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イスラエルのダウンロード・バレーとモロッコのデルブガレフ・バレー 地中海インフォーマル経済とイノベーション|佐藤翔
2021-04-15 07:00
国際コンサルタントの佐藤翔さんによる連載「インフォーマルマーケットから見る世界──七つの海をこえる非正規市場たち」。新興国や周縁国に暮らす人々の経済活動を支える場である非正規市場(インフォーマルマーケット)の実態を地域ごとにリポートしながら、グローバル資本主義のもうひとつの姿を浮き彫りにしていきます。今回は、有史以来さまざまな文化圏が交錯してきた地中海の東側・イスラエルのITスタートアップたちが跳梁するオンラインの非合法市場「ダウンロード・バレー」と、西側・モロッコ最大のインフォーマルマーケット「デルブガレフ」を紹介します。片やハイテク中のハイテクでグローバルビジネスを展開、片やローテクの掘っ立て小屋で北アフリカのIT産業の裾野を広げている二つの「バレー」の実態に迫ります。
佐藤翔 インフォーマルマーケットから見る世界──七つの海をこえる非正規市場たち第4回 イスラエルのダウンロード・バレーとモロッコのデルブガレフ・バレー 地中海インフォーマル経済とイノベーション|佐藤翔
地中海におけるヒト・モノ・カネの移動
ヨーロッパ大陸とアジア・アフリカ大陸に挟まれた地中海。前近代にはバルバリア海賊が幅を利かせていたこともある海です。16世紀には当時の「後進国」イギリス商人が、スペインやイタリアのような当時の「先進国」の商品と偽るために偽物の焼き印(ブランド)などを使って、自国の低品質な商品をマーケットに流す「海賊版ビジネス」を行っていました。現代では国ごとの役回りが変わりこそすれども、地中海がインフォーマルな経済の舞台となっていることに変わりはありません。
現代においては、北岸のヨーロッパ大陸と南岸・東岸のアジア・アフリカ大陸との間に大きな経済格差があります。そのため、ボートや粗末な船を用いてアフリカや中近東からヨーロッパへ密航しようとする人々が後を絶たない状況になっています。このことは、シリアやリビアの政情不安に伴う難民増加により、世界的にもよく知られるようになりました。 一方、ヨーロッパで売られている最新の商品は、アフリカや中近東で暮らす人々にとって魅力的なものであり、北から南に多くの商品が正規・非正規を問わず、人知れず様々な形で流入しています。ヒトは南から北に、モノは北から南に、というのが現代地中海のインフォーマルビジネスの大まかな構造と言えるように思います。
もっとも、これはあくまで単純な図式化に過ぎません。実際には、アフリカにおいてもショッピングモールに代表されるようなフォーマルマーケットが一定の機能を果たしているように、西ヨーロッパの「先進国」にもインフォーマルマーケットはあります。西ヨーロッパでも色々な地域、とりわけ国境沿いなどにおいては、インフォーマルマーケットは現代でも見えにくい形で存在するのです。 フランス・パリ北東部にはサントゥーアンやモントルイユという著名な蚤市があります。この蚤市は許可証をもらってビジネスをしているフリーマーケットが中心部にある一方で、その周辺には許可証を持たずに警察の目などを避けて流動的に商売をしている、よりインフォーマルな商人もおり、フランスでは“biffins(日本語で言えば「くず屋」)”と呼ばれています。彼らは独自の組合を作り、社会的認知の向上のために色々な活動をしているようです。
▲パリのインフォーマルマーケット商人連盟、Ameliorの公式ページに掲載されている写真。(出典)
また、スペインのカタルーニャ州ジローナ県のフランスとの国境沿いにあるEls Limitsという村は、アメリカ通商代表部の悪質市場リスト2019年版まで掲載されていました。スペイン政府当局の努力ゆえか、はたまたコロナにより国境沿いの街から客足が遠のいただけか、2020年版ではリストから削除されました。 他にも、イタリア南部のシチリア島東岸では、アラブ起源の隊商文化が馬などから車に形を変えて残っており、スーパーなど近代小売が発達している現代においても、地元の主婦の日用品購入に欠かせない存在になっているとされています。これらの例が示すように、現代において、西ヨーロッパのような「先進国」においてさえも、インフォーマルマーケットの存在を消し去ることができないのは興味深い事実です。
ただそうは言っても、21世紀において、インフォーマルマーケットがより生々しく、より人々の生活に即した形で力強く存在するのは地中海のヨーロッパ側よりもアジア・アフリカ側です。チュニジアのブマンディル・マーケット、レバノンのミンゲイ・マーケット、トルコのシリア国境近く、ガジアンテップにあるイラニアン・バザールなどなど、多種多様なインフォーマルマーケットが花咲いています。その中でも強烈な存在感を誇るのがモロッコのデルブガレフです。
また、オンラインのインフォーマルマーケットという点で見ると、イスラエルの起業家たちの「活躍」が目につきます。そこで今回は地中海に数あるインフォーマルマーケットの中でも、東側、イスラエルにおけるオンラインのインフォーマルマーケットと、地中海の西側、モロッコにおけるオフラインのインフォーマルマーケットを順番に見ていきたいと思います。
イスラエル軍OBがアラブ人スタートアップを支援?
イスラエルのIT産業には近年世界的な注目が集まっています。イスラエルのIT産業隆盛の一因として、イスラエルの徴兵制度と、それによって築かれた人脈の存在がしばしば挙げられます。軍隊時代の先輩が後輩を自分の作ったスタートアップに芋づる式に採用し、軍人時代に培ったチームワークを元に企業を成長させていった、というわけです。特に元8200部隊やタルピオットなど、エリート部隊のネットワークはイスラエルIT産業のインナーサークルの中で重要な役割を果たしていると言われています。
最近では、こうした起業家ネットワークを生かして、ユダヤ人だけではなくイスラエルのマイノリティであるアラブ系にもIT起業を広げる試みがなされています。例えば、イスラエルに住むアラブ人の起業したカジュアルゲームの会社で、Obscure Gamesという会社があります。彼らが作っているのは、最近イスラエルでも多く出てきたハイパーカジュアルゲーム、つまりデジタル広告のネットワーク(アドテク)を前提にしたきわめてシンプルなゲーム内容のゲームです。
▲Obscure gamesの公式サイトより。(出典)
この会社はHybridというイスラエルのアクセラレーター(インキュベーションプログラムの一種)によって支援を受けていますが、このHybridはウェブページにはっきりと書かれている通り、イスラエル軍の著名な諜報機関である、8200部隊所属経験者がアラブ系スタートアップの育成を目的として創設したものです。イスラエルでは労働を拒否するユダヤ教超正統派とともに、アラブ系(主にパレスチナ人)の就業率の低さが課題となっており、一方でイスラエルにおけるIT人材の人件費高騰の中、人材のパイを少しでも広げていくことを目的にアラブ系の起業支援にも目を向け始めているということなのでしょう。
▲アクセラレーションプログラム、Hybridのページ上に掲載されている8200部隊所属経験者同窓会のマーク。(出典)
ただ、イスラエルという国の性格上、軍事活動や諜報活動の重要性が強いとはいえ、軍隊の仕組みや諜報活動だけがイスラエルのスタートアップ隆盛の原因ではありません。軍事・諜報活動だけがスタートアップ隆盛の主因であるならば、先軍政治を掲げる北朝鮮がIT先進国であっても良さそうなものです。昔はアルファ碁が出てくるまで世界最強だった囲碁AIソフト、最近では仮想通貨取引所のハッキング、ゲーム業界で言えば欧州ゲームタイトルの外注など、興味深い活動がまったくないとは言いませんが、北朝鮮が全体で見てIT産業で進んでいる国とはちょっと言えませんよね。
一国における産業の発達には、様々な要因が絡んでいます。産業が成長する中では、フォーマルな部分とインフォーマルな部分の境目を突っ切るかたちで成長を目指そうとする企業が多数出てきますが、イスラエルのIT産業はそうした意味でも興味深い要素を持っています。本稿では、インフォーマルビジネスの観点から、イスラエルのIT産業の発達の要因を考えたいと思います。
シリコン・ワディとダウンロード・バレー
イスラエルのIT産業が1990年代に急速に発展していく重要な要因となったのが、冷戦終了にともなう東側諸国からの移民増加です。ソ連崩壊に伴い、旧ソ連圏からロシア系ユダヤ人が100万人近くイスラエルに移住してきました。ユダヤ系でありさえすれば、アメリカのような国よりも移住が容易だったからです。新しい移民のため、イスラエル政府は失業対策を進めざるを得なくなりました。その結果として、当時世界的な市場規模が拡大しつつあったIT産業の起業振興が急速に推し進められたのです。1993年には、官民出資のベンチャーキャピタル、ヨズマが創設され、イスラエルのスタートアップへの出資体制が整えられました。ロシア系ユダヤ人の多くはソ連で優れた工学教育を受けており、3人に1人が科学者、エンジニアもしくは技術職に就いていましたが、こうした政策は彼らの持っている知識や技能によくマッチしました。
イスラエルのビジネスの特徴は産業面・市場面双方における国際性の高さです。イスラエルの人口は少ないため、グローバル市場を念頭においたITサービスが発展していきました。企業が成長すると、投資家が集中するアメリカに本社を移し、イスラエルにはR&Dセンターだけを置く、という会社が多く出てきました。アメリカのベイエリアのIT起業と話をする際に、社長がイスラエルのテルアビブ出身、というパターンを、私もこれまでかなりの数目にしてきました。
さらに、イスラエルでエンジニアの人件費が高騰するようになると、開発をロシアやウクライナ、ベラルーシといった旧ソ連圏に外注するようになりました。この地域からの移民を多く受け入れたイスラエルの企業にとっては、人的ネットワークの深耕が容易な地域であり、また時差が少ないため一緒に仕事をしやすいのも彼らにとって利点となっています。このような起業環境において、アメリカやヨーロッパのIT企業が進出していないニッチな分野で大きな成功を収める企業が多数登場するようになり、イスラエルは中東版シリコンバレー、「シリコン・ワディ」と呼ばれるようになったのです(ワディとは中東で良く見られる枯れ川のこと)。
▲シリコン・ワディを紹介するポスター。(出典)
ゲーム業界に近いところで言えば、アイテム課金型のカジノゲームであるソーシャルカジノなどの分野で、Playtikaなどの有力企業が多く登場しています。他にもサイバーセキュリティや自動運転などの分野でアメリカなどの投資家の出資を受け、成長する企業がいくつも出てきています。
このような華々しい成果を上げる企業が続出する一方で、テルアビブのIT産業はもう一つの異名を持っていました。それは「ダウンロード・バレー」です。イスラエルでは2000年代まで、ブラウザ・ハイジャッカーやアドウェアなどのマルウェアにより、ネットユーザーを特定サイトに誘導することで、視聴数やダウンロード数を稼ぎ、大きな広告収入を得るビジネスが大きく発達したのです。その中でも有名だったのがツールバービジネスです。
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『ラブ・セカンド・サイト はじまりは初恋のおわりから』──「失ってから気づく系男子」の更新形|加藤るみ
2021-04-14 07:00
今朝のメルマガは、加藤るみさんの「映画館(シアター)の女神 3rd Stage」、第15回をお届けします。今回紹介するのは『ラブ・セカンド・サイト はじまりは初恋のおわりから』。夫婦の愛情を描いたフレンチラブコメディです。突然訪れたパラレルワールドで、夫のラファエルが妻との愛情を取り戻そうと奮闘します。「大切な人を失ってからその愛に気付く」タイプの主人公を「ぬるい男」と一刀両断するるみさんですが、本作の主人公は一味違ったようで……?
加藤るみの映画館(シアター)の女神 3rd Stage第15回 『ラブ・セカンド・サイト はじまりは初恋のおわりから』──「失ってから気づく系男子」の更新形
おはようございます。加藤るみです。
最近は、ドラマに夢中な私です。 今はやっぱり、ディズニー+の『ファルコン&ウィンターソルジャー』が面白くてたまりません! 同じくディズニー+で放送されていたマーベルドラマ『ワンダヴィジョン』のジワジワと面白くなっていく感じも好きだったんですが、あちらは4話くらいまでのシチュエーションコメディパートが、「コレ面白くなるのか?」という忍耐が必要なドラマだったんです。でも、『ファルコン&ウィンターソルジャー』の1話からエンジンフルスロットルな戦闘シーンは、"これぞMCU!"といった感じで、最高でした。 それに、ファルコンが直面する、家族問題、ヒーローの貧困、黒人差別、現代に生きるバッキーの葛藤など、それぞれが抱える問題が1話から明確に描かれていて、社会問題に斬り込んでいく姿勢もさすがです。 キャップ(キャプテンアメリカ)のいない世界を全6話でどう展開させていくのか楽しみです。 あと、MCUシリーズは時系列が重要と言えると思うんですが、本来、『ワンダヴィジョン』と『ファルコン&ウィンターソルジャー』の配信順番は逆だったんですね。 これについては、現時点では時系列に違和感なく進んでいますが、次は『ロキ』が来るということで、これからどう変わっていくのが見どころでもありますね。
それともうひとつ! オススメのドラマがあって。
スターチャンネルで放送されている、『僕らのままで/WE ARE WHO WE ARE』です。 アイデンティティの探求やジェンダー、人間関係、家族がテーマの青春ドラマで、コレを見逃すのはもったいない! と言える、傑作です。 イタリアの米軍基地が舞台で、そこで暮らすティーンエイジャーの苦悩や葛藤が丁寧に描かれていて、音楽も美術も衣装も全てがハイセンスでうっとり。 それもそのはずで、『君の名前で僕を呼んで』('17)『胸騒ぎのシチリア』('15)のルカ・グァダニーノ監督の初テレビドラマ作品で、監督自ら脚本、監督、製作総指揮を務めています。 キャストも、第二のティモシー・シャラメと言われているジャック・ディラン・グレイザーをはじめ、気鋭の新人ジョーダン・クリスティン・シモンや、マーティン・スコセッシの娘であるフランチェスカ・スコセッシなど、フレッシュな顔ぶれが勢揃い。 これは、いま要チェックなドラマです。
さて、今回紹介する作品は、『ラブ・セカンド・サイト はじまりは初恋のおわりから』('19)です。
SF小説家として成功した男が、妻と喧嘩した翌朝、突然パラレルワールドにトリップ。 富や名声、妻を失い、もはや別人になってしまった男が元の世界に戻るため奮闘する、フレンチラブコメディです。
フランスで大ヒットを記録した『あしたは最高のはじまり』('16)のユーゴ・ジェラン監督が、若くして結婚した自身の結婚生活を見直すことで生まれたラブストーリー。
フレンチラブコメに関しては、お気に入りが見つかる打率がめちゃくちゃ低い私なんですが、久々のヒット! でした。 フレンチラブコメでは、『おとなの恋の測り方』('16)に並ぶくらい好きになりました。
高校時代に出会い、一目ぼれから結婚したラファエルとオリヴィア。 人気SF作家として多忙な毎日を送るラファエルと、小さなピアノ教室を運営するオリヴィアの夫婦生活はすれ違いが続いていた。 オリヴィアと大ゲンカをした翌朝、ラファエルは見覚えのない部屋で目を覚ます。 そこは夫婦の立場が逆転した“もう一つの世界”で、ラファエルはしがない中学教師、そしてオリヴィアは人気ピアニストで、ラファエルのことを知らなかった……。
恋人ゲットのため、冴えない男がタイムトラベルを繰り返す『アバウト・タイム』('13)や、小説家が自分の書いた通りの理想の女の子と出会ってしまう『ルビー・スパークス』('12)の要素をミックスさせたようなパラレルラブコメディで、"If"の世界が大好きな私のツボに入る作品でした。
© 2018 / ZAZI FILMS – MARS CINEMA – MARS FILMS – CHAPKA FILMS - FRANCE 3 CINEMA – C8 FILMS
この物語は簡単に言うと、ラブコメでよくありがちな、"大切な人を失ってから色々気づいちゃう系男子"が奮闘する物語なんですが、 私、この手のタイプには、どうしてもイライラしてしまい、「失う前に気づけよ!」と、冷めたツッコミを入れてしまいたくなるんですね。
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アニメを愛するための「いくつもの」方法-『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』|山本寛
2021-04-13 07:00
アニメーション監督の山本寛さんによる、アニメの深奥にある「意志」を浮き彫りにする連載の第19回。今回は、旧作のブーム当時、大学のゼミ発表で取り上げるほど『エヴァ』に傾倒していたという山本さんが、満を持して『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』を語ります。自身がアニメ業界に入ってからの一連の新劇場版シリーズには、冷ややかに距離を取ってきたなか、四半世紀を経て誰も彼もが「自分が考えたエヴァンゲリオン」を語る風景を再来させた完結編を、山本さんはどう総括するのでしょうか?
山本寛 アニメを愛するためのいくつかの方法第19回 アニメを愛するための「いくつもの」方法-『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』
『新世紀エヴァンゲリオン』(1995)のTVシリーズから『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に』(1997)までの一連の『エヴァ』(以下『旧エヴァ』)ブームが巻き起こった時、僕は大学生だった。 大学では美学美術史学のゼミに入っていたのだが、この作品はゼミ仲間の中でも大きな話題となっていた。僕は夢中になって布教に励み、ゼミ発表でもテーマとして取り上げた。 そのゼミ仲間のひとり、アニメにはまるっきり疎かった女の子が、興味を持って僕に「観てみたいけど、ない?」と言ってきたので、録画していたビデオを全話分貸してあげると、しばらく経って律儀に当時の僕の下宿まで返しに来てくれた。 「面白かった」と、本当かどうか解らない感想をくれた。
その彼女がある日、ふとこう漏らした。 「『エヴァ』って、語る人は必ず作品を語っているようで、途中から自分のことを語ってるのよね」
その子は後に、確か別の大学の医学部に入り直したと記憶している。
僕はこの時の彼女の言葉を、爾来『エヴァ』を考え、語る上での大きな指標としてきた。
だから、10年の時を経て「復活」した一連の『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』(以下『新エヴァ』)に関しては、一定の距離を置くようになった。 まず大学を卒業してアニメ業界に入ったのが大きかった。制作のバックステージを見てしまったので、かつてのように素直に楽しめなくなっていたような気分だった。 それと、やはり「これ、ただの焼き直しなんじゃないの?」という疑念がどうしても強かった。 僕は『旧エヴァ』が最高の形で終わったと確信していたので、『新エヴァ』に対しては、ちょっと怪訝な目で見るしかなかったのだ。 一応『序』(2007)『破』(2009)『Q』(2012)、全部観た。しかし、満足の得られるようなものではなかった。
そして遂に今年、『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』(2021)が「完結編」として登場した。
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[特別無料公開]『あまちゃん』という2010年代ドラマのビッグバン|成馬零一
2021-04-12 07:00
今朝のメルマガは、現在先行発売中の成馬零一さんの新著『テレビドラマクロニクル 1990→2020』からのピックアップをお届けします。今回は本書の表紙を飾る女優・のんさん主演の2013年の作品『あまちゃん』をめぐる論考の一部を特別無料公開!クドカン初の朝ドラであり、社会現象を巻き起こした本作は「震災」という厳しい現実に対して、時に不謹慎だと言われかねない「笑い」を巧みに折り込み、虚構の力で打ち勝とうとした力作でした。
2013年の『あまちゃん』
連続テレビ小説(以下、朝ドラ)『あまちゃん』は、宮藤がはじめてNHKで手掛けたドラマだ。チーフ演出は井上剛、チーフ・プロデューサーは訓覇圭。後に『いだてん』を手掛けるスーパーチームの第1作である。
伝統ある朝ドラで、ドラマの王道を目指してみたい。明るく朝が迎えられる喜劇はどうか。作為的に笑わせるのではなく、自然に笑えて楽しい気持ちになれる、た -
Daily PLANETS 2021年4月第2週のハイライト
2021-04-09 07:00おはようございます、PLANETS編集部です。
さて、今朝は今週のDaily PLANETSで配信した3本の記事のハイライトと、これから配信予定の動画コンテンツの配信の概要をご紹介します。
現在先行発売中の『テレビドラマクロニクル 1990→2020』から一部を無料公開、インターネット以降の中国のオタク文化の分析、そしてお笑い芸人・高佐一慈さんのエッセイと、幅広いカルチャーにまつわる読み物を発信しました。皆さんの新生活のお供になれば幸いです。
今週のハイライト
4/5(月)[特別無料公開]初期クドカンの集大成としての『タイガー&ドラゴン』|成馬零一
現在先行発売中の成馬零一さんの新著『テレビドラマクロニクル 1990→2020』からのピックアップをお届け。今回は衝撃の最終回を迎えた『俺の家の話』が話題の宮藤官九郎・長瀬智也タッグによる2005年の作品『タイガー&ドラゴン』を特別無料公開! -
【お詫びとお知らせ】4/7(水)「Daily PLANETS」記事誤配信について
2021-04-08 12:00平素より Daily PLANETS をご覧いただき、まことにありがとうございます。 去る4月7日(水)のメールマガジンでの配信記事「日本アニメのグローカリゼーション ──アジア国際共同製作の現場から|三原龍太郎」(以下「本記事」)につきまして、PLANETS編集部の手違いにより、著者である三原龍太郎様の了承の得られていない状態の原稿を元にした内容のものが配信されてしまいました。たいへん申し訳ございませんでした。 本記事の内容及びその配信にまつわる責任はすべてPLANETS編集部に帰するものであり、著者が一切関知するものではありません。PLANETS編集部といたしましては、本記事を撤回し、後日改めて著者の了承を得た完成版の内容のものを訂正配信する予定です。
このたびは三原様ならびに読者の皆様に多大なご迷惑をおかけいたしましたこと、心よりお詫びを申し上げます。
今後、このようなことの起こらぬ -
相方がヒーローに見えた日|高佐一慈
2021-04-08 07:00
お笑いコンビ、ザ・ギースの高佐一慈さんが日常で出会うふとしたおかしみを書き留めていく連載「誰にでもできる簡単なエッセイ」。今回は、高佐さんがとあるライブ当日に犯した失敗談。パニックに陥る高佐さんを冷静な態度でフォローする相方の尾関さんについて、リスペクトとユーモアを交えながら語ります。
高佐一慈 誰にでもできる簡単なエッセイ第16回 相方がヒーローに見えた日
戦争、いじめ、不倫、犯罪……。 人は何度同じ過ちを繰り返せば気が済むのだろう。 人間誰しも間違いを犯すことはある。してしまったことは百歩譲ってしょうがない。ただその時に、もうこんなことは金輪際起こすまいと固く決意する。自分を律する。日の光を浴びることすら恐れ多いという気持ちで、重い十字架を背負って生きていくことを自分自身に課し、ひたすら猛省する。 だが、時間は犯した過ちを忘却の彼方へと葬り去る。あんなに固く決意した確固たる思いは、色褪せ、風化し、さもそんな間違いなど一度もしたことがないような状態に舞い戻ってしまう。そして同じ過ちを繰り返すのだ。 この連載の第3回目に「『ニーズが無い』という言葉の恐怖」というエッセイを書いたのが、ちょうど1年前。わずか1年という期間の中で、やってしまったのだ。
電車の網棚に、またしても荷物を置き忘れてしまいました。 大袈裟なプロローグですみません。 「またか」と思う方もおられると思いますが、今回はテイストが全然違います。鬱屈とした自分自身の自意識を吐き出すような話ではなく、僕のミスを救ってくれた相方の尾関がいかにヒーローだったかを伝える英雄譚です。
【4/22(木)まで】特別電子書籍+オンライン講義全3回つき先行販売中!ドラマ評論家・成馬零一 最新刊『テレビドラマクロニクル 1990→2020』バブルの夢に浮かれた1990年からコロナ禍に揺れる2020年まで、480ページの大ボリュームで贈る、現代テレビドラマ批評の決定版。[カバーモデル:のん]詳細はこちらから。
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国家規制下の初期インターネットで発展した中国アニメコミュニティ|古市雅子・峰岸宏行
2021-04-06 07:00
北京大学助教授の古市雅子さん、中国でゲーム・アニメ関連のコンテンツビジネスに10年以上携わる峰岸宏行さんのコンビによる連載「中国オタク文化史研究」の第6回。今回は、2000年代初頭から中盤にかけて日本アニメのテレビ放映が次第に規制されていく一方で、インターネット初期のフォーラムやエリート大学の学生サークルの行動力によって各地に点在していたコンテンツ愛好者たちが接続され、中国全域に「オタク」という存在様式が増殖していくプロセスを辿ります。
古市雅子・峰岸宏行 中国オタク文化史研究第6回 国家規制下の初期インターネットで発展した中国アニメコミュニティ
前回、インターネットの普及により、ゲームコミュニティが形成された過程について考察しましたが、同じことがアニメなど他のジャンルにも同時に起こっていました。 テレビアニメと漫画から始まった中国における日本コンテンツはその後、VCDやゲームセンターの普及、情報誌の出現により全国各地に愛好者を増やしてきましたが、「新浪」(sina)、「捜狐」(sohu)、「網易」(Netease)等の2000年代のIT企業を代表する大手ポータルサイトがニュース配信を開始し、ナスダックに上場した2000年を境に、それまで全国各地に点として存在していたコンテンツ消費者が、インターネットを通してつながり、フォーラム、そして大学サークルをおもなプラットフォームとしてコミュニティを形成し、大きな波となっていきます。
1.社会現象を起こした日本アニメ
中国では、90%以上の家庭にテレビが普及したのは2000年頃だと言われています。『鉄腕アトム』以降、数々の日本アニメが放送されてきましたが、2004年に国家ラジオ・テレビ総局(国家广播电视总局)が「我が国のアニメ産業発展に関する若干の意見」(「关于发展我国影视动画产业的若干意见」)を発表、産業保護政策の一環として、毎四半期における海外アニメと国産アニメのテレビ放送における比率を国産アニメが6割以上にしなければならないと規定し、全国の省レベル、副省レベルのテレビ局のうち1/3以上が子供チャンネルを開設することと定めました。 当時はアニメだけではなく、テレビドラマなども香港、台湾のものが多数を占めるような状況であったため、テレビ番組全体に対する危機意識が底辺にありました。中でも子供に対する日本アニメの影響力には大きな危機感を抱いていたのでしょう。この頃には、多額の広告収入を見込める看板番組も増え、地方局の運営も軌道に乗るようになっていました。子供番組、特に国産アニメの制作に本格的にテコ入れするべき時期が来たと国が判断したとも言えます。 そして2006年には全国のテレビ局で17時〜20時というゴールデンタイムにおける海外アニメの放送が禁止となり、国産アニメと海外アニメの割合が6:4から7:3に引き上げられました。2008年には放送禁止時間が17時〜21時までとなり、こうして実質的に海外のアニメはテレビから締め出されました。 2006年までには、テレビ放送されるアニメの80%が日本アニメになっていたと言われています。そのほとんどが、広州電視台や瀋陽電視台など地方のテレビ局が日本ではなく香港や台湾を経由して取得、吹き替えしたものでした。第2回で書いたとおり、地方局が買い付け、吹き替えしたものをその他の地方局が次々と放送していくかたちで全国に広まる「波状放送」や、いくつかの地方局での放送のみで終わったものなど、さまざまな作品がさまざまな経路で買い付けされ、放送されていました。省レベルのテレビ局でも30以上あるため、どのような作品がどこで放送されていたのか、まだ筆者も把握しきれていません。1980年代の『花の子ルンルン』(中題:花仙子)や『ニルスのふしぎな旅』(中題:骑鹅历险记)から始まり、『中華一番』(中題:中华小当家)、『キャプテン翼』(中題:足球小将)、『ドラゴンボール』(中題:龙珠)、『聖闘士星矢』(中題:圣斗士星矢)、『クレヨンしんちゃん』(中題:蜡笔小新)、『テニスの王子様』(中題:网球小王子)、『ポケットモンスター』(中題:口袋宝贝)、『デジタルモンスター』(中題:数码宝贝)、『赤ずきんチャチャ』(中題:小红帽恰恰)、『新世紀エヴァンゲリオン』(中題:新世纪福音战士)、『ヒカルの碁』(中題:棋魂)、『彼氏彼女の事情』(中題:青春翅翅板)など、ジャンルを問わず、今から見ると考えられないような作品が放送され、また日本アニメの情報番組も数多く存在していました。
そうした中で、社会現象を巻き起こしたとも言えるほど大きな影響を与えたのが『SLAM DUNK』(中題:灌篮高手 1993年)と『美少女戦士セーラームーン』(中題:美少女战士 1992年)です。その頃には、すでに大学受験が激化し、勉強一色の学校生活を送ることが多かった中国の子供たちとって、おしゃれな制服を着て通学し、部活動に熱中したり、放課後に友人と遊びに行ったり、という日本の理想化された学校生活は憧れになっていたと言われています。
女の子はみんな『美少女戦士セーラームーン』に夢中になりました。日本の制服への強いあこがれは、ここから始まり、AKB48、「ラブライブ!」を経て現在まで一つの流れになっています。「なぜこんなに多くの人が『セーラームーン』を好きなのか。古参がイラスト1枚で教えます」というコラムにその理由が書かれています。 それは「1.主人公がかわいい服を着て世界を救うアニメは他にないから。2.世界のトレンドの服を着ているから。3.ビキニだから。4.みんなかわいいから」。[1] また、女の子であっても、「うさぎが変身するときは、体がブラウン管の中で水晶のようにキラキラ光り、胸や足のやわらかな曲線が美少女戦士のスタイルを際立たせるのだけれど、当時はあまりにも純粋だったので、毎回そのシーンになると顔が赤くなってドキドキが止まらなくなり、もし親が来ようものなら慌ててチャンネルを変えていた」[2]とのことです。上海生まれ香港育ち、ドイツのクオーターで日本のファッション雑誌やレミオロメンのMV、蜷川実花監督の映画『ヘルター・スケルター』やハリウッド映画にも出演経験を持つモデルで女優のアンジェラ・ベイビーは、中華圏を代表するセーラームーン好きで、コスプレの写真をSNSに投稿したり、展覧会を見に東京まで足を運んだりすることで有名です。「なんで女の子はみんなセーラームーンをアイコンにするの?」[3]というスレッドが今でも立つほど、中国の女性に根強い人気を誇っています。 『SLAM DUNK』は、それまでスポーツといえば卓球とバドミントンだった中国で、バスケットボールを大流行させました。男の子は流川に憧れ、似たようなリュックを背負って学校に行き、放課後はバスケットボールをするのが「イケてる中高生」でした。 中国人として初めてアメリカのMBAで活躍した国民的スポーツ選手、姚明をはじめ、中国のバスケットボールプロリーグ(略称CBA)で活躍する選手たちも『SLAM DUNK』を見ていたと言っています。
「『トレーニング以外の時間はゲームに多く費やしてきたけれど、バスケットボールのゲームはまったくやらない。どんなにリアルでも嘘に感じてしまうから』。でも彼(注:姚明)も『SLAM DUNK』だけは見た。当時はものすごいブームとなっていて、見ないと他の人と話ができなかったのだ」「CBAで最もかっこいいと言われる楊鳴は、最初から流川が好きだったという。『小学校のときだった。もうバスケを始めていたから、(「SLAM DUNK」は)大好きだった』。楊鳴はひと目見たときから流川楓が好きだったという。『アニメでは彼が一番バスケがうまくて、一番かっこよかった。大好きだったんだ!』」「孟鋒も小学生の時に見た。まだバスケはやっていなかったという。『最初は大げさだなと思った。知ってることもあった』。例えば速攻のときは一人でディフェンスからオフェンスへ移動する。二人でパスしながら進むより絶対に早いから、とか。でも何話か見るうちにストーリーに心を動かされた。『そのうちに流川楓が大好きになった。彼のダンクはほんとにうまいんだ!』孟はその時まだダンクシュートができなかったが、『SLAM DUNK』を見てから『ダンクシュートってどんな感じかやってみたくてたまらなくなったんだ』という。それまで彼は、父親にバスケをしようと誘われても断っていたが、意外にもその後コートに足を踏み入れることとなった。孟は冗談交じりにいう。『SLAM DUNK』がなかったら、今こうしてプロリーグにいることはなかったかもしれない。」[4]
2.修正された『カードキャプターさくら』
他国のコンテンツを輸入する際、自国のルールに従って修正を加えることはよくあります。アメリカでも日本アニメの登場人物の名前をすべて白人風の英語名に書き換えたり、おにぎりをハンバーガーに描き替えたりしていました。アメリカほどではないにせよ、中国でも作品によっては修正が加えられます。 大きく修正された作品のひとつに『カードキャプターさくら』(中題:魔卡少女樱 1998年)があります。『カードキャプターさくら』は女性作家グループCLAMPによる魔法少女漫画で、アニメ化、ゲーム化や商品化とマルチプラットフォームで展開した大人気作です。中国でも高い人気がありました。
父、兄と3人で暮らす小学校4年生の木之元桜(以下、さくら)は父の書庫で不思議な本を発見し、開くと中からケルべロスという封印の獣を自称する生き物が現れます。ケルべロス、通称ケロちゃんは、「さくらの住む町に魔法使いが作ったカード(クロウカード)がばらまかれてしまった。封印が解かれると災いをもたらされるから、なんとかしなければ」という旨を告げます。かくしてさくらは、ケロちゃん、親友の大道寺知世、カードを集めにきた香港留学生の李小狼と共にクロウカードを探し、事件を解決しながらカードを集めに回る、というのがクロウカード編の内容で、クロウカードの所持者となったさくらが新たな困難に立ち向かうさくらカード編、中学に進学した後のクリアカード編が続きます。
本作は『なかよし』で連載されていた子供向けの作品ですが、どこを修正されたのでしょうか。例えばさくらと小狼(しゃおらん)の恋愛に関する箇所です。 カードを集めるライバルである二人ですが、いつしかお互い意識しあう関係になります。さくらが兄の親友である雪兎に抱いていた恋心が叶わず、小狼がいつのまにかさくらのことばかり考えていると気づく頃、二人でエレベーターに閉じ込められ、そこで空気が変わります。さくらカード編の最後で小狼がさくらに告白し返事を待つのですが、マンガでは小狼が香港に帰る際に、そしてアニメ版では小狼帰国後の劇場版第2作終盤でめでたく結ばれます。
しかし、中国テレビ放送版ではそうはなりませんでした。
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[特別無料公開]初期クドカンの集大成としての『タイガー&ドラゴン』|成馬零一
2021-04-05 07:00
今朝のメルマガは、現在先行発売中の成馬零一さんの新著『テレビドラマクロニクル 1990→2020』からのピックアップをお届けします。今回は衝撃の最終回を迎えた『俺の家の話』が話題の宮藤官九郎・長瀬智也タッグによる2005年の作品『タイガー&ドラゴン』を特別無料公開!前作『マンハッタンラブストーリー』の失敗からヒットを義務付けられた本作は、第一期クドカンドラマの集大成であると同時に、「笑い」が宮藤官九郎の思想として確立される最初のきっかけでもありました。
2005年の『タイガー&ドラゴン』
2004年に宮藤が手掛けた脚本は、映画は『ドラッグストア・ガール』、『ゼブラーマン』、『69sixty nine』の3作。舞台は大人計画ウーマンリブvol.8 『轟天vs港カヲル〜ドラゴンロック!女たちよ、俺を愛してきれいになあれ』と、第49回岸田國士戯曲賞を受賞した『鈍獣』の2本と、あいかわらず多方 -
Daily PLANETS 2021年3月第5週~4月第1週のハイライト
2021-04-02 07:00おはようございます、PLANETS編集部です。
今週は新刊の発売や久々のトークイベントなど、新年度らしく新たな取り組みを少しずつ行いました。紙媒体での新企画やリアルイベントなど、今後もさまざまな活動が目白押しですが、日々の発信もぜひ見逃さないようにしてくださいね。
さて、今朝は今週のDaily PLANETSで配信した4本の記事のハイライトと、これから配信予定の動画コンテンツの配信の概要をご紹介します。
今週のハイライト
3/29(月)[特別無料公開]『テレビドラマクロニクル 1990→2020』はじめに|成馬零一
3/29(月)のメルマガは、現在先行発売中の成馬零一さんの新著『テレビドラマクロニクル 1990→2020』の「はじめに」を特別公開しました。当初はオリンピックイヤーとして、華々しいスタートを切るはずだった2020年1月。コロナウィルスが上陸し、テレビドラマをめぐる状況も少し
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