい」存在です。なぜ恐ろしいのか。それは、以下で述べるように、会計検査院とその調査官が非常に強い権限を有しているからです。何をどのように検査するか(アジェンダ・セッティング)がほぼ完全に自由ですし、質問は予測し切れません。会計検査対応が「当たる」と、調査官の質問に答えきれるよう、資料の整理や準備、業務のそもそも論の理解など、非常に大量の準備をしないといけません。日ごろからちゃんとしていれば、急に準備する必要はないじゃないかとお叱りを受けるかもしれませんが、日常業務に追われていたり、新任だったりすると、なかなかそうもいかないのがリアルです。なので、おそらく、すべての公務員は、会計検査対応に関しては、正直、非常にめんどくさいという本音を抱いていると思います。他方で、調査官に激詰めされるなかで、日ごろおざなりになりがちな、あるべき姿を直視させられる良い機会にもなっているというのも確かなようです。
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  • 橘宏樹『GQーーGovernment Curation』第7回 社会保障 官僚が「等」に託す想い~生活困窮者等の自立を促進するための生活困窮者自立支援法「等」の一部を改正する法律の施行~

    2018-10-18 07:00  
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    現役官僚の橘宏樹さんが「官報」から政府の活動を読み取る連載、『GQーーGovernment Curation』。10月から施行された「「生活困窮者等の自立を促進するための生活困窮者自立支援法等の一部を改正する法律」。生活保護法の改正も含んでいながら、「生活保護」という言葉を避けて「等」としたのは、改正の意図を曲解されないための、政策担当者たちの苦肉の判断があったようです。

     こんにちは。橘宏樹です。国家公務員をしております。このGovernment Curation(略してGQ)は、霞が関で働く国民のひとりとして、国家経営上本当は重要なはずなのに、マスメディアやネットでは埋もれがちな情報を「官報」から選んで取り上げていくという連載です。どんな省益も特定利益にも与さず、また玄人っぽくニッチな話を取り上げるわけでもなく、主権者である僕たちの間で一緒に考えたいことやその理由を、ピンポイントで指摘するという姿勢で書いて参ります。より詳しい連載のポリシーについては、第一回にしたためさせていただきました。
    【新連載】橘宏樹『GQーーGovernment Curation』第1回「官報」から世の中を考えてみよう/EBPMについて
     2018年9月は、台風21号、北海道胆振東部地震など天災が続きました。一日でも早く被災地が復旧復興するよう心から祈念しております。また、大坂なおみ選手の全米オープン優勝、安室奈美恵引退、貴乃花親方の引退といったニュースも注目を集めました。樹木希林さんの訃報も大変印象深くて、ご冥福をお祈りしております。 永田町では、自民党総裁選における安倍総理再選とその後の組閣人事に注目が集まりました。霞が関では、麻生財務大臣は概算要求総額が102兆円台後半になるとの見通しを示しました。なかなか大規模です。また、いくつか興味深い統計の発表がありました。例えば、財務省は、2017年度の企業の内部留保(貯めている利益)が金融・保険業を除く全産業で446兆4844億円となったと発表しました。この金額は前年度比で9.9%増となっており6年連続で過去最高を更新しています。他方で、こうした利益剰余金を人件費に回した割合は43年ぶりの低水準にとどまっているとのこと。儲けてるなら給料増やせ、という労働者の声は強まりそうです。また、これはなんらかの将来不安感が強かったり、どういうイノベーションを目指せばいいのか投資先を決めあぐねていたりする企業が多いということも示しているのでしょう。
    企業の内部留保、446兆円=6年連続で最高更新-17年度末(時事ドットコムニュース 2018年9月3日)
     それから、法務省は9月19日、6月末時点の在留外国人数が263万7251人だったと発表しました。2017年末と比べ7万5403人増え、過去最多です。日本の総人口の約2%にあたります。「内なる国際化」がジワジワと広がっています。
    在留外国人263万人、過去最多に 総人口の2%(朝日新聞デジタル2018年9月19日)
     そしてさらに、自民党の行政改革推進本部が中央省庁の再々編を促す提言を行いました。これを受けて、厚労省をはじめいくつかの省庁の近辺が騒がしくなってきています。本当に激動の9月でした。
    省庁再々編の提言了承、自民行革本部 厚労省の業務過大など問題視 (日経新聞2018年9月5日) 
    国民生活省構想(岡本全勝内閣参与のウェブサイトより)
     ちなみに、僕自身にも想い出深い出来事がありました。9月22日、福島県本宮市で開催された「英国祭」にて講演をさせていただきました。拙著「現役官僚の滞英日記」を読んだ國分久徳理事長がわざわざ僕を訪ねてご依頼くださいました。貴重な機会をいただきましたこと、PLANETSが紡いでくれた縁に感謝しております。
    9/22(火)高級車登場に笑顔 本宮で「英国祭」、文化や食など紹介(福島民友ニュース 2018年09月23日)
     さて、今回のGQでは社会保障を取り上げたいと思います。今年6月に国会で可決された「生活困窮者等の自立を促進するための生活困窮者自立支援法等の一部を改正する法律」が10月1日から施行(=世の中で実際に運用が始まる)されました。
    行政文書の「等・など」
    「生活困窮者等の自立を促進するための生活困窮者自立支援法等の一部を改正する法律」には、「等」という文字が含まれています。この「等」、公務員はよく使います。公用文では、漢字の直後なら「等」、ひらがなの直後では「など」と書き分けたりします。(この書き分け、どうでもいいだろ…と思ったり、なまじそういうルールに目が慣れてしまっていると、違ってたらそれはそれで気になったりします・・・orz。)「等・など」は、一般的には、ほかに色々あるのを全部並べると文章が長くなってしまう時に、短さを維持するために使う言葉ですよね。また、まずは馴染みのあるものやメインのもの(ここでは生活困窮者自立支援法)を出してイメージを持ってもらい、相対的に重要性の低いものは「等・など」に入れ込んで済ますわけです。しかし、公務員は、色々考え抜いて、諸々の意図を込めながら、この「等・など」を用いる場合があります。例えば、議案のタイトル。たくさんの大事な内容を含んでいる時であっても、メリハリを効かせるために、一番議論してもらいたいものは名前を出して、それ以外は「等・など」のなかに「読み込もう」とします。書類のタイトルなどで「等・など」の中身に何を読み込むか、外にどれを並べるかは、文章の演出戦術そのものであり、いつも悩みどころです。裏を返すと、行政文書では、「(事務方が)一番議論してもらいたいこと」ではなくとも、かなり重要な話が、この「等・など」のなかに溶け込んでいる可能性もあるわけなのです。ですから、その辺をよくわかっている偉い人とかが「この『等』には何が含まれているのか?」とご下問になることも多いです。これに対して、事務方も、すっと答えられるように、俗に「等など表」と呼ばれる一覧表を準備していたりもします。(こういうこと、普通の会社でもあるのでしょうか…)
     では、今回取り上げる「生活困窮者自立支援法『等』の一部改正」の「等」のなかには何が含まれているでしょうか。いくつかありますが、生活保護法の改正が含まれていることはポイントだと思います。でも、生活保護法の改正を「隠そうとしている」とまでは僕は思いません。実際、法改正の概要説明のペーパーに、生活保護法改正の内容についてもきちんと書いてあります。国会審議でも論点になっています。想像するに、あくまで法案の冒頭にあるように「生活困窮者等の自立を促進するための」法改正であることを強調したい、という意思から「等」に生活保護法を読み込ませているということなのではないかな、と僕は解釈します。なぜか。それをご理解いただくには、少し今の社会保障制度の構造や生活困窮者自立制度の説明が必要そうです。
     そこで、以下では、まず、この生活困窮者自立制度についてざっと触れます。その上で、「等」に含まれている生活保護法の改正部分について述べたいと思います。そして、最後に、なぜ「等に生活保護法改正を含めたか」に関する僕の想像を添えたいと思います。
    そもそも生活困窮者自立支援制度とは?
     生活保護制度とは、ざっくり言えば、本当に困ったら、市町村役場から毎月生活費がもらえる、医療費が無料になるといった、基本的人権の最後の砦となっている制度です。  リーマンショック後の不況の中で、生活保護受給者はとても増えました。平成20年代は毎年飛躍的に増加し、受給世帯数も国庫負担額も過去最高を更新していきました。もちろん高齢者や病気の方々が大半ではあったのですが、働くことができるはずの受給者も多くいました。そこで、2015年、これらの働ける人々が生活保護状態から抜け出して自立できるように、就労支援や、生活相談、家賃支援、学習支援などを行う新しい制度が始まりました。これが生活困窮者支援制度です。
    生活困窮者自立支援制度とは(厚生労働省のウェブサイト)
     いわば、生活保護の手前に、新しいセーフティーネットを設けたわけです。雇用保険などが第1のセーフティーネットだとしたら、この生活困窮者支援制度が第2、生活保護制度が第3のセーフティーネットとなるわけです。今、日本社会の基本的人権は3層構造の制度で守る構えになっているわけです。
    ▲セーフティーネットの3層構造(筆者作成)
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  • 橘宏樹『GQーーGovernment Curation』第6回 金融 銀行はなぜ平日に休めるようになったのか 〜地銀を改革に追い込む怒涛の規制緩和〜

    2018-09-13 07:00  
    540pt

    現役官僚の橘宏樹さんが「官報」から政府の活動を読み取る連載、『GQーーGovernment Curation』。電子マネーやFintechの普及、仮想通貨の登場によって変革期を迎えている金融業界ですが、金融庁が監査の基準を大転換したことで、特に地方の金融機関は、地域経済において新しい役割を担わされることになりそうです。

    こんにちは。橘宏樹です。国家公務員をしております。このGovernment Curation(略してGQ)は、霞が関で働く国民のひとりとして、国家経営上本当は重要なはずなのに、マスメディアやネットでは埋もれがちな情報を「官報」から選んで取り上げていくという連載です。どんな省益も特定利益にも与さず、また玄人っぽくニッチな話を取り上げるわけでもなく、主権者である僕たちの間で一緒に考えたいことやその理由を、ピンポイントで指摘するという姿勢で書いて参ります。より詳しい連載のポリシーについては、第一回にしたためさせていただきました。
    【新連載】橘宏樹『GQーーGovernment Curation』第1回「官報」から世の中を考えてみよう/EBPMについて
    2018年8月は、第100回となる夏の甲子園やアジア大会で熱戦が繰り広げられました。また、映画「カメラを止めるな!」のヒットも注目を集めました。他方で、月末のさくらももこさんの訃報も大変印象深く、心からご冥福をお祈りしております。 永田町では、国民民主党の代表選は玉木雄一郎氏の再選に落ち着く一方、9月の自民党総裁選は安倍総理と石破元幹事長と事実上の一騎打ちとなることが確定しました。そして、来年の統一地方選挙、夏の参議院選へと、政治の季節に備えてそれぞれ準備を整えていくことになります。霞が関では、各省の来年度予算の概算要求内容が公表され財務省との折衝が始まっていきます。 また、個人的には、8月21日にはPLANETS CLUBの定例会にお招きいただき、メンバーの皆様と「チャタムハウス・ルール」の下で楽しい時間を過ごすことができました。話題になった「『平成最後の夏期講習』の続き」を宇野編集長とやることができまして、いい夏の想い出ができました。
    8/21(火)開催!現役官僚・橘宏樹さんに聞く、行政・政治の未来(PLANETS CLUB第6回定例会)
     さて、今回は「金融」を取り上げたいと思います。色々な動きがありますが、今回は、8月10日の閣議では「銀行法施行令等の一部を改正する政令」などを中心に、特に地方銀行に対して金融行政が何をしようとしているかについて、ざっくりご紹介したいと思います。
     たぶん、今、金融界ほど未曽有の激動に直面している業界はないのではないでしょうか。技術革新が金融の業態それ自体を猛烈なスピードで変化させています。例えば、“Fintech”(決済や送金など金融業務に情報技術を用いること)が広がっています。AIもどんどん取り入れられています。この数年で、電子マネーの利用、キャッシュレス化もかなり進んでいます。インターネット・バンキングも普通になりました。仮想通貨への投資もかなり身近なものになりました。またこれらの変化に伴って、銀行員の人員削減や支店の削減、地銀の経営統廃合のニュースも増加しています。「技術もグローバルスタンダードもどんどん変わっているのに、なぜかなかなか変わらない。」というような「ガラパゴスあるある」な話が多いコンサバ日本組織社会ですが、この分野はかなり違うようです。
    ◆変貌する金融庁
     こうした状況に対して、金融庁も規制を設けたり緩和したり、と、施策をどんどん展開しています。「今、面白い仕事をさせてもらってる」という金融庁職員の友人も多いです。金融庁自身も変化しています。確かに、今年6月に出された金融庁の基本方針「金融検査・監督の考え方と進め方 (検査・監督基本方針)」は興味深いです。銀行等を検査監督する際に思考停止してしまわないように、ということで、なんと「検査マニュアル」を廃止するとまで言っています。「ルール・ベース」から、より本質や大局を捉える「プリシンプル(原理原則)・ベース」とのバランスを謳っています。
    ▲「金融検査・監督の考え方と進め方 (検査・監督基本方針)」より
     さらには、7月4日に「金融庁の改革について」との文書を発して、時代に合わせたガバナンスを宣言し、組織体制も「総務企画、監督、検査」の3局体制から「総合政策、企業市場、監督」の3局体制に改めました。これらは、先月退任した大物長官と呼ばれた森信親前金融庁長官のリーダーシップによるところとも聞いています。
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  • 橘宏樹『GQーーGovernment Curation』第5回 通商 逆襲の自由貿易~日欧EPA~

    2018-08-22 22:00  
    540pt

    本記事のタイトルの著者名に誤記があったため、修正し再配信いたしました。著者・読者の皆様にご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。【8月22日21時50分追記】現役官僚の橘宏樹さんが「官報」から政府の活動を読み取る連載、『GQーーGovernment Curation』。7月17日に閣議決定された「日欧EPA」の背景には、英国の離脱が決定したEUの信頼性回復や、トランプの保護主義への反撃など、日欧双方の複雑な目論見が垣間見えます。激化する通商戦争から国際関係のあり方について考えます。



    こんにちは。橘宏樹です。国家公務員をしております。このGovernment Curation(略してGQ)は、霞が関で働く国民のひとりとして、国家経営上本当は重要なはずなのに、マスメディアやネットでは埋もれがちな情報を「官報」から選んで取り上げていくという連載です。どんな省益も特定利益にも与さず、また玄人っぽくニッチな話を取り上げるわけでもなく、主権者である僕たちの間で一緒に考えたいことやその理由を、ピンポイントで指摘するという姿勢で書いて参ります。より詳しい連載のポリシーについては、第一回にしたためさせていただきました。
    【新連載】橘宏樹『GQーーGovernment Curation』第1回「官報」から世の中を考えてみよう/EBPMについて
    2018年7月は、まず、西日本の集中豪雨が大変な被害をもたらしました。被災者の方々には心よりお見舞いを申し上げます。救援や復興支援のためにご尽力されている方々に深く敬意を表すとともに皆様の安全と1日も早い復旧、復興を心よりお祈り申し上げます。また、マスメディアの報道を振り返ってみますと文科省の汚職、「新アンガールズ」問題、といった、時代錯誤感すらあるスキャンダルも目に付きましたね。連日の猛暑も非常に厳しく、熱中症予防の呼びかけも頻繁になされていました。 永田町・霞が関界隈では、まず第196回通常国会が7月22日に閉会しました。会期中には話題のカジノ関連法案が可決されましたが、本稿第2回で取り上げた水道法の改正は、衆議院は通過したものの、参議院で継続審議となり、結局今国会でも成立は見送られました。今後は9月の自民党総裁選に向けた政局に注意が集まっていきます。その裏では、霞が関では各省からの概算要求(次年度予算の見積)を受けた財務省が予算編成を始めていきます。
    橘宏樹『GQーーGovernment Curation』第2回 水道法改正/PFI法改正から考える
    さて、今回のGQのテーマは「通商」にしました。2018年7月17日閣議決定「経済上の連携に関する日本国と欧州連合との間の協定の署名」(いわゆる「日欧EPA」)を取り上げたいと思います。人口約6億人、世界GDPの約3割(21兆ドル)を占める先進国間による世界最大級の経済圏が新たに誕生することになります。
    この度の日欧EPAでは、輸出入の自由化のほかにも大きな取り決めが行われました。しかし、協定の内容もさることながら、協定が締結されたこと自体に、国際政治経済上の重要な意味があります。日欧EPAはこれまでも長年協議されてきていたのですが、ついこの間まで、やや交渉が停滞気味でした。しかし「とある事情」が生じたことから議論が加速して、昨年末には大枠合意、そしてこの7月に署名がなされ、2019年中には発効する見通しとなりました。この「とある事情」そのものが引き起こした、現在の国際政治経済情勢に対して、メッセージ発信を伴うリアクションを起こした、かなり着目に値するニュースだと思います。内憂の多い昨今の日本ですが、外患に対しても、活路を見出すべくシビアな駆け引きを展開していることにも目を向けるべく、今回のGQで取り上げることにしました。
    「スパゲッティ・ボール」化する通商世界
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  • 橘宏樹『GQーーGovernment Curation』第4回 教育。まだ見ぬ幸せを、その手に。~第3期教育振興基本計画を読み解く~

    2018-07-10 07:00  
    540pt

    現役官僚の橘宏樹さんが「官報」から政府の活動を読み取る連載、『GQーーGovernment Curation』。今回のテーマは「教育」です。6月15日に閣議決定された「第3期教育振興基本計画」(2018-2022年) を、第1期(2008-2012年 )、第2期(2013-2017年)と比較しながら、この10年の間に国が掲げる教育のビジョンが、どのように変化したかについて検討します。
    ▲教育。政策にできること、できないこと。
     こんにちは。橘宏樹です。国家公務員をしております。このGovernment Curation(略してGQ)は、霞が関で働く国民のひとりとして、国家経営上本当は重要なはずなのに、マスメディアやネットでは埋もれがちな情報を「官報」から選んで取り上げていくという連載です。どんな省益も特定利益にも与さず、また玄人っぽくニッチな話を取り上げるわけでもなく、主権者である僕たちの間で一緒に考えたいことやその理由を、ピンポイントで指摘するという姿勢で書いて参ります。より詳しい連載のポリシーについては、第一回にしたためさせていただきました。
    【新連載】橘宏樹『GQーーGovernment Curation』第1回「官報」から世の中を考えてみよう/EBPMについて
     2018年6月のマスコミでの話題は、やはりワールドカップ開催ですよね。森友・家計問題も少し影を潜めたように見えます。西野ジャパンの大健闘や団結力に僕は勇気をもらいました。実はサッカー見るのは結構好きなので、色々と書きたくなってきてしまうのですが、誘惑を抑えます…。政治・行政関係では、会期の延長された国会で、働き方改革法案、TPP関連法案と、話題の法律が立て続けに可決されました。ちなみに、昨日(7月4日)から、霞が関では「官庁訪問」と呼ばれる、国家公務員総合職試験の合格者による就職活動期間が始まりました。毎日1官庁ずつ選んで訪問し、人事担当者や原課の職員と数回の面接を行います。訪問者も官庁側も、お互いに選んだり選ばれたりの4週間。ライバル?仲間?との待合室での待ち時間が異常に長いことが特徴です。この部屋に集められているのは1軍なのか?2軍なのか?と評価に気を揉んだりします。心身ともにかなりしんどいです。僕も面接官を務めます。イマドキの若者がどんな志望動機を語ってくれるのでしょうか。また僕の方でも、いい訪問者にはうちの役所への志望を固めてもらえるよう魅了せねばならず、真剣勝負の毎日が始まります。
     さて、今回のGQのテーマは「教育」です。6月15日閣議決定「第3期教育振興基本計画(2018-2022年)」を取り上げたいと思います。閣議決定は普通官報には載らないのですが、あまり話題になっていないけれど非常に重要な行政の動きを伝えるGQの使命に照らしてうってつけかなと判断しました。「教育振興基本計画」は、今後5年間のあらゆる教育政策の根幹になります。なので、極めて重要です。ですが、一般的に存在はどのくらい知られているでしょうか。
    第3期教育振興基本計画(2018-2022年)(概要)第3期教育振興基本計画(2018-2022年)(本文)
     本文は96ページあって一見長いですが、パラグラフが細切れにされていて、文体も平易で一文の長さも短く、けっこう読みやすい気がします。なので、御覧になってみてください。(ちなみに、第1期計画は48ページ、第2期計画は84ページです。)
     本稿では、第3期教育振興基本計画のポイントを、ザックリと第1期、第2期と比較してみます。政府の教育政策が力点の置き方がこの15年間でどのように変わっているか(または変っていないか)を確認してみます。  ちなみに、民主党政権は2009年から2011年でした。第2期の計画内容を議論し始める期間にかかっており、政権交代前後で議論するメンバーに入れ替えがあったりはしています。ただ、それが定例の入れ替えなのか、政権の意向なのか、今、僕にはわかりません。
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  • 橘宏樹『GQーーGovernment Curation』第3回 農村でも「働き方改革」

    2018-06-12 07:00  
    540pt

    現役官僚の橘宏樹さんが「官報」から政府の活動を読み取る連載、『GQーーGovernment Curation』。昨今話題の「働き方改革」のような変化が、じつは農村でも起こりつつあります。農業の継続を促そうとする法改正について、橘さんが目的別に分類/解説します。

    ▲植物工場が身近になる日も近い!?
     こんにちは。橘宏樹です。国家公務員をしております。このGovernment Curation(略してGQ)は、霞が関で働く国民のひとりとして、国家経営上本当は重要なはずなのに、マスメディアやネットでは埋もれがちな情報を「官報」から選んで取り上げていくという連載です。どんな省益も特定利益にも与さず、また玄人っぽくニッチな話を取り上げるわけでもなく、主権者である僕たちの間で一緒に考えたいことやその理由を、ピンポイントで指摘するという姿勢で書いて参ります。より詳しい連載のポリシーについては、第一回にしたためさせていただきました。
    【新連載】橘宏樹『GQーーGovernment Curation』第1回「官報」から世の中を考えてみよう/EBPMについて
     さて、2018年5月は、マスメディアの最大の関心事は日大アメフト問題であったように見受けました。政治・行政関係では、北朝鮮とアメリカの駆け引きに注目が集まりつつ、森友問題の追求が続いていたというところでしょうか。そのかたわら「働き方改革法案」が審議されて、今般衆議院では可決されました。本稿執筆時点では参議院で働き方改革法案は「高度プロフェッショナル制度」を論点に議論が交わされているところです。
     今回のGQでは、やはりこの「働き方改革」を取り上げようか、と実はかなり迷いました。しかし、僕が敢えて扱わずとも、充分に話題になっているので、やっぱりやめにしました。他方、その陰で、農業分野に「おおっ?!」と思えた、興味深い動きがありました。ある意味で、農村での「働き方改革」が進もうとしていることをお伝えできるかなとも思いました。なので、今号では、
    2018年5月18日「農業経営基盤強化促進法等の一部を改正する法律」
    を取り上げようと思います。しかし、法律の名前、漢字が11個並んでいますね。しかも「等」とかついてるし。(官界ではこの「等」がくせものです。)そして「一部の改正」。なんかこう、相変わらず、とっつきにくさ満載ですね。なので「そもそも農業とは」的なところから、語り落としをおそれずに、ざっくりと書いてみたいと思います。
    農政をざっくり解説:なぜ日本の農業を守らないといけないのか
     時に、PLANETS読者の方々は、若い方が多そうですが、地方にお住まいの方もいらっしゃると思います。そのうち、農村ご出身の方はどのくらいおられるでしょうか。そして、現在も農村に暮らす方々はどのくらいいらっしゃるでしょうか。なんとなく少なそうな気もします。
     今、日本の農業は現況は厳しいです。ざざっと統計からイメージを拾うと、農業をしている人は、だいたい毎年10万人減っており、2017年の全就業者6500万人のうち180万人です。2%です。そして、その三分の二の120万人が65歳以上です。GDPに占める割合を見ると、2016年の総額約540兆円のうち農業は約5兆円。1%にとどきません。
     このままでは、日本では農業をやる人がいなくなってしまいます。じゃあ食料を全部輸入すればいいじゃないか、という議論も一部ではありうるでしょう。しかし、現政府(特に与党)はそのように考えていません。世界では、急ピッチで進む人口増加に対する食料生産が追いついていないという認識があるので、輸入に頼り切ってしまうと不安です。日本人の食べ物は日本国内で生産できるようにしないと、万が一の時に飢えてしまう。というわけで食料安全保障、食料自給率の改善を昨今あらためて標榜しました。
    政府の骨太方針原案 「食料安全保障の確立」明記へ (日本農業新聞2018年06月05日)
     また、もちろん、農業には食料安全保障以外の価値も豊かに持っています。農林業には治山や環境保全の側面もあります。豊かな田園風景それ自体が国富であるとも思えます。農業を中心とした生活様式やコミュニティ、人々の営みそれ自体も守っていかなくてはならないと思う方も多いでしょう。ゆえに、農業という産業を維持発展させていくために、農業をしている若い人を増やす必要があるという認識に立っているわけです。
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  • 橘宏樹『GQーーGovernment Curation』第2回 水道法改正/PFI法改正から考える

    2018-05-09 12:05  
    540pt

    本記事の記述に一部誤りがあったため、修正いたしました。読者の皆様にご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。【5月9日12時00分追記】現役官僚の橘宏樹さんが「官報」から政府の活動を読み取る連載、『GQーーGovernment Curation』。最近の政治報道が森友問題やセクハラ問題一色でしたが、官報では私たちの生活に密接に関わっている「水道法改正」が審議中であることが報じられていました。主権者である我々の考えなければならない3つのトピックについて橘さんが考察します。
    ▲暮らしに欠かせない水。だけど、決してタダではないんです... こんにちは。橘宏樹です。国家公務員をしております。このGovernment Curation(略してGQ)は、霞が関で働く国民のひとりとして、国家経営上本当は重要なはずなのに、マスメディアやネットでは埋もれがちな情報を「官報」から選んで取り上げていくという連載です。どんな省益も特定利益にも与さず、また玄人っぽくニッチな話を取り上げるわけでもなく、主権者である僕たちの間で一緒に考えたいことやその理由を、ピンポイントで指摘するという姿勢で書いて参ります。より詳しい連載のポリシーについては、第一回にしたためさせていただきました。
    【新連載】橘宏樹『GQーーGovernment Curation』第1回「官報」から世の中を考えてみよう/EBPMについて
     なお、第一回でとりあげたEBPM(Evidence Based Policy Making:証拠に基づく政策)は、今年の正月に日経新聞「やさしい経済学」でも取り上げられていました。一見地味なトピックではありますけれど、いよいよ注目が集まり始めているのかなと思いました。
    証拠に基づく政策とは何か(1)科学的知見を活用して決定 東京大学教授 山本清(日本経済新聞 2018年1月4日) 
     第一回から今回の第二回まで、ずいぶん経ってしまいましたが、その間は、「現役官僚の滞英日記」刊行記念として、PLANETSと活動する僕自身の自己紹介というか、マニフェスト的なエッセイを連載させていただいておりました。
    橘宏樹「コンサバをハックする」ということについて(全5回)
     さて、現在国会(第196回国会(通常国会))が開会中です。ご存知のとおり、最近の政治報道は、森友問題やセクハラ問題一色でした。しかし、その裏で、80本以上の法律案の審議も行われています。働き方改革関連法案やカジノ法案は比較的報道されているかもしれませんね。戦後最大規模となる97兆円7128億円の予算も3月28日に可決しています。
     そんななか、本稿第二回では、敢えて「水道法改正」を取り上げたいと思います。なぜなら、今後僕たちが向き合っていかないといけない超重要なトピックが3つも含まれているからです。尚、これと非常に関係が深い、いわゆるPFI法改正(民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律の一部を改正する法律案)もセットで論じます。
    水道法改正のポイント
     官報としては、2018年3月9日、水道法の一部を改正する法律案が閣議決定され、同日に国会に提出されたことが報じられました。実は、去年も、ほぼ同内容の法案が国会に提出されていました。しかし、2017年9月に衆議院が解散され総選挙になったため、廃案となりました。なので今回は再チャレンジになります。ちなみに下水道は国土交通省が所管しているのですが、上水道は厚生労働省が所管しているので、この法案の作成は厚生労働省が担当しています。
     法案の提出理由は、内閣法制局(内閣が国会に提出する法案を最終チェックする役所)によると「人口減少に伴う水の需要の減少、水道施設の老朽化等に対応し、水道の基盤の強化を図るため、都道府県による水道基盤強化計画の策定、水道事業者等による水道施設台帳の作成、地方公共団体である水道事業者等が水道施設運営等事業に係る公共施設等運営権を設定する場合の許可制の導入、指定給水装置工事事業者の指定に係る更新制の導入等の措置を講ずる必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。」となっています。
     ここに水道法改正のポイントはだいたい凝縮されていますけれど、ちょっと読みにくいですよね。ストーリーとして背景や狙いをざっくり整理するとこういう感じだと思います。
    事情をざっくり解説

     まず、日本は人口が減る。すると必要な水の量も変わる。だから、水道料金の収入が減る。だけど、戦後の人口増加にあわせて高度経済成長期に一気にたくさん作った水道管の寿命はだいたい40年なので、そろそろ日本中で更新しないといけない。むしろ工事費用が一気にかかる。水道料金を上げないといけなくなる。でも、なるべく上げたくない。費用を節約すべく、より安く水道事業を運営する方法はないだろうか。じゃあ「民営化」したらどうだろう。しかし、国民の命に係わる水は、やはり国家が守ってくれないと不安だ。経営悪化したら、水質が悪化してかつ水道料金上がるかもしれないというのはまずい。ならば、水道施設の所有権は政府が持ったままで、事業の運営だけを民間に委託する、PFI(※)の一種の、いわゆる「公設民営(コンセッション方式)」でやろう。でも、現在のところ、水道事業の経験がある業者は国内にいない。海外では、フランスの企業はじめ、実績豊富な水道事業者がたくさんある。彼らの参入も受け入れたりしつつも、国内の企業に水道局の運営ノウハウを移して事業者を育てて、競わせて、競争市場を築いていかないといけない。
     それから、必要な水量の増減は、地方と都市で大きく異なっていくだろう。だから地方それぞれで色々経営判断してもらわないといけない。また、一定の規模と人口の大きさで事業運営しないと、非効率で割に合わない。だから、水道は市町村単位で管理してきたけど、都道府県がリーダーになって市町村横断の広域連携できるようにしよう。
     あと、地方自治体にもインセンティブが生まれるように、PFI法もあわせて改正しよう。そしたら、これまで進んできた空港や公園や下水道だけじゃなくて、国有・県有林野の林業だとかにも官民連携(PPP)を広げていけるじゃないか。じゃあそうしていこう。

    ※PFIとは、Private Finance Initiativeの略で、公共施設等の建設、維持管理、運営等に民間の資金、経営能 力及び技術的能力を活用することにより、同一水準のサービスを より安く、又は、同一価格でより上質のサービスを提供する手法。例えば、〇〇省の建物を建て替える際に、費用を全部税金でまかなえば公共事業ですが、民間企業も建設費用やビルメンテナンス費用を一部負担するかわりに、高層ビルにして、いくつかのフロアを民間企業も使えるようにしたりしたときに、「あのビルはPFIでやった」などと言います。ひとくちにPFIと言っても、方式は色々あります。PFIは、PPP(Public Private Partnership:公民が連携して公共サービスの提供を行うスキーム)の一種です。
    PFIって何?(内閣府)PFIとはPPPとは(日本PFI・PPP協会ウェブサイト)
     水道法改正自体の詳細については、水道法改正に向けて ~水道行政の現状と今後のあり方~(厚生労働省 2017年8月21日) などを参照していただいたり、適宜ググっていただきたいのですが、このストーリーのなかに潜んでいる、主権者である僕たちが考えないといけない、非常に重要なトピックを3つ挙げたいと思います。
    1、不均等な人口減少
     少子化で、2060年には2010年のおよそ3分の2(8700万人くらい)に減少します。なので、色々な公共需要も減りますし、同時に税収も減ります。ただ、その過程は全国で均一には進まないでしょう。都市には人口集中が続きそうです。地方の人口減少のスピードは激しそうです。このことが、僕たちの生活をどのように変えるか、絶えず想像力を働かせていかないといけません。
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  • 橘宏樹「父性のユートピア」をあきらめない(『現役官僚の滞英日記』刊行記念エッセイ第三部・最終回)

    2018-03-22 07:00  

    『現役官僚の滞英日記』の発売を記念した、著者・橘宏樹さんエッセイ、今回で最終回となります。分厚い中間層を維持するための「グローカリゼーション」を目指すべく、生産量/人材不足を補うための施策とは? 橘さんが「父性のユートピア」をあきらめないその理由に迫ります。 今回も全編無料公開でお届けです! ※『現役官僚の滞英日記』刊行記念エッセイ、配信記事一覧はこちら。(全編無料)
    【書籍情報】橘宏樹『現役官僚の滞英日記』好評発売発売中!
    「平家」が宇野常寛に「父性のユートピア」を説くの巻
     先日(2018年2月20日)、ありがたいことに、PLANETSに拙著のサイン会&宇野常寛編集長との対談イベントを催していただきました。
    【会員視聴可能アーカイブ】橘宏樹×宇野常寛『現役官僚の滞英日記』刊行記念 特別対談 -いま、僕たちはイギリスから何を学ぶべきか-
     僕のうっかりミスで事故を起こしている模様もご