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  • 柿沢未途×宇野常寛 民進党は(マジで)これからどうするのか(HANGOUT PLUS 10月10日放送分一部書き起こし)【毎週月曜日配信】 ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 vol.712 ☆

    2016-10-17 07:00  
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    柿沢未途×宇野常寛  民進党は(マジで)これからどうするのか(HANGOUT PLUS 10月10日放送分一部書き起こし)【毎週月曜日配信】
    ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 ☆
    2016.10.17 vol.712
    http://wakusei2nd.com



    毎週月曜日22時よりニコ生で放送中の宇野常寛がナビゲーターをつとめる「HANGOUT PLUS」。今回は2016年10月10日に放送された、衆議院議員で民進党所属の柿沢未途さんをゲストに迎えた回の一部書き起こしをお届けします。参院選、都知事選での相次ぐ敗北、小池都知事の人気といった状況を踏まえながら、これから民進党はいかにして自民党と対峙していくべきなのかについて語ります。


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    ■プロフィール
    柿沢未途(かきざわ・みと)
    1971年生。衆議院議員(民進党)。NHK記者、東京都議会議員を経て、2009年より衆議院議員(東京15区=江東区選出)。みんなの党、維新の党を経て現在は民進党・役員室長。大学時代は評論家の呉智英が主宰する論語の私塾「以費塾」に通う。
    前回:宇野常寛「HANGOUT PLUS」ゲスト:川田十夢 10月3日放送書き起こし!
    ※このテキストは2016年10月10日放送の「HANGOUT PLUS」の内容の一部を書き起こしたものです。

    ■ 憲法9条を争点にしたことで失われたもの
    宇野 参議院選もそうだし都知事選もそうだけれど、ハッキリ言って、憲法9条を争点にしていること自体、負けに行ったと僕は思うんですよ。
    柿沢 あえて言えば、壊滅的なボロ負けを避けるというタクティクスではあったと思うんです。宇野さんの世代とは違う、なんというかそういうものに対して、生理的に拒絶感を持っている層って、やっぱりいるんですよ。自慢にもならないんだけれど、北海道では3議席中2議席を民進党が取って、自民党は2人立って1人落ちてるわけです。だから、そういう支持層というのは、やぱり国民の中にはあって、その人たちを民進党に向かせるという意味では、私は効果はあったと思う。でも、それはある意味では負けを最小限にする選挙をやったということであって、攻めの姿勢でなかった、ということは思いますね。
    宇野 それが20代30代の支持率が落ちている理由だと思うんですよ。端的に言うと、護憲おじさんのヒーリングのためだけに野党共闘をやったという解釈しかない。それって若者の、格差に対してのニーズだったりとか、経済政策に対してのニーズっていうのは2の次3の次ですよって宣言にしか、僕は聞こえなかったわけですよ。
    柿沢 それはご指摘ごもっともだと思います。これまでのやり方ではダメだということは事実だと思う。
    宇野 あれをやってしまうと、まあちょっと言葉は悪いですけれど、国会議員という名のビジネス左翼が、死ぬまで議員バッヂをつけていられるためだけの選挙なんですよ。
    柿沢 やっぱり攻めの姿勢が足りないよね。「我々はこういうことをやるんだ」って言って、賛否両論がわーっと巻き起こって「何言ってんだ民進党は」「でも、考えてみたらいいんじゃねえの?」「いや、そうじゃない」と、我々が議論の中心になるような球を放らなきゃいけないのに、「安倍さんがやってることは危険だから止めまーす」みたいなことばっかり言ってるから、太陽に対する月にみたいな存在になっているんですよね。これじゃダメなんですよ。やっぱり僕らは球を放る側にいなきゃいけないし、そこで論争が起きるのはいいことで、その論争によって身内にも反対が出てくることを恐れちゃいけない。国民がそれを求めているかどうかを考えるべきであって。そういう球を放るような攻めの姿勢を持たなきゃいけないっていうのは間違いないと思うんですよ。
    宇野 皆さんどうですか。ニコ生を聞いている皆さん、「まさにそれを期待している」とか書いてるけど、実際、東京にいる40代の民進党の衆議院議員ってこういうことを考えているわけですよ。でも、なんでそれが全体に寄与できないのか。そして、なんで民進党にもこういう人がいるんだっていうのが伝わってないのか、っていうことをまた別途議論しなきゃいけないと思うんですよね。
    柿沢 まあ、これから変わりますから。今は期待しないでいいですから。「あれ?なんか変わってるんだけど」って後から気付くような。
    宇野 これ名言ですね(笑)。みんなツイートした方がいいよ(笑)。「今は期待しないでいいですから」。これ今日のキーワードですね。
    ということで、「今は期待しないでください」と言っている柿沢未途さんともう少し、議論していきたいと思います。

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  • 【新連載】invitation to MAKERS 第1回 Lyric speaker――言葉と音楽の新しい関係 株式会社SIX 斉藤迅 ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 vol.711 ☆

    2016-10-14 07:00  
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    【新連載】invitation to MAKERS第1回 Lyric speaker――言葉と音楽の新しい関係株式会社SIX 斉藤迅
    ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 ☆
    2016.10.14 vol.711
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    今朝のメルマガは新連載『invitation to MAKERS』をお届けします。メイカーズムーブメントの潮流が日本にも波及し、新しい「ものづくり」の機運が高まる中、先鋭的なプロダクトを携え世に出ようとしている、新進気鋭のクリエイターたちを紹介します。
    第1回は株式会社SIXのクリエイティブディレクター・斉藤迅さんのインタビューです。透過型ディスプレイにモーショングラフィックスで歌詞が表示されるスピーカー「Lyric speaker」を開発した斉藤さんに、目と耳で楽しむ音楽体験によって取り戻そうとしている、歌詞芸術の本質についてお話を伺いました。

    ▼プロフィール

    斉藤迅(さいとう・じん)
    Lyric speaker開発リーダー/SIX creative director。音楽的なバックグラウンドを軸に、広告、ブランディング、商品開発などを手がける。
    ◎構成 長谷川リョー
    ■「Lyric speaker」は失われつつある音楽体験をアップデートする
    ―― 斉藤さんが所属するSIXは、これまで主に映像作品やイベントなどを手がけてこられましたが、今回の「Lyric speaker」は初の自社プロダクトとなります。透過型ディスプレイに再生中の楽曲の歌詞が表示されるという、これまでにない形態のスピーカーですが、この製品はどういった発想から開発されたのでしょうか?

    ▲「Lyric speaker」(動画)
    斉藤 まず、SIXでは、会社全体のコンセプトとして「Update the Real」を掲げています。これはクリエイティブの力で現実自体をアップデートしていこうという意味です。「Lyric speaker」はまさにこのコンセプトを体現するプロダクトで、「歌詞」という現代の音楽文化から抜け落ちそうになっている要素をアップデートし、それと同時に「音楽体験とはそもそもこうであったのではないか?」ということも提唱しています。
    ―― カセットテープからCD、MP3、そしてストリーミングへ、音楽の形態はデジタル化が進んできましたが、一方で最近ではレコード人気が高まるなど、アナログを見直すような現象も起こっています。「Lyric speaker」はそういった状況の延長線上で発案されたプロダクトだったのでしょうか?
    斉藤 開発にあたって心がけたのは、「歴史の必然の中で、誰もが確かにあったほうがいいとと思うけれども、まだ誰もつくっていないものをつくる」ということです。
    歌詞を楽しめる場所があれば、音楽はより楽しいモノになるというのは、僕以外の人にも共感してもらえると思いました。アナログブームに関連して言えば、このスピーカーの形状にどことなく懐かしさを感じる人もいると思います。単機能の製品だからこそ落ち着くし、触れ合いながらじっくりと時間を楽しめるというのはあるかもしれません。
    宇野 アナログの写真やレコードといった、20世紀前半に普及したテクノロジーは、情報を所有する喜びによって成立していた側面がありますよね。「姿形が写っている」とか「音をいつでも聴ける」ということ自体に価値があった、写真やレコードそのものが魔法であった時代の産物です。だからこそ独立した表現として成立していた。レコードの時代のほうが相対的に「音楽を聴く」ことそれ自体が目的たり得ていた。
    一方で、21世紀生まれのニュータイプたちにとって、音楽は基本的に何かをするときのBGMであり、自分のライフスタイルの一部になっている。iPod以降はますます作業用BGMとしての傾向が強くなって、自分の生活環境にどのBGMを選ぶかというような音楽への接し方が増えてきた。人間と音楽の関係が情報環境によって変化している中で、歌詞の視覚化というアクロバティックなアプローチで音楽それ自体をもう一度取り戻すにはどうすればいいのか。「Lyric speaker」はその答えを探るプロダクトだと思うんですよね。

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  • 加藤るみの映画館(シアター)の女神 2nd Stage ☆ 第5回『Big』『潮風のいたずら』【毎月第2木曜配信】 ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 vol.710 ☆

    2016-10-13 07:00  
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    加藤るみの映画館(シアター)の女神 2nd Stage第5回『Big』『潮風のいたずら』【毎月第2木曜配信】
    ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 ☆
    2016.10.13 vol.710
    http://wakusei2nd.com


    今朝のメルマガは、加藤るみさんの連載『加藤るみの映画館(シアター)の女神 2nd Stage』第5回をお届けします。今回取り上げるのは80年代のお気に入り作品を2本。若かりし日のトム・ハンクスがキュートな『Big』と、先日亡くなったゲイリー・マーシャル監督のロマンチックコメディ『潮風のいたずら』です。
    ▼執筆者プロフィール
    加藤るみ(かとう・るみ)
    1995年3月9日生まれ。岐阜県出身。サンミュージックプロダクション所属のタレント。映画鑑賞をはじめ、釣り、世界遺産、料理、カメラ、アニメと多趣味を活かしてマルチに活躍中。インターネットラジオK'z Station『おしゃべりやってま~すRevolution』にレギュラー出演中。雑誌『つり情報』でコラムを連載中。
    本メルマガで連載中の『加藤るみの映画館(シアター)の女神』、過去記事一覧はこちらのリンクから。


    前回:加藤るみの映画館(シアター)の女神 2nd Stage ☆ 第4回『小さな園の大きな奇跡』『マダム・イン・ニューヨーク』【毎月第4木曜配信】



    金木犀の香りが好きです。
    どうも、加藤るみです。
    すっかり涼しくなって心地よい秋模様な日が続いていますね。
    秋といえば、スポーツの秋、芸術の秋、食欲の秋など……いろんな秋がありますが、
    皆さんはどんな秋にするご予定でしょうか?
    私はもちろん、「映画の秋」にしたいと思います。
    これは、毎年言っているような気がしますね(笑)
    今回の「加藤るみの映画館(シアター)の女神 2nd Stage」は、
    ブログで募集した”映画コラムテーマリクエスト”を参考にして書きたいと思います!
    皆さんからのリクエストを読んでいたら、
    「コラムではあまり取り上げられない古い映画を紹介してほしい」
    というコメントを、いくつか見つけました。
    確かに!!!
    最近は、今を感じる映画ばかり紹介していたような気がします……(笑)
    そこで、今回は80's特集をしたいと思います!!
    1980年代は素晴らしい映画、不朽の名作の数々が生まれた時代です。
    映画好きの母から教えてもらった映画や、
    私が大好きな名優たちのヒット作の多くは
    80年代に生まれました。
    私はもしタイムスリップできるのなら、80年代に行ってみたいと思うほど、
    憧れの時代であります。
    自分がまだ生まれていない時代だからこそ、
    80's映画を観るとワクワクが止まりません。
    今回ご紹介するのは、大好きな80's映画の中でも超超超お気に入りの2作品です!
    トム・ハンクスの出世作『Big』と、
    アメリカンラブコメの真骨頂『潮風のいたずら』をご紹介します。
    実はこの2作品には、とある関わりがあって……。
    『Big』のペニー・マーシャル監督と、
    『潮風のいたずら』のゲイリー・マーシャル監督は、実の兄妹なんです。
    今回、偶然にもマーシャル家のDNAが繋がってしまいました(笑)
    今回は、80'sの古き良き映画を堪能してもらいたいと思います。

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  • 古川健介『TOKYO INTERNET』/第2回 シリコンバレーのハッカー文化と東京オタク文化の大きな違い【毎月第2水曜配信】 ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 vol.709 ☆

    2016-10-12 07:00  
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    古川健介『TOKYO INTERNET』第2回 シリコンバレーのハッカー文化と東京オタク文化の大きな違い【毎月第2水曜配信】
    ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 ☆
    2016.10.12 vol.709
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    今朝のメルマガは古川健介さんの「TOKYO INTERNET」の第2回をお届けします。ヒッピーカルチャーとテクノロジーの融合から生まれたシリコンバレーのハッカー文化が、「世界を変える」という〈目的〉に突き動かされていたのに対して、日本のネットカルチャーは、〈手段〉や〈プロセス〉に価値を見出すところに特徴があります。日米のネット文化の違いを、様々なサービスやコンテンツから明らかにしていきます。
    ▼プロフィール

    古川健介(ふるかわ・けんすけ)
    1981年6月2日生まれ。2000年に学生コミュニティであるミルクカフェを立ち上げ、月間1000万pvの大手サイトに成長させる。2004年、レンタル掲示板を運営する株式会社メディアクリップの代表取締役社長に就任。翌年、株式会社ライブドアにしたらばJBBSを事業譲渡後、同社にてCGM事業の立ち上げを担当。2006年、株式会社リクルートに入社、事業開発室にて新規事業立ち上げを担当。2009年6月リクルートを退職し、Howtoサイト「nanapi」を運営する株式会社nanapi代表取締役に就任。
    前回:第1回 東京っぽいインターネットサービスは「遊び半分」がキーワード

    イラスト:たかくらかずき

    インターネットの聖地は? といわれると、当然ながらシリコンバレーが思い浮かびます。前回の記事「東京っぽいインターネットサービスは「遊び半分」がキーワード」でも書いたように、シリコンバレーには「世界を変えろ」という空気があり、それを成し遂げる都市の文化があるのではないかと思っています。
    じゃあ、そのシリコンバレーの文化の源泉は何なのか? というと、60年代にピークを迎えていた、ヒッピーカルチャーなのではないかと思っています。
    ヒッピー文化は、ベトナム反戦運動からの影響を強く受けているといわれています。戦争のような、残酷な現実に正面から反対する姿勢がベースにあり、そこから国や大企業に反発する精神に広がっていきました。大きな存在に対して、正面から理想を掲げていくイメージです。
    そして、ヒッピー文化自体は、ライトな層にも広がっていき、国や大企業になんとなく反発する気持ちから、親世代が作ったアメリカの中流文化に対しての反抗心レベルまで存在するようになりました。どのみち、アメリカの中流文化に流れていた、規律や道徳心への反抗心があり、そこから限りない自由を求めたり、異国感を求めたり、薬物で精神を解放する、という行為が文化として根付いていったのです。
    Apple創業者のスティーブ・ジョブズも、このヒッピー文化から大きな影響を受けており、LSDを使ってアレしてたことでも有名です。
    このヒッピー文化は、それ自体、ムーヴメントや文化の一端に過ぎなかったのですが、テクノロジーというパワーを手にした瞬間、理想を現実化することが可能になりました。それがシリコンバレーの「世界を変えろ」というメッセージの元になっているのではないかと思っています。
    たとえば、ヒッピー文化における「Power to the people」の精神があります。これは個人の手に力を取り戻そう、という意味ですが、シリコンバレーの起業家たちより、テクノロジーの力で、本当に力を取り戻してしまっています。iPhoneで撮った動画をYouTubeにアップし、FacebookやTwitterにあげることで、個人でも大きな影響力を行使することが可能になりました。
    ヒッピーがテクノロジーという武器を手に入れることで、世界を本当に変えることができるようになったのが今のシリコンバレーのグローバル企業たちであるという仮説です。
    もちろん、シリコンバレーがインターネットの聖地になった所以としては、スタンフォード大学などがあることや、ヒューレット・パッカードなどの第一次世代の企業があることで、ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家が多く出たことによるエコシステムが回り始めたことなどは、大きな理由です。しかし、文化的背景でいうと、ヒッピー文化が根付いてたことが大きいのではないかと個人的に考えています。
    参考:シリコンバレーが世界最高のIT産業の集積地となるまでの知られざる歴史 - GIGAZINE

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  • 知られざる「大衆文化」としての戦前プロ野球――『洲崎球場のポール際』著者・森田創インタビュー(中編) ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 vol.708 ☆

    2016-10-11 07:00  
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    知られざる「大衆文化」としての戦後プロ野球『洲崎球場のポール際』著者・森田創インタビュー(中編)
    ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 ☆
    2016.10.11 vol.708
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    今朝のメルマガは、草創期のプロ野球を描いたノンフィクション『洲崎球場のポール際』著者・森田創さんのインタビュー中編をお届けします。戦前のプロ野球は、当時の東京都民にどのように受容されていたのか。洲崎球場と東京下町をホームとしたプロ球団の可能性や、当時人気絶頂だった大学野球と黎明期のプロ野球の関係について語ってもらいました。
    ▼プロフィール
    森田創(もりた・そう)
    1974年5月21日、神奈川県出身。1999年、東京大学教養学部卒業。同年、東急電鉄入社。現在、広報部勤務。2014年10月、初めての著書『洲崎球場のポール際』(講談社)を発刊し、翌年のミズノスポーツライター賞最優秀賞を受賞。2016年7月、戦前のテレビ開発を追ったノンフィクション『紀元2600年のテレビドラマ』(講談社)を刊行。

    森田創『洲崎球場のポール際 プロ野球の「聖地」に輝いた一瞬の光』講談社、2014年
    ◎聞き手/構成:中野慧
    インタビュー前編はこちら。
    ■新聞社・鉄道会社と絡み合いながら発展した戦前プロ野球
    ――野球というスポーツの発展は、マスメディア、特に読売グループとの関係を抜きにしては語れないと思います。戦前から東京の下町地域で読売新聞がシェアを伸ばしていったということでしたが、そこには様々な背景があったわけですよね。
    森田 昭和10年代は東京の東側に市街地が拡大し新住民がたくさん移り住んできたわけですが、その地域を走っていたのが京成電鉄です。読売新聞社主の正力松太郎は、京成電鉄の社長だった後藤圀彦(ごとう くにひこ)と大親友だったんです。正力はこの沿線に着目して「谷津遊園」という遊園地や、谷津球場という巨人軍の練習場を京成と作ったんです。この谷津遊園は、今は「谷津バラ園」となっています。ちなみに浦安にディズニーランドができたのも、正力と京成電鉄の関係によるところが大きかったんです。

    ▲読売新聞社主(当時)の正力松太郎。プロ野球だけでなく、戦後のテレビ放送や原子力発電の普及において大きな役割を果たした。(画像出典)
     前回お話ししたように読売は、山の手のインテリの住む地域では朝日や日日新聞に勝つことができなかった。だから下町に目を付けたんです。しかも紙面も、小難しいことは言わずに誰でもわかるようなものにしたわけですが、なかでも興味深いのは日本の新聞で初めて「都内版」を作ったことです。その第1号が「江東区版」でした。何をやったかというと、冠婚葬祭のニュースや人探しとか、とにかく住民の名前を載せたんです。そうすると「ご近所の◯◯さんが新聞に出てる」ということで、住民の人たちも人情で買いたくなる。この企画のコンセプトは、「政治とか経済とかそういう小難しいことはいいから、『自分ごと』として新聞を読んで貰えるようにしよう」ということだったわけです。
     本紙のほうでも「エロ・グロ・ナンセンス」という言葉を作って、そのテーマに絞って記事を作っていった。そういった取り組みが下町の庶民の心を捉えたんですね。
     発足当初のプロ野球って、そういった都市の発達・新住民の流入と密接に関係するビジネスだったんです。昭和11年のプロ野球発足時は、巨人、大阪タイガース(現・阪神タイガース)、阪急(現・オリックス・バファローズ)、名古屋軍(現在の中日ドラゴンズ)、名古屋金鯱軍、東京セネタース(西武を経営母体としていたが現在の埼玉西武ライオンズと直接の関係はない)、そして洲崎球場を本拠とした大東京軍(現在の横浜DeNAベイスターズの前身のひとつ)の7球団でスタートしたものなんですね。このうち巨人、名古屋軍、名古屋金鯱軍、大東京軍の4球団は新聞社を母体としていて、残りの3球団は鉄道会社を母体としていた。当時のプロ野球は本業だけで回収できるビジネスモデルではなく、鉄道会社は観客輸送による運賃増、新聞社なら新規読者の開拓による購読料収入増を織り込まないと、なかなか成り立たないものだったんです。

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    川田十夢(かわだ・とむ)
    1976年 熊本県生まれ。1999年 メーカー系列会社に就職、面接時に書いた『未来の履歴書』の通り、同社Web周辺の全デザインとサーバ設計、全世界で機能する部品発注システム、ミシンとネットをつなぐ特許技術発案など、ひと通り実現。2009年 独立。2010年『AR三兄弟の企画書』出版。2013年 情熱大陸出演。編集者 佐渡島庸平と発明マネジメント会社トルク設立。2015年 作・演出・開発をつとめた舞台『パターン』をフジテレビで番組化、NHK『課外授業 ようこそ先輩』に出演するなど、公私ともに活躍の舞台を拡張している。

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  • 京都精華大学〈サブカルチャー論〉講義録 第9回 宇宙世紀と大人になれないニュータイプたち【毎週金曜配信】 ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 vol.706 ☆

    2016-10-07 07:00  
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    京都精華大学〈サブカルチャー論〉講義録第9回 宇宙世紀と大人になれないニュータイプたち【毎週金曜配信】
    ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 ☆
    2016.10.7 vol.706
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    今朝のメルマガは「京都精華大学〈サブカルチャー論〉講義録」をお届けします。今回のテーマは1980年代の富野由悠季です。『Zガンダム』『逆襲のシャア』を通して明らかになった「成長物語としてのロボットアニメの限界」について論じます(この原稿は、京都精華大学 ポピュラーカルチャー学部 2016年5月13日の講義を再構成したものです)。
    毎週金曜配信中! 「宇野常寛の対話と講義録」配信記事一覧はこちらのリンクから。

    前回:京都精華大学〈サブカルチャー論〉講義録 第8回 富野由悠季とリアルロボットアニメの時代(後編)(毎週金曜配信「宇野常寛の対話と講義録」)

    ■「キレる若者」カミーユが迎えた衝撃の結末――『機動戦士Zガンダム』
     『ガンダム』に端を発した第二次アニメブームは1980年前半で沈静化し、ブームを盛り上げたアニメ雑誌の文化も衰退してしまいます。理由は色々ありますが、まずひとつはヒット作があまり続かなかったこと。そしてもうひとつ大きかったのは、少年たちの支持がジャンプを中心とした大手マンガ雑誌の人気作品のアニメ版へと移っていったことが挙げられます。そうなるとアニメ雑誌も人気作を中心にした特集が組みにくくなり、1985、6年頃にはどんどん潰れてしまったわけです。
     そういった状況だったので、アニメファンの間では再びブームの中核になる作品の登場が待ち望まれていました。要するに「『ガンダム』の続編を作ってくれ」という声がアニメ業界やファンのあいだで大きくなっていたんです。そうした声を受けて制作されたのが、初代『ガンダム』の直接の続編である『機動戦士Zガンダム』(1985年放送開始)でした。
     『Zガンダム』の舞台は、『ガンダム』の一年戦争から7年後の世界です。初代『ガンダム』放映後に流れた現実世界の年月とだいたい同じ年数が経っているという設定です。前作の主人公であるアムロやそのライバルのシャアも登場し、みな年をとっています。これは当時としてはすごく斬新でした。前の戦争で「ニュータイプ」というある種の超能力者として覚醒し、地球連邦軍のエースパイロットに成長したアムロは、その能力を政府から危険視されて閑職に回され、屈折した人間になってしまっているんです。前作で成長したはずの主人公がいじけた大人になってしまっているというのはなかなか衝撃的ですよね。富野由悠季は「実際に宇宙世紀に生きていたら登場人物はこうなっているはずだ」というシミュレーションをここでも徹底しています。
     『Zガンダム』では新しく設定された主人公、カミーユ・ビダンという高校生の少年が、前作のアムロと同様に戦争に巻き込まれ、成り行きでガンダムに搭乗して戦っていきます。どういうストーリーなのか、第1話の映像を観ていきましょう。

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  • 落合陽一「デジタルネイチャーと幸福な全体主義」 第3回 デジタルネイチャー以後のサイバネティクス(前編)【毎月第1木曜配信】 ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 vol.705 ☆

    2016-10-06 18:00  
    550pt
    ※本記事では一部に文字化けが発生していたため、表記を正しく修正した記事を再配信いたします。ご購読者の皆様には心よりお詫び申し上げます。今後、同様のことがないよう、編集部一同再発防止に務めてまいります。【10月6日18:00訂正】

    落合陽一「デジタルネイチャーと幸福な全体主義」 第3回 デジタルネイチャー以後のサイバネティックス(前編)【毎月第1木曜配信】
    ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 ☆
    2016.10.6 vol.705
    http://wakusei2nd.com


    今朝は落合陽一さんの『デジタルネイチャーと幸福な全体主義』の第3回の前編をお届けします。今回は、60年代にノーバート・ウィーナーが提唱した「サイバネティクス」の思想を、現代のテクノロジー環境に合わせながらアップデート。当時の研究者が予期できなかったインターネットによる大変革を踏まえながら、物質-実質・人間-機械の中間に生成される「新しい選択肢」=オルタナティヴについて論じます。

    【発売中!】落合陽一著『魔法の世紀』(PLANETS)
    ☆「映像の世紀」から「魔法の世紀」へ。研究者にしてメディアアーティストの落合さんが、この世界の変化の本質を、テクノロジーとアートの両面から語ります。
    (紙)/(電子)
    取り扱い書店リストはこちらから。
    ▼プロフィール
    落合陽一(おちあい・よういち)
    1987年東京生まれ。東京大学大学院学際情報学府博士課程を飛び級で修了し、2015年より筑波大学に着任。コンピュータとアナログなテクノロジーを組み合わせ、新しい作品を次々と生み出し「現代の魔法使い」と称される。研究室ではデジタルとアナログ、リアルとバーチャルの区別を越えた新たな人間と計算機の関係性である「デジタルネイチャー」を目指し研究に従事している。
    音響浮揚の計算機制御によるグラフィクス形成技術「ピクシーダスト」が経済産業省「Innovative Technologies賞」受賞,その他国内外で受賞多数。
    ◎構成:長谷川リョー
    『デジタルネイチャーと幸福な全体主義』これまでの連載はこちらのリンクから。

    前回:落合陽一『デジタルネイチャーと幸福な全体主義』第2回 デジタルネイチャー時代の『人間機械論』(後編)

    ▼ニコ生放送時の動画はこちらから!
    http://www.nicovideo.jp/watch/1469095770
    放送日:2016年7月18日
    ■サイバネティクスが予期できなかったもの
    第3回目のテーマは「デジタルネイチャーとサイバネティクス」です。前回まではノーバート・ウィーナーの『人間機械論』 を現代に読み替えながら、人間と機械の関係について論じてきましたが、デジタルネイチャーについての質問が多かったので、改めてこの概念の説明から始めましょう。
    僕は1991年から20XX年までを、「ユビキタスコンピューティングの時代」と考えています。生活の中に多くのコンピュータが偏在(ユビキタス)するようになり、それらが背後でインターネットに接続されることで、人々は機械の存在を意識することなくIT技術の恩恵を受けられるようになる。近年、IoT(Internet of Things)と呼ばれ注目を集めている技術ですが、今後はユビキタスコンピューティングの「コンピューティング(comuputing)」の部分、つまり「どのように計算機を使っていくのか」という発想自体が、もっと違う世界観に移行していくのではないでしょうか。
    これまで機械をはじめとする人工物は、自然(ネイチャー)とは全く異なった存在とみなされてきました。ところが、コンピュータが世界の全てを認識するようになると、人工と自然のさらにひとつ上位のレイヤーとして、自然・人間・コンピュータ・データを一元的に包括するような生態系を生み出します。それを僕は前著『魔法の世紀』の中で「デジタルネイチャー」と呼びました。
    実は、デジタルネイチャーの前には、「コンピュテーショナル・スーパー・ネイチャー(computational super nature)」という呼称を考えていました。直訳すると「計算機による超自然」ですね。より詳しくいえば、「〈自然〉をより上位から俯瞰する計算機によって生み出された〈超自然〉」という意味です。現在は 「コンピュテーショナル」≒「デジタル」という使い方をされることが多いので、「コンピュテーショナル・スーパー」を「デジタル」という表現に集約しましたが、将来的には「デジタル」という言葉も消失し、「ネイチャー」という表現にすべてが回収されていくのではないかと考えています。
    それでは前回の続きから始めていきましょう。まずはノーバート・ウィーナーの『人間機械論』のおさらいです。彼が提唱したのは、人間社会におけるあらゆる対象の行動は、「通信」と「制御系」に分けて捉えられるということです。たとえば、人間の腕は神経電位によって脳と繋がっていて、その伝達系統によるビジュアルフィードバックの制御でモノを掴むことを可能にしています。人間や機械に限らず、世の中のあらゆるものが、こうした通信と制御系のモデルで捉えられるのではないか、ということをウィーナーは1960年代に発表し、サイバネティクスという一大分野を築きました。
    しかし、サイバネティクスの時代には、インターネットはまだ存在しておらず、それがウィーナーの発想の大きな制約となっていました。

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  • 猪子寿之の〈人類を前に進めたい〉 第13回「ロジックがわからなくても“居心地の良い世界”をつくりたい!」【毎月第1水曜配信】 ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 vol.704 ☆

    2016-10-05 07:00  
    550pt
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    猪子寿之の〈人類を前に進めたい〉 第13回「ロジックがわからなくても“居心地の良い世界”をつくりたい!」【毎月第1水曜配信】
    ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 ☆
    2016.10.5 vol.704
    http://wakusei2nd.com


    今朝のメルマガは、チームラボ代表・猪子寿之さんによる連載『猪子寿之の〈人類を前に進めたい〉』の第13回です。今回は、「パリが居心地よかった!」という猪子さんが、現地で発表した新作について解説します。“動的であることを前提とした空間のありよう”を模索したその作品が、「世界に関与している実感」を得やすくなった理由とは。そして森美術館の新作『カラス』や下鴨神社の『呼応する木々』などの作品と比較する中でみえた、“世界に対しての感度”が鑑賞者に与える影響とは――?
    ▼プロフィール
    猪子寿之(いのこ・としゆき)

    1977年生まれ。2001年東京大学計数工学科卒業時にチームラボ設立。チームラボは、様々な分野のスペシャリストから構成されているウルトラテクノロジスト集団。アート、サイエンス、テクノロジー、クリエイティビティの境界を越えて、集団的創造をコンセプトに活動している。
    47万人が訪れた「チームラボ 踊る!アート展と、学ぶ!未来の遊園地」などアート展を国内外で開催。他、「ミラノ万博2015」の日本館、ロンドン「Saatchi Gallery」、パリ「Maison & Objet」、5時間待ち以上となった「DMM.プラネッツ Art by teamLab」など。2月からシリコンバレー、イスタンブールでの個展を開催中。また3月からシンガポール、8月から韓国で巨大な常設展開催中。今後、ロンドンや北京、台湾などで開催予定。

    http://www.team-lab.net
    ◎構成:稲葉ほたて
    本メルマガで連載中の『猪子寿之の〈人類を前に進めたい〉』配信記事一覧はこちらのリンクから。

    前回:猪子寿之の〈人類を前に進めたい〉第12回「自分と〈世界〉を一体化させたい!」【毎月第1水曜配信】

    ■リオデジャネイロ・オリンピック閉会式の感想
    宇野 この間、リオデジャネイロ・オリンピックの閉会式があったけど、ぶっちゃけ猪子さんはどう思った?
    猪子 ほぼ100パーセントに近い民意を得られてて、すごいと思った。
    宇野 俺はね、まずは「最適解、つまりベストのものが出てきたな」と素直に思った。だって本来だったら、もっと事故ってもおかしくない状況だったわけじゃない。
    猪子 そうだね。
    宇野 ただ、その一方で、あのクロージングの出来のよさって、今の日本の限界がすごく低い地点にあることを露呈させてもいるんだよね。
    だって、あそこで使われた「ドラえもん」「キャプテン翼」「ハローキティ」「マリオ」って、主に80〜90年代のノスタルジーでしかないわけでしょ。まあ、南米で人気のあるネタを選んだのだろうけど、つまり同時にアレは、バブル前後の一番良かった頃の日本の魅力を最大公約数的に見せるということが、今の日本の精一杯だったとも言える。
    もちろん、あのスタッフたちは100パーセントの力を出し切ったと思うんだけど、それでも「あれがベストだった」というのは、今の日本が未来のビジョンを描けないことを逆説的に証明してしまっていると思う。
    猪子 ザハの新国立競技場案(以下、ザハ案)をみんなでつぶして、世界ではなくて、民主主義的に日本の全員が喜ぶものが正解になる。ソフトバンクのCMの犬とか、ああいうものがみんな好きだよね。
    宇野 だからさ、ここは猪子さんが「俺は未来をもっと見せたい」って言うべきなんじゃないの(笑)?
    だって、あの完成度って、未来を見せることを最初から諦めることで、初めて成り立ってるわけじゃない。でも、「すでに好きなものを確かめる」ということの先に進まないと、未来はない。俺としては、猪子さんと一緒にオリンピックの本も作ったわけで、オリンピックは猪子寿之に関わって欲しい。
    【参考】

    ▲『PLANETS vol.9 オルタナティブ・オリンピック・プロジェクト』では、猪子寿之&チームラボPresents「参加型オリンピック計画」と題して、開会式や競技中継など、様々な提案を行っている。

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  • 大見崇晴『イメージの世界へ 村上春樹と三島由紀夫』第7回 三島の終焉 その美的追求によるパフォーマンス原理(前編)【不定期連載】 ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 vol.703 ☆

    2016-10-04 07:00  
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    大見崇晴『イメージの世界へ 村上春樹と三島由紀夫』第7回 三島の終焉 その美的追求によるパフォーマンス原理(前編)【不定期連載】
    ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 ☆
    2016.10.4 vol.703
    http://wakusei2nd.com



    今朝のメルマガでは大見崇晴さんの連載『イメージの世界へ 村上春樹と三島由紀夫』第6回をお届けします。
    多彩な分野で才能を発揮しながら、実は長編作家としての評価は必ずしも高くない三島由紀夫。そこには〈人物〉よりも〈風景〉に他者性を認める特殊な資質があり、その限界を乗り越えようと晩年の彼が挑んだのは、自らの生の神話化と、日本的な官能美の追求でした。

    ▼プロフィール
    大見崇晴(おおみ・たかはる)
    1978年生まれ。國學院大学文学部卒(日本文学専攻)。サラリーマンとして働くかたわら日曜ジャーナリスト/文藝評論家として活動、カルチャー総合誌「PLANETS」の創刊にも参加。戦後文学史の再検討とテレビメディアの変容を追っている。著書に『「テレビリアリティ」の時代』(大和書房、2013年)がある。
    本メルマガで連載中の『イメージの世界へ』配信記事一覧はこちらのリンクから。

    前回:大見崇晴『イメージの世界へ 村上春樹と三島由紀夫』補論 記号と階級意識(後編)【不定期連載】

     「劇作家としては一流、批評家としては二流、作家としては三流」。
     これが純文学プロパーの間で紋切り型の符牒がごとく伝わっている三島由紀夫に対する評言である。後輩世代の作家、特に「若い日本の会」のメンバーたちに共有された三島評価であった。ある意味で後発世代なりに三島を追い落としに掛かった表現と言えるのだろう。
     たとえば、「三島由紀夫と天皇」について語らないできたと『物語から遠く離れて』の小冊子に収録されたインタビューで答える批評家(にして三島賞作家!)・蓮實重彦は、ほぼ同年代ではあるが四歳ほど年長の批評家・江藤淳に「まァ三島由紀夫の小説は、江藤さんの初期批評以来あまり買っていらっしゃらないということはわかるんですけれども、(笑)でも彼の出現なんていうのは、戦前的なものの残照的でしょうかね」と話に水を向ける。

    ……結局、三島さんは、戯曲家としてもっとも優れ、短編作家としてとしてこれに次、長篇作家としては非常に辛い道を歩んだでのはないか。ところが人間というのはむずかしいもので、あの人はやはり、本格的な小説家として自分を登録してもらいたかったから、最期に無理をして四部作を……。あれはちょっと悲惨だったなァと思いますよ。(中略)要するに、短編を無限にに引きのばすというかたちでしか長編小説を書けないという感受性はどうしようもないですね。
    (江藤淳・蓮實重彦『オールドファッション』)

     江藤淳の述懐は、自身が三島由紀夫の欠点を真正面から指摘した評論「三島由紀夫の家」に対して、その誠実さを讃えた三島からの返礼があったことを思い出しながらのものだ。
     かように好意的な記憶とともに引き出されながらも、なお否定的に評価される三島の(長篇)小説は、如何なる欠点を持っていたのか。結論を先取すると、三島由紀夫という作家は小説というジャンルに対して、決定的な見当違いをしているのだ。特に小説中のリアリズムについて大きな見当違いをしている。
     さらに先取して述べるなら、三島由紀夫という作家はリアリズムについて決定的な見当違いをしたために、「本格的な小説家」に登録することは叶わなかったし、鬼面人を驚かす右翼的作家への変貌を見せるのである。しかし、三島由紀夫の素顔は――仮面は愛国的な作家というところだろうが――それどころか三島由紀夫の死には、国体の護持との関連は殆ど無い。天皇にすら実際のところ関心はない。垣間見えるのは同性愛への関心とそれに密接に関連している美に関する傾向だ。
     さて、ひとまずはリアリズムにおける三島の見当違いを明らかにすべきであろう。この見当違いについては、またしても彼自身が手の内を明かしている(!)。われわれは三島由紀夫のアリバイとも言える随筆「わが創作作法」にあたるべきだろう。この随筆の中で三島は四つの方法が重要だと述べている。「主題の発見」、「環境を研究すること」、「構成を立てること」、そして、最期に必要なこととして、評論よりも堅苦しくない随筆にふさわしく「書きはじめること」の重要さを読者に説く。いかにも随筆らしい落ちと言えるだろう。ところで、三島は随筆中で「本格的な小説家」にはふさわしくない記述を幾つか犯している。特に、第二の方法である「環境を研究すること」には三島という作家の才能を制限する習慣が存在していたことを無意識的に明かしている。おそらくは、そこに多くの読者も何かしらの言いようのない、誤りが認められることだろう。三島という作家の限界が露呈するのは例えば下記のような文章である。

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