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なぜ『赤毛のアン』はいまなおたくさんの人々を魅了するのか?

 Netflixで『アンという名の少女』を見ています。原作はあの『赤毛のアン』。いわずと知れた少女小説の永遠の名作です。  ただし、この場合の「少女小説」とは、「少女を主人公とした小説」のことであって、「少女向けの小説」というわけでは必ずしもありません。というのも、『赤毛のアン』の原作小説はあくまで大人向けに書かれたものだからです。  それが日本では「少女向けの小説」として定着したのは、あの高畑勲監督による非常に出来の良いアニメーションの影響があると思うのですが、とにかく原作は狭い意味での「少女小説」に収まるものではないのです。  それ故に本文には聖書やシェイクスピア作品の膨大な引用が含まれ、それはいまでも研究されているほどです。  しかし、もちろん、『赤毛のアン』がそのような学術的なことを一切知らなくても問題なく楽しめるきわめてすばらしい作品であることは論を俟ちません。  世界的に人気を集める『赤毛のアン』シリーズではありますが、殊に日本ではものすごく熱狂的なファンがたくさんいる状況で、いまも新訳のシリーズが出版中です。  おそらく日本でいちばん有名なカナダ人は、トルドー首相ではなく、このアン・シャーリーという名の架空の女の子なのでしょうね。  ドラマ版はきわめて斬新な解釈を散りばめつつ、一方で 

なぜ『赤毛のアン』はいまなおたくさんの人々を魅了するのか?
弱いなら弱いままで。

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海燕

1978年新潟生まれ。男性。プロライター。記事執筆のお仕事依頼はkenseimaxi@mail.goo.ne.jpまで。

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